梅酢①

梅酢は本来塩と梅をかめに入れて梅干しを作る過程で、

  • 自然に水として上がってくる梅のエキスを「白梅酢」
  • 白梅酢に赤紫蘇を加えたものが「赤梅酢」

と呼びます。

ですが梅干しを自宅で漬ける人は少ないので、簡単にできる手作り梅酢があります。

それが穀物酢や果実酢を原料として酢酸発酵させた「醸造酢」です。

失敗も少なく、手間もかかりません。

また、梅を塩漬けしないので、塩分が気にならないです。

さらに酢と梅に含まれる成分により従来の梅酢とはまた違った効果も期待できます。

今回は簡単梅酢の作り方と効果や効能、賞味期限や飲み方などについて紹介します!

簡単梅酢の作り方

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材料

青梅: 1kg
酢: 1.8リットル
氷砂糖: 0.8~1kg

酢は米酢穀物酢りんご酢黒酢などお好きなもので構いません。

ですが、米酢とリンゴ酢を使用する場合は「純米酢」や「純リンゴ酢」がおすすめです。

米酢」や「リンゴ酢」では米やリンゴ以外の原料(アルコールや添加物など)が含まれているので「」が付いている商品を選んでください。

参考記事:リンゴ酢のおすすめ商品と正しい選び方!純リンゴ酢とリンゴ酢との違いは?

また氷砂糖の代わりに最近ははちみつ(700g程度入れる)を使用している人も多いようですね。

黒砂糖、上白糖、キビ砂糖などを使用する場合は沈殿しやすいのでこまめにかき混ぜるようにしてください。

ただし、従来の梅酢では砂糖を使わないのに、こんなに砂糖を使うのは抵抗がある人もいるかもしれません。

ですが簡単梅酢に氷砂糖などの糖分を使用する理由は梅酢を飲みやすくするためだけではありません。

酢に含まれる有効成分のアミノ酸は糖によってピルビン酸という物質に変わります。

ピルビン酸代謝のカギになる有機酸なので、これにより代謝が活発になります。

そのため酢だけを摂るよりも氷砂糖を溶けた酢を摂ったほうが、疲労の原因物質と言われる乳酸の分解速度が早くなって疲れが取れやすくなります。

また、疲れだけでなく血糖値や血圧も改善されたりやせやすくなるという効果も期待できます。

糖分を気にしてレモン酢に氷砂糖などの糖分を入れたくないと思う人もいるかもしれませんが、逆にやせるために氷砂糖を入れると思ってください。

青梅1kgに対しての砂糖の量は甘さや酸っぱさの好みがあるのでまちまちです。

酢の量は梅がすっぽり入っていれば1.8リットル以下でも構いません。

また氷砂糖も甘いのが嫌な人は半分の500gで良いですし、逆にお酢が苦手で甘い梅酢にしたいならば酢1リットル氷砂糖1kgで作ってみましょう。

作り方

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①梅のへたを取り除く

ポイント梅を傷つけないよう注意

②水で洗い流しその後ふきんなどでしっかり水気を切る

ポイント水切りは本当に大切⇐一番重要

アクを抜くと説明しているレシピもありますが、適期に収穫された梅ならアク抜きは必要ありません。

どうしても気になる場合でも長時間水に浸けずに1時間程度にしましょう。

③容器に下から梅⇒砂糖⇒梅⇒砂糖の順番で重ねる

ポイント漬け込む容器は熱湯をかけて必ず消毒

④最後に酢を入れて容器のフタをして冷暗所で保管する

1か月程度で飲めるようになりますが

2,3か月、または半年経ってから飲む人もいます。

この時期の味で良いと思ったら梅を取り出しましょう。

梅酢の賞味期限は?

梅酢は酢の強力な殺菌力があるので冷暗所であれば常温で1年以上たっても問題はなく、かえって酸味が和らぎます。

ただ賞味期限は一般的に安全に飲んだりできる期間ではなく、おいしく飲める期間のことを指します。

となると梅酢の酸味が和らぐのが好きな人もいれば酸味が強い人が好きという人もいるので、おいしく飲める期間(=賞味期限)は人に変ってしまうのです。

私の経験では半年から1年位でもおいしく飲めましたし、1年以上かからずに無くなってしまいます。

ではいつまで安全なのかというと、基本は1年以上でもカビが生えていなければ問題ないですが心配な方は半年以上経ったら冷蔵庫で保管しましょう。

※梅酢を入れた容器がきちんと消毒できていなかったなどの理由があると菌が繁殖する可能性が高いのでこの場合は数か月しか持たない場合もあります。

梅酢の効果や効能について

梅とお酢それぞれに多くの効果や効能がありますが、それが一緒になることで相乗効果が期待できます。

梅酢の健康効果や効能

お酢の健康効果や効能

お酢共通に含まれている成分の代表的なものは「酢酸」です。

お酢の「ツーン」としたニオイは酢酸によるものです。

この酢酸には

  • 血糖値を下げる
  • 血圧を下げる
  • 内臓脂肪を減らす

という働きがあります。

血糖値を下げる働き

糖質の多い食べ物を食べると血糖値が急激に上がり、血管にダメージを与えます。(これを血糖値スパイクともいいます)

ですがお酢を食事と一緒に摂ることで血糖値の上昇を抑えることができます。

血圧を下げる働き

血圧は加齢や不規則な生活、暴飲暴食、運動不足などが原因で血管が細くなったり、血液がドロドロになることで高くなります。

この高血圧に対して酢酸からできるアデノシン血管を広げて血圧を下げる働きがあります。

酢酸以外にはアミノ酸一種であるアルギニンも血管を拡張させる働きがあります。

内臓脂肪を減らす働き

酢酸が肝臓で代謝される際にAMPKという酵素が活性化します。

このAMPKは糖から脂質を合成する回路を抑制し、脂質の燃焼を促進します。

AMPKは運動後に体内に生じる酵素ですが、お酢を摂ることでもAMPKが体内に生じます。

つまりお酢を摂ると運動したのと同じ酵素が生じるわけです。

このようにうれしい3つの効果が期待できる食べ物は「お酢」だけです

梅酢の健康効果や効能

ピロリ菌を抑制

ヘリコバクターピロリ菌」。

最近では胃ガンにも大きく関与していると言われていますね。

日本人の半数以上が感染しているとも。

ヘリコバクターピロリ菌は複数の鞭毛(べんもう)を持ち、胃の粘膜を傷つけ、胃炎や胃がんへと進行していきます。

実は梅に含まれるポリフェノールの一種の「梅リグナン(シリンガレシノール)」がピロリ菌の活動を抑制する効果があると
期待されています。

また、酸っぱいものや辛いものを食べると、脳からの指令で胃を痛めないように胃粘液の分泌が促され、胃壁を守る防衛反応との相乗効果も期待できます。

クエン酸サイクルで血液サラサラ

梅にも酢にも含まれているクエン酸は疲労回復の効果が広く知られていますが血液浄化作用もあります。

ドロドロ血液の正体は血液中の脂質です。

梅酢に含まれるクエン酸は、ドロドロ血液の原因である酸性を中和させ、血液をサラサラにします。

人間が健康でいるためには体液(血液や細胞液)が弱いアルカリ性に保たれている必要があります。

体液が酸性化すると血が黒くにごり、

  • 排泄障害
  • 内臓機能の低下
  • 慢性病

などになりがちです。

梅酢はすっぱいので酸性と想像されがちですが、れっきとしたアルカリ性食品です。

梅干しや梅酢がすっぱいのはクエン酸によるものです。

体内でエネルギー源を燃やしてエネルギーにする回路をクエン酸サイクルとよびますが、クエン酸がこのサイクルの働きを活発にし、疲労の原因となる乳酸の蓄積を防ぎます。

乳酸が消えると、血液は酸性から弱アルカリ性に変わり、血液がサラサラになるのです。

糖尿病予防・改善

梅酢には、「アディポネクチン」という超善玉物質(ホルモン)が増加して、血糖値を下げるインスリンの働きを高める効果があります。

アディポネクチンは全身の血管のメンテナンスをしてくれる優れた成分です。

長寿の方はアディポネクチンが多いことから長生きの鍵としても考えられています。

食欲増進と虫歯予防

唾液には自然に出ている唾液と、食べ物などの刺激によって出てくる唾液の2種類があります。

刺激唾液」は、脳が反応して(酸っぱいものを見ただけでも)出るものですが、この唾液の中にはペルオキシダーゼなどの酵素が含まれていて活性酸素の増加を抑えてくれます。

活性酸素とは体内の細胞や組織を酸化し、シミやシワの原因にもなるので、アンチエイジングには大敵です。

梅酢に含まれる有機酸はその唾液の分泌を促してくれるのです。

さらに唾液には、胃腸の働きを活発にし、消化促進や食欲増進の効果があるというのですから、心強い味方ですね。

また梅酢で誘発されて出る唾液の質はサラサラで、口の中に残った食べかすや細菌を洗い流しやすいので虫歯予防にもなるのです。

カルシウムの吸収促進

近年日本人のカルシウム不足は以前から指摘されていますね。

毎日の食事で気をつけて摂取するようにしても、カルシウムは吸収効果が悪いので体になかなか定着しません。

しかもカルシウム吸収率は年齢とともに低下していくのです。

しかし、クエン酸などの有機酸には吸収率の低いカルシウムや鉄の吸収を促しカルシウムが骨から持ち出されるのを防ぐなどの
働きがあるといわれています。

つまり梅酢を毎日とると、体内でのカルシウム定着率が徐々に高まっていくことが期待できるのです。

カルシウムが必要な成長期の子どもや高齢者にも大人たちにも、梅は優れた効果を発揮してくれます。

美容・美肌効果

紫外線にあたっていると毛細血管が傷つき、肌が老化(光老化といいます)し、シワやたるみの原因になります。

に含まれている抗酸化成分の梅リグナンなどのポリフェノールは紫外線に対して、光免疫抑制作用への改善効果もあります。

紫外線予防となり、血管を守ってくれる、アンチエイジングに欠かせない美肌効果もあるというわけです。

そして酢酸にも美肌効果もあります。

酢酸ビタミンCの破壊酵素の働きを弱める働きや、新陳代謝を盛んにして肌の老廃物を残さないシミ・しわが出にくいといった美肌効果もあります。

ダイエット効果

先ほど健康効果のところで「酢酸が内臓脂肪を減らす」と紹介しました。

実際にお酢の大手の製造メーカー「ミツカン」の研究では12週間1日大さじ1杯(15ml)をとることで内臓脂肪が減り皮下脂肪も減る傾向が見られると発表しています。

実際にテレビ番組でも実験した様子を見ることができました。

2週間お酢を毎日大さじ1杯(15ml)摂り続けるというテレビ番組の実験(湘南メディカル記念病院の消化器内科部長の春山晋先生監修のもと)で、

お酢はどんな料理に使ってもOKで、暴飲暴食は禁止という条件です。

実験は11人と少なかったですが、

内臓脂肪が特にに小さくなったのは

  • 113.54㎠の女性で2週間後に89.7㎠
  • 118.57㎠の男性で2週間後に94.7㎠

と生活習慣病のリスクが低くなる程度まで下がりました。

※内臓脂肪は100c㎡を超えると生活習慣病のリスクが上がると言われています

11人のうち

  • 下がった人が6人
  • 変わらないが1人
  • 増えた人が4人

という結果でした。

これは2週間での結果ですので、もう少し続けるともっと内臓脂肪が減った人が増えたかもしれません。

 

そしてクエン酸が豊富な梅酢はエネルギーを無駄なく変換でき余分な脂肪を作りないだけでなく食事をすることによる血糖値の上昇なども妨げますのでダイエットにも有効です。

このように健康や美容に良い梅酢をどんどん積極的に摂り入れていきましょう。

梅酢のおすすめの飲み方

梅酢②

暑い季節は、ドリンクとして飲むのがおすすめです。

水や炭酸で割って、氷をいれて冷たいドリンクとして飲めば、暑い夏も夏バテ知らずです!

また、お料理に使うならこんな感じで♡

  • ドレッシングやマヨネーズに少しだけ混ぜて調味料として
  • ご飯を炊く時に少し混ぜる(ご飯が傷みにくくなるのでお弁当にはおすすめ!)
  • 酢飯にする時に酢の代わりに
  • かぼすなどの代わりに、焼き魚に少しかける
  • キュウリとワカメなどの酢の物に
  • トンカツや唐揚げなどの揚げ物に、レモンの代わりとして

他にも、アイデアしだいでいろいろ出来ると思います。

あなたのオリジナルレシピもぜひ増やしてみてくださいね。

まとめ

梅酢は本来梅干しを作る過程でできるものですが、それよりも簡単にできる梅酢を紹介しました。

簡単でも効果は本家の梅酢に負けないくらい期待できます。

梅酢は少量で十分、効能が期待できます。

一度に大量にとるのは塩分過多にもなりますので注意しましょう。

もっとも大切なことは、毎日継続することです。

継続しないとすぐに効果が無くなると言われていますので、梅とお酢のダブルの効果を体に摂り入れましょう。