以前私の友人が数か月賞味期限が過ぎた納豆を見つけて、
と言って口に入れた瞬間に、あまりのまずさに吐き出したことがありました(笑)
同じように「納豆は大豆を腐らせるから、いつまで食べることができるのか良くわからない」
という人も多いのではないでしょうか?
今回は
- 賞味期限切れの納豆はいつまで平気?
- 納豆の白い粒は食べても大丈夫?
- 発酵と腐敗の違い!納豆が腐るとどうなる?
- 冷凍保存は可能?
- 賞味期限が過ぎた納豆のおいしい食べ方
など賞味期限切れの納豆について詳しく紹介します。
賞味期限切れの納豆はいつまで食べても平気?
まず賞味期限の正しい意味はおわかりですか?
※わからない方は詳しくは賞味期限と消費期限の違い!期限がない食べ物や期限切れの食べ物はいつまで平気・・・で確認してくださいね。
一般的な食品の賞味期限は簡単に説明すると「おいしく食べられる期間」です。
そして消費期限は「安全に食べられる期間」なります。(基本は5日間以内の食べ物です)
納豆は賞味期限ですので、
「期限が切れた場合は食べることはできますが、おいしさの保証はないですよ。」という意味になります。
では賞味期限が過ぎると、とたんにおいしくなくなるのかというとそうではありません。
ですが本来食べ物の賞味期限は検査によって決まった日数よりも、余裕をもって設定します。
以前勤めていた食品会社では本来の賞味期限の7割で設定していたので、納豆も本来であれば14、15日持つところを、少し余裕をもたせて10日にしています。
となると賞味期限切れの日から4、5日程度であれば「おいしく食べることができます。」
納豆の賞味期限切れ1週間や1か月過ぎても平気?
では1週間や10日、はたまた1か月、2か月と過ぎたものはどうでしょうか?
最近の冷蔵庫は抗菌タイプなどもあり、きちんと冷蔵保存をしていれば1週間や10日過ぎても問題ありません。
ただ納豆は賞味期限が1か月や2か月と過ぎるとどんどん水分がなくなり、カリカリになってしまいます。
この場合でも健康に問題はありません。
少し水を足せば食べることも可能ですが、やはりおいしくありませんので2週間くらいで食べ切るようにしましょう。
納豆は腐る?発酵との違いについて
納豆は大豆を腐らせると思っていませんか?
ですが納豆は腐ったものではなく、「納豆菌を使って発酵」させたものです。
「腐る」と「発酵」を同じだと思っている人も多いようですが全く違います。
納豆が発酵している時は「納豆菌」は生きていて、冷蔵している時も活動しています。
一方で「納豆が腐る」というのは、納豆菌が無くなってから始まります。
納豆菌がいる間は他の菌を寄せつけないので、雑菌の発生や増殖を抑えることができます。
ですが納豆菌が無くなると雑菌が増えて、食べることができない有害な食べ物に変化します。
納豆が腐った状態
先ほど賞味期限が過ぎても冷蔵で保存すると水分が抜けてカリカリ状態になるとお伝えしましたが、
納豆が腐ると
- 水っぽくなる
- ドロドロになる
- カビが生える
- アンモニア臭がする
- 糸を引かなくなる
などの状態になります。
常温で保存すると2~3週間程度で腐りますが、冷蔵保存でも絶対に腐らないというわけではないので、賞味期限が過ぎたら確認してから食べるようにしましょう。
冒頭で紹介した友人は納豆を夏場の暑い時期に買って、1日近く常温で置きっぱなしにして、それから何か月も冷蔵保存していたようですが、冷蔵保存の状態が悪く、腐ってしまったようです。
冷蔵保存していても心配な場合は必ずニオイや見た目を確認してから食べてくださいね。
納豆の白いぶつぶつは腐っている?
納豆が腐るとカビが生えますが、納豆についている白いつぶつぶ(または霜のように見える白いもの)はカビなのでしょうか?
実はあの白いつぶつぶはタンパク質を構成しているアミノ酸の一種であるチロシンです。
賞味期限が過ぎて、発酵が進むとチロシンが出やすくなります。
チロシンは水に溶けにくく、食べるとザラザラした感じがするので、「カビ?」と思うかもしれませんが、アミノ酸なので安心して食べることができます。
しかもチロシンは記憶力を高め、脳の回転をよくしたり、疲労やストレスの軽減効果も期待されている栄養成分です。
ただし、やはり味は落ちてしまうので、早めに食べることをおすすめします。
納豆の冷凍保存は可能?
食べ物を冷凍保存することで腐るのを避けたり、おいしく食べることができますが、食べ物によって向き不向きがあります。
では納豆はどうでしょうか?
納豆菌は温度に強く、高温ならば120℃、低温ならばマイナス100℃でも死滅しないと言われています。
冷凍すると納豆菌は殻に閉じこもり休眠状態に入り、解凍して20℃くらいの温度になると再び発酵が始まります。
栄養価も普通の冷凍食品と同じようにほとんど損なわれることはありません。
納豆を冷凍保存する場合には買ってきたパックのまま保存することもできます。
ですが冷凍焼けなどによる乾燥やにおい移りなどを防ぐために、パックから出してタッパーに入れたり、パックのままラップに包み、フリーザーバッグに入れて冷凍するのがおすすめです。
納豆の解凍方法
冷凍した納豆を解凍して食べる場合は電子レンジで解凍するのも可能です。
ただし、納豆の品質を損なわないようにするためにも解凍は食べる前日に冷蔵庫に移して解凍するのがおすすめです。
解凍納豆は少し水っぽくなり、若干ですが風味が落ちます。
常温で自然解凍でも大丈夫ですが、夏場の場合に完全に解凍されてからも、しばらく常温に置いたままですと、納豆菌が死滅して腐る可能性があるので注意が必要です。
冷凍納豆の保管期間は1ヶ月程度が良いでしょう。
1ヶ月以上過ぎても問題はありませんが、味は徐々に落ちてきます。
賞味期限が切れた納豆のおいしい食べ方
納豆の賞味期限が過ぎて風味が落ちても、できるだけおいしく食べられる方法を紹介します。
まず冷蔵保存している納豆は食べる直前に冷蔵庫から出すのではなく、30分程度常温にしてから食べることをおすすめします。
冷蔵庫で冷やされた納豆は納豆菌の動きが鈍いのですが、常温にすることで活発になり、さらに数も増えてビタミンKまで増えます。
納豆菌が大豆を発酵させるときに作り出すタンパク質分解酵素であるナットウキナーゼは多くの健康効果が期待されている成分です。
納豆の効果を最大限に発揮するためにも、常温に少し戻してから食べるようにしましょう。
納豆菌が休止状態になっているので、常温にして納豆菌を起こしてあげること活発になり、納豆菌が増えてビタミンKも増えます。
くれぐれも冷蔵庫から出したのを忘れて、長時間置きっぱなしにしないでくださいね。
納豆を何回かき混ぜるのが一番おいしい?
納豆は何回かき混ぜるとおいしいのかご存知でしょうか?
実は400回と言われています。
しょう油は一気にではなく、少しずつ足すようにしましょう。(100回混ぜたらしょう油を足すみたいな感じです)
逆に400回以上ですと、おいしくなくなるわけではありませんが、豆がつぶれたりして食感が悪くなったりするので、かき混ぜすぎには注意してください。
また健康効果があるナットウキナーゼは熱に弱いと言われています。
熱々のご飯の上に納豆をかけるとナットウキナーゼが死滅する恐れがあります(大丈夫だという専門家もいますが)。
炊飯器からすぐに出したばかりの白ごはんではなく、しばらく(3~5分程度)置いてから食べるのがおすすめです。
これらの食べ方は賞味期限切れでなく、新鮮な納豆であれば、もっとおいしく食べることができます。
毎回400回も混ぜるのは難しいと思いますが、ぜひ一度試してみてください。
まとめ
賞味期限はおいしく食べられる期間なので、賞味期限が切れても食べることは可能です。
冷蔵できちんと保存していれば1週間や2週間、または1か月、2か月と過ぎた場合でも食べることは可能です。
ただ期限が過ぎるにつれて水分がなくなって、カリカリした食感になり味が落ちるので、できれば1週間から10日くらいまでには食べきるようにしましょう。
発酵と腐敗は違います。
腐敗した場合はニオイも強烈ですし、カビが生えるので注意してください。
そして期限が切れてから出始めた納豆の白いつぶつぶはカビではなく、アミノ酸の一種であるチロシンなので安心して食べることができます。
ただ白いつぶつぶが出ている状態になると風味が落ちるので、冷凍保存して長持ちさせる方法もあります。
納豆は賞味期限が過ぎても気づかないことが多いですが、やはり新鮮なうちに食べるのが一番なので、できるだけ買ったあとは早めに食べて健康維持につとめましょう!