カフェやファーストフードなど、お店でコーヒーを飲むときに、「ミルクはいかがですか?」と聞かれる「あのミルク」の正しい名前は
「コーヒーフレッシュ」(または「コーヒーミルク」)と言います。
「ミルク」と呼ばれるくらいですから、牛乳などの乳製品でできていると思うかもしれませんが、実は全くミルクが入っていません。
それどころか、体に悪い成分でできています。
今回は
- コーヒーフレッシュの成分は?
- 体に悪いと言われる理由はトランス脂肪酸?
- コーヒーフレッシュと似ているおいしい食べ物とは?
- コーヒーフレッシュの賞味期限・カロリーについて
など詳しく紹介します。
これを知るとあなたはコーヒーフレッシュを飲みたくなくなるかもしれませんよ。
コーヒーフレッシュの成分について
お店では「ミルク」と言っているし、見た目も牛乳に似ているので、まさか乳製品が全く入っていないとは思わないかもしれません。
ですが原材料名をみるとすぐにわかります。
ただお店に置いてあるミルク(コーヒーフレッシュ)の小さい容器には原材料表示がありません。
これは商品が小さいために栄養成分の表示が省略できるからです。
ですが袋入のコーヒーフレッシュには成分が表示されてます。
一番安いタイプのコーヒーフレッシュの成分は
「植物性油脂、乳化剤、増粘多糖類、カラメル色素、PH調整剤」で作られています。
成分表示は含まれている量が多い順から書くのが決まっているので、植物性油脂が一番多い成分となります。
つまり「油が一番多く含まれているのです。」
※これより高いタイプですと乳製品や砂糖が入っているものもありますが、そのような商品でも一番多いのは植物性油脂です。
コーヒーフレッシュの作り方は?
ではコーヒーフレッシュはどのようにして作られるのでしょうか?
まず水と油を混ぜます。(水は原材料表示に書かなくて良い)
ですが水と油は混ざりませんよね。
そのために乳化剤という添加物を入れて水と油を混ざりやすくするのです。
※乳化剤には「乳」という言葉がありますが、これは乳製品ではありません。
次にとろみをつけるために増粘多糖類を加えます。
これだけではクリームに見えないのでカラメル色素で黄ばみをつけます。
そして最後にPH調整剤を加えて日持ちを伸ばしてコーヒーフレッシュができあがります。
このように一番安いタイプのコーヒーフレッシュはミルクでなく、ほぼ油を飲んでいることになります。
コーヒーフレッシュが危険と言われるのはトランス脂肪酸?
コーヒーフレッシュの大半を占める「植物性油脂」ですが、植物性というと健康に良いのではと思うかもしれません。
もちろん本来「油」は健康に良いもので、人の体に欠かせない成分です。
最近ではオメガ3脂肪酸(α‐リノレン酸)のえごま油やアマニ油、オレイン酸が豊富なオリーブオイルなど健康油が注目されています。
ですが、コーヒーフレッシュにそんな貴重で高価な油を使うわけがありません。
植物油脂とはサラダ油のことです。
サラダ油の原料は大豆や菜種(ナタネ)などがありますが、コーヒーフレッシュで使用される植物油脂(サラダ油)は原料を安く抑えるために、ほぼ100%海外からの輸入品で、こちらもほぼ100%遺伝子組み換え作物です。
そしてサラダ油を作るときは大豆などの原料がから効率よく油を抽出できるように危険と言われる溶剤を使います。
(一応商品が完成した時には溶剤が残らないようになっていると言われていますが)
さらに本物の油は原料の栄養成分を損なわないように、またはトランス脂肪酸が発生しないように低温でじっくり時間をかけるのが正しい製造方法です。
ですが、それでは時間がかかりすぎて大量生産ができないため、効率が悪すぎます。
そこで高温で処理することで製造時間を短縮するのですが、そこでトランス脂肪酸が発生してしまいます。
ではトランス脂肪酸が含まれているからコーヒーフレッシュは危険なのでしょうか?
たしかにトランス脂肪酸の過剰摂取は多くの病気のもとになると言われていて、アメリカではトランス脂肪酸が含まれている食品を販売禁止にする働きがあります。
ただコーヒーフレッシュの容器は1個5mlほどの少ない量なので、トランス脂肪酸の量も微々たるもの(0.05g前後)です。
※最近はトランス脂肪酸がゼロ(0)のコーヒーフレッシュも販売されています。
この量ですと「トランス脂肪酸が含まれているからコーヒーフレッシュは危険」とは言えません。
農林水産省のホームページでは
トランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%未満とするよう勧告をしています。
日本人が一日に消費するエネルギーは平均で約1,900 kcalなので、平均的な活動量の場合には一人一日当たり約2グラム未満が目標量に相当します。
と考えると0.05g前後のトランス脂肪酸では問題ないということになります。
もしコーヒーフレッシュのトランス脂肪酸が危険となると、日本の多くの食べ物がさらに危険となってしまいます。
たとえば、マクドナルドでコーヒー(ミルク付)とフライドポテトM(135g)を買ったとします。
となるとポテトのMサイズには4.55gのトランス脂肪酸が含まれているので、コーヒーフレッシュよりもよほど危険な食べ物となってしまいます。
つまりトランス脂肪酸が体に悪いのはもちろんなのですが、コーヒーフレッシュのトランス脂肪酸はそれほど多くないということになります。
それよりもサラダ油はリノール酸という脂肪酸が多く含まれています。
リノール酸は必須脂肪酸で食べ物から摂取する必要があり、適正な摂取量であれば健康や美容に良い脂肪酸です。
ですが現在多くの加工食品やポテトや唐揚げなどの総菜、外食産業で使用する油もほとんどがサラダ油を使用しています。
そのため、現代の多くの日本人はリノール酸を過剰摂取しており、このような理由から動脈硬化や糖尿病などの生活習慣病の患者が増え続けていると言われています。
コーヒーフレッシュは内容量が少ないので、1日1個でしたら、それほど問題ないかもしれません。
ですが、コーヒー好きでかならずコーヒーフレッシュを使う人は1日2,3回と飲む傾向にあります。
そのような人が普段から健康を考えていて、あまりサラダ油を摂っていないのであれば問題ありませんが、リノール酸の過剰摂取ぎみの人が2個、3個とコーヒーフレッシュを使用するのは、あまりおすすめできません。
できれば健康のためにブラックにするか、家にいるならば本物のミルク(牛乳)を使ってください。
そしてコーヒーフレッシュ以上に気をつけてほしい食べ物があります。
コーヒーフレッシュとラクトアイスは同じ食べ物?
コーヒーフレッシュが油と添加物でできているのがわかりましたが、それと似たような食べ物があります。
それはラクトアイスです。
ラクトアイスとはアイスクリーム類の一つで
乳固形分や乳脂肪の含有量によって
- アイスクリーム
- アイスミルク
- ラクトアイス
に分けられます。
そして一番乳固形分や乳脂肪が少ないのがラクトアイスです。
代表的なアイスは
- 「スーパーカップ」
- 「爽」
などがあります。
詳しくはラクトアイスは危険で油を食べているって本当?~を参照してください。
つまりラクトアイスは乳製品がほとんど使用されていなくて、主に植物油脂でできています。
下記は「ある人気のラクトアイス バニラ味」の原材料表示です。
<原材料>砂糖、植物油脂、乳製品、果糖、卵黄、乳等を主要原料とする食品、デキストリン、食塩、香料、乳化剤、安定剤(増粘多糖類)、着色料(アナトー、カラメル)
こちらは「スジャータP」というコーヒーフレッシュで、コンビニやファーストフードで置いてあるコーヒーフレッシュとは少し違って、乳製品や砂糖も含まれています。
こちらの原材料名は
植物油脂、乳製品、砂糖、デキストリン、カゼイン、pH調整剤、乳化剤(大豆由来)
この2つを比べるとよくわかるのですが、表示の最初の3つが少し順番は違うものの、同じ原材料を使用しています。
ラクトアイスは砂糖、植物油脂、乳製品
スジャータPは植物油脂、乳製品、砂糖
この3つの成分でほとんどを占めているので、ラクトアイスも油をかなり食べていることになります。
まだコーヒーフレッシュは内容量が少ないので良いのですが、ラクトアイスは大容量タイプなど1個食べると相当の量の油を食べていることになります。
このように炒め物や揚げ物で使った油だけでなく、加工食品を食べると知らないうちに油を摂ってしまっているのです。
おすすめのコーヒーフレッシュ
ラクトアイスの場合は植物油脂を使用していなくて、乳脂肪がたっぷりのアイスクリームを食べればよいですが、コーヒーフレッシも乳成分が入っているものがあるのでいくつか紹介します。
「キークリーミー生クリーム仕立て」
この商品は北海道産の生クリームを使用しているコーヒーフレッシです。
植物性油脂ではなく、動物性のコーヒーフレッシュというのが特徴です。
味の評判も良いのでぜひ試してみてください。
キーコーヒー クリーミーポーション生クリーム仕立て 15個×4
「スジャータプレミアム」
普通のコーヒーフレッシは乳脂肪ゼロですが、この商品は45%と半分近くを乳脂肪で占めています。
また他と違って「冷蔵」で保存するタイプです。
サラダ油(植物性油脂)であれば常温で保存できますが、冷蔵ということは、それだけ乳脂肪が多いからですね。
味も評判よいので、ぜひ一度お試しください。
コーヒーフレッシュの豆知識!カロリーや賞味期限は?
コーヒーフレッシュの1個(5ml)のカロリーは商品によっても若干違いますが、12Kcal前後です。
量が少ないのでカロリーはそれほど心配する必要はありません。
ですが、牛乳の5mlのカロリーは約3.5kcalなので、それと比べるとコーヒーフレッシュのカロリーはやはり高いです。
次にコーヒーフレッシュの賞味期限ですが、原料がサラダ油なので3~4か月と長めです。
ですがお店に置いている時点で賞味期限が1か月過ぎていたりする場合があるので、購入時点で2か月くらいしかない場合があります。
ただ賞味期限はあくまでも「おいしく食べられる期間」なので、きちんと常温保存していれば1か月過ぎても大丈夫です。
ですが、そもそも常温保存って何度から何度までなのかおわかりでしょうか?
実は明確な温度というのは定められていません。
参考になるのは明治のお客様相談室です。
ここでは
厚生労働省の「常温保存可能品に関する運用上の注意」では「常温とは、外気温を超えない温度」とされています。
常温保存とは、1年間を通じての日本の温度で、直射日光の当らない、風通しの良い場所での保存をさします。
具体的な温度については「日本薬局方の記載の手引き」によると、常温:15~25℃、室温:1~30℃と規定しています。
つまり常温保存といっても、夏の暑いときに直射日光が当たる部屋は冷房を入れないと30℃を超える場合があるので、そこにコーヒーフレッシュを置いている場合は傷みが早くなります。
コーヒーフレッシュが傷んで劣化するとどうなる?
コーヒーフレッシュが劣化する場合に2つの状況が考えられます。
①フェザーリング現象
コーヒーにクリームを入れた瞬間に細かい羽毛のような形に固まる現象です。
コーヒーの品質が悪い場合にも起こることがありますが、多くはコーヒーフレッシュの劣化によるものです。
②オイルオフ現象
脂肪分と水分が分離し、油分がコーヒーの上面に浮いてくる現象です。
これはコーヒーフレッシュが劣化することでも起こりますが、冷やし過ぎても起こる場合があります。
別名「ミルク」と呼ばれるため、劣化しないように冷蔵庫に入れてしまう人もいますが、「常温保存」と書いてある商品は必ず常温で保存しましょう。
まとめ
コンビ二やファーストフードなどにお店に置いてある安いコーヒーフレッシュは乳成分が全く入っていないです。
基本は植物油脂と食品添加物が原料なので、「ミルク」を飲んでいるのではなく、「油」を飲んでいると思ってください。
健康に悪いと言われるトランス脂肪酸も確かに含まれていますが微量ですし、トランス脂肪酸が含まれているからコーヒーフレッシュは飲まないほうが良いとなると、他の多くの食べ物が食べられなくなるので、そちらを気にしたほうが良いでしょう。
ただし植物油脂はサラダ油でリノール酸という脂肪酸を過剰摂取している日本人が多いです。
摂りすぎは多くの病気の原因と言われていますので、1日にコーヒーを何倍も飲む人は乳脂肪が入ったコーヒーフレッシュを飲むようにしましょう。