クルミ油ウォールナッツオイル)は文字通りクルミから抽出されるオイルですが、クルミの健康や美容の効果効能が認知されるようになって、クルミ油も人気が高くなってきています。

料理に使用するのはもちろんのこと、肌に塗っても美肌効果が期待できる万能オイルです。

クルミ油(ウォールナッツオイル)はどのような種類のオイルなのか、また多く含まれる栄養成分や効果効能などについて紹介します。

クルミ油(ウォールナッツオイル)の特徴と脂肪酸の効果効能

 

クルミは英語ではウォールナッツ(walnut)と呼びますが、クルミ油(ウォールナッツオイル)クルミの仁(種)から抽出される油です。

ニオイや味は?

クルミ油のニオイはほぼ無臭です。そして口に含んでみると、かすかにクルミの風味を味わうことができ、クセが少ない食べやすいイルです。

加熱は大丈夫?

「酸化しやすく生がおすすめ」と紹介しているサイトを見かけますが、炒め物程度であれば問題ありません。揚げ物も使用できますが、容量が少ない商品が多いので、もったいないです。

ドレッシングの材料やいろいろな料理に直接かけて食べるのもおすすめです。

クルミ油の脂肪酸の種類と含有量

脂肪酸の種類含有量
リノール酸57.4%
オレイン酸19.1%
α‐リノレン酸13.1%
その他10.4%

この表の通り、オメガ6脂肪酸であるリノール酸の含有量が一番多いので、「グレープシードオイル」や「ヘンプシードオイル」などと同じオメガ6系のオイルです。

リノール酸の効能と過剰摂取の注意について

脂肪酸の半分以上を占めるリノール酸は適量であれば

  • 血圧を下げる
  • 皮膚の保湿
  • 子供の発育を促進する

などの効果が期待されている必須脂肪酸です。

ですが、日本で一番使われているサラダ油のメインの脂肪酸もリノール酸のため、多くの日本人は過剰摂取の傾向にあります。「家ではリノール酸の少ないオリーブオイルやえごま油を使っているから大丈夫!」と思っている人も多いかもしれません。

実は現代の食生活では

  • お菓子やケーキ、パン、カップ麺、冷凍食品などの加工食品
  • ファーストフード、レストランなどの油を使った料理
  • コンビニ、スーパーの唐揚げやコロッケ、ポテトフライなどの惣菜・弁当

などから知らないうちに、かなりのサラダ油を摂取しています。

※加工食品のサラダ油というのは植物油脂のこと

意識をしないで、サラダ油、つまりリノール酸をたくさん摂ってしまっている場合が多く、過剰摂取は

  • アレルギー症状が出る
  • 老化を促進
  • 免疫力を弱める

などの悪影響が出る心配があります。

もちろん健康に気をつかい、サラダ油を使用しなくて、外食や加工食品もあまり食べないという人にはリノール酸は必要な脂肪酸です。

オレイン酸の効果や効能

次に多い脂肪酸であるオレイン酸はオメガ9系のオリーブオイルにも一番多く含まれている脂肪酸です。

  • 体内の酸化や活性酵素を防ぎ脳や体の細胞を健康にする
  • 血液をサラサラにする
  • 悪玉(LDL)コレステロールを減少させる
  •  動脈硬化・心筋梗塞の予防
  • 便秘解消
  • 胃酸過多や胃潰瘍の予防

などの効果や効能が期待されている成分です。

αリノレン酸の効果や効能

脂肪酸で3番目に多いαリノレン酸オメガ3系亜麻仁油えごま油などに多く含まれている脂肪酸です。このαリノレン酸の一部は青魚などに含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に一部(10~15%)変換されます。

αリノレン酸EPA,DHAといったオメガ3脂肪酸を摂取することで期待されている効果効能は下記の通りです。※一部の効果・効能は科学的データが不十分なものもあります。

αリノレン酸などオメガ3脂肪酸の効果・効能
  • 認知症の予防
  • 記憶学習能力の向上(子供の脳の発育に効果)
  • 血流改善、血栓予防効果
  •  アレルギー抑制(花粉症、アトピー性皮膚炎など)
  • 老化予防(アンチエイジング)
  • うつの軽減
  • 中性脂肪・血中コレステロールの軽減
  •  高血圧の予防
  •  糖尿病の予防
  •  動脈硬化・不整脈の予防
  • 脳卒中の予防
  •  ガンの予防(特に乳がん、肺がん、大腸がんに有効)
  • 視力アップ
  •  脂肪肝の予防
  • ダイエット効果
  • 美容・美肌効果

とざっと挙げただけでもさまざまな美容や健康に効果や効能があることがわかりますね。

オレイン酸とα‐リノレン酸のそれぞれの効果や効能を期待するならば、

  • オレイン酸:オリーブオイルなどのオメガ9系オイル
  • α‐リノレン酸:えごま油や亜麻仁油などのオメガ3系オイル

などを選ぶようにしましょう。

ただオメガ6系のオイルの中でαリノレン酸もある程度の量を含んでいるのはくるみ油ヘンプシードオイルくらいなので貴重なオイルといえます。

また、くるみ油の脂肪酸はリノール酸(オメガ6脂肪酸)の含有量がαリノレン酸などのオメガ3脂肪酸約4倍ありますがオメガ6オメガ3の割合が4:1で摂取するのが一番身体に良いと言われています。

つまり、くるみ油は理想的な脂肪分を摂取できるオイルなのです。

またえごま油や亜麻仁油、グリーンナッツオイルなどのオメガ3系オイルやオメガ9系のオリーブオイルはクセが強いので苦手という人も多いです。そのような人にはクセの少ないくるみ油はとてもおすすめです。

くるみ油の注目の栄養成分と効果や効能

グレープシードオイル美肌効果

次に脂肪酸(脂質)以外の栄養成分を紹介します。栄養成分で注目したいのがまずはファイトケミカルです。

※ファイトケミカル”とは、植物性食品の色素や香り、アクなどの成分から発見された物質です。

抗酸化力、免疫力のアップなど、健康維持・改善に役立つと期待され、研究が進んでいます。

また、リフレッシュ効果もあります。

ポリフェノールも、ファイトケミカルの一種でこのほかカテキン、フラボノイド、カロテン類など、現在発見されているファイトケミカルは約1500種類ほどあります。

くるみ油はファイトケミカルが多く含まれていて、注目はフラボノイド系ポリフェノールの「ミリセチン」です。ミリセチン抗酸化作用が強く、糖尿などの生活習慣病の予防や抗アレルギー、シミやしわの防ぐといった老化防止などの効果が期待されています。

またくるみだけに含まれるポリフェノールのペダングラギン、テリマクラジンは肝機能を促進して、生活習慣病などの予防や美白効果も期待できます。

また同じ抗酸化作用のビタミンEも豊富です。ビタミンEにはいくつか種類があり、通常ビタミンEというとα-トコフェノールのことを指しますが、くるみ油に多く含まれているのはγ(ガンマ)‐トコフェロールです。

γ-トコフェロール抗酸化作用に加え、利尿効果もありむくみの原因の過剰なナトリウム(塩分)を排出します。

ただし、脂質や脂溶性ビタミンのビタミンEはほとんどのくるみ油に含まれていますが、ポリフェノールに関しては正しい製法で作られた商品にしか含まれていません。

ではどのようなくるみ油を選べば良いのでしょうか?

くるみ油の正しい選び方

くるみ油が栄養成分が豊富で肌にも塗っても効果があるのは、低温圧搾(コールドプレス)製法で化学処理をしていないオイルだからです。サラダ油は植物を原料としているのに脂質以外の栄養成分が含まれていなく、トランス脂肪酸が含まれています。

それは高温で化学処理をして製造しているため、熱に弱いビタミンやミネラル、ポリフェノールはビタミンEなどの脂溶性の栄養成分以外はほとんど含まれていません。

他の食用油を選ぶ時も同じですが、本物の食用油を選ぶ際には低温で栄養価を損なわないように、時間をかけてじっくり抽出する低温圧搾またはコールドプレス製法の商品を選ぶようにしましょう。

低温圧搾(コールドプレス)製法の商品は必ず商品のパッケージに書いてあります。

ただ、多くの商品が低温圧搾製法ではないので、スーパーなどのお店でくるみ油を見つけるのも難しいですが、低温圧搾製法のくるみ油はほとんど置いていません。

クルミ油のおすすめ品

低温圧搾製法のクルミ油はネットで購入するのが一番手に入りやすいです。おすすめ商品の1つ目は

エミールノエルオーガニックヴァージンウォールナッツオイル」です。

販売元のエミール ノエルはフランスの会社でオイルをオーガニックの植物の種を搾って生産する初めての会社です。

そして1972年からはオーガニック オイルのみを扱う会社となりこのウォールナッツオイルも低温一番搾り(ファースト コールドプレス)製法なので料理にはもちろんのこと肌に塗っても安心の商品です。

エミール ノエル オーガニック ヴァージン ウォールナッツオイル 230g

おすすめ商品2つ目は

長白工坊 低温圧搾くるみオイル」です。

天然の鬼くるみを厳選して低温圧搾製法で作られたクルミ油です。

長白工坊 精選 無添加 低温圧搾くるみオイル140g

どちらの商品も食用油としても美容オイルとしても使用できます。

この2つの商品以外の商品は脂質以外の栄養成分はほとんど含まれていません。(ビタミンEなら含まれているかもしれません)

ぜひ体に良い油を選んでください。

クルミ油の食べ方や使い方

クルミ油はクセがないのでとても使いやすいオイルです。そのままクルミ油を直接飲むと味は無いのですが、くるみの香りがほんのりとひろがります。

また人気のえごま油や亜麻仁オイルはαリノレン酸が多く含まれていますがクセが強くで苦手な人が多いですが、くるみ油はサラダにドレッシングのようにかけても味が邪魔をしないのでとても食べやすいです。

そして食べるだけでなく、肌に塗ると美肌効果もあります。風呂上がりに顔や気になる箇所(肌や頭皮)に2,3滴を手で伸ばしてから塗るとサラリと吸収されて保湿効果抜群です。(この場合の油も肌に塗る専用のくるみ油低温圧搾製法のくるみ油を使用しましょう。)

ぜひためしてみてくださいね。

まとめ

クルミ油(ウォールナッツオイル)はオメガ6系のオイルですが、珍しくオメガ3系のαリノレン酸も含まれています。料理は炒め物程度でしたら加熱しても良く、肌にも効果がある成分がたくさん含まれています。

ただ商品を選ぶ際には低温圧搾(またはコールドプレス)製法と記載されているクルミ油は脂質以外の栄養成分も含まれているのでおすすめです。

サラダ油のように栄養成分がなくトランス脂肪酸がある油を使用している方には今すぐに替えてもらいたいのはもちろんのことオリーブオイルやえごま油など味やニオイが苦手という方にはクセのないくるみ油(ウォールナッツ)はおすすめです。

ぜひ健康や美容のために今サラダ油を使っているならば見直してくださいね。