牛乳は賞味期限が他の食べ物よりも短いので、知らないうちに期限が切れていたという経験はありませんか?

期限が切れた牛乳を飲むと「腹痛を起こすのでは?」と心配する人もいるかもしれませんね。

今回は

  • 賞味期限が切れた牛乳はいつまで飲んで平気か?
  • 開封と未開封の賞味期限の違いについて
  • 加熱するとどうなる?
  • 牛乳が腐るとどうなる?
  • 腹痛の原因は腐った牛乳?
  • 牛乳の飲む以外の活用法について

など牛乳の賞味期限について詳しく紹介します。

未開封の賞味期限が切れた牛乳はいつまで飲んで大丈夫?

まず賞味期限の正しい意味はおわかりですか?

※わからない方は詳しくは賞味期限と消費期限の違い!期限がない食べ物や期限切れの食べ物はいつまで平気・・・で確認してくださいね。

一般的な食品の賞味期限は簡単に説明すると「おいしく食べられる(飲むことができる)期間」です。

そして消費期限は「安全に食べられる期間」なります。(基本は5日間以内の食べ物です)

低温殺菌された期限が短い牛乳は「消費期限」の場合もありますが、

最近はESL製法の普及により一般的な牛乳は10日~14日程度持つので「賞味期限」となります。

※ESL製法とは
原料乳から殺菌を経て充填されるまでの全工程で、細菌汚染の原因を減らすことにより、牛乳の品質向上を追求した製法

ということは、

「賞味期限が切れた場合でも飲むことはできますが、おいしさの保証はないですよ。」という意味になります。

では賞味期限が過ぎると、とたんにおいしくなくなるのかというとそうではありません。

メーカーは安全性を高くするために実際に検査で出た賞味期限よりも短めに設定するので、ちゃんと冷蔵庫で保存すれば2、3日過ぎてもおいしく飲むことは可能です。

ではいつまで飲むことが可能なのでしょうか?

一般的には未開封の場合賞味期限が切れてから一週間程度は大丈夫だと言われています。

ですが、メーカーや商品、または保存状態などでも日数は変わってきます。

夏の暑い日に買い物して帰ってきても、すぐに冷蔵庫に入れなかった時などは一週間持たない可能性もあります。

開封後の牛乳の賞味期限はどうなる?

今紹介したのは、あくまで未開封の場合です。

開封した場合は賞味期限以内であっても2,3日以内に飲み切ってください。

ただ開封してから、あっという間に4日目過ぎていたということもありますし、

そもそもいつ開封したのか忘れた」なんてこともあるのではないでしょうか?

その場合、飲んで良いのか悪いのかの見分け方を紹介します。

牛乳が腐っているかどうかの見分け方!加熱すれば平気?

牛乳が腐るときは「酸性」か「アルカリ性」のどちらかになります。

  • 酸性」の場合

分離したり、ぶつぶつが出ていたり、ヨーグルトのように固まったりします。

  • 「アルカリ性」の場合

見た目はほとんど変わらず、なめると苦み酸味がある

※苦みを感じたら、すぐに吐き出してうがいをしてください。

もしも腐っているのかどうかわからない時は加熱をしてみましょう。

牛乳を温めてみて「モロモロと固まる・分離する」というのであれば、腐っているので飲んではいけません。

温めてみて腐っていない場合は「表面に薄い脂肪の膜ができるか、湯気がでるだけです

牛乳を加熱をすれば食中毒の心配はない?

牛乳が腐っているかどうかわからない場合は加熱すると殺菌できるから安心して飲めるのでしょうか?

牛乳の食あたりの原因となるのは「黄色ブドウ球菌」です。

以前雪印の集団食中毒時間がありましたが、その時も黄色ブドウ球菌が原因でした。

黄色ブドウ球菌はヒトの皮膚や鼻腔などにも存在する菌なので、それ自体はあまり毒性がありません。

問題は気温が20℃以上になると「エンテロトキシン」という毒素が生まれます。

この毒素が食中毒を引き起こしてしまうのです。

牛乳を75℃以上で加熱すると黄色ブドウ球菌やほかの細菌も死滅しますが、エンテロトキシンは加熱しても残ります。

そのため腐っているかどうかわからない状態の場合、

牛乳を加熱さえすれば安全というわけではない!

ということを覚えておいてください。

腹痛が起きたのは腐った牛乳が原因?

牛乳を飲むといつも

  • お腹が痛くなる
  • 下痢をしてしまう

というのは腐った牛乳を飲んだからではありません。

これは「乳糖不耐症」とよばれる症状で、ラクターゼやガラクトキナーゼなどの乳糖分解酵素の不足か活性化の低下のためです。

乳糖が消化できずに大腸に届くと、腸内細菌の作用でガスを発生させたり下痢をしてしまいます。

乳糖不耐症は日本人の半分以上とも言われますが、子どもの時は平気だったのに、大人になって下痢などの症状に悩むのはラクターゼなどの酵素が歳を取るにつれて、年々減少するからです。

乳糖不耐症は病気ではありません。

温めたものを少しずつ飲んで量を増やしていくと腸内に乳糖分解酵素が増えて次第に飲めるようになります。

牛乳で食中毒になった時の症状は?

牛乳を飲むといつもお腹の調子が悪くなるのは病気ではありませんが、

  • 吐き気や嘔吐(おうと)
  • 発熱
  • 激しい腹痛
  • 激しい下痢

などいつもと違うと感じたら食中毒の可能性があります。

特に嘔吐や激しい下痢は脱水症状になることもあるので、子どもやお年寄りは注意が必要です。

賞味期限切れ牛乳の活用法

賞味期限切れの牛乳を確認しても腐っていないとは思うものの、少し不安を感じる人は飲む以外にも牛乳は活用法があります。

① 観葉植物に塗る

ティッシュに牛乳を含ませて葉の表面をふくとホコリが取れてツヤがでます。

また、アブラムシやダニなどに直接霧吹きなどで吹き付けると害虫を退治することができます。

ただし牛乳は吹き付けることで膜をつくり害虫を窒息しさせる仕組みなので、晴れた日の午前中に吹付けましょう。

そして膜ができるというのは花も呼吸できなくなってしまうので、牛乳が乾いたら夕方までに水で洗い流してください。

②サビや黒ずんだ銀製品をピカピカに

サビや黒ずんだシルバーアクセサリーやスプーンなどの銀製品は牛乳に含まれているタンパク質の一種のカゼインが汚れを落として輝きをよみがえらせてくれます。

銀製品を牛乳に浸したら、30分~1時間程度浸してからふき取ります。

その他にも牛乳をしみこませた布で気になる部分をゴシゴシ吹くやり方でも汚れが落ちます。

以前はフローリングの汚れにも牛乳が良いと言われていましたが、床材によっては変色する恐れがあります。

また日本の気候風土はフローリングにすり込んだ牛乳がすぐに腐敗して臭う場合があるため、あまりおすすめできません。

➂陶器のヒビ割れの補修

陶器の茶碗やお皿などのヒビが入っているもの、欠けているものは捨ててしまっていますか?

実は陶器のヒビや小さく欠けている場合は牛乳で直すことが可能です。

直し方

  • ヒビや欠けている陶器がすっぽり入る鍋にいれる
  • 鍋に牛乳を陶器が隠れるくらいまで入れる
  • 鍋を弱火で1時間程加熱する
  • 牛乳を冷まして、陶器を洗い流す

④美容アイテムとして

牛乳の豊富な栄養成分は体内だけではなく、皮膚の表面からも吸収できます。

牛乳に期待される美容効果

  •  糖タンパク質:コラーゲンの生成を助け、肌に弾力を与えてシワを緩和する
  • セラマイド(糖質成分):肌に潤いを与える
  • タンパク質分解酵素:肌の古い角質をなくし、なめらかな肌にする

特に賞味期限が過ぎた牛乳には、保湿や美白、アンチエイジング効果のある「AHA」という成分がより増えた状態になっているため、洗顔をするとしっとりとした肌になります。

【牛乳の洗顔活用法】

  • 洗面器にぬるま湯と、コップ一杯の牛乳を入れて混ぜて洗顔する
  • ぬるく温めた牛乳を顔にぬり、コットンなどで肌をやさしく拭き取る⇒くすみの原因となる角質を除去できる
  • 冷たい牛乳をコットンにたっぷり浸して上まぶたにのせると血液循環が良くなり目の疲れを癒してくれる

牛乳のタンパク質成分は目元の小じわ予防にも役立ちますので、しわで悩んでいる人はぜひお試しください。

美容利用はアレルギー反応が出る場合があるのでまずパッチテストをしてから行いましょう

⑤牛乳風呂

美容効果のある牛乳はお風呂に入れるのもおすすめです。

クレオパトラや古代ローマの貴婦人は美貌を保つために牛乳風呂を愛用したことが知られています。

特に女性の場合、ストレスが肌に現れることが多いですが、牛乳風呂に入ると牛乳のほのかな香りによってリラックス効果が得られ、イライラや不眠ストレスなどを解消することができます。

牛乳風呂は湯船に約1リットル程の牛乳を注いて、かき混ぜてから入ります。

湯の温度はリラックス効果の高い38~40℃にして20~30分ゆっくりつかりましょう。

まとめ

未開封の牛乳の賞味期限は10日~14日ですが、1日、2日程度の賞味期限切れの牛乳はまだおいしく飲むことができます。

ただしビールのなどのアルコール類は賞味期限が切れても数か月は平気ですが、牛乳は細菌が増えやすいため、賞味期限が切れた日から一週間以内には飲むようにしましょう。

開封した牛乳は賞味期限は関係なく2、3日以内には飲み切りましょう。

牛乳が腐っているかどうかはわからないときは加熱をすることおすすめしますが、加熱すれば細菌が完全に死滅しない場合があるので注意してください。

牛乳をお肌に塗ることで美容効果が期待できますし、他にもいろいろと活用法があるので、心配な場合は飲まずに使い切りましょう!