先日TVでも放映されていましたが卵の新常識や効果などがいろいろと紹介されていました。どのご家庭の冷蔵庫にも必ずと言っても良い程入っている卵。
どのような栄養成分が含まれいて、その効果や効能、また食べ方や食べ合わせ、1日何個まで食べて良いのかこの機会に把握してくださいね。
卵に含まれている注目の栄養成分と効果効能
卵は栄養価が高く「完全栄養食」と言われていますが、実はビタミンCと食物繊維が少ないので「ほぼ完全栄養食」の食べ物です。卵を食べる時はビタミンCが豊富な果物や食物繊維が多い、海藻類や野菜、ナッツ(アーモンドなど)も食べると食べると良いでしょう。
卵は、たんぱく質、脂質、ミネラル、ビタミンがバランスよく含まれていて、特にたんぱく質を構成する必須アミノ酸 全9種類をバランスよく含み、すべての食品の中で質、量ともにトップクラスです。
では卵を食べてどのような効果や効能が期待できるのかを紹介します。
①脳の活性化(アルツハイマー予防や記憶力向上)
コリン
人間の身体の細胞ひとつひとつにリン脂質が含まれています。このリン脂質を構成する重要な成分が「コリン」です。コリンが体内に入ると、記憶力や学習能力に関係がある神経伝達物質の「アセチルコリン」が生成され、たくさん摂取することで学習能力が25%もアップしたという実験結果も出ています。
またアルツハイマー病はアセチルコリンが減少して起きますが、卵を食べてコリンを摂ることで減少を抑えることができます。コリンは主に卵黄に多く含まれていて、他にもレバーや大豆などにも含まれていますが、「吸収率では卵黄に含まれているコリンが良い」と言われています。
DHA
DHAは青魚に多く含まれているオメガ3脂肪酸の一種です。鶏の飼料には魚粉(いわしなど)が多く含まれているのでしっかりDHAが卵にも入っています。
DHAは脳を活性化させて、記憶力や学習能力を向上させる効果があり、神経細胞の働きをサポートするのでアルツハイマー病や認知症の改善などにも効果が期待されています。
②筋肉がつきやすくなる
卵白たんぱく質
卵白は水以外全てがたんぱく質です。卵白たんぱく質はメタボ対策としても注目されています。
1回の食事に20g以上摂っているだけで筋肉がつきやすくなるといわれています。(高齢の場合30g以上)Mサイズの卵1個で7.5gのたんぱく質が摂れます。また、脂肪燃焼作用、肝臓につく脂肪をおさえる効果もあります。
摂取する際には、卵白だけではなく「全卵」で取るとより一層の効果があります。卵黄には筋肉の合成を促す作用がある「ビタミンD」が含まれていますので、筋肉の合成反応が3割UPすると言われています。
ただし、ビタミンDは日光に当たると体内で合成されるため、日に当たることも心掛けましょう。
➂骨や髪、爪を丈夫にする
卵には骨や髪や爪を強くする成分も豊富です。
骨の強化に効果がある理由はカルシウムやマグネシウムが骨を形成するだけでなく、体内のカルシウム吸収を促して骨を増強する働きがあるビタミンDが含まれています。もちろん筋力アップ同様、日光を浴びてビタミンDを形成する必要があります。
またビタミンDは歯の発育促進にも有効です。
髪や爪に効果がある理由は
- タンパク質:髪と爪の大半を構成している欠かせない成分
- ビタミンA:薄い爪を硬く丈夫にする。細胞分裂をして頭皮の健康を保つ
- ビタミンB2:ツヤツヤな 髪、強い爪の細胞の再生の手伝いをする
- ビタミンE:血行促進⇒爪がピンク色に。頭皮の毛細血管が活発⇒髪の健康
- カルシウム:白髪予防、つやのある丈夫な爪
- ヨウ素:代謝を促して美しい髪や爪を維持する働き
- 亜鉛:髪や爪が伸びるために必要な新陳代謝を促す栄養素
このようにざっと挙げただけでも卵には髪や爪に効果がある栄養成分が含まれています。
④カゼの予防
リゾチームは主に白身に含まれる酵素で、有害なウイルスや細菌を溶かす働きがあります。また免疫力を高める作用や鼻水やたんの排出を促す働きもあり、風邪薬にも使用されている成分です。
カゼをひいたときに「卵酒を飲むと良い」と言われていますが、理にかなっていると言るのですね。
卵とコレステロールの関係。1日何個まで食べて良い?
卵を1日にいくつ食べていますか?以前「卵は1日1個」説がありましたが、それは「コレステロールが増えてしまうから」と言われていました。ですがこの通説は、事実ではありませんでした。実際にコレステロールの大半(70%)は、肝臓で作られ、残りの30%を外から(食事)から摂取しています。
そのため肝臓の状態が健康であれば、外からの摂り過ぎでは血中のコレステロールの数値は変わらないという結論が研究結果が出ました。
つまり食事で40%を摂取したら、肝臓では60%作られるというふうに調整が可能なためです。実際に厚生労働省は2015年、日本人の食事摂取基準から「コレステロールの上限値を撤廃」しました。
それまでは厚生労働省では、1日のコレステロールの摂取基準を女性600mg、男性750mgと設けていました。 卵1個のコレステロール値はおよそ300mgなので、他の食べ物で摂取することも考慮して卵は「1日1個まで」が良いとされていました。それが撤廃されたのですから、健康のために5,6個食べても良いのかというとそうではありません。
卵のカロリーと過剰摂取した場合のデメリット
卵1個のカロリーはサイズにもよりますが1個60g程度(Mサイズ)で生卵で96kcalになります。約100kcalですから、5個も食べれば約500kcalと結構なカロリーになってしまいます。
そして厚生労働省ではコレステロールの上限値を撤廃していますが、日本動脈硬化学会はコレステロール摂取量を1日200mg未満にすることを強く推奨しています。
また卵の摂取によって血中のコレステロール値が上がりやすい人がいて、日本人の3割がそれに当たるとも言われています。
このようにその時々で話が一転する場合が多く、今後また上限が設定される可能性もあるため、たくさん食べるよりはバランスを考えて1~2個程度にしておくことをおすすめします。
筋力アップや脳を老けさせない卵の効果的な食べ方とタイミング
卵だけで食べるのはもちろんですが、できれば野菜と一緒に摂ることをおすすめします。緑黄色野菜と一緒に食べると、野菜に含まれているカロテノイドの吸収率がとても良くなります。
カロテノイドは抗酸化作用があり生活習慣病や疾病予防にも効果的であり、また脳を老けさせない効果も高まるのです。
効果をよりあげるのであれば、運動をした後に摂りましょう。気をつけることは、卵だけではなく、「糖質」と一緒に摂ることです。
たんぱく質は糖と一緒に摂ることで、筋肉を作る効果が2倍になることがわかっています。
お米でもパンでも良いですが、できたら麺類をおすすめします。麺(ラーメン系)は脂肪になりにくく、ラーメンの場合は作る工程で卵が使われています。
ただしスープは塩分が強いので、全て飲むのはおすすめできません。トッッピングなどでカリウムなどを含んだものを取り入れたオリジナルを作ってみるのも良いでしょう。
まとめ
- 卵はほぼ完全栄養食です。ビタミンCと食物繊維だけは他の食べ物から摂りましょう
- コレステロールの上限値が撤廃されたが、バランスを考えて1日1~2個までがおすすめ
- 食べる時は運動後がおすすめ。「卵+糖質」で摂るとより効果的に筋肉がつきやすくなります。
毎日食べている卵には老化を防ぐ優秀な成分がはいっています。食べるタイミングや食べ方を考えて毎日美味しく老けさせない体つくりをしていきましょう。