ハーブの代表ともいえる「バジル」ですが、その種である「バジルシード」がダイエットや美容、健康などに効果があると人気が高まっています。
見た目がスーパーフードで人気があるチアシードに似ていますが、バジルシードも負けず劣らず栄養価の高い食べ物です。食べ方や注意点などバジルシードについて詳しくなると、すぐにでも食べたくなるかもしれません。
バジルシードとは?その特徴について
「バジル」はシソ科メボウキ属の多年草で、インド、熱帯アジア原産のハーブです。そのバジルの種を「バジルシード」と言います。東南アジアではドリンクやスイーツに入れて食べるのが人気です。日本は最近になって入ってくるようになった印象がありますが、実は江戸時代からバジルシードは漢方薬として利用されていました。
味やニオイはある?
見た目は黒ゴマに似ているバジルシードの味やニオイはほとんどありません。まれに土のニオイがすると場合があると言われていますが、それも水に入れることでほとんど気にならなくなります。そのためいろいろな食べ物に混ぜても全く違和感はありません。
最大の特徴は膨張
このバジルシードの一番の特徴は水を注ぐと約10分程度で約30倍に膨れ上がることです。
現在はタピオカが流行っていますが、これに近い感じです。バジルシードが大きくなることで少量で満腹感につながりダイエットに効果があると期待されています。
下記の動画はバジルシードが16倍の速さで膨らむ様子です。
バジルシードの注目の栄養成分と効果効能
日本人が不足している食物繊維
原産国によって多少含有率が違うようですが成分の半分以上が食物繊維です。食物繊維は水溶性と不溶性の2種類があり、バジルシードは不溶性食物繊維が豊富ですが、グルコナンマンというこんにゃくなどにも含まれる水溶性食物繊維が注目されています。
さきほどバジルシードの特徴で水によって膨れ上がると紹介しましたが、これはグルコマンナンによるものです。同じようにチアシードも水によって膨張しますが、チアシードが約10倍なのに対してバジルシードは約30倍です。
食物繊維の効果効能
食物繊維の働きといえば
- 腸内環境を改善
- 便秘解消
- 美肌効果
- 生活習慣病の予防改善
などが挙げられます。
食物繊維を摂ることによって腸が刺激され腸内のぜん動運動が活発になり、腸内環境が整って便秘の解消が期待できます。また老廃物や有害物質を吸収して体の外に出す作用もあります
老廃物が体内にたまると肌にも悪影響を及ぼすので、食物繊維を摂ることは美肌効果に、また有害物質を外に出す働きは健康効果につながります。
またダイエット効果に良い理由は食物繊維を摂ると満腹感が得られやすく少量ですむためです。ですがバジルシードの場合、水に浸すと水溶性食物繊維のグルコマンナンは人の消化酵素では消化できず、30倍に膨張することで、さらに満腹感を得られやすくなりダイエットにつながります。
ですが、現代の日本人は食物繊維が不足ぎみの人が多いです。
食物繊維の1日の目標摂取量は
- 成人男性:20g以上
- 成人女性:18g以上
が推奨されていますが、不足分を補うにはバジルシードがおすすめです。バジルシードは小さじ1杯(約9g)で3.6gの食物繊維が摂れます。
豊富なタンパク質と必須アミノ酸
その次に多く含まれている成分がタンパク質で特に体内で合成できない必須アミノ酸9種類のうち8種類が含まれています。
植物性でこれだけ種類が多く含まれているのはチアシードを含め非常に少ないです。
タンパク質は筋肉や内臓、骨、皮膚、髪、血液をはじめ、ホルモンや酵素、免疫物質などの材料となります。
「タンパク質が不足」すると
- 筋力量が減って体力が落ちる
- 疲れやすくなる
- 免疫力も下がる
という状況になりやすく病気にもかかりやすくなります。そしてそれだけではなく
- 記憶力の低下
- 肌荒れや髪が傷む
- 太りやすく、やせにくい体質
といったマイナス面もあります。
肉や魚などの動物性タンパク質をたくさん食べることで補うこともできますが、同時に脂肪分も多く吸収してしまうのでバジルシードなどの植物性タンパク質からもしっかり摂るようにしましょう。
必須アミノ酸も美容や健康、成長に欠かせない成分です。
注目の栄養成分α‐リノレン酸
3番目に多いのが脂質です。脂質というと健康に良いイメージを持っていない人もいるかもしれませんが、バジルシードの脂質はオメガ3系脂肪酸でそのほとんどがαリノレン酸で健康油で人気があるえごま油や亜麻仁油にも豊富に含まれています
オメガ3の脂肪酸はα‐リノレン酸以外にDHAやEPAがあり、青魚に多く含まれていますが以前と比べると現代人は魚を食べる習慣がなくなり、食物繊維と同じで不足ぎみの傾向にあります。
またα‐リノレン酸の一部(10~15%)はDHAやEPAに変換されるので、α‐リノレン酸を摂ることで同時にDHAやEPAも取得できます。(DHAやEPAからα‐リノレン酸には変換されません)
α‐リノレン酸の効果効能
α‐リノレン酸やDHA、EPAには多くの効果や効能が期待されています。
- 血流改善➡動脈硬化の予防➡生活習慣病の予防
- アレルギー抑制➡花粉症やアトピー性皮膚炎の抑制
- 精神の安定➡うつの軽減
- 老化防止しわ・たるみの予防(美肌効果)
- 記憶力や判断力の向上
- 視力の回復
- アルツハイマー・認知症への効果
- 善玉(HDL)コレステロールを増やし悪玉(LDL)を減らす
- 中性脂肪の減らす(肥満予防)
健康や美容、ダイエット効果はもちろんのこと、うつや認知症、アレルギーなど、なかなか改善しにくい問題も改善が期待できるという点でも注目されている成分です。
種類 | 働き |
---|---|
カルシウム | 骨や歯の材料、精神の安定など |
マグネシウム | カルシウムの量を調節、ストレス抑制など |
鉄 | 赤血球のヘモグロビンの材料、貧血予防など |
カリウム | ナトリウムを排出、むくみ改善など |
ビタミンA | 抗酸化作用・目の健康維持 |
ビタミンE | 抗酸化作用・血液サラサラ |
ビタミンB6 | エネルギー産生。皮膚や粘膜の健康維持 |
ビタミンK | 血液を凝固させ止血、骨の健康を保つ |
バジルシードの食べ方やダイエット方法
バジルシードがダイエットに効果的なのはグルコマンナンの膨張による満腹感を得られることと、カロリーが低いことです。バジルシードのカロリーは10gで10kalととても低カロリーです。
※チアシードは10gで50kcal
味もしないので、多くの食べ物に入れても違和感はありませんが、サラダにそのままかけて食べるというのはおすすめできません。かならず水に浸けて柔らかくしてから食べるようしましょう。10分ほど水に浸せば食べられるようになります。
バジルシードでおすすめのダイエット法は
【①食事30分前にバジルシードを飲む】
水分を含んで30倍に大きくなったバジルシードを飲みます。※量は大さじ1杯分(約10~12g程度)
食事する際にはある程度お腹が膨らんでいるので満腹感があり量を半分以下に減らすことが苦になりません。できれば朝、昼、晩と3食前に小さじ1杯分を飲むと効果的です。
お昼ごはん前に飲む場合はペットボトルの水にバジルシードを入れたものを持っていくようにしましょう。
【②ヨーグルトと一緒に食べる】
朝食は食べる時間がないという方はヨーグルトと一緒に食べるが効果的です。寝る前にバジルシードに水分を含ませて大きくなったものをヨーグルトに入れて食べます。
バジルシードのグルコナンマンが分解されたことによってできるオリゴ糖が乳酸菌のエサになるので乳酸菌が増えて活発化し腸内環境が改善されます。
またサラダなどにかけて食べても良いですし、熱にも強いのでホットミルクやコーヒーに入れるのもおすすめです。
このようにバジルシードを入りの水分を摂ることで食べる量が減るだけでなく便秘解消にもつながるのでさらにダイエット効果が期待されます。
注意したいのは朝昼晩3食分のバジルシードを一度に摂ることです。一度に多く摂取してしまうと膨張性があるので腸が張って逆に便秘になりやすくなる可能性があります。
1度に摂る量は小さじ1杯程度までにしましょう。
バジルシードとチアシードとの違い
同じシソ科のバジルシードとチアシードは豊富に含まれている成分の種類は似ていて、タンパク質やオメガ3(α‐リノレン酸)はチアシード、食物繊維やビタミン、ミネラルはバジルシードの方が多く含まれています。
バジルシードとチアシードの栄養価の比較
100g当たりの含有量
栄養成分 | バジルシード | チアシード |
カロリー | 307kcal | 452kcal |
タンパク質 | 12.4g | 20g |
食物繊維 | 40.5g | 30.4g |
オメガ3 | 1500mg | 20000mg |
ビタミンA | 3094.08µg | 17.82µg |
ビタミンC | 61.2mg | 1.6mg |
ビタミンE | 7.5mg | 0.5mg |
ビタミンB6 | 2.3mg | 0.1mg |
葉酸 | 274µg | 49µg |
カルシウム | 2113mg | 631mg |
鉄分 | 42.0mg | 8mg |
マグネシウム | 422mg | 360mg |
カリウム | 3433mg | 160mg |
また、先ほども紹介したように水を入れて膨張するのがチアシードは10倍に対してバジルシードは30倍と高く、これまではチアシードの方が注目されていましたが、バジルシードも負けてはいません。チアシードよりも価格はお手頃なので、代わりにバジルシードを食べても同じような効果が期待できます。
バジルシードに危険性はあるのか?
バジルシードは一時期、「発ガン性があり危険」と言われていた時がありました。ですが、バジルシードに問題があったのではなく、アフラトキシンというカビ毒によるものです。
これはメーカー側の保管状況に問題があったためですが、日本で販売されている商品(輸入品ではなく)は「アフラトキシン検査済み」という商品が多いので、そのようなバジルシードを選ぶようにしましょう。
おすすめのバジルシード
バジルシードはスーパーなどのお店では、あまり扱われていません。それよりもネットであれば簡単に手に入るのでおすすめです。「アフラトキシン検査済み」商品で、できれば無農薬の商品を選びましょう。
こちらは「アフラトキシン検査済み」であるのはもちろんのこと、農薬不使用なのですが、周辺農場や風などを懸念して全ロットに残留農薬試験を行っているなど、安全面に関して徹底しています。
まとめ
最近はチアシードがスーパーフードの中でも人気がありますが、バジルシードはダイエット目的であればチアシードよりもおすすめです。チアシードスーパーフードの代表として人気がありますが、認知度が低いバジルシードも同じように栄養価が高くチアシードよりもお手頃な価格で手にはいります。
高級スーパーでは取扱いがありますが一般のスーパーではまだまだ置いている所は少ないので色々なネット通販で販売しているので是非探してみてください。
現代人が不足ぎみな食物繊維、オメガ3脂肪酸(α‐リノレン酸)、ミネラルが豊富に含まれているのがバジルシードです。ただ一度には大さじ1杯程度(10~12g)にして、朝、昼、晩と回数を増やすようにしましょう。
ぜひバジルシードで美しく健康的にダイエットしてみてはいかがですか。