最近は健康油がブームとなっていますが、その火付け役といえばオメガ3オイルの「えごま油」です。一時は品切れになるほどで、その際に同じオメガ3の「亜麻仁(アマニ)油」も注目されるようになりました。

この同じオメガ3脂肪酸が多く含まれる「えごま油」と「亜麻仁油」には大きな違いがあるのでしょうか?それぞれの特徴やその違いについて比較してみました。

オメガ3オイルのえごま油と亜麻仁油の違いと共通点

えごま油とは?

えごま
えごま

えごま油は「ごま」という名前からごま油の一種だと思うかもしれませんが全く関係はなく、しそ科の「えごま」という植物のから抽出された油で、シソに似た葉は韓国ではキムチなどにして食べるポピュラーな食材です。

しそ科の油なので昔は「しそ油」とも言われました。

亜麻仁油とは?

亜麻仁油亜麻(アマ)という中央アジア原産の植物を原料にしています。亜麻は織物の「リネン」の原料で古代エジプトでも栽培され、エジプトのミイラは亜麻からとった繊維で作った布で巻かれています。

亜麻仁油
亜麻仁

亜麻仁の」は「」という意味なので、亜麻のという植物の種子のことを亜麻仁(アマニ)と呼び、そこから抽出したオイルが亜麻仁油です。このようにえごま油亜麻仁油は同じ科の植物ではなく、全く違う植物の種から抽出された油です。

どちらもαリノレン酸というオメガ3脂肪酸が多く含まれているためオメガ3オイルと言われています。オメガ3オイルはこの他に

  • グリーンナッツオイル(別名サチャインチオイル、インカインチオイル)
  • チアシードオイル

オメガ6オメガ9オイルと比べると非常に種類が少ないです。

味やニオイの違いは?

オメガ3オイルはどれも味やニオイにクセがあります。特にグリーンナッツオイルはニオイが草のようで、そのまま食べるのは無理という人の方が多いのではないでしょうか?

えごま油亜麻仁油グリーンナッツオイルほどではないものの多少クセがあります。また産地や製法によっても若干違いがあり、好みにもよるのでどちらの方がまずいと思うかは人それぞれです。

ただ味が苦手という場合は味の濃い料理にかけて食べたり、加熱料理に使用すれば、それほどクセが感じません。(炒め物程度でしたら加熱調理は可能です)ではえごま油と亜麻仁油に栄養価の違いはあるのでしょうか?

えごま油と亜麻仁油の栄養成分の比較

食用油の90%以上は脂肪酸でできています。

オメガ3オイルなのでαリノレン酸が一番多く含まれていますが、その量の差や他の脂質の割合に違いはあるのでしょうか?

脂肪酸(脂質)の比較

えごま油亜麻仁油
αリノレン酸
(オメガ3脂肪酸)
60%56%
リノール酸
(オメガ6脂肪酸)
14.4%18%
オレイン酸
(オメガ9脂肪酸)
14.3%15%
その他11.3%11%

※産地や収穫時期などにより数値が変わります。

このように脂肪酸に関してはほとんど差がありません。誤差の範囲と言ってよいでしょう。ではそれ以外の微量成分についてはどうでしょうか?

ポリフェノールの違い

えごま油亜麻仁油にはポリフェノールが含まれています。

ポリフェノールは何百種類、または何千種類もあると言われていますが、えごま油とアマニ油もそれぞれ違うポリフェノールが含まれています。

えごま油には

  • ロズマリン酸
  • ルテオリン

この2つのポリフェノールが含まれています。

これらの成分はローズマリーシソ科の植物に多く含まれていて、強力な抗酸化力(=老化防止)があり肌を保護するロズマリン酸が含まれている化粧品もあるほどです。

その他病気の予防に関してもさまざまな研究が進められています。一方、アマニ油にはリグナンというポリフェノールが含まれていて、こちらも多くの病気の予防が期待されています。

ただどちらも同じポリフェノールで強力な抗酸化作用があり、それらが効果や効能をもたらすので、どちらの成分が上とか下と判断するのは難しいです。αリノレン酸やポリフェノールの効果効能に関しては

えごま油の効能がスゴイ!健康だけでなく美容やダイエットに良い理由と加熱がOKって本当?

アマニ油の効果効能がスゴイ!注目栄養成分のαリノレン酸や摂取量、食べ方(加熱)・選び方

をご覧ください

このように比較すると脂肪酸の構成はほぼ変わりませんし、ポリフェノールの種類には違いがあるものの同じ抗酸化成分なのでそれほど違いはありません。

食物繊維は含まれていない

アマニ油を紹介しているサイトを見ると「食物繊維」が豊富に含まれていると書かれている文章を見かけますが、実は全く含まれていません。たしかに原料の亜麻仁には含まれているので、アマニパウダーであれば食物繊維が含まれています。

ですが、油を抽出する段階で食物繊維が無くなってしまいます。同様にえごまパウダーの状態であれば食物繊維が含まれていますが、えごま油になると含まれていません。

これは食品成分表でもえごま油アマニ油の食物繊維の箇所は「0(ゼロ)」となってます。

それはサラダ油のように高温加熱するからじゃないの?低温圧搾(コールドプレス)製法であれば問題ないのでは?」と思うかもしれません。

ですが、ニップンのアマニ油は低温圧搾製法なのにもかかわらず

ニップンのサイトでは

紀元前から欧州では健康に役立つ食品として親しまれてきました。アマニにはα-リノレン酸が豊富な油 分の他、ポリフェノールの一種であるリグナン、食物せんいが含まれ近年その栄養価が世界的な注目を集めています。
※アマニ油にリグナン、食物せんいは含まれておりません。

と紹介しています。ニップンのアマニ油は「低温圧搾法」だけでなく化学溶剤も一切使用していません。この製法でも食物繊維、そしてリグナンも含まれていないのです。

となるとどのえごま油アマニ油を購入してもαリノレン酸のしか効果が期待できないのかというとそうではありません。実はポリフェノールに関しては品質が良い商品であれば残ります。購入する際のポイントを紹介します。

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えごま油と亜麻仁油の正しい選び方

サラダ油は化学溶剤を使用して原材料を溶かし、その溶剤が加熱に弱いことから高温で処理することによって油が出来上がります。ですが、溶剤で溶かしたり加熱する過程で栄養成分が失われ、トランス脂肪酸も発生してしまいます。

そのために良質の油を選ぶのであれば溶剤を使用していなくて、低温圧搾(コールドプレス)製法の油を選ぶのが基本です。

ただし、先ほど紹介したように「ニップンの亜麻仁油は化学溶剤を使用せず、低温圧搾製法で作られてたのに、食物繊維はもちろん、ポリフェノールのリグナンも含まれていません。」他の食用油を見ても低温圧搾(コールドプレス)製法の油にはポリフェノールが含まれていると紹介されています。

では何が違うのかというと「精製されたもの」または「未精製のもの」の違いです。「精製」とは脱臭や脱酸などの工程を経てニオイやリン脂質などのガム質、色素などの不純物を取り除くことです。

この際にポリフェノールなどの栄養成分も取り除かれてしまいます。

ということは精製された油の方が栄養価が低くなるのですが、なぜ精製するのかというと長期保存しても変質や酸化しにくいからです。(つまり長持ちする)

つまりαリノレン酸ポリフェノールの効果を期待したいのならば、化学溶剤を使用していなくて低温圧搾(コールドプレス)製法というだけでなく、「未精製」のものを選ぶ必要があります。

えごま油亜麻仁油には

①化学溶剤を使用して高温で処理したもの(αリノレン酸のみ、トランス脂肪酸が含まれている可能性が高い

②溶剤を使用せず低温圧搾法(αリノレン酸のみ、トランス脂肪酸が含まれている可能性は低い)

➂未精製で溶剤不使用、低温圧搾製法(αリノレン酸やポリフェノール、ビタミンEが含まれている)

と別れています。

①の場合は安いです。

製法に関して何も書かれていないのですぐにわかります。

②はアピールポイントになるので低温圧搾製法(またはコールドプレス製法)とパッケージに書かれています。

➂未精製に関しても全部の商品を確認したわけではありませんが、これもアピールポイントなるのでパッケージに書かれているはずです。

具体的な商品は下記の関連記事をご確認ください。

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まとめ

えごま油と亜麻仁油は全く別の植物ですが、脂肪酸の構成はほぼ同じですし、ポリフェノールも種類が違うもののどちらも健康効果が期待されていて、どちらが健康に良いというほどの差はありません。

味に関してはクセが多少あるので、こればかりは人により好みが分かれるところです。どうしても味が苦手という場合は炒め物程度の加熱調理や味の濃いものにかけたり、私はアイスクリームにかけて食べることもありますがおいしいです。

商品を選ぶ際はオメガ3脂肪酸の一種であるαリノレン酸だけで良いのであれば、どの商品を選んでも良いのですがポリフェノールやビタミンEも含まれているものとなると

  • 化学溶剤を使用していない
  • 低温圧搾(コールドプレス)製法
  • 未精製

という3つの条件が必要となります。

また食物繊維に関しては含まれていると紹介しているサイトがありますが実は全く含まれていません。

  • αリノレン酸
  • ポリフェノール
  • 食物繊維

3つの成分を同時に摂取したい場合はえごまパウダー亜麻仁パウダーなど油になる前の原料のものを食べてください。

αリノレン酸が豊富に含まれている食品は少なく、逆にポリフェノールや食物繊維が豊富な食材はたくさんあるので、αリノレン酸が取れればよいという場合は、それほど品質にこだわらなくても大丈夫です。

ぜひ自分にあったオメガ3オイルを選びましょう。

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