今注目のオメガ3系脂肪酸のオイルですが、注目度が少しずつ上がっているのが「グリーンナッツオイル」です。別名「サチャインチオイル」や「インカインチオイル」とも呼ばれます。
オメガ3系の油といえばえごま油や亜麻仁油が人気がありますが、グリーンナッツオイルとどのような違いがあるのかまた注目の栄養成分や効果効能、一日の摂取量について紹介します。
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グリーンナッツオイルとは?脂肪酸の種類と特徴について
グリーンナッツオイルの原料の植物であるサチャインチは南米アマゾン(熱帯雨林)の標高が高い地域に自生しています。
このサチャインチから摂れるサチャインチナッツは南米アマゾンの現地人にとって貴重な栄養源であり、時には体を癒す目的でも食されておりました。
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このこのサチャインチナッツは数年前はなかなか手に入りませんでしたが、最近ではアマゾンなどのネットショップでも手に入るようになりましたね。
そしてこのサチャインチの種から抽出されたのが「サチャインチオイル」ですが、この種が緑色の星形のさやの中にあるナッツから採るため別名「グリーンナッツオイル」ともいいます。
現在はサチャインチオイルやインカインチオイルよりもグリーンナッツオイルと呼ばれることが多いようです。
グリーンナッツオイルの脂肪酸種類と含有量
脂肪酸の種類 | 含有量 |
---|---|
αリノレン酸 | 50% |
リノール酸 | 30% |
オレイン酸 | 8% |
その他 | 12% |
食用油には脂肪酸の種類の含有量によってオメガ3系、6系、9系のオイルに分けられますが、グリーンナッツオイルはオメガ3系脂肪酸のαリノレン酸が多く含まれているためオメガ3系オイルになります。
オメガ3系脂肪酸は不飽和脂肪酸の一種でチアシードオイルにはαリノレン酸というオメガ3系脂肪酸が多く含まれています。
他のオメガ3系オイルの脂質のうちαリノレン酸が占める割合は
- チアシードオイル:62.9%
- えごま油:60.0%
- アマニ油:56.0%
これらの油と比べるとグリーンナッツオイルは半分ではありますが、αリノレン酸は大量摂取は必要ないのでこれだけで十分な量です。
オメガ3系の一種であるαリノレン酸は現代人が不足している脂肪酸ですが、多くの効果や効能をもたらすと注目されている栄養成分です。
グリーンナッツオイルに豊富に含まれるαリノレン酸の効果や効能について
αリノレン酸は細胞膜の構成成分で、血栓が作られるのを防いだり体内の炎症を下げ、アレルギーを抑制するなどの働きを持つと言われています。
以前にNHKBSの番組でお笑いタレントの方がオメガ3系のオイルを毎日1杯1か月継続して摂った結果(通常の食事の量は減らさず)、1か月で2.6kg体重が減り、中性脂肪も10%以上減りました。(もともと太っている人ではありましたが)
体重や中性脂肪が減ったのは「新陳代謝がよくなりエネルギーを余計に燃やした結果」のためと言われています。
またそのタレントさんは花粉症だったのですがオメガ3のオイルを摂っている間、例年よりも症状が軽かったと証言していました。(もちろん、個人差はあります)
またαリノレン酸の一部(10~15%)は特に青魚に多く含まれいて同じオメガ3系脂肪酸の
- DHA(ドコサヘキサエン酸)
- EPA(エイコサペンタエン酸)
に変換されます。
DHAは「子どもの学力向上」に効果があるとして注目された成分で、EPAは血栓を防止する成分が多く含まれているのが特徴です。
αリノレン酸と同様、共に「血液の流れを良くしてサラサラにする」という働きがありますが注目されているのは下記の効果や効能です。
1.血流改善➡動脈硬化の予防➡生活習慣病の予防
2.アレルギー抑制➡花粉症やアトピー性皮膚炎の抑制
3.精神の安定➡うつの軽減
4.老化防止しわ・たるみの予防(美肌効果)
5.記憶力や判断力の向上
6.視力の回復
7.アルツハイマー・認知症への効果
8.善玉(HDL)コレステロールを増やし悪玉(LDL)を減らす
9.中性脂肪の減らす(肥満予防)
このようにαリノレン酸を摂ることで
- 新陳代謝が活発になって体重や中性脂肪が減りやすくなるといったダイエット効果
- 血液がサラサラになることで動脈硬化や生活習慣病などの予防、アレルギー症状改善といった健康効果
- シミやしわを予防したり、紫外線から肌を守る美肌効果
この健康・美肌・ダイエット効果以外にも精神が安定してうつが改善したり、記憶力が向上して認知症予防にもなると期待されています。
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ビタミンEの効果効能
グリーンナッツオイルで注目なのはαリノレン酸だけではありません。ビタミンEも豊富に含まれています。
ビタミンEが多い食用油や食べ物は他にもありますが、オイルだけでなく食べ物の中でも断トツに多いのがグリーンナッツオイルです。
グリーンナッツオイルにはビタミンEが100gあたり200mg含まれています。
食用油でビタミンEが豊富といわれる
- オリーブオイル:7.5㎎
- 米油:26.1㎎
- ひまわり油:38.7ⅿg、
などと比べると、いかにグリーンナッツオイルのビタミンE含有量が多いのかがわかりますね。ビタミンEは「若返りのビタミン」と言われ、抗酸化力が強い成分です。
「抗酸化=老化を防ぐ」という意味ですから、しみやシワを防いだり、紫外線から守るといった美肌効果や肌だけでなく、細胞や血管の酸化(老化)も防ぐので多く病気の予防にもなります。
またビタミンEは血液改善効果=血液サラサラ効果も期待できるので、血液がドロドロになることによって起る動脈硬化や生活習慣病などの予防につながります。
血液のサラサラ効果や美肌効果はαリノレン酸にもある効果なのでビタミンEとの相乗効果も期待できます。
今ではビタミンEサプリも色々販売していますが天然のビタミンEがたくさん摂れるグリーンナッツオイルの方がおすすすめです。
グリーンナッツオイルの一日の摂取量について
αリノレン酸の摂取量に制限はある?
グリーンナッツオイルは1日どれくらい摂取して良いのでしょうか?αリノレン酸やDHAなどのオメガ3系脂肪酸は現代人が不足している成分で、厚生労働省でもオメガ3脂肪酸を摂取するように推奨していています。
厚生労働省では1日の摂取基準を
- 男性2.1~2.4g
- 女性1.8~2.1g
と定めていますが
この量はグリーンナッツオイル大さじ1杯分になります。
ビタミンEの推奨摂取量と耐容上限量
ビタミンEの1日の推奨摂取量は成人男性7.0mg、女性6.5mgです。グリーンナッツオイルの大さじ1杯(12g)のビタミンEの含有量は24mgなので十分な量を摂取することができます。
他の食べ物にもビタミンEは含まれているので過剰摂取の心配があるかもしれません。ですが、ビタミンEの耐容上限量が650~700㎎なので大さじ1杯では他の食べ物での摂取を考慮しても過剰にはなりません。
では大さじ2、3杯と摂取しても良いのでしょうか?αリノレン酸は日本では上限摂取というのは定められていません。
摂りすぎ注意のリノール酸
そしてビタミンEも大さじ数杯程度では耐容上限量に達しないので、この2つの成分だけを考えると大さじ2杯以上摂っても良いのですが問題はオメガ6系脂肪酸のリノール酸です。
現代人はαリノレン酸などのオメガ3系脂肪酸は不足気味なのですが、リノール酸などのオメガ6系脂肪酸は過剰摂取の傾向にあります。日本一売れているサラダ油や多くの加工食品に使われている植物油脂はリノール酸などのオメガ6系脂肪酸です。
さらに、
- 油を使ったドレッシングやマヨネーズなどの調味料
- 揚げた食べ物(から揚げ、フライドポテト、メンチカツ、コロッケなど)、
- 肉類やナッツ類
などにも多くの脂肪酸が含まれているので、オメガ6系脂肪酸(特にリノール酸)を摂り過ぎてしまう傾向にあります。
オメガ6系脂肪酸はオメガ3系脂肪酸と同じ必須脂肪酸で体内で合成することができないため、食べ物で摂取する必要があるので、本来適正な量を摂取していれば健康に良い効果がある脂肪酸です。
ですが現代人はオメガ3系脂肪酸をほとんど摂らず、オメガ6系脂肪酸が過剰摂取と極端なので、脂質のうち30%がリノール酸のグリーンナッツオイルはやはり大さじ1杯までにしておくことをおすすめします。
できれば加工食品やコンビニ、スーパーの惣菜などの料を減らせるのであれば、グリーンナッツオイルを大さじ2杯程度ならば問題はありません。
カロリーについて
ただしどの食用油もカロリーがほぼ同じで、大さじ1杯(12g)は約110kcalなので、健康に良い成分が豊富だからといっても、3杯、4杯となると摂り過ぎなので危険性が高くなります。
毎日健康的な食生活をしている人であれば大さじ2杯以上摂っても問題ないのですが、太り気味の方や偏食気味の方、暴飲暴食をする方などバランスの摂れた食事ができない人はまず大さじ1杯からスタートしましょう。
グリーンナッツオイルの味やニオイ、アマニ油やえごま油との違い
グリーンナッツオイルは瓶のフタを開けてニオイをかぐと、「草のようなニオイ」が鼻にツーンときます。これが食欲をそそらないので、「ちょっと苦手かも」と感じてしまう可能性もあります。
味に関しても若干、草を食べているような感じがして、私はなんとかそのまま飲むこともできましたが、人によっては「無理!」と思うかもしれません。
ですがアマニ油やえごま油もある程度クセがあるので、それらと比較してみると、特別グリーンナッツオイルが特別まずいとは感じません。
一度そのまま摂ってみて気になる方は
- みそ汁やスープなどに入れる
- 焼魚や肉料理になどにかける
- 味の濃いピサやパスタなどにかける
- アイスクリームにかける
このような食べ方ですと、ほとんど気になりません。私はよくアイスクリームにかけて食べています。また、オメガ3系の食用油は熱に弱いαリノレン酸が豊富に含まれているので
- そのままスプーンですくって飲む
- サラダにかける、ドレッシングの材料にする
- 食べる前のみそ汁やスープにかける
という食べ方が推奨されています。
ですが、グリーンナッツオイルは普通に炒め物に使用しても大丈夫です。これは抗酸化力が強いビタミンEが豊富に含まれているためで、数分の炒め物程度であれば熱に弱いαリノレン酸が減ることもなく摂取できます。
揚げ物は炒め物より温度が高くなるのと、長い時間加熱するという意味でおすすめできない以外にも、ニオイと味にクセがあるので、それを揚げ物に使用すると味が付いてしまい、おいしくありません。
ただ実はアマニ油やえごま油も炒め物程度であれば、加熱料理をしても全く問題ありません。実際の実験では「数分程度の炒め物であれば全く問題なく、αリノレン酸もほとんど減ることはない」とわかってきました。
詳しくはアマニ油の効果・効能と栄養成分のαリノレン酸や食べ方と摂取量!加熱はOKって本当?をご覧ください。
多くの書籍やネットなどでも、未だに「オメガ3オイルは加熱はやめましょう」と紹介していますが、食品油脂研究の第一人者である奥山治美先生が書いた
「オリーブオイル・サラダ油は今すぐやめなさい!」でもオメガ3オイルを加熱しても問題ないと紹介しています。ぜひ炒め物であればサラダ油の代わりにグリーンナッツオイルなどのオメガ3オイルを使用しましょう。
まとめ
グリーンナッツオイルは現代人が不足している脂肪酸のオメガ3系脂肪酸(αリノレン酸)や抗酸化力が強いビタミンEが豊富に含まれています。大さじ1杯で1日に必要なオメガ3系脂肪酸を摂取できますので、毎日継続して摂るようにしてください。
ちょっとクセが強いですが、加熱や味の濃い食べ物にかければそれほど気になりません。ぜひ健康のためにサラダ油はすぐにやめて、グリーンナッツオイルを試してみてくださいね。