最近米油はテレビなどで効果や効能が紹介され、健康油として認知されてきています。米油は酸化しにくい油なので揚げ物に最適で「油酔い」しにくいと言われています。
※油酔いとは揚げ物をしている人が気分を悪くする(食欲がなくなる)現象のこと
他のサラダ油や食用油よりもカラッと揚がり、油っぽさも少ないというのもうれしい特徴です。ですが、米油と書かれている商品であればなんでも良いというわけではありません。
今回は「米油」の正しい選び方とおすすめ品を紹介します。
米油の正しい選び方
米油を購入するときに価格だけで選んではいけません。注目は「製造方法」です。
溶剤抽出方法
大きく分けると2つの製造方法があり、一つは主にサラダ油の製造方法である「溶剤抽出方法」です。これは原料を危険性の高いと言われている溶剤を使用して溶かした後で高温で溶剤を気化させる製法です。
この製法により原料を効率良く抽出することが可能になりますが使用する溶剤が問題とされています。主に使用される溶剤の「ヘキサン」や「ヘプタン」はその毒性が指摘されていて、実際に体の中に入るとさまざまな悪影響を及ぼすと言われています。
ただこれらの溶剤は高温に弱く、メーカー側に問い合わせても「ヘキサンは69℃が沸点でそれ以上の高温で加熱すれば蒸発するので残留はなくなり安心です。」などと説明されると思われます。
また、「食品衛生法でもヘキサンが油の完成時に残らないように義務つけられるので問題ない」という人も多いです。
ですが完全に溶剤が取り除けずに一部残る場合もあるという意見もあります。
実際に溶剤の危険性がクリアできたとしても溶剤を残さないようにするために高温で処理する必要があります。
そうなると米油に含まれる熱に弱い栄養成分がほとんどなくなるだけでなく、トランス脂肪酸が発生する可能性があります。そのため溶剤抽出方法で製造された米油では本来の効果は期待できません。
ただし原料を搾った後の残りかす(油粕)に溶剤を使用することによって油脂を抽出することが可能になり、原料を捨てることなくほぼ100%使用できるため商品価格が安くなります。
「安く済ませたい」や「カラッとおいしい揚げ物を作りたい」という場合はこちらの米油で十分です。
圧搾製法
圧搾製法は昔ながらの製法です。本来の食用油は溶剤を使用せず低温で時間をかけてゆっくりと原材料を搾(しぼ)って作られます。
ただし溶剤を使用した場合は原料からほぼ100%油を抽出できますが、使用せずに原料を搾った(圧搾した)だけでは20%程度しか油になりません。
時間がかかり効率が悪いため、どうしても価格が高くなってしまいますが米油に期待される栄養成分を摂取することもできますし、トランス脂肪酸の心配もありません。
そして価格が高くなってしまうという他に現在は圧搾製法で作っている米油が少ないという問題もあり、スーパーなどの一般的なお店では取り扱っていない場合が多いです。そのため圧搾製法の米油を購入するにはネット通販がおすすめです。
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圧搾製法のおすすめの米油
①持留製油 カネモ 米油
明治6年創業の持留製油は圧搾製法で無添加の一番搾(しぼ)りを搾油しています。
②三和油脂 コメーユ
コメーユは、新鮮な米ぬかを弊社独自のスチームリファイニング製法(SR製法)で精製しています。※SR製法は、国産原料のこめ糠(玄米の表皮と胚芽)をスチーム(蒸気)を使用して搾油する圧搾製法
米油に含まれているビタミンEのαートコトリフェロールや米油特有の栄養成分γーオリザノールを摂ることができる高品質の米油です。
➂三和油脂つや姫こめ油
②と同じ三和油脂の米油で山形県のブランド米「つや姫」の米糠から搾りだしたプレミアムな米油です。熱を加えると一段と風味が増しますので、和食以外にもイタリア料理や中華料理にもおすすめです。
低温圧搾製法以外の米油はスーパーなどで手に入ります。米油の本来の効果は期待できませんが、おいしく揚げ物を作りたい場合に最適な食用油ですのでそちらを購入しましょう。
まとめ
米油はオレイン酸が豊富なオメガ9オイルです。
脂肪酸以外の栄養成分として
- ビタミンEトコトリエノール
- 米油特有の栄養素のγ‐オリザノール
- 植物ステロール
などが含まれていて、多くの効果や効能をもたらせてくれますが、それは圧搾製法で作られた米油に含まれています。
圧搾製法の米油は価格が高く商品も少ないのですが、健康診断の数値が悪かったり、健康を維持したいという人におすすめです。
とりあえず安く済ませて、おいしい料理が作れば良いという場合は市販の物を購入してください。
現在サラダ油を使用している人は、おいしくて健康や美容に良い米油に変えてみてはいかがでしょうか。
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