賞味期限と消費期限という言葉をよく聞くと思いますが、その違いをはっきりと答えることができますか?
実際に正確に答えるのは結構難しいと思います。
今回は
- 賞味期限と消費期限の違いをわかりやすく
- どうやって期限を決めるの?
- 期限が切れた食べ物を食べて大丈夫?
- 期限切れの食べ物を販売するのは問題ある?
- 期限がない食べ物について
など賞味期限と消費期限について詳しくわかりやすく紹介します。
賞味期限と消費期限の違い!期限が過ぎたら食べても良いの?
賞味期限とは?
定められた方法で保存した場合に、「その食品に期待される全ての品質を十分保っていると認められる期限」のことをいいます。
つまり、その期限内であれば、おいしく食べられることを保証する期限のことです。
消費期限とは?
定められた方法で保存した場合に、品質が劣化しやすく速やかに消費すべき食品(製造または加工後およそ5日以内で品質が劣化するもの)について、「腐敗、変敗などの劣化に伴う衛生上の危険が発生するおそれがないと認められる期限」のことをいいます。
簡単にいうと安全に食べられる期間です。
つまり、
- 賞味期限は「おいしく食べられる期間」なので、多少であれば期限が過ぎて食べても問題ない
- 消費期限は「安全に食べられる期間」なので、期限が過ぎた場合はできるだけ食べないほうが良い
という違いがあります。
賞味期限の場合、加工食品の種類によって全然違いますが
- ペットボトルは1年~数年間
- カップ麺やお菓子などは数か月
- タマゴ・納豆などは10日から2週間
といった設定になっています。
一方で消費期限は製造または加工後およそ5日以内で品質が劣化するもので
- 弁当やおにぎり
- 惣菜や調理パン
- 生菓子(ケーキ)
- 生めん
- 食肉等
などが挙げられます。
つまりこれらの食べ物は期限が過ぎたら食べないほうが良いということになります。
常温保存の常温は何度のことを指す?
賞味期限が常温保存で〇〇日と記載してあった場合、何度くらいでの保存かわかりますか?
一般的にこの範囲の温度が食品を常温で保存するときの目安となります。
そのため30℃位で保存すると「賞味期限よりも前においしく食べることができない」可能性もあり、また反対に10℃位ですと賞味期限が長くなる場合があります。
チョコレートなどは溶けやすいので夏は冷蔵庫に入れて保管した良い場合があります。
期限切れの食品の食べられる目安は?販売は違法ではないの?
賞味期限が切れたとしても、食べることは可能ということがわかりましたが、ではいつまで食べても大丈夫なのでしょうか?
これは食べ物によって大きく変わります。
数年の賞味期限があるペットボトルの水は期限が切れた後でも、保存状況が良ければ数か月過ぎても大丈夫な場合が多いです。
一方で卵は数か月過ぎたら間違いなく腐ってしまいますよね。
そのため期限の切れた食べ物を食べる場合は
- 見た目
- 味
- ニオイ
などに変化がないか確認してから食べる必要があります。
特にカップ麺やインスタントラーメン、スナック菓子などの油で揚げている食べ物は注意が必要です。
これらの食べ物は数か月の賞味期限に設定されいる場合が多いので、多少期限が過ぎても食べることが可能です。
ですが時間が経つとともに食品に含まれている脂質(油)が酸化して過酸化脂質が増えてきます。
この過酸化脂質は健康や美容に悪影響を及ぼすと言われています。
また、このような食べ物は期限が過ぎると異臭を放ち、味もかなり落ちるので、他に食べるものが無いという以外はあまりおすすめできません。
では実際に賞味期限切れの食品を特価で販売しているスーパーがありますが、あれは問題ないのでしょうか?
これは賞味期限が切れているのがわかっているのに、その部分は説明せず、ただお買い得品として販売するのはダメなのですが、きちんと「こちらの食品は賞味期限切れ品です」と案内していれば販売しても問題ありません。
賞味期限や消費期限の設定の仕方について
消費期限の設定は期間が短いので、その食品の正しい保存方法で検査して設定できます。
一方、賞味期限の場合は数か月や1年以上保存可能なスナック菓子やカップ麺などは常温での保存期間が長いため、正しい保存方法の検査では賞味期限を設定するのに時間がかかり、新商品の発売がかなり先になってしまいます。
そこで多くの食品メーカーで行っているのが虐待検査です。
虐待検査とは?
この検査は温度などの付加をかけて保存試験を行う方法です。
これは一例ですが
30℃ないしは40℃で保存し(虐待)保存後の劣化度合いから賞味期限を算出します。
保存温度が10℃上がれば保存期限は1/3になるといわれています。
30℃で1ヶ月保存可能であれば、20℃では3ヶ月保存可能という具合です。(もちろん食品によって設定方法は違います)
賞味期限や消費期限の設定の仕方について
例えば賞味期限を正しい方法で検査したり、または虐待検査でその食品が100日間商品が食べられる状態にあったとします。
その場合多く食品メーカーは賞味期限を100日とは設定せず、その7割位(この場合は70日)で設定している食品メーカーが多いです。(これもメーカーによりますが、以前勤務していた食品会社では7割で設定していました)
なじ実際の検査結果より短い設定にするのかというと、より安全性を高めるためです。
そのため、きちんとした状態で保管していれば賞味期限が数日切れた位では賞味期限切れ前と品質はそれ程変わりません。
ただ商品には賞味期限の日付は載っていても製造日の日付が載っている商品はほとんどないので、賞味期限の日数が何日間なのかはメーカーにたずねない限りはわかりません。
つまりお店で商品を見て賞味期限があと1か月だった場合、その商品の賞味期限が2か月の商品なのか半年、または1年以上の商品なのかわからないのですよね。
そのため1週間程度賞味期限が過ぎても問題ありませんが2か月、3ヶ月過ぎていた場合は、まず商品の状態を確認して、それでもよくわからない場合は食品メーカーに賞味期限は何日間なのか確認するのが一番です。
一方で消費期限は先ほども紹介したように「5日以内で品質が劣化するもの」となっています。
商品には日付だけではなく、時間も書いてある場合が多いです。
消費期限が5日間の場合本来は7日間は食べられる(可能性がある)場合が多いので、翌日食べても大丈夫な可能性が高いです。(絶対に大丈夫とは言えません)
ただし消費期限が1日の食品とかは保存試験で2日持つか持たないかの場合が多いです。
そのため期限が切れて数時間以内であれば問題ありませんが、翌日やそれ以上になると安全性は保証できません。
消費期限の場合はできるだけ書いてある日付や時間を守るようにしてください。
賞味期限がない食べ物は何がある?その理由について
食べ物の中には法律で賞味期限の記載が必要ない食べ物があります。
砂糖
長期保存しても劣化する心配が極めて低い為、賞味期限を記載しなくてよいです。
ただし、砂糖は湿気と乾燥に弱いので保存に注意が必要です。
塩
防腐効果がある塩は、無機質なので微生物が繁殖する事が出来ません。
劣化する心配がないので、賞味期限を記載しなくてよいです。
塩も砂糖同様に湿気と乾燥に注意しましょう。
梅干し
昔から作られている塩だけを使った梅干しには賞味期限はありません。
ただし、スーパーなどで売っているハチミツなど旨味成分入りや減塩タイプのものは、賞味期限があるので注意しましょう。
塩だけを使った梅干しの場合、殺菌効果が高いので長期保存が可能です。
アイスクリーム
冷凍保存により、マイナス18度以下になる為、殺菌が繁殖する心配がないので、賞味期限の記載がありません。
ただ賞味期限がないから何年も品質が保たれているのかというとやはり時間が経つと味は落ちてしまいます。
また、家庭用の冷凍庫は開けたりすることがひんぱんなので-18℃以下で保存できていない可能性があります。
購入して1、2か月過ぎても全く問題ないですが、半年や1年となると安全に食べられても買った時と同じような味の保証はありません。
できれば1か月程度で食べることをおすすめします
ガム
水分が極めて少なく、原料に関しても劣化しにくいので、長期保存が可能な為、賞味期限の記載がありません。
賞味期限がないのは、開封前の話になります。
開封後は、早めに食べる様にした方が良いのですが、目安となる期間もありません。
自己管理で保存に気を付ける必要がありますね。
直射日光は避けて、高温多湿に注意しましょう。
野菜や果物
加工食品以外は賞味期限の記載義務がありません。
とはいえ、もちろん腐らないわけはなく、賞味期限については、自己責任となります。
お米
記載してあるのは、製造年月日です。
これは、野菜や果物と同じ扱いで農産物になるので、賞味期限の記載義務はありません。
比べると腐りにくい食べ物ではありますが、精米したお米は、酸化が進み独特の臭いも出て味が悪くなります。
開封後は高温多湿に気を付け冷暗所に保管し、できれば2週間、長くても1か月以内に食べるのがおすすめです。
特に夏は気をつけてください。
はちみつ
最近では、賞味期限が記載されている商品が多いですが、はちみつ自体、強い殺菌力があります。
特に天然はちみつの場合は、適切に保存すれば腐ることはありません。
冷蔵庫に保存すると結晶化するので注意してください。
密閉出来るガラス瓶に入れ常温保存し、使用する時は直接指などを入れないでくださいね。
雑菌やカビが繁殖する原因になるので気を付けましょう。
昆布
袋詰めされている物には、法律上賞味期限の記載義務がありますが、昆布自体には賞味期限はありません。
昆布は水分が付着するとカビが発生する原因になりますので、密閉出来るガラス瓶やプラスチック容器、保存袋に入れて冷暗所で保管しましょう。
まとめ
賞味期限はおいしく食べることができる期限なので期限が切れても多少であれば問題ありません。
消費期限は安全に食べられる期限なので期限切れの場合は注意してください。
どうしても賞味期限や消費期限内に食べられない場合は冷凍保存をするようにしてできるだけ捨てないうにしましょう。
賞味期限が切れていても実際にお店できちんと説明していれば販売は可能です。
商品を捨てるよりは、安くして少しでも食品廃棄を減らしていくほうが環境にも良いですよね。
ただ賞味期限切れ食品を食べる場合は
- 見た目
- 味
- ニオイ
これらをしっかりと確認してから食べるようにしましょう。
そしてカップ麺やスナック菓子など油を使っている食品は油が酸化することで味が悪くなるだけでなく、体にもよくありません。
できるだけ賞味期限内、もしくは期限切れでも数日以内に食べてください。
また腐らないという理由で賞味期限をつけなくてよい食べ物でも、開封したり、保存状態が悪いと品質が劣化してしまうので注意してください。
今回は賞味期限と消費期限について詳しくお伝えしました。
あなたもこの記事の内容で知ったことを家族や友達に質問してみてくださいね。