お茶には緑茶、ウーロン茶、紅茶といった定番のものから、人気のルイボスティーや黒豆茶、桑茶、そしてハーブティーなどたくさんの種類がありますね。
単においしいという理由ではなく、健康や美容に良いという理由で飲む人も多いです。
その健康茶の中で昔流行った「杜仲茶」はダイエットに良いということでテレビなどにも取り上げられて一時期話題になりました。
ただブームが去った後は、あまり名前を聞かない時期もありましたが、最近では杜仲茶の健康効果も再び注目されるようになり、愛飲している人も増えてきました。
ではこの杜仲茶には他のお茶には無い、どのような栄養成分が含まれていて、多くの効果や効能をもたらすのでしょうか?
杜仲とは?その特徴について
杜仲は、トチュウ目トチュウ科という種類で、20年程度で高さが20mにも達する落葉高木です。現在は中国原産の1種類しか存在していません。
杜仲が最も繁殖していたのは、恐竜時代末期の6千万年前頃~6百万年前と言われていて、その当時には多くの地域で、さまざまな種類の杜仲が存在していました。
ですが、恐竜さえも絶滅した氷河期に、杜仲の木も大きな打撃を受け、生き伸びたのは1種類だけ。このような経緯から、杜仲は「現代の生きた化石植物」とも呼ばれています。
杜仲茶は害虫も嫌がるゴムの木
杜仲の生葉を裂いたり樹皮をはがすと、裂け目から白銀色の乳液が糸を引くように現れます。
杜仲ゴムは、プラスチックのような堅さがあり、酸アルカリに強く、絶縁性が高いという性質から、今後は自動車のタイヤ、医療用のギプスなど、工業原料として大いに活用されることが期待されています。
そして驚くことに杜仲の木には害虫がつきません。これは害虫が杜仲茶の葉を食べ始めるとネバネバがからまるためです。このため、虫がつかずに農薬いらずで自然のまま育ちます。
このネバネバ成分をグッタペルカといい、そのまま冷やすと硬くなるため、歯の治療の詰め物などにも使用されています。
このような点も、私たちが安心して飲むことができる理由のひとつです。
外国のお茶だけでなく、日本のお茶も無農薬で栽培しているとアピールしているところ以外は、たとえ高級茶でも害虫駆除のために大量の農薬をまいて、その安全性についてはいろいろ議論が交わされています。
「杜仲茶には農薬の心配がない」というのはうれしい点ですが、それだけでなく、他のお茶にはあまり見かけない栄養成分が含まれていて多くの効果効能をもたらせてくれます。
杜仲茶の栄養成分と効果効能について
杜仲の樹皮は、五大漢薬の1つとして古くから
- 降圧(血圧を下げる)
- 利尿
- 強壮
- 鎮痛のために使われてきていて
日本でも樹皮は医薬品に指定されています。
一方で深緑の葉を摘み取り乾燥後、焙煎した杜仲茶は日本で生み出されたものです。
杜仲茶の注目の栄養成分
杜仲茶には
◎ミネラル類
- 鉄・亜鉛・カリウム・カルシウム・マグネシウム
◎ビタミン類
- ビタミンB1・B2・B6・ビタミンC
◎杜仲茶独自の成分
- ゲニポシド酸・アスペルロシド・グッタペルカ
といった健康に嬉しい栄養成分が含まれています。
杜仲茶の期待できる多くの効果や効能
①基礎代謝を上げる
杜仲茶には肝臓、筋肉、褐色脂肪細胞の働きを高めて、基礎代謝を上げる効果があることが研究でわかっています。なんと、毎日1時間のウォーキングと同じエネルギー消費量といわれています。
②内臓脂肪を減らす(ダイエット効果)
杜仲独自の成分「アスペルロシド」は、小腸で胆汁酸の分泌量を増やしてくれます。
分泌された胆汁酸は肝臓、筋肉、褐色脂肪細胞など脂肪を燃やしやすい細胞に働きかけて、脂肪の代謝を活発にするスイッチをオンにします。その結果、基礎代謝が高まって内臓脂肪が減っていくのです。
年齢によって体脂肪が気になる方やダイエットに取り組んでいる方におすすめです。1か月飲み続けることで中性脂肪が、2か月で内臓脂肪が減ると言われています。
➂血管を広げて高血圧を防ぐ
杜仲独自の成分「ゲニポシド酸」には副交感神経を高める働きがあり、これが血管の筋肉である「平滑筋」を緩めて血管を広げると言われています。
血管が広がることによって血圧が下がり、高血圧を始めとする様々な生活習慣病を予防してくれると期待されています。
血圧が高い状態が続くと血管への負担が大きく、
- 脳梗塞
- 心筋梗塞
- 動脈硬化
- 狭心症
といった生活習慣病を引き起こす原因となります。
2週間飲み続けることで血圧に効果が出ると言われています。
④肝臓・腎臓の働きを促す
杜仲茶には高い利尿作用があることでも知られています。杜仲茶に含まれているカリウムはナトリウム(塩分)の排出作用があります。
これが身体の中の老廃物や毒素を尿として体外に排出する効果を持っています。杜仲茶の高い利尿作用が肝臓や腎臓の働きを促してくれるため、生活習慣病が起きるリスクを減らすことが出来ます。
⑤二日酔いの予防
肝臓と腎臓が活発になることで、アルコールを分解して尿として排出する働きが高まると言われています。飲み会の前と後には杜仲茶が欠かせませんね。
⑥血糖値の上昇を抑えて糖尿病を予防
杜仲茶には、「アディポネクチン」というホルモンの分泌を促す効果があります。
このアディポネクチンはインスリンの働きを手助けして、血糖値の急な上昇を緩やかにする作用を持っています。これにより高血糖から始まる糖尿病や肥満といった生活習慣病の予防に繋がります。
⑦メタボリックシンドロームの予防
杜仲茶には、コレステロール値を下げてメタボリックシンドロームを予防する効果もあります。杜仲茶を飲むことで分泌が促されるアディポネクチンには、コレステロールや中性脂肪の値を下げるための働きがあります。
コレステロールは善玉と悪玉に分かれていて、悪玉コレステロールは身体の中に一定量必要ですが増えすぎると血液がドロドロになってしまうと言われています。
これに対して善玉コレステロールは、増えすぎて余った悪玉コレステロールを回収してくれます。
杜仲茶にはこの善玉コレステロール値を増やす効果があるため、必然的に悪玉コレステロール値が減少していくのです。
また、中性脂肪には善玉コレステロールを減らして悪玉コレステロールを増やす厄介な作用があります。
この中性脂肪はアディポネクチンを摂取することで減少させることができるため、結果的に中性脂肪とコレステロールの値を両方同時に減らすことができるのです。
⑧精神にも身体にも働きかけて便秘を解消
ゲニポシド酸には副交感神経を高める作用があります。副交感神経の働きがUPすると
- 自律神経を整えてリラックスさせる
- 不眠や睡眠不足を解消する
- 腸内環境を整えて無理なく自然な便意を促す
といった効果が期待されています。
また、ネバネバ成分のグッタペルカは不溶性食物繊維の一種ですので、便秘の解消も期待されています。
⑨鎮静作用効果
リューマチの痛みや神経痛、そして筋肉痛や肩こり、または肩こりから来る頭痛を鎮静する効果が期待できます。
⑩美肌・美容効果
コラーゲンの合成を促進させ、より繊細なコラーゲンを作り出す働きがあります。年令が増す事により増えてくるシミやシワ、白髪や薄毛、抜け毛などを緩和してくれる効果が期待できます。
⑪閉経後の骨密度減少の抑制効果
研究では、脛(けい)骨と大腿(だいたい)骨の骨重量および骨密度がUPすることが確認されたそうです。そのため、杜仲茶が女性閉経後の骨粗鬆症を予防できる可能性があるのではと考えられています。
いかがでしたか?杜仲茶には、こんなにも沢山の効能があるのです。
もちろん杜仲茶は薬ではないので、即効性はありません。継続して飲むことで効果が期待できます。
しかもノンカフェインで無農薬!!小さなお子さまからお年寄りまで、安心して飲めますね。
杜仲茶の正しい選び方とおすすめ品
一般的に健康に良いお茶を選ぶ時にポイントなるのが無農薬かどうかです。栄養成分がたっぷりなお茶も農薬がどれくらい使用しているのかわからないとなると、やはり気になってしまいます。
ですが杜仲茶は先程も紹介したように、無農薬で育てることができるのでアピールポイントにはなりません。
生産地に関しては原産は中国ですが、日本でも栽培されている所も多いのでおすすめは安心できる日本産です。
そしてもう一つのポイントがティーパックタイプか粉末タイプかです。ディーパックですと栄養が茶葉に残ってしまい杜仲茶の効果効能を十分に得ることができません。
特に不溶性食物繊維のグッタペルカなど、茶葉を食べないと摂れない成分もあります。粉末タイプであれば茶葉ごと飲めるとうい点でおすすめです。