以前は植物性のサラダ油やマーガリンと比べて動物性のバターは「健康に悪い!」というイメージがありましたが、最近ではバターの健康効果が見直されてきています。
そのバターの中では高品質でバターコーヒーダイエット(完全無欠コーヒー)にも使用されるのが「グラスフェッドバター」です。今回はグラスフェッドバターとはどのようなバターなのか?
また、含まれる栄養成分やその効果効能、商品の選び方、そして普通のバターとの違いについて詳しく紹介します。
グラスフェッドバターとは?他のバターとの違いについて
グラスフェッドバターのグラスフェッドとは
- グラス(草)
- フェッド(与えられた)
という意味で、
エサが牧草だけで育った牛の乳から作られたバターのことで、成長ホルモン剤や過剰な抗生物質の投与を行わないで育てます。
そのため牛から採れるミルクは安全で栄養たっぷりなので、上質のおいしいバターができるのです。
ではその他の牛からできるバターと何が違うのでしょうか?
グレインフェッドバターとは?
日本(他の国もそうですが)の牛は高級なブランド牛や、エサの安全性にこだわって育てている牛以外はほとんどトウモロコシなどの穀物を与えて育てています。
このように穀物を与えて育った牛の乳から作られたバターを「グレインフェッドバター」と言います。
※グレイン=穀物
現在スーパーなどお店で売られている「普通のバター」=「グレインフェッドバター」となります。
グラスフェッドバターと普通のバター(グレインフェッドバター)の違い
では「グラスフェッドバター」と「グレインフェッドバター」にはどのような違いがあるのでしょうか?本来牛のエサは栄養豊富な牧草です。昔の牛は穀物(トウモロコシなど)は食べませんでした。ではなぜ現在は穀物をエサとして与えているのかというと、
- 日本のようなせまい牧場では牧草が足りなくなってしまう
- 草を食べるよりも穀物の方が脂肪を蓄えて太らせやすいため
といった理由です。
この穀物が安全であれば問題ないのですが、ほぼ100%海外からの遺伝子組み換えの穀物を利用しています。
遺伝子組み換えの危険性についてはここでは省略しますが、問題はそれだけではなく、このような穀物は大量の農薬や化学肥料を使用して育てている可能性が高いです。
このようなエサを食べて育った牛のミルクからできたバターはあまり食べたいとは思わないのではないでしょうか?もちろんバターだけでなく牛乳も飲みたくありませんし、肉もあまり食べたくありません。
さらに牧草地が広大で、ゆったりとストレスがなく育っているので、そのような牛のお肉はもちろん最高級のお肉です。
最近はグラスフェッドの牛の肉であるグラスフェッドビーフが人気あります。
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このような最高級の牛のミルクは良質ですし、そのミルクからできたバターももちろん安全でとてもおいしいです。日本でもまだ牧場で育てられた牛ならまだしも、常に牛舎に入れられて育った牛はストレスが多く味も落ちます。
良質な牧草を食べてストレスフリーの牛のミルクから採れたバターは一般的なバターよりも栄養価が高いと言われています。ではグラスフェッドバターにはどのような栄養成分が含まれているのでしょうか?
グラスフェッドバターの注目の栄養成分
「バターが健康に悪い」と言われていたのは動物性の油である飽和脂肪酸が多く、過剰摂取すると肥満やさまざまな病気にかかりやすくなるという理由からでした。
ですが近年ではココナッツオイルやMTCオイルに含まれる飽和脂肪酸の一種である中鎖脂肪酸がダイエットや認知症に良いと注目されています。ではバターにはどんな脂肪酸が含まれているのかというと、注目は「酪酸」です。
短鎖脂肪酸の一種「酪酸」
酪酸も飽和脂肪酸ですが、中鎖脂肪酸ではなく短鎖脂肪酸の一種です。
国立循環器病研究センターの研究グループが、ネズミの実験ではありますが、「酪酸が脂肪の分解を促進する」と国際的なオンライン科学誌プロスワン誌に報告しています。
そしてネズミだけでなく人にも脂肪燃焼の効果があると言われていますが、この研究では効果があるのは「質の良いバターに限る」とも言っています。
質の良いバターとは、「グラスフェッドバター」のことを指してします。
不飽和脂肪酸の一種の「共役リノール酸」
リノール酸は不飽和脂肪酸のオメガ6系の一種で、共役リノール酸もリノール酸から作られるのですが、リノール酸とは構造が異なるために「異性化リノール酸」とも呼ばれています。
共役リノール酸は脂肪をエネルギーに変えるために働く酵素を活性化させる働きがあります。そしてこの酵素は本来運動をすると活発になるもので、共役リノール酸は運動することと同じような脂肪燃焼効果を持っています。
この共役リノール酸もグラスフェッドで育った牛やミルクに多く含まれていることから、グラスフェッドバターの方が普通のバターより共役リノール酸が多く含まれています。
不飽和脂肪酸の一種オメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸はえごま油や亜麻仁油、グリーンナッツオイルなどに多く含まれていて血液をサラサラにするなどの効果があると言われている注目の脂肪酸です。
普通のバターと比べてグラスフェッドバターには約5倍のオメガ3脂肪酸が含まれています。
脂溶性成分のビタミン類とカロテノイド
脂溶性ビタミンとは油に溶けやすく熱に強い性質を持ち、ビタミンA、D、E、Kの4種類がありますがグラスフェッドバターには4種類全て豊富に含まれています。
カロテノイドとは動植物などに存在する色素成分で、約600種類が見つかっていますがバターに含まれるカロテノイドは黄色の素となるカロテンです。(αカロテンやβカロテンなどがあります)
またカロテンの一部は必要に応じて体内でビタミンAに変換されます。(これをプロビタミンAと言います)
このカロテンは青草に含まれているので牧草をたくさん食べた牛のミルク、つまりグラスフェッドバターは色素が黄色いカロテンが多く含まれているため、黄色っぽく見えます。
普通のバターとグラスフェッドバターを見比べると、明らかにグラスフェッドバターの黄色の方が濃いですが、これはカロテンがたくさん含まれてるからです。
これら紹介した注目の成分は普通のバターにも含まれていますが、グラスフェッドバターの方が豊富です。それではこれらの栄養成分がどのような効果をもたらしてくれるのでしょうか?
グラスフェッドバターの効果や効能
①ダイエット効果(脂肪燃焼)
「バターでダイエット?」と思う方も多いですが、
グラスフェッドバターが有名になったのは
「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」という本です。
この本ではオーガニックコーヒーにグラスフェッドバターとMCTオイルを合わせた「バターコーヒー」(別名「完全無欠コーヒー」)を毎朝飲むことでダイエットができます。
このダイエット方法はMCTオイルとは?その効果効能とダイエットのやり方や摂取量、食べ方についてを参考にしてください。
ではなぜバターでダイエットができるのかと先程紹介した2つの脂肪酸にあります。まずひとつが「酪酸」です。
「酪酸が脂肪の分解を促進する」という研究報告があったと先程紹介しましたが
それだけではなく
- 非アルコール性脂肪肝
- 脂質異常症
- 肥満
といった治療に有効な薬の候補になるかもしれないと期待されています。
そしてもうひとつが「共役リノール酸」です。
こちらも脂肪燃焼効果が期待されていますが、エネルギーに変える酵素の働きを活性化するので脂肪が燃えやすい体になり、代謝効率も上げることができます。
そして同時に筋肉を増加・増強させる効果もあり、共役リノール酸が含まれているサプリメントを飲みながら体を鍛えているボディビルダーやアスリートなどが多いです。
また、バターの油(乳脂肪)は太りにくいと言われています。バターの80%が乳脂肪ですが、乳脂肪は食用の油脂の中でも最も消化がよく、97〜99%の消化率で体に吸収されます。
そのため赤ちゃんや高齢者の方から、胃腸が弱い人にもやさしいのがバターです。またバターは他の油と比べてカロリーが低いです。
トースト2枚に使うバター10gのカロリーは74.5kcalですが、サラダ油などの他の食用油の10gのカロリーは92.1kcalです。
このようにバターには脂肪燃焼する脂肪酸(酪酸と共役リノール酸)が含まれていて、しかも他の油よりもカロリーが低いので、バターコーヒー(完全無欠コーヒー)でダイエットができるわけです。
②美肌・美白効果
ダイエット同様に「バターで美肌?」と疑問に思うかもしれません。バターを食べるとニキビが出やすくなると思う人もまだまだ多いようです。
ですがバターには美肌・美白に効果がある抗酸化成分がたくさん含まれています。その抗酸化成分がカロテンやビタミンA、ビタミンEです。
体内に存在する活性酸素はある一定以上に増えると、シミやしわ、そばかす、たるみといった肌の老化は加速しますが、それを抑制するのが抗酸化成分です。
特にビタミンAとEを合わせてとるとビタミンEがAの働きを活性化させ、相乗効果により抗酸化力が高まると言われています。またビタミンAは皮膚や目、口などの粘膜を健康に保つ作用もあるので美肌にも大きく影響します。
③免疫力のアップ(病気の予防)
共役リノール酸には免疫力のアップが期待されています。免疫力がアップすることでカゼだけでなくインフルエンザやその他の病気の予防にになります。
もともと共役リノール酸は発ガンを抑制する物質の成分を分析していったところ発見された成分です。またカロテンやビタミンA、Eの抗酸化成分も細胞の老化を防いでくれます。
さらにビタミンEやオメガ3脂肪酸は血液をサラサラにする効果があるので動脈効果や生活習慣病などの予防に効果が期待されています。
④その他の効果や効能
- アレルギーの抑制(共役リノール酸・オメガ3脂肪酸)
- 眼精疲労や視力の回復(ビタミンA、カロテン)
- 骨や歯を丈夫にする(ビタミンD、ビタミンK)
このようにグラスフェッドバターには多くの効果や効能が期待できますが、普通のバターでは酪酸や共役リノール酸の効果はあまり期待できません。
またカロテンもほぼ穀物で育った牛のミルクから作られたバターではあまり期待できないので健康のためにはグラスフェッドバターがおすすめです。
グラスフェッドバターの選び方
私は「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」を2年ほど前に読んだときに「グラスフェッドバターをすぐに購入しよう!」と思いましたが、スーパーではもちろん販売していなくてネットで検索しても見つかりませんでした。
それが今ではニュージーランドやフランスなどのグラスフェッドバターがアマゾンや楽天で購入できます。
ただ普通のバターと比べるとかなり高いです。
ですがそれは仕方ないですね。
良質のバターですから高くなるのは当たり前だと思っています。
ではどのグラスフェッドバターが良いのでしょうか?
私はグラスフェッドバターの中でも結構お手頃なニュージーランド産の
「ウエストゴールド」のバターを使っています。
1kgで3,000円代なので、フランス産のグラスフェッドバターと比べてもかなりお得です!もちろん味も美味しいです。
ただAOP認定されているグラスフェッドバターは厳しい検査基準をクリアしているので品質の高いものを選びたいという方はセーブルのフランス ポワトゥーシャラン産 がおすすです。
A.O.P認定 セーブル社製 シャラン=ポワトゥ 無塩バター【250g×3】
こちらは250gが3個のセットで私がアマゾンで見たときは3,000円でした。
意外と安いと思ったのですが、
日本の販売代理店によって価格が違うので金額を比較してから買いましょう。
1個で2,400円、2個で3,800円で販売しているところもありましたので注意してください。
クラスフェッドバター国産
日本では牧草だけをエサにしている牛がほとんどないのですが、
「なかほら牧場のグラスフェッドバター」はグラスフェッドビーフから採れたミルクからバターを作っているので本物です!
昼夜自然放牧で夏は野シバや山野草、冬は夏場の草を食べた健康な牛のミルクから作られた本物のグラスフェッドバターです。
※ただ、現在テレビなどで紹介されて注文が殺到し品切れ状態で、発送は11月以降になります。
こちらでもグラスフェッドバターを紹介しています。
グラスフェッドバターのおすすめ品と正しい選び方!国産・ニュージーランド・フランス買うならどれ?
まとめ
グラスフェッドバターは牧草を食べて育った最高級の牛(グラスフェッドビーフ)のミルクから作られたバターです。普通のバターと違い安全でおいしいだけでなく栄養成分も豊富です。
特に注目されているのが酪酸と共役リノール酸でともに脂肪燃焼効果がありダイエットに最適です!また抗酸化成分も多いので美肌にも効果が期待されています。
バターといえば「太る、肌が脂っぽくなる」というイメージでしたがサラダ油と比べれば、はるかに健康に良い食べ物です。その中でもグラスフェッドバターは最高品質のバターです。
ぜひ一度購入してみて完全無欠コーヒーを作って飲んでも良いですし、普通に炒め物などで使用しても今まで使用していた油とは違う出来栄えになりおいしく感じると思います。
今までバターは健康・美容に悪いと思っていた方もぜひ一度グラスフェッドバターをお試し下さい。
また、現在ギーというオイルが流行っているのをご存知でしょうか?ギーはバターを加熱してタンパク質や糖質、不純物などを取り除いたもので最高のオイルと言われています。
バターは一般的なバターでも作れますが、グラスフェッドバターから作られたギーは最高級オイルと言われています。ギーは簡単に手作りできます。
詳しくはギー(Ghee)の効果効能がスゴイ!注目の栄養成分と作り方や食べ方、使い方についてをご覧ください。