最近はえごま油亜麻仁油など「オメガ3オイル」の健康効果が認知されて人気が高まっています。反対に植物性のオイルだから健康に良いと言われていたサラダ油の危険性にについて指摘されるようになってきました。

ただえごま油などのオメガ3オイルは「加熱せずにそのままお使いください」と紹介されるため、「それではサラダ油の代わりにならない」と思っている人も多いのではないでしょうか?

ですが、実はオメガ3オイルは多少の加熱であれば、それほど栄養価は損なわずに使用することができるのです。どのくらいの加熱であれば問題ないのかについて詳しく紹介します。

えごま油や亜麻仁油を加熱しても良い理由

えごま油 加熱 炒め物

代表的なオメガ3オイルえごま油亜麻仁油以外にもグリーンナッツオイル(サチャインチオイル)チアシードオイルなどががあります。これらのオイルが加熱に向いていないという理由はオメガ3脂肪酸の「α-リノレン酸が熱に弱いため」と言われているからです。

そのため多くのサイトでは「炒め物には適していない」と紹介されていることが多いですが、実は炒め物に使用しても全く問題ありません。実際に実験でオメガ3オイルで加熱をした結果を報告している資料があります。

精製されたえごま油の加熱実験

日本栄養・食糧学会誌」でエゴマ (シソ) 油の加熱安定性と食品成分添加の影響という研究結果が報告されています。

えごま油の研究結果ではそれによると、

抗酸化剤無添加の精製エゴマ油を180℃で10時間加熱し, 経時的に油のAV, POV, CV, p-An. V, Toc量と脂肪酸量の変化を調べた。

1) 180℃, 70分までの短時間加熱では, ダイズ油に比べてエゴマ油の劣化は若干進んでいたが, α-リノレン酸の残存率も90%以上であり, 栄養的にも食品衛生上も支障があるほどではなかった。

という結果が出ています。

180℃, 70分までの短時間加熱では若干α‐リノレン酸の量が減ったものの、ほとんど問題ないとうことがわかりました。一般な焼き始め温度は、

  • 卵焼きやホットケーキが150~160℃
  • ハンバーグやギョウザは170~180℃
  • 炒め物は200℃くらい

と言われています。

これならえごま油は加熱して良いんだ~」と思うかもしれませんが、これは精製されたえごま油です。では未精製のえごま油ではどうなのかというと、これも問題ありません。

精製オイル」と「未精製オイル
未精製」のオイルの不純物、香り、匂いを取り除いたものを「精製」と言います。 加熱したり、化学処理を加えて、この不純物を取り除いたオイルを「精製オイル」といいます。

一見、不純物を取り除いたのだから「精製オイル」の方が良いと思うかもしれませんが、この中に栄養成分が含まれているので栄養価が高いのは「未精製オイル」です。

未精製の亜麻仁油の加熱実験

昭和女子大学大学院生活機構研究科による「食用亜麻仁油の加熱調理における劣化の程度及び嗜好評価」によると、オメガ3オイルの未精製の亜麻仁油

  • 190℃の加熱したフライパンでもやしを炒めた
  • 加熱後3分間で210℃
  • 加熱後3~9分間で210~270℃まで上昇

という条件で試した結果

  • 6分間の加熱では安全な範囲
  • 3分間の加熱は大豆油との劣化度の差はない
  • 3分及び4.5分の加熱では味が良く、総合的に好ましい

と報告しています。つまり「6分以内であれば安全に食べられる」ということです。

この実験ではα‐リノレン酸の量の増減については調べていませんが、油が劣化してないのであれば、α‐リノレン酸が大幅に減るとは考えにくいです。

また食品油脂研究の第一人者である奥山治美先生が、「オリーブオイル・サラダ油は今すぐやめなさい!」という著書の中でも低温で圧搾(コールドプレス)したえごま油、亜麻仁油は加熱調理にしっかり使えます。」と記載しています。

※奥山治美:NGO日本食品油脂安全性協議会理事長、金城学院大学消費生活科学研究所客員研究員、名古屋市立大学名誉教授

また、この本の中で

「200℃までなら異臭が立つことはありません。また、加熱で「α‐リノレン酸」が壊れることはありません。」

と答えています。

実験にもあるように低温圧搾製法またはコールドプレスで未精製のほうが高い温度に耐えられます(200℃程度)

「えごま油や亜麻仁油=加熱量に向かない」というイメージでしたが、短時間であれば問題ないということがわかりました。

揚げ物ですとは6分間以内の加熱では難しいですが、炒め物であれば全く問題ありません。

加熱に強いおすすめの亜麻仁油

こちらは炒め物だけでなく、揚げ物にも使用できる亜麻仁油です。

アリーガ 亜麻仁油

この商品を初めて知ったときは、「コールドプレスではなく、高温処理しているから加熱可能なのでは?」と思ったのですが、そうではありません。

アリーガの亜麻仁油の特徴は

  • コールドプレス製法
  • 無添加
  • 未精製
  • 遺伝子組み換えではない
  • オーガニック(有機)栽培

このように最高の条件です。

さらに製造している工場も製品の安全と品質基準を保証するGMP認証取得工場です。GMPはかなり厳しい審査をパスしないと取得することはできません。

原料・製法・工場」とどれをとっても最高の亜麻仁油です。下の動画では他のメーカーと比べた加熱実験を見ることができます。

一般的な亜麻仁油の発煙点(発煙を始める温度)は110℃と言われていますがアリーガの亜麻仁油はなんと250℃です。未精製のオイルの中では断トツに高い温度ですしサラダ油とほとんど変わらない温度です。

なぜこんなに高温で加熱しても大丈夫なのかは企業秘密のようですが、ぜひ一度試していただきたいオイルです。

他の亜麻仁油は炒めのができても揚げ物ができないのでサラダ油の代わりにとはおすすめできませんでしたが、アリーガの亜麻仁油であれば自信を持っておすすめできます。

アリーガ有機 亜麻仁油  (250ml)(Amazon)

アリーガ有機亜麻仁油(232g)(楽天)

まとめ

加熱に弱いと言われていたオメガ3オイルは炒め物程度の加熱は問題なく、α‐リノレン酸もほとんど損なわれることはありません。

味やニオイにクセがあるオメガ3オイルは生で食べることをおすすめしているサイトや書籍、商品が多いですが、苦手な人にとってはなかなか減らないかもしれません。

加熱料理に使えるのであれば、クセもほとんどないので、苦手な人でも問題なく食べることができます。

ぜひ過剰摂取の人が多いリノール酸のサラダ油よりも、健康維持のためにオメガ3オイルを利用してみてはいかがでしょうか。