リンゴといえば「1日1個のリンゴは医者を遠ざける」という古くからの言い伝えがあるように、健康に関する多くの効果や効能をもたらしてくれる食べ物ですね。
ですが最近の研究によってその効果が本当であることがわかりました。ただしリンゴを食べる人は皮をむいて食べる人がほとんどなのではないでしょうか?
もちろん果肉の部分にもしっかりと栄養がつまっていますが、赤い皮の部分にもものすごい効果があることがわかりました。
今回は
- リンゴの注目の栄養成分と効果や効能について
- なぜ皮付きのリンゴがおすすめなのか?
などを中心に詳しく紹介します。
リンゴの注目の栄養成分と効果や効能について
リンゴには多くの栄養成分が含まれていますが、最近注目されているのは「リンゴポリフェノール」です。研究の結果多くの効果や効能があることがわかってきました。
リンゴポリフェノールの効果や効能
ポリフェノールは植物の色素や苦味、渋みの成分となるもので何千種類とあり、強い抗酸化作用があります。リンゴに含まれるポリフェノールは「リンゴポリフェノール」です。
特にビールなどの販売で有名な「アサヒグループホールディングス」はリンゴポリフェノールの研究が進んでいて、その報告によると下記の効果や効能がわかりました。
①美白・美肌効果
ポリフェノールにはもともと抗酸化作用があり、活性酸素の影響でできたシミやしわ、たるみなどの肌の老化を予防・改善してくれる働きがあります。
実際にリンゴポリフェノールを摂取することでの効果も発表されています。
2008年度日本農芸化学会大会(2008年3月26日~29日)において
りんごから抽出された天然素材であるりんごポリフェノールを摂取することで、紫外線によって作られるシミを抑制する効果があることを、ヒトでの臨床試験で確認しました。
と発表がありました。
また紫外線の蓄積によるしわを抑制する効果も㈱ファンケルにより発表されています。
参照;第10回日本抗加齢医学会総会
「リンゴポリフェノールに皮膚老化抑制効果を発見」
②血流改善➡動脈硬化の予防➡心疾患・脳血管疾患の予防
現在日本人の死因の約3分の1は動脈硬化からの心疾患や脳血管疾患です。動脈硬化は動脈の血管壁が老化して硬くなったり、血管に脂肪が溜まって詰まりやすくなること血流が悪くなることでおこる病気です。
つまり動脈硬化の予防のためには血管の老化を抑えたり、脂肪がたまらないようにする必要がありますが、2010年の第20回日本循環薬理学会で、「りんごポリフェノールがこの脂肪を溜める原因となる酸化LDLを抑えて血管を健やかに保つ可能性がある」ことを確認し、発表しました。
こちらはヒトではなく動物(ラット)ですが、「りんごポリフェノールに多く含まれるプロシアニジンを食べることで、血管への脂肪の蓄積が抑制される」こと確認されています。
③脂肪蓄積抑制・中性脂肪値上昇抑制
こちらも未来技術研究所と弘前大学との共同で行った動物(ラット)実験によるものですが、日本農芸化学会2004年度大会で
りんごポリフェノールを摂取させたラットの内臓脂肪の蓄積量を測定した結果、りんごポリフェノールの摂取により脂肪の蓄積が有意に抑制されたことを確認いたしました。
と弘前大学より発表されました。
そして動物実験ではなくヒトでの臨床試験では血中の中性脂肪値の上昇抑制に効果があることが確認されています。
2006年度日本農芸化学会大会において
りんごから抽出された天然素材であるりんごポリフェノールを摂取することで、さらに、その作用メカニズムを動物試験等により調べたところ、りんごポリフェノールを食事と一緒に摂取することで、食物由来の脂質の消化吸収抑 制が働いていることがわかりました。
学会発表を行いました。
このように脂肪の蓄積が抑制されるだけでも十分うれしいのですが、「内臓脂肪の蓄積を抑制する効果だけでなく、ふくらはぎの筋力増加効果もある」と2004年の第59回日本体力医学会大会で発表されています。
またリンゴポリフェノール摂取によるコレステロール値の低減もわかっています。
➃寿命延命?
「寿命が延びるって本当?」と思うかもしれません。ですがアサヒグループでは、線虫やモデルマウスで寿命を延長する効果を報告しています。リンゴポリフェノールはカテキンまたはエピカテキンが重合したプロシアニジン類で全体の約65%を占めています。
実験では「リンゴポリフェノールより精製したプロシアニジン類を投与したところ、対照群と比べて寿命が有意に延長しました(平均寿命で7%および9%延長)」と報告しています。
⑤ストレスの低減➡疲れや持久力、寝つきの改善
現代社会でストレスを感じない人はいませんが、ストレスが重なると疲れは増しますし、すぐにバテたり、寝つきが悪くなってりしますよね。
そんなあたなにもリンゴポリフェノールは効果があります。
日常的な疲れを感じる酸化ストレスが高い40代~60代の健常男女を対象にした実験ではリンゴポリフェノールやビタミンなどを配合したカプセルを12週間摂取してもらったところ
ストレスが減り疲れや持久力、寝つきなどを改善することが示唆されました。
この他にも
- 抗アレルギー効果
- 口の美容効果
- ガン予防効果
などについても研究が進められているようです。
リンゴポリフェノールを摂取することで
- シミ・しわ改善➡美白効果
- 血流の改善➡健康効果
- 脂肪抑制➡ダイエット効果
この美容・健康・ダイエットの3本柱に加えて、筋力アップやストレスが減り、しかも寿命が延びるかもしれないというのは本当にリンゴの効果には驚くばかりです。
しかもこれらの効果はリンゴポリフェノールのみです。この他にビタミンやミネラル、食物繊維の効果もりんごには期待できるわけです。
ビタミンCの効果
美肌効果としては抗酸化成分のビタミンCやEが肌の老化を防いでくれます。さらにビタミンCはタンパク質からコラーゲンを合成しますが、しっかりと結合することで肌にハリやツヤが生まれます。
また、ビタミンCにはシミの原因であるメラニン色素の合成も抑える働きもあります。
その他にもリンゴに含まれるクエン酸やリンゴ酸にも美肌効果があり、リンゴを食べるだけでこんなにキレイになる成分が含まれています。
ペクチンやクエン酸の効果
もう一つ注目の成分は食物繊維の一種であるペクチンです。食物繊維は腸内環境を良くして便通の改善が期待できますが、それだけではなく
- コレステロール値を下げる
- 血糖値の上昇を抑える
- 疲労回復
これらが期待できます。
クエン酸には疲労回復効果があります。
このようにリンゴポリフェノール以外にもリンゴは栄養成分がたくさん含まれているので相乗効果が期待できます。では今日から毎日リンゴを食べようと思っている人も食べる前に注意したい点があります。それは、いつも皮をむいて食べていませんか?
実は「リンゴポリフェノールは果肉よりも皮に多く含まれているのです。」さらにリンゴの皮に多く含まれているのはリンゴポリフェノールだけではなく、現在注目されている成分が含まれています
リンゴの皮に含まれている注目の栄養成分と効果や効能について
リンゴの皮と果肉の栄養成分の中でビタミンやミネラル、食物繊維は若干皮の方が多いものの、それほど差はありません。ですがリンゴポリフェノールのように皮の部分に多く含まれている栄養成分があるので紹介します。
①レスベラトロール
レスベラトロールは赤ワインやブドウの皮、タマネギの薄皮、皮付きピーナッツの皮の部分に多く含まれている成分です。赤ワインは未成年者やアルコールが苦手な人は無理ですし、ブドウの皮やタマネギの薄皮は食べる習慣がありません。
となると皮付きピーナッツかリンゴの皮が食べやすいです。
このレスベラトロールという成分はテレビ番組などでも紹介されて最近認知が高まってきていますがリンゴポリフェノールと同じポリフェノールの一種で強い抗酸化作用があります。
先日放送された「家庭の医学」というテレビ番組では皮付きピーナッツでしたが、「レスベラトロールが認知症の予防に効果がある」と紹介していました。
認知症は脳にたまるゴミといわれる「アミロイドβ」が大量に脳の中で増え続けることにより神経細胞が死滅してしまい、それにより認知症が発生しやすくなる病気です。
このアミロイドβを脳から出して減らす働きがあると期待されているのがレスベラトロールです。
そしてレスベラトロールはこれだけではありません。研究段階ではありますがスベラトロールは長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子を活性化する働きがあると言われています。
このサーチュイン遺伝子は誰の体の中にもあるものですがレスベラトロールが体の中に入るとサーチュイン遺伝子のスイッチが入って、「老化を促進しようとする遺伝子」の働きを抑制して「長生きができる」と期待されています。
つまりレスベラトロールにはアンチエイジング効果もあるわけです。
先程リンゴポリフェノールも動物実験で寿命延命効果があるとお伝えしましたが、本当にリンゴを食べると長生きできそうですね。
さらに最近の研究ではレスベラトロールには「細胞のガン化抑制効果」があると期待されています。
もともと抗酸化成分はガンにも効果があると言われていましたが、実際に研究が進んでいて今後もレスベラトロールのガン抑制効果の報告も増えるかもしれません。
②ウルソール酸
ウルソール酸は「リンゴの皮」から見つかった成分です。
- さまざまな種類のがん細胞の増殖を阻害する働き
- 老化によって起こる筋力低下や筋委縮などの筋肉の衰えを抑える
アイオワ大学ではリンゴの皮にあるウルソール酸と、青いトマトの表面にあるトマチジンという成分を採取して、マウスに投与したところ、食べなかったマウスに比べて筋肉量が10%も増加し、力の強さも30%上昇したという研究結果があります。
リンゴポリフェノールにも筋力アップ効果ありますので、筋肉つけたいという人はリンゴを食べると筋肉がつきやすくなるかもしれません。
③オクタコサノール
オクタコサノールは植物の葉やリンゴやブドウなどの皮に存在している植物ワックスから発見されたアルコールの一種です。オクタコサノールは人体の能力や機能向上が図れると言われており、
- 持久力を高める
- 筋肉痛を軽減
- ストレス緩和
- 運動機能向上
- 生活習慣病予防
- パーキンソン病予防
- 精力アップ(滋養強壮)
など多くの効果が期待されています。実際にオクタコサノールが含まれている精力剤や滋養強壮剤などが販売されています。「最近元気が出ないなあ~」という人におすすめですね。
このようにリンゴポリフェノールだけでなく、
- レスベラトロール
- ウルソール酸
- オクタコサノール
といった成分は皮に多くというよりも皮にほとんど含まれている成分です。これで今までリンゴの皮を食べなかった人も食べようと思ったのではないでしょうか?
ただ皮付きりんごを食べなかったという人の理由として
- 皮を食べる習慣がなかった
- 皮を食べたことがあるがおいしくない
- 皮に栄養があると思っていなかった
- 皮の付いている農薬や防腐剤が心配
というのが多いと思います。
1~3の場合は今後皮付きで食べれば良いのですが、やはり4の農薬などの心配は当然あると思いますので、その場合の対処法を紹介します。
皮付きりんごを安心して食べるには?
日本は農薬の使用量が世界でもトップクラスです。
一応残留農薬については基準があり安心して食べられると厚生労働省も言ってはいるものの、果物は皮に一番農薬や防腐剤などが多く含まれているので、どうしても気になって皮をむいていた人が多いのではないでしょうか?
では安心して食べるにはどうしたら良いのかというと、ひとつは「無農薬のリンゴ」を食べることです。これならば安心なのですが、スーパーでも無農薬野菜は見かけるものの、無農薬のリンゴなどの果物はあまり見かけませんね。
私もオーガニック専門店では見かけることもありますが、他ではあまり見たことがありません。ですがネットであれば無農薬のリンゴを購入することができます。
おすすめは「おーがにっくがーでん」です。全国の有機野菜農家さんと提携し、 旬の有機野菜・果物を販売しています。もちろん無農薬のリンゴも扱っています。
有機野菜・果物のおーがにっくがーでんのホームページはこちらから
これで安心して無農薬のリンゴを食べることができますが、「ちょっと価格が高くて・・・。」という人もいると思います。そんなあなたには普通にスーパーなどで売っているリンゴの皮についている農薬やワックスの落とし方を紹介します。
リンゴの皮についている農薬やワックスの落とし方
スーパーで購入したリンゴは触ってみると皮のべたつきやワックスが気になりませんか?実はリンゴのべたつきはワックスだけではなかったのです!!
リンゴのべたつきの正体
「やさいくだものあらい」は天然成分100%なので、口に入っても安全です。また野菜・果物だけでなく肉や魚を洗うこともできます。そして驚くのが「やさいくだものあらい」で食べ物を洗うと鮮度が長持ちします!
新鮮な野菜や果物、肉などはそのまま置いておくと数日で傷んだり黒ずんだりしますが、「やさいくだものあらい」で洗った食べ物は何もしないままのものよりも長持ちするのです。
これを使えば農薬を使っているだろうなというリンゴでも安心して食べることができます。ぜひ一度試してみてくださいね。
まとめ
本当にリンゴには多くの美容・健康・ダイエットの効果が期待できる食べ物ですね。「医者いらず」と医療が発達する以前から既にわかっていたのは不思議ですが、実際に食べて実感していたのでしょうか?
ただ農薬の無い時代の人たちは皮まで一緒に食べていたと思いますが、現在は農薬やワックスなどの問題で皮まで食べる人が少ないです。ですがリンゴの皮の部分にはリンゴポリフェノールをはじめ
- レスベラトロール
- ウルソール酸
- オクタコサノール
といった注目の成分が含まれています。皮まで食べるには「有機野菜・果物のおーがにっくがーでん」などから無農薬のリンゴを注文するか、果物や野菜を洗う安心な洗剤の「やさいくだものあらい」がおすすめです。
またリンゴは秋から冬の間にしか流通しないので、無農薬のリンゴを使ってリンゴ酢を作ってください。リンゴ酢であれば常温で一年近く持ちます。
リンゴ酢は最近とても注目されている飲み物ですね。
特にお酢はリンゴ同様に美容・健康・ダイエット効果がある飲み物で、リンゴ酢にすることで相乗効果が期待できます。
作り方も簡単です。
ぜひ今年の冬はリンゴを食べて健康的に美しくなりましょう。