ケチャップはソースやマヨネーズと同じように、知らないうちに賞味期限が過ぎてしまう食べ物の一つですね。
案外、賞味期限を過ぎても使い続けている人が多いのではないでしょうか?
今回は
- 未開封の賞味期限切れのケチャップはいつまで食べられるのか?
- 開封後のケチャップはいつまでに食べる
- ケチャップは腐るとどうなる
- ケチャップの冷凍保存について
など詳しく紹介します。
未開封のケチャップの賞味期限切れはいつまで大丈夫?
賞味期限と消費期限の違い
食べ物には賞味期限か消費期限が表示されますが、その違いはおわかりですか?
※わからない方は詳しくは賞味期限と消費期限の違い!期限がない食べ物や期限切れの食べ物はいつまで平気・・・をご覧ください。
一般的な食品の賞味期限は簡単に説明すると「おいしく食べられる(飲むことができる)期間」です。
そして消費期限は「安全に食べられる期間」なります。(基本は5日以内です)
となるとケチャップは保存期間が長い食べ物のなので、賞味期限になります。
一般的に未開封のケチャップの賞味期限はおよそ1年半ほどです。
これだけ賞味期限が長いと保存料や添加物がたっぷり使用していると思うかもしれませんが、実は一切使用されていません。
逆に使用するとケチャップとは言えなくなってしまいます。
ケチャップの賞味期限が長い理由
では、なぜ賞味期限が長いのかというと砂糖や食塩が溶けていて水分活性が低く、微生物が繁殖するのに必要な水分が少ないからです。
さらに酢も入っていてpHが低く、香辛料の影響もあり微生物の増殖が困難となってます。
特に酢の殺菌力は塩の90倍もあると言われています。
そのため未開封のケチャップの場合は実際に賞味期限が切れたとしても、かなり長持ちします。
もちろん直射日光が当たり、温度が30℃を超えるようなところで保存した場合は問題ありますが、冷暗所や冷蔵庫など温度管理をきっちりしていれば期限が切れても1年くらいは大丈夫です。
もともと賞味期限はおいしく食べられる期間なので、多少過ぎても問題ありません。
では期限が切れて2年、3年ではどうでしょうか?
期限が切れて2年ということは賞味期限と合わせると製造してから3年以上になります。
おそらく容器に問題なければ大丈夫なのかもしれませんが、3、4年も経つと容器も劣化して何かしら不具合が発生する可能性があります。
ニオイや味を確かめて問題なければ使用できますが、ナポリタンやケチャップライスなどの加熱調理に使うようにしましょう。
開封後のケチャップの賞味期限切れはいつまで大丈夫?
ケチャップの容器を開封した場合は賞味期限が残り半年や1年あったとしても表示の意味はなくなります。
空気に触れることで雑菌が入りやすくなり、未開封と比べると劣化のスピードが早くなります。
では開封してからどれくらいで食べきらないといけないのでしょうか?
トマトケチャップを製造している大手食品会社のカゴメでは
「トマトケチャップは開封後はどれくらいもちますか?」
という質問に対し、
ケチャップは糖類や酢、食塩などが入っていますので、すぐに傷むことはありませんが、時間が経つにつれて風味が落ちてきますので、開封後は、冷蔵庫保管で、1ヵ月程度でお使いください。
と回答しています。
では1か月過ぎると腐って食べられなくなるのでしょうか?
きちんと冷蔵庫で保管していれば1か月過ぎた程度では腐ることはありません。
メーカーはお客様一人ひとりの保管状況を把握できないので本当はもっと長持ちするとは思うものの、絶対に安全な1か月以内で使い切るようにと紹介しているのでしょう。
ヘタにクレームが来ても困りますしね。
では実際にどれくらい持つのかというと
商品安全検査センターが、
「開封後5か月経ったケチャップの微生物検査」を紹介しています。
それによると、
- チューブ容器の口の部分
- キャップを外した部分
- 切り開いたチューブ内部の付着部分
とケチャップの中でも特に中身が傷んでいそうな3か所の検査結果では、どこからも菌の発生は見られませんでした。
参考サイト:生活安全検査センター「開封後5カ月経ったケチャップとマヨネーズの微生物検査」
このように1か月でなく、5か月過ぎても菌の発生はなかったので食べることは可能です。
やはり酢や食塩の殺菌力が強力なのですね。
おそらくこのまま、半年はもちろん1年が過ぎても大丈夫な可能性が高いです。
ではいつまで大丈夫なのかというと、容器の口を食材につけたまま、そのままふかずにフタを閉めたりすると細菌が入り、増殖する可能性があります。
この検査ではキレイに扱っていたので、5カ月でも菌が発生しませんでしたが、扱い方が悪いと菌は発生するので、最後は自分自身で判断するしかありません。
ただし、開封後1か月以上過ぎても食べることはできますが、味は確実に落ちます。
酸化や乾燥、変色などで味や色、香りなどは変質、劣化が進むため、味の保証はありません。
ケチャップは腐る?水が分離しても食べて平気?
ケチャップは腐りにくくて微生物が発生しにくいと紹介しましたが、絶対に腐らないわけではありません。
カビは水分活性が低くても、pHが低くても増殖できますし、香辛料にも強いです。
そのため長期間ケチャップを保存する場合はカビで汚染される事があります。
特に開封したケチャップの注ぎ口付近は使い方が悪い(ケチャップの口を直接食べ物につけるなど)とカビが生えることがまれにあるので注意しましょう。
また、まれに異臭を放つことがあります。
これはケチャップに限らず、ペットボトル等の樹脂容器は完全密閉に見えて実はわずかですが酸素透過性があります。
そのため化学メーカーや容器メーカーはガスバリアーという層をコーティングしたりして日々技術革新をしていますがやはり限界はあります。
特に容器が紫外線にさらされると劣化は加速します。
このように中身が腐るのは容器が原因の場合もあるので、異臭がしたり、カビが生えている、味がいつもと違うと感じたら食べるのはやめましょう。
また長期間保管していると、使用時に先に水だけが出る場合があります。
これは腐っていると思うかもしれませんが、ケチャップと水が分離しただけで品質的には問題ありません。
このような状況になったら、ケチャップを振って混ぜるようにしましょう。
ケチャップはは冷凍保存が可能?
ケチャップは未開封の場合はお店で棚に陳列されているように常温での保存が可能です。
その際に必ず直射日光が当たる部屋は避けて冷暗所に置くようにしましょう。
開封後は必ず冷蔵で保存するようにしてください。
ではケチャップを開封したものの、特に使う予定がない場合は冷凍保存は可能なのでしょうか?
実際に冷凍保存しても問題ありません。
冷凍することで品質の劣化が止まるので、1か月以内に消費しなくてはと焦る必要もないという点では良いですね。
ただ使うたびに解凍して、また冷凍するとなると本来の風味や旨みが劣化するので、冷凍保管ができるタッパーや製氷皿などに入れて保存することをおすすめします。
解凍する場合は前日から冷蔵庫に戻しておくと良いです。
本来冷凍してから解凍すると旨味は落ちるので、やはり加熱調理に使用することをおすすめします。
まとめ
- ケチャップの賞味期限は1年半くらい
- ケチャップは酢・食塩・砂糖を使用するのでほとんど腐らない
- 未開封の場合は賞味期限が1年以上切れていても問題ない
- 期限後かなり過ぎた場合は容器の破裂や亀裂などが無いか確認してから使用する
- 開封後は一般的には1か月以内で使い切る
- 実験では5か月経っても細菌は発生しなかった
- 腐りにくいが容器の口などはカビが生えやすいので注意
- 水とケチャップが分離しても品質に問題はない
- 冷凍保管もできる
お酢の殺菌力のおかげで長期保存が可能のケチャップなので、賞味期限にはあまり敏感になる必要はありません。
ただし、期限切れしてから、かなり過ぎた場合は必ず自ら確認(味やニオイ)してから使うようにしましょう。
その際は必ず加熱料理に使用してくださいね。