夏に良く飲む飲み物といえば「麦茶」ですね。味にクセがないので、とても飲みやすく、ノンカフェインなので小さなお子さんでも手軽に飲めます。
最近は健康茶ブームでいろいろなお茶の効果や効能が注目を集めています。それらのお茶と比べると「麦茶って健康効果はあまりないの?」と思うかもしれません。
ですが、麦茶には健康効果が期待できる成分がたくさん含まれています。今回は麦茶に含まれる栄養成分やその効果や効能を中心に紹介します。
麦茶の特徴!ハト麦茶との違いは?
麦茶は何から作られているのかご存知ですか?またハト麦茶と麦茶は同じ飲み物だと思っていませんか。実は麦茶は「六条大麦」、つまり大麦の実が原料です。一方ハト麦茶は「ハト麦の実」から作られます。
緑茶と紅茶、ウーロン茶は醗酵度合いの違いで同じお茶の葉を使用しますが、麦茶とハト麦茶は全く別の原料から作られる飲み物です。この麦茶の原料の大麦ですが、最近は健康に良いと注目されていて、白米に混ぜて食べる人も増えてきています。
麦茶は赤ちゃん、妊婦におすすめノンカフェイン
麦茶といえば「ノンカフェインのお茶」と知っている人も多いですが、カフェインは健康に悪いのかというと必ずしもそうではありません。
カフェインの効果と言えば
- 覚せい作用
- 集中力アップ
- 片頭痛緩和の作用
- 筋肉疲労緩和
- 眠気をなくす
- 脳卒中の危険を減らすなど
健康に良い効果がたくさんあります。ただ問題は摂り過ぎに注意しなければなりません。
カフェインが1日300㎎程度であれば問題ないのですが500㎎以上摂ると場合によっては、急性中毒症と言われる
- 神経過敏
- 興奮
- 睡眠障害
- 顔面紅潮
- おう吐などの胃腸症状
などの症状が出る可能性があります。ではそんなに飲まなければ良いと思うのですが、ドリップコーヒー150ml3杯でカフェイン300mgになります。
カフェインはコーヒー以外にも緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーラ、栄養ドリンクココア、チョコレートにも入っているので、これらの食べ物が好きな人は知らないうちに摂り過ぎてしまう可能性があります。
特に妊婦さんがカフェインを摂り過ぎると胎盤を通じてお腹の赤ちゃんもカフェインを摂取することになるので、妊娠中や授乳中はカフェインレスの麦茶を飲むことをおすすめします。
ではノンカフェインで栄養価が高い大麦が原料の麦茶にはどのような効果や効能が期待できるのでしょうか?
麦茶の注目の栄養成分と効果効能!
麦茶はミネラル豊富?
麦茶といえば「ミネラ~ル麦茶!」とCMもあるようにミネラルが豊富だと思っている人も多いようです。ですが麦茶100mlに含まれている主なミネラルは
- カリウム:6mg
- カルシウム:2mg
- リン:1mg
- 亜鉛:0.1mg
と微量です。
現代人はミネラルが不足していると言われていますが、麦茶を飲んでもミネラル不足解消にはなりません。このミネラルの量でよく「ミネラル麦茶」と宣伝するのだろう?と疑問に思うほどです。
おそらく原料の大麦がミネラルが豊富という理由しか考えられないです。またビタミン類もほとんど含まれていません。
「じゃあ、やっぱり麦茶を飲んでも効果や効能は無いのか?」と思うかもしれません。確かにミネラルやビタミンはほとんど含まれていないのですが、実は麦茶には健康に効果や効能のある成分が含まれています。
その大麦から抽出された麦茶も健康に良い飲み物です。
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「大麦の注目の栄養成分と効果効能がスゴイ理由!その種類と炊き方や食べ方、小麦との違い」
【①血液をサラサラにする効果】
麦茶の香り成分のアルキルピラジンには血液をサラサラにする効果があります。血流が悪く(血液ドロドロ)なってしまうと生活習慣病から命の危険を及ぼす大病にかかりやすくなります。
健康診断の結果が悪いという人は夏だけでなく普段から麦茶を飲むようにしましょう。
【②ストレス解消・不眠解消】
麦茶にはアミノ酸の一種であるγ―アミノ酪酸(GABA)が豊富に含まれています。GABAは高まった神経伝達物質を抑制する効果があります。
そのため、ストレス解消や不眠解消、血圧を下げる効果、PMS(生理前のイライラ)などにも効果的です。
【③ 胃がんのリスクを減らす効果】
麦茶には酸化防止剤の効果あるp-クマル酸が含まれています。p-クマル酸が発がん性のあるニトロソアミンの生成を抑えることにより、胃がんのリスクを減らすと言われています。
もちろん、麦茶は薬ではありませんし、麦茶で胃がんを予防するという実験結果があるわけではありません。ですが、胃がんのリスクを減らす成分が含まれているということは継続して飲みたくなりますね。
【④ 虫歯の予防】
麦茶にはバクテリアの定着を予防する効果があります。特に虫歯の原因であるミュータンス菌に効果があり、麦茶を飲んでいると虫歯になりにくくなります。
ですが、きちんと歯は磨きましょう!
【⑤ 腸内環境改善】
むぎ茶の原料の大麦が最近注目されているのは水溶性の食物繊維である「β‐グルカン」の健康効果によるものです。そして日本やアメリカ、オーストラリアなどの公的機関が機能性表示を認めているほどの注目の成分です。
β-グルカンの効果と機能性表示を認めている国
β-グルカンの効果 | 認めている国 |
---|---|
食後の血糖値を抑える | 日本、欧州 |
正常な腸機能の維持 | 日本、韓国 |
排便促進効果 | 欧州 |
心疾患のリスクが減る | 米国、カナダ、欧州 |
コレステロール値が低下 | 日本、欧州 |
このようにミネラルやビタミン類はほとんど含まれていない麦茶でも他に多くの注目の栄養成分が含まれています。
麦茶の正しい選び方
麦茶の効果や効能を紹介しましたが、大麦に多く含まれているミネラルが麦茶になるとほとんど無くなってしまうのと同様に、他の成分もコンビニなどで販売している麦茶ではあまり期待できません。
やはり良質の麦茶を選ぶことによって効果や効能が期待できます。
麦茶を選ぶポイントとしては
- 国産
- 無農薬
- ティーバッグか粉末
などがあります。
ほとんどの麦茶がティーバッグですが、一部は粉末の麦茶もあります。粉末茶の良いところは麦茶の全てを体に摂り入れることができる点です。
ティーパックタイプですと、どうしても栄養成分の一部がティーパックに残ったままになってしまいます。
ただ、国産で無農薬の粉末タイプという麦茶はなく、国産の粉末タイプはAmazonなどのネット通販で販売しています。
麦茶でパサパサの食パンがおいしくなる?
実は麦茶はパサパサの食パンをふりかけて(大さじ1杯程度)からトースターで焼くと外はカリっと、中はモッチリ、香ばしさもよみがえります。
※スプレー式の入れ物に入れて吹きかけても良いです
麦茶の香ばしさの成分があり、パンと反応して香ばしさが増すと言われています。また麦茶を吹きかけることでパンの水分が戻り、ふっくらとおいしくなります。
これは市販の麦茶でも効果がありますので、ぜひ一度お試しください。
ノンカフェインの麦茶は摂取量に制限はある?
ノンカフェインの麦茶は特に1日の摂取量が決まってはいません。ですが、飲み過ぎは注意が必要です。実は麦茶は身体を冷やす飲み物と言われています。
これは「麦茶をギンギンに冷やして飲んではいけない」という意味ではありません。温かい麦茶を飲んだとしても、その時は温かくなりますが、時間が経つと体が冷えやすくなります。
女性は冷え性が多いですが、ますます体を冷やすことになるので注意が必要です。ちなみに他に体を冷やす飲み物は
- ビール
- コーヒー
- 緑茶
- 牛乳
などがあり、
体を温める飲み物は
- ルイボスティー
- ほうじ茶
- ごぼう茶
- 黒豆茶
- ココア
などがあります。
※紅茶やウーロン茶は体を温めてくれるという説とそうでない説があるので、一覧から外しました。
まとめ
麦茶の良いところはなんといってもお値段が安く、手軽に購入できるところですね。ミネラルやビタミンはほとんど含まれていませんが、健康効果が期待できる注目の成分が含まれています。
しかも健康に良くノンカフェインなので安心して飲むことができます。
夏によく飲むイメージがありますが、効果や効能を得るには、毎日継続して飲む必要があります。ただし、市販の安い麦茶では効果を実感するのは難しいと思いますので、良質な麦茶を飲むようにしましょう。