牧草だけを食べる牛の生乳から作られるグラスフェッドバターは健康や美容、そしてて特にダイエット効果があるとして注目されています。

グラスフェッドバターのダイエット効果が広まったのは

シリコンバレー式自分を変える最強の食事 [ デイヴ・アスプリー ]

という本の影響によるものです。

オーガニックコーヒーグラスフェッドバターMTCオイルを合わせた「バターコーヒー」(別名「完全無欠コーヒー」)を毎朝飲んでダイエットに成功した話が書かれています。

そしてさらに注目されるようになったのが、テレビの情報番組やバラエティー番組でグラスフェッドバターが取り上げられたからです。

現在高級スーパーや百貨店の一部でしか扱っていないグラスフェッドバターですが、ネットではここ1,2年でいくつか商品を見かけるようになりました。

現在手に入る主なものは

  • 国産
  • フランス産
  • ニュージーランド産

この3つでほぼ100%近く占めていますが、それぞれの特徴とおすすめ品について、また究極のバターと言われる「ギー」のおすすめ品も紹介します。

この機会にグラスフェッドバターの正しい選び方について学んでください。

グラスフェッドバターの正しい選び方!国産、フランス産、ニュージーランド産の違いについて

グラスフェッドバターの「グラスフェッド」は「牧草を与えた」という意味になるので、エサはもちろん牧草だけです。

ですがバターを流通させるには多くの牛が必要なので、広大な牧草地が必要となります。

また、気候も年中牧草が生えるには、雪が少なくて1年を通して温暖な地域のほうが育てやすいです。

ただこのような条件を満たして牛を育てるのは厳しいために、グラスフェッドバターはとても貴重で一般のバターと比べても高価です。

その中で現在、日本で購入できるグラスフェッドバターには国産、フランス産、ニュージーランド産が中心ですが、ぞれぞれどのような特徴があるのかを紹介します。

国産グラスフェッドバターの特徴とおすすめ商品

日本の牧場は北海道に多く、広大な牧草地で育てられている牛が多いですが、雪が多くて、積もっている期間も長く、1年中牧草だけをたべさせるというのは難しい状況です。

また雪が比較的少ない北海道以外の地域は逆に牧場が狭いために、牧草だけを食べせるというのは本当に難しいです。

となるとグラスフェッドバターのもととなるグラスフェッドビーフを育てるというのはかなり困難で、実際に牧草だけを食べさせて育てている牧場はいくつかあっても、バターを流通させるほどの数は作れません。

国産のグラスフェッドバターがほとんど流通していない中で唯一購入できるのが「中洞(なかほら)牧場のグラスフェッドバター」です。

国産おすすめグラスフェッドバター

なかほら牧場グラスフェッドバター

中洞(なかほら)牧場は岩手県下閉伊郡岩泉町にあるなかほら牧場は山地(やまち)酪農です。

牛は一年を通して山で自由に過ごし、太陽と月と雨と土中のバクテリアの力だけで育つ野シバ木の葉を食べで暮らします。

牧草は農薬も使用しないし安全だと思っているかもしれませんが、牧草を食べた後、すぐに生えるようにと化学肥料を使用する牧場もある中で自然に生えている草や葉がエサというのは安心ですね。

またなかほら牧場の広大な敷地である広い山に一年じゅう昼も夜も放牧し、食事・睡眠・排泄はもちろんのこと、交配・分娩・哺育までを全部ウシまかせにしているため、ストレスとはほとんど無縁です。

これが北海道でも雪が降っている間は牛舎に入れることがほとんどだったり、本州の牧場ではほとんど牛舎で生活している牛もいます。

狭い牛舎で育った牛はストレスがたまるので、それが牛乳の味に影響すると言われています。

これは以前勤めていた食品メーカーでも牛を飼っていて実際に実験してみたところ、牛舎で育った牛と牧草地でのんびりと過ごした牛はストレスの違いにより味が違うことがわかりました。

このような点からも単に牧草を食べているというのではなく、ストレスもないのでおいしい牛乳から作られたグラスフェッドバターという点がなかほら牧場のおすすめポイントです。

ただ、岩手も寒い地域ですし、山地となると

冬は穀物の飼料を与えているのでは?」と思うかもしれません。

ですが冬季の飼料は無農薬の自家採草サイレージ、または国産乾草を与えています。

※サイレージとは青刈りした牧草を発酵させたもの

搾乳時のおやつに粉砕焙煎大豆・圧片小麦・雑穀ぬか等を与えるそうですが、ほぼ100%グラスフェッドバターと言ってよいでしょう。

  • 化学肥料を使用していない牧草や葉をエサにしている
  • 山地に放牧しているのでストレスがなく上質な生乳を使用
  • 放射能不検出

といった安心・安全でおいしい牛乳から作られたなかほら牧場のグラスフェッドバターは本当におすすめです。

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ただ、「青空レストラン」や「マツコの知らない世界」などの番組で取り上げられて、入荷しても、すぐに売り切れになることが多いので、もし在庫があった場合はすぐに購入しましょう。

フランス産のグラスフェッドバターの特徴とおすすめ商品

フランスは日本よりも面積が広く、実際に牧草地も日本より広く春から秋にかけては牧草を食べている牛が多いです。

そしてフランスも日本のように温かい地域と寒い地域がありますが、寒い地域でも日本ほどは雪は降りません。

ですが、冬まで牧草を食べている牛は少なく穀物の飼料を食べている牛がほとんどなので、グラスフェッドバターの種類もそれほど多くはありません。

選ぶ際には「食料品の品質保証」を表す「AOC」または「AOP」という文字が記載されているものを選びましょう。

※AOCはフランス、AOPはEUが認証したものですが、どちらも似たようなものです。

「これらのマークが付いている食料品は高品質ですよ。」という意味なので安心して購入できます。

またABマークというものもあります。

ABマークとは、「AGRICULTURE BIOLOGIQUE(アグリキュルチュール・ビオロジック)」の略で、

  • 有機肥料使用
  • 無農薬栽培

という条件があり、フランス政府が1981年に制定した有機農産物の証です。

  • 化学肥料
  • 化学薬品の不使用
  • 遺伝子組み換えによる肥料

などが禁止されていて、

  • 最低3年間の有機農法を続ける
  • 1年ごとに抜き打ちで検査が行われる
  • 商品加工に至る全工程で添加物などを含まない

といった条件をクリアしてはじめて与えられる認定マークです。

また、ABマークの貼付が認められるのは、フランス経済省と農業省が認める国際有機認定機関であるECOCERT(エコサート)による審査をクリアし、EU圏内で加工された製品に限ります。

このようにAOCやAOP,そしてABマークの商品を選ぶことで高品質ののバターを購入することができます。

おすすめフランス産グラスフェッドバター

①「セーブル無塩バター

こちらはAOPを取得している無塩バターです。

AOPを取得しているからといってグラスフェッドバターとは限りませんが、商品説明を見ると「牧草を食べる牛の乳のみを使って」と書いてあるのでグラスフェッドバターと言ってもよいでしょう。

1年中牧草だけを食べているのかというと少し疑問が残りますが、生産地のポワトゥーシャラン地方や温暖な気候と石灰石の多い土壌から良い牧草が育つということですので、品質は問題ないです。

また製法にもこだわっていて現在はステンレスのチャーン{攪拌機(かくはんき)}を使ってバターを作りますが、セーブルのバターは木製チャーンを使用していて、それにより、やわらかでなめらかな食感を生みだしています。

フランス ポワトゥーシャラン産 セーブル(Sevre) 自然発酵 無塩バター 250g(楽天)

②「バイオ グラスフェッドバター」

バイオグラスフェッドバターはABマークがついているバターです。

バイオ・グラスフェッド(無農薬・無化学肥料)で育った牧草を食べた牛の乳のみでバターを製造しています。

やはりABマークがついているだけあってセーブルのバターよりも高いですが、ABマークがついてるバターは日本で購入できるのはバイオだけなので貴重です。

「年間を通して牧草を食べているわけではないので、ぼぼグラスフェッドバター」というコメントを見かけますが、完全100%というのは難しいと思います。

ですが高品質であるのは間違いありませんので、価格は気にしないという人におすすめです。

バイオ・グラスフェッドバター無塩250g【楽天市場】

ニュージーランド産グラスフェッドバターの特徴とおすすめ品

ニュージーランドは日本の約3分の2の面積ですが、国土の約半分が牧場という環境に恵まれています。

また1年を通して穏やかな気候なので雪が降る地域もありますが、1年中牧草は生えている地域もあります。

そしてニュージーランドではもともと牛は草だけを食べて育てるという考えがあり、

  • 代表的な牧草のライグラス
  • 栄養価の高いクローバー

に加えてハーブ類なども与えて、肉質改善といった品質向上につとめています。

さらに1年中発芽の絶えない牧草地をめざしていて、その土地に自然に生えているものだけでなく、あえて牛の育成に有効な牧草を選んで種をまいています。

このようにニュージーランドはグラスフェッドバターを作るための必要な条件がそろっているということです。

国が牛の管理を行い、そもそも農薬などで汚染されている穀物の飼料の輸入を厳しく制限しているために、全体的にグラスフェッドバター品質が高く、フランスのようにAPOなどのマークを付ける必要がなく、国産やフランス産と比べても価格が安いです。

おすすめのニュージーランド産グラスフェッドバター

①フォンテラ社アンカーグラスフェッドバター5㎏

こちらは「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」でも紹介されているフォンテラ社アンカーのグラスフェッドバターです。

5㎏と大容量なので、冷蔵庫が小さいと入りきらないかもしれませんが、小分けにして入るのでしたら、コスパ最強のグラスフェッドバターです。

250gあたりの価格は

  • セーブルが2100円
  • バイオが2700円プラス送料700円

と結構高いですが、

アンカーは5㎏ですが、250gで換算すると約580円と圧倒的に差があります!

逆に安すぎて品質が悪いのではないかと疑ってしまいますが、逆にフランス産は現地価格よりも日本で買うとかなり高いです。

品質は間違いないので、冷蔵庫や冷凍庫に小分けにして入る状況であれば購入してみてください。

ちなみに大きさは縦約30cm×横約17cm×高さ約10cmです。

最強の食事で紹介されているバターであなたも「バターコーヒーダイエット」に挑戦してみませんか?

 フォンテラ社 アンカーグラスフェッドバター5㎏【楽天市場】

②「ウエストゴールド グラスフェッドバター1㎏

こちらもニュージーランド産のグラスフェッドバターです。

5㎏のグラスフェッドバターは多すぎ!」という人はこちらの1㎏タイプをおすすめします。

フォンテラ社よりは1㎏あたりで換算すると若干高いですが、フランス産、なかほら牧場のグラスフェッドバターと比べるとかなり安いです。

私もこちらのバターを購入しています。

このグラスフェッドバターとMTCオイルをコーヒーに入れて毎日飲んでいます。

ぜひあなたも一度試してみてくださいね。

ウエストゴールド・グラスフェッドバター無塩1kg(楽天市場)

グラスフェッドバターから作られる究極のバター・「ギー」のおすすめ品

ギーの原料は牛、水牛、ヤギのミルクです。

ミルクを沸騰させて煮沸殺菌し、その後乳酸発酵させて発酵無塩バターである「マカーン」が作られます。

その「マカーン」をじっくり加熱して溶かしたものをろ過し、タンパク質・水分・不純物を取り除いた「溶かしバター」のことを「ギー(Ghee)」といいます。

簡単にいうとギーバター加熱してろ過したものです。

このギーは、アーユルヴェーダ万能オイルとして何千年も利用されてきました。

インドの他にもアフリカやアジアの一部の地域でも利用され、アーユルヴェーダにおいてギーは最も優れたオイル、「最高の油」とされており、その効能の理由が最近の研究で次々に解明されてきています。

近年では、「次なるココナッツオイル」とも言われ、アメリカではセレブの間で人気が高まっています。

 

ギーの特徴は常温で長期間保存できて、乳製品を食べるとお腹が痛くなったり、下痢ぎみになってしまう「乳糖不耐症」の人も利用できます。

 

通常のバターからもギーは作れますが、最高級のバターのグラスフェッドバターから作られる「ギー」は究極のバターになります。

おすすめは「ギーイージー」です。

⇓おすすめのグラスフェッドバターから作られたギー⇓

こちらはヨーロッパ(オランダ)の牧場で、天然の牧草を食べながら放牧されている牛の乳から作ったグラスフェッド・バター100%を原料としているギーです。

家庭でもグラスフェッドバターからギーを作ることは可能ですが、「作る時間がない」、「面倒」という人におすすめです。

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グラスフェッドバターとは?他のバターとの違いについて

ここまでグラスフェッドバターのおすすめ品を紹介しましたが、普通のバターとの違いやなぜグラスフェッドバターがおすすめなのかわかりますか?

グラスフェッドバターの原料はエサが牧草だけで育った牛、「グラスフェッドビーフ」からとれる生乳ですが、

グラスフェッドビーフ成長ホルモン剤過剰な抗生物質の投与を行わないで育てます。
さらに、
栄養がたっぷりの牧草を食べている牛の生乳から作るグラスフェッドバターは栄養価が普通のバターよりも高いです。

短鎖脂肪酸の「酪酸」や不飽和脂肪酸の「共役リノール酸」は脂肪燃焼効果があります。

こちらは通常のバターにはほとんど含まれていません。

さらに不飽和脂肪酸のオメガ3系脂肪酸が普通のバターの5倍含まれています。

オメガ3系脂肪酸は「えごま油」や「アマニ油」、「チアシード」などに多く含まれている脂肪酸で、多くの健康効果が期待されている成分です。

その他にも脂溶性ビタミンのビタミンA、D、E、Kの4種類、また抗酸化力があるカロテン類(αカロテンやβカロテン)も普通のバターよりも多く含まれています。

カロテンの一部は必要に応じて体内でビタミンAに変換されます。

このカロテンは青草に含まれています。

牧草をたくさん食べた牛のミルク、つまりグラスフェッドバターは色素が黄色いカロテンが多く含まれているため、黄色っぽく見えます。

そして、

グラスフェッドビーフの育つ環境は牧草地が広大で、ゆったりとストレスがなく育っているので、そのような牛のお肉はもちろん最高級のお肉で、おいしい乳が出るので、味もおいしいバターになります。

このようにグラスフェッドバターは安心・安全で栄養価も高いおいしいバターです。

日本中を健康に導く「牧草牛」の名付け親、ドクター斎藤が厳選した【グラスフェッドビーフ】を食べるならこちら

一方で日本で育っている一般的な牛は牧草よりも穀物のエサの割合が多いです。

牧草よりも穀物の方がお金がかかるし、トウモロコシなどの穀物も栄養あるから別に良いのでは?」と思うかもしれません。

ではなぜ穀物を食べさせているのかというと、日本のようなせまい牧場では牧草が足りなくなってしまうのと、草を食べるよりも穀物の方が脂肪を蓄えて太らせやすく早く成長するからです。

このように穀物を与えて育った牛の乳から作られたバターを「グレインフェッドバター」と言います。

※グレイン=穀物

ではこの穀物のエサの何が問題なのかというと、安全であれば良いのですがほぼ100%海外からの遺伝子組み換えの穀物を利用しています。

遺伝子組み換えの危険性についてはここでは省略しますが、問題はそれだけではなく、このような穀物は大量の農薬や化学肥料を使用して育てている可能性が高いです。

高級なブランド牛では遺伝子組み換えでなく、国産の飼料を与えていますが、そうでなければやはりエサに問題がある場合が多いです。

そして国産の牛は広い牧草地で育っているのは少なく、狭い牛舎でほとんど生活しているのが多いので、ストレスがたまりやすく、肉や生乳の質に影響を及ぼします。

このような理由からやはり一般的に売られているバターよりもグラスフェッドバターをおすすめします。

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まとめ

国内で手に入るグラスフェッドバターは国産(日本)、フランス産、ニュージーランド産になりますが、まだお店ではあまり販売しておらず、ネット通販で購入するのが一番手に入りやすいです。

国産のグラスフェッドバターは手に入りにくく、唯一手に入るのはなかほら牧場のグラスフェッドバターです。

ただ最近はテレビで紹介されて認知が高くなり手に入りにくく、品切れになることが多いです。

そして本当に国産のグラスフェッドバターは貴重なので価格も外国産よりも高くなります。

フランス産は農産物に「AOC」または「AOP」、「ABマーク」が付いているものが品質が高いという証拠なので、そのようなグラスフェッドバターを選びましょう。

ただグラスフェッドバターはそれほど多くは生産されていないので、ニュージーランド産よりも高くなります。

おすすめはAOP認証の

フランス ポワトゥーシャラン産 セーブル(Sevre) 自然発酵 無塩バター 250g(楽天)

ABマーク付きの

バイオ・グラスフェッドバター無塩250g【楽天市場】

ニュージーランド産はグラスフェッドバターを作るための環境が整っています。

フランス産と比べても圧倒的に多く作られているので価格が安いのもうれしいですね。

おすすめはコストパフォーマンス№1の

 フォンテラ社 アンカーグラスフェッドバター5㎏【楽天市場】

5㎏は多すぎる場合は

ウエストゴールド・グラスフェッドバター無塩1kg(楽天市場)

を購入してください。

購入したら、ぜひダイエットのためにコーヒーに入れたり、サラダ油の代わりに炒め物に使うなど、健康や美容、そしてダイエット効果が期待できるグラスフェドバターをぜひ味わってくださいね。