以前、MCTオイルがテレビのダイエット特集で紹介されて話題になりました。「オイル=太る」というイメージがありますが、なぜMCTオイルでダイエットが可能なのか、そしてダイエットをする際の
- やり方
- 効果・効能
- 1日の摂取量
- 食べ方
などについても紹介します。
MCTオイルとは?他のオイルとの違いについて
MCTオイルのMCTとは
- Medium:ミディアム(中)
- chain:チェーン (鎖)
- triglycerides:トリグリセライド(中性脂肪)
を省略した言葉で日本語では「中鎖脂肪酸」といいいます。つまり「中鎖脂肪酸オイル」のことを「MCTオイル」と一般的に呼んでいるわけです。
ここは日本なので中鎖脂肪酸オイルで良いと思うのですが、MCTのほうがネーミングが良いのでしょうか?今テレビや雑誌などでもよく紹介されるオイルは
- 食通の間で人気があるオリーブオイル
- 健康に良いと注目されているえごま油や亜麻仁油
- ビタミンEが豊富なひまわりオイルやグレープシードオイル
などがありますね。
これらのオイルの脂肪酸は不飽和脂肪酸が多くを占めています。
一方でMCTオイルの中鎖脂肪酸は飽和脂肪酸の一種です。この飽和脂肪酸を大きく分けると
- 短鎖脂肪酸
- 中鎖脂肪酸
- 長鎖脂肪酸
3つに分けることができます。
飽和脂肪酸は体に悪いイメージがありますが、それは肉やラード、バターなどに含まれている長鎖脂肪酸の過剰摂取が問題になっているためです。
※誤解しやすいのですが長鎖脂肪酸は過剰摂取しなければ健康や美容に良い脂肪酸です。
中鎖脂肪酸は近年、健康やダイエットに効果があると言われていますが中鎖脂肪酸が豊富に含まれていることで注目されたのが「ココナッツオイル」です。
このココナッツオイルには約60%の中鎖脂肪酸が含まれていますが、MCTオイルはなんと中鎖脂肪酸が100%のオイルです。ではMCTオイルは何からできているのかというとココナッツやパームフルーツなどヤシ科植物の種子の核から抽出しています。
つまりココナッツオイルと同じ原料なのです。ココナッツオイルがダイエットに良いと言われているのは中鎖脂肪酸によるものです。となるとMCTオイルはその中鎖脂肪酸が100%なので、さらに効果があるのでは?と期待されています。
ではなぜ中鎖脂肪酸がダイエットに効果があるのでしょうか?
【関連記事】
MCTオイルのおすすめ品と正しい選び方!ヤシ油由来よりココナッツ由来がおすすめの理由
中鎖脂肪酸にダイエット効果がある理由
中鎖脂肪酸には
- コレステロールがつきにくい
- エネルギー代謝を活発にする
- 肥満の原因である中性脂肪がつきにくい
- 蓄積している中性脂肪を減らす作用
という特徴があります。
中鎖脂肪酸を体に取り入れると肝臓で分解され、「ケトン体」という物質になります。そしてケトン体が増えると体の中の脂肪が燃えやすくなり、お腹の減りも感じにくくなると言われています。
そのケトン体を利用したダイエット法で実際に成功している人も多く、これを「ケトン体質ダイエット法」とも呼びます。またダイエットに成功してもリバウンドしてしまう人が多いですね。
一般的なダイエット法はカロリー制限が多いですが、このようなダイエット法は
- 筋肉が落ちる
- 基礎代謝が落ちる
という欠点があり、ある一定のところまで体重が落ちるとやせにくくなります。さらにダイエットをやめて食べるようになると脂肪がつきやすくなってリバウンドする人が多いです。
一方、中鎖脂肪酸によるケトン体質ダイエットは
- 筋肉量が落ちない
- 基礎代謝が落ちない
といった脂肪代謝がメインのため太りにくい体質になってリバウンドも起こりにくいです。
中鎖脂肪酸の効果や効能について
中鎖脂肪酸はダイエット効果だけではありません。
認知症やアルツハイマー病の予防効果
認知症やアルツハイマーにも効果があると言われています。認知症やアルツハイマーは脳のエネルギーであるブドウ糖をうまく使えなくなる病気で脳の糖尿病と言われています。この問題を解決するのも中鎖脂肪酸です。
中鎖脂肪酸を摂ることで肝臓でケトン体に分解されるとブドウ糖の代わりにケトン体が脳の栄養源になってくれます。ガス欠(ブドウ糖の欠如)で動かなくなった記憶力や判断力がケトン体という燃料を得て症状を改善すると期待されています。
スポーツの前のエネルギー補給
中鎖脂肪酸は長鎖脂肪酸など他の脂肪酸よりも消化吸収が良く、エネルギーになりやすいと言われています。※一般のオイルよりも4~5倍早くエネルギーになると言われています。
今ではトップアスリートのコンディション管理にも利用されています。通常運動時のエネルギー源は糖質ですが、それだけですとマラソンや長時間かかるスポーツでは足らなくなってしまいます。
そこで代わりにエネルギーになるのが脂質ですが、その中でも中鎖脂肪酸が早くエネルギーになります。運動する1~2時間前に摂ることで
- いつもよりも疲れにくくなる
- ラストスパートができる
といった効果が期待されています。
赤ちゃんの成長促進
そしてこのエネルギーの補給ですが赤ちゃんの成長にも欠かせません。
実は母乳にも中鎖脂肪酸が含まれていますが(特に赤ちゃんを産んだばかりの初乳)、赤ちゃんは消化や吸収能力が未発達なので消化・吸収が早い中鎖脂肪酸は最適です。
また体の成長を促し、食欲も増進させる働きのある「グレリン」と言われるホルモンが中鎖脂肪酸によって活性化されるという報告もあります。まだ研究段階ではありますが中鎖脂肪酸は赤ちゃんへのエネルギー補給だけでなく発育促進も期待されています。
高齢者のフレイル状態の改善
最近では高齢者がなりやすい「フレイル」にも効果があると期待されています。
フレイルは病気ではなく、病気になる一歩手前で特に低栄養状態の高齢者に多いと言われています。
このフレイル状態を改善することは健康寿命を延ばすために重要なひとつではありますが、実際中鎖脂肪酸を継続的に摂取して握力やが歩行速度が上がった(=フレイル改善)という報告もあります。
実験では一方で中鎖脂肪酸を、もう一方で長鎖脂肪酸を含む食事時をしてもらい、どちらとも体重増加がみられました。そして中鎖脂肪酸の食事を摂った人は筋肉が増加、長鎖脂肪酸の食事を摂った人は皮下脂肪が増加しました。
歳をとるにつれて、筋肉が落ちてしまうので高齢者にも大きな効果が期待できるのが中鎖脂肪酸です。
このように中鎖脂肪酸は
- 健康な人には体重維持のため
- 太りぎみの人にはダイエットのため
- 赤ちゃんにはエネルギー補給のため
- お年寄りには認知症やフレイルの予防のため
と特定の人だけではなく、多くの人に摂ってもらいたい脂肪酸です。
MCTオイルを使用したダイエット方法
MCTオイルを使用したダイエットはテレビ番組のダイエット企画などでもいくつか紹介されています。
私が参考にしたのはこちらの著書
私は著者のデイブ・アスペリー氏が雑誌のインタービューを受けている記事を見て知ったのですが、この方がおすすめしているのは「バターコーヒーダイエット」です。
このダイエット法を聞いたことがある人も多いと思いますが、朝食に「バターコーヒー」だけを飲むというダイエット法です。
著書の中でデイブさんはバターコーヒーについて「飢えと欲求を打ち負かし、新たなエネルギーでぱっと目覚めさせ、体重を減らし、筋肉をつけ、集中力とパフォーマンスを高めてくれる」といったさまざまな効果があると強く進めています。
デイブさんがおすすめのバターコーヒーの作り方は
【材料】
- 良質の豆でいれたアツアツのコーヒー2杯
- 良質の無塩バターを大さじ1~2杯(グラスフェッドバター)
- MCTオイルを大さじ1~2杯
※バターとオイルは空腹感により調整
これをミキサーやブレンダーに入れてクリーミーになるまでかき混ぜるだけです。スプーンでかき混ぜるとうまく混ざらない場合があります。(やはり水と油を混ぜるので)
わたも実際飲んでいます!
実際に飲み始めてまだ1週間程度ですがとても飲みやすいですし、「昼まで空腹で持たない!」ということもなく、本に書かれてある通り、頭がスッキリした感じになります。(あくまでも個人的な感想です)
そして信じられないかもしれませんが、体重が1㎏以上落ちて、なおかつ内臓脂肪の数値も落ちました。※内臓脂肪はタニタの体重計についているものです
このバターコーヒーを飲む前はスポーツジムで週3~4ほど筋トレをしたり、ランニングマシンを使って走っていましたが3か月ほどやって体重は3kgほど落ちたものの、内臓脂肪はそのままでした。
ですがバターコーヒーを飲んで1週間でジムも週1回に減らしたのに落ちたのは驚きました。もちろん誰でも同じようになるとは思いませんし個人差があります。
MCTオイルやグラスフェッドバターは良質のオイルなのでコーヒーに入れても健康に良く、バターのクリーミーな味わいが私はとても気に入っています。
ダイエットや体重を維持したいという方は朝だけでもバターコーヒーに挑戦してみてください。
ダイエット効果はMCTオイルだけでなく、コーヒーに含まれるクロロゲン酸によるものも大きいと思いますで良質なコーヒーを選らんでくださいい。
おすすめはクロロゲン酸がたくさん含まれているグリーンコーヒーです。
グラスフェッドバターの詳細は
グラスフェッドバターとは?その効果・効能と栄養成分や普通のバターとの違い、選び方についてを参照してください。
また「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」ではグラスフェッドバターの代わりにギーを入れて飲むのをおすすめしています。
ギーはバターを加熱してタンパク質や糖質、不純物を除いたものですが、普通のバターではなく、グラスフェッドバターをギーにしたものをおすすめしています。
詳しくはギー(Ghee)の効果効能がスゴイ!注目の栄養成分と作り方や食べ方、使い方についてをご覧ください。
MCTオイルの食べ方や使い方について
オイルにはにおいや味が独特のものもあり苦手という人も多いですが、MCTオイルは無味無臭でクセがなくとても食べやすいオイルです。また加熱できるかについてですがネットなどの商品の紹介を見るとおすすめされていません。
それはMCTオイルの沸点が約160℃と低いためです。ですが炒め物に関してはサッと炒める程度であれば実際試してみましたが問題はありません。
これくらいの加熱で中鎖脂肪酸が減ったり、変化することもありません。加熱以外の使用方法は
- 出来上がったシチューやカレー、パスタ、みそ汁など温かい食べ物にかけて食べる
- 先ほど紹介したコーヒーに混ぜる
- ドレッシングやマヨネーズに混ぜる
- ヨーグルト、アイスクリームなどデザートに混ぜる
など色々な食べ物にかけて混ぜてみましょう。全く違和感がありませんよ。
MCTオイルのカロリーと摂取量について
MCTオイルのカロリーは他のオイルと一緒で1gあたり9kcalです。
- 小さじ1杯5g=45kcal
- 大さじ1杯15g=135kcal
なので普段からカロリーオーバー気味の人は過剰摂取に気をつけましょう。先程のバターコーヒーでは空腹感により大さじ1~2杯を調整すると紹介しましたが、
初めての方は胃腸が刺激されてまれに腹痛を起こす方もいるようです。私は全く何も起こりませんでした。特に普段からお腹を壊しやすいという方は小さじ1杯(5g)からスタートすることをおすすめします。
中鎖脂肪酸の上限摂取量は定められていませんが
- 必須脂肪酸のオメガ9(オレイン酸)
- オメガ3(αリノレン酸やDHC、EPA)
- オメガ6(リノール酸)
- 長鎖脂肪酸
これらの脂肪酸を摂る必要があるため、バターコーヒーダイエットをしている方は1日大さじ2杯まで、それ以外の方は大さじ1杯がおすすめです。
MCTオイルのおすすめは
MCTオイルのおすすめ品と正しい選び方!ヤシ油由来よりココナッツ由来がおすすめの理由をご覧ください。
まとめ
MCTオイルは中鎖脂肪酸が100%でダイエット効果があります。
その理由は
- コレステロールが溜まりにくい
- エネルギー代謝を活発
- 中性脂肪がつきにくい
- 中性脂肪を燃焼する働きがある
- お腹が減りにくい
という特徴があります。
また一般的なダイエットと違い筋肉量はそのままで基礎代謝も落ちないことから、リバウンドがしにくいという点からもダイエットにおすすめです。
また最近では認知症予防に効果的であるといった研究報告や他の脂肪酸よりもすぐにエネルギーになるので運動する1,2時間前に摂ると疲れにくく、ラストスパートもしやすくなると言われています。
味は無味無臭なのでさまざまな食べ物に合うオイルです。健康やダイエットのためにぜひ一度お試しください。
【関連記事】
MCTオイルのおすすめ品と正しい選び方!ヤシ油由来よりココナッツ由来がおすすめの理由