スーパーフードの中でもチアシードは人気の食べ物ですね。

ですが、食べ方に関しては

生のままかけても良い」とか「水に浸けてから食べた方が良い」といった反対の意見を見かけるがあります。

またチアシードには発芽毒の心配があると言われていますが、本当なのか?

そして加熱についても結構間違えて紹介しているサイトも見かけまので、今回はチアシードの正しい食べ方を紹介します。

発芽毒とは?その危険性について

チアシード 種

チアシードは無味無臭なので色々な食べ物に合います。

そのため「サラダにそのままかけて食べましょう」といった「袋に入ったそのままのチアシードをサラダなどにかける」といった食べ方を紹介しているのをよくみかけますね。

ただ一方で「チアシードには発芽毒の危険性があるので水に入れて12時間以上経ってから食べましょう。」と紹介しているサイトや書籍もあります。

いったいどちらが正しいのでしょうか?

実は玄米チアシードのような種子には子孫を守るため動物に食べ過ぎられないように身を守るメカニズムがあります。

そして発芽に適した季節になると芽を出すことができるように、栄養成分をためて決して外に出さないというメカニズムが働いています。

その因子が「アブシジン酸」と言われています。

アブシジン酸発芽抑制因子として働き植物の発芽を調節しているのですが、体内のミトコンドリアにとって毒になる(ミトコンドリア毒)と言われています。

ミトコンドリアはエネルギー代謝に大切な重要細胞小器官で、近年ミトコンドリアの研究が進むにあたり若返りや健康にミトコンドリアが非常に深い関連があることがわかってきました。

そのミトコンドリアが「アブシジン酸」によって毒されて、活性化が低下すると低体温になり

  • 冷え性
  • 不妊
  • ガン
  • 慢性疲労
  • むくみ
  • 免疫力低下

など多くの症状や病気にかかる危険性があると言われています。

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チアシードの発芽毒の危険性と無毒化する方法

チアシードの「シード」は「」という意味ですが「チアシードにも発芽毒の危険性があるのではないか?」と懸念されています。

ですがこの発芽毒を簡単に「無毒化」する方法があります。

それは「水に浸ける」ことです。

チアシードは水に浸けることで発芽のスイッチが入り発芽毒が安全な成分に変化し無毒化できます。

そしてチアシードを水に浸ける時間は12時間以上必要とも言われています。

そのため「チアシードは必ず12時間以上経ってから食べるようにしましょう。」と紹介しているサイトや書籍があるわけです。

実際にチアシードを水に入れると15分程度でふくらんで小さなタピオカのようになり、見た目では食べても大丈夫のような気がしますね。

それなのに発芽毒の心配があるということは、この時点(15分)ではなく、「あと11時間45分も待ってから食べないといけないの?」と疑問に思いました。

そこでチアシードには発芽毒の原因と言われているアブシジン酸がどのくらい含まれているのか調べてみました。

参考になるのが実際にチアシードを販売している会社「㈱ファイン」が報告した「チアシードの発芽毒に対する見解」という資料です。

「ファインスーパーフード チアシード」の発芽毒に対する見解

これによると

弊社製品「ファインスーパーフード チアシード」中に含まれるアブシジン酸を第三者機関で測定し安全確認をしておりますが、結果は「極微量=0.01ppm」で、そのままお 召し上がりいただいても全く問題ございません。

万が一、何らかの影響が出る可能性があるとすれば最低量で一日にチアシード 1,300g(1.3 キログラ ム)という通常では考えられない量を摂取する必要があり、これは一日あたりの目安量 10g の 130 倍以上にも相当します。

と述べています。

チアシードアブシジン酸の含有量は産地や収穫する時期(年)によっても若干違いますが、「㈱ファインのチアシード」だけアブシジン酸が極端に少ないとは到底考えられないです。

また、「チアシードはアブジシン酸が豊富だ」という情報も調べてみましたが見つかりませんでした。

ましてやチアシード発芽毒の影響で何か症状が出たり病気になった人も聞いたことがありません。

しかも玄米のようにたくさんの量を食べるのではないので、そのままヨーグルトやサラダにかけて食べても限りなく発芽毒の危険性は低いです。

※チアシードの1日の摂取量については大さじ1杯程度(10~12g)がおすすめです。その理由については
チアシードの1日の摂取量!ポイントは脂肪酸と食物繊維で詳しく紹介しています。

大さじ1杯程度であればアブジシン酸の影響を受けるとは到底考えられません。

もともとアブシジン酸が含まれている種子はたくさんあるので、チアシード玄米だけに含まれているわけではありません。

それなのにチアシードだけ「発芽毒に注意!」と紹介するのはおかしな話です。

発芽毒1語で検索しても必ずチアシードばかり出てきます。

このように発芽毒の心配がほとんどないので、チアシードの正しい食べ方としては

  1. そのままかける
  2. 水につけた場合は15分程度してから食べる

どちらでも良く、2の場合は発芽毒を避けるために12時間も待つ必要はありません。

チアシードの食べ方は「そのまま」か「水に浸ける」どちらがおすすめ?

食べ方としてはどちらでも構わないのですがよりおすすめの食べ方としてはやはり水に浸けたり、水分のある食べ物に混ぜてから食べる方法です。

その理由は
①「満腹感を得られる」

ふくらむことで、そのまま食べるよりも満腹感があり、肥満の人やダイエット中の人にも食事の量を減らすことができます。

そのまま食べてゴマのような食感よりは、プチッとしたタピオカのような食感を楽しめます。

②のどにつまる場合がある

アメリカである男性がチアシードを生のまま口に入れてから水で飲みこもうとしたところ食道がつまって、呼吸困難になったという事故がありました。

チアシードは水に浸けると10~15倍(実際はこれ以上ふくらむ場合もあります)程度の大きさになります。

何も知らない人が大量に水と一緒に押し込むような感じで一気に飲むとのどを詰まらせる可能性があります。

もちろんこの事故は生のチアシードをかなりの量飲み込んだ「極まれな例」なので、少量ではのどが詰まるということはほとんどありません。

ただ、膨張の仕方が産地などで違うようなので20~25倍ふくらんだりすると他の人にも同じような事故が起こらないとは限りません。

その点、水分が含んだチアシードを食べる場合はとても柔らかくなっているのでこのようなことは起りません。

③不溶性食物繊維の割合が多い

チアシード約4割食物繊維ですがこれは食べ物の中でもトップクラスの含有量です。

食物繊維を摂ることで善玉菌のエサになり腸内環境が改善して便秘解消などの効果があります。

ですが、チアシード不溶性食物繊維の割合が高く摂り過ぎると逆に便秘になってしまう場合があります。

不溶性食物繊維の割合が多い食べ物を摂る場合は

  • 海藻類(のりやワカメなど)のような水溶性食物繊維が多く含まれている食べ物と一緒に食べる
  • 水分を一緒に摂ること

これらが効果的と言われています。

つまり乾燥しているそのままのチアシードよりも水分が含んだチアシードの方が便秘になることが少ないわけす。

またチアシードに水分が含まれるとドロドロになりますが、それは水溶性食物繊維が溶け出したためで腸の掃除をしたり、糖やコレステロールの吸収を穏やかにしてくれるという効果もあります。

ですが、そのままチアシードを食べると水溶性食物繊維の効果が半減してしまいます。

このようにチアシードに水分を含ませてから食べた方が

  • 「満腹感が得られる」「食感を楽しむ」
  • 「危険性が低くなる」
  • 「便秘対策」「便秘予防」

という理由からおすすめしています。

チアシードは加熱しても大丈夫?

 

チアシードは加熱して良いかどうかについて色々なサイトを見てみると「加熱してはダメ」という意見が多く見られます。(8:2でダメが多い感じでしょうか?)

加熱してはいけない理由として「チアシードには熱に弱いαリノレン酸が豊富に含まれているため」と紹介しています。

たしかにえごま油アマニ油もαリノレン酸が豊富に含まれて熱してはいけないと言われています。

ですがグリーンナッツオイル(サチャインチオイル)のようにαリノレン酸が多い油でも抗酸化成分のビタミンEが豊富に含まれているという理由から、揚げ物はおすすめできないが炒め物程度であれば加熱しても問題ない油もあります。

同様にチアシードから抽出したチアシードオイルもグリーンナッツオイル程は多くありませんが、ビタミンEが含まれているので炒め物程度の熱は問題ないと言われています。

ちなみに100g当たりのビタミンE の含有量は

  • えごま油:2.4mg
  • チアシードオイル:42mg
  • グリーンナッツオイル:200mg

とグリーンナッツオイルは断トツですね。

チアシードオイルはえごま油の10倍以上ですがグリーンナッツオイルの約5分の1なので微妙ではありますが、一般的にはチアシードオイルは炒め物に使用するのは良いと言われています。(商品によっては加熱しないでくださいと説明しているものもあります)

そして最近では実はアマニ油やえごま油でも炒め物の短い時間の加熱であれば問題と言われています。

実際の実験では「数分程度の炒め物であれば全く問題なく、αリノレン酸もほとんど減ることはない」とわかってきました。

詳しくはえごま油の効果・効能と栄養成分のαリノレン酸や食べ方と摂取量!加熱はOKって本当?をご覧ください。

このようにαリノレン酸が豊富に含まれていても加熱は問題はありません。

そのためαリノレン酸の加熱の心配もほとんどなく、さらにチアシードは種子で殻で覆われているのである程度の熱は耐えられるというのが一般的です。(海外では220℃程度であれば問題ないという資料もあります)

実際に「ローストチアシード」という焙煎されているチアシードも販売されていて海外では人気の商品です。

※ローストとは焼いたり、煎(い)たりすること

焼いたりすることで栄養が無くなるならばローストされたチアシードは売れないので販売しません。

実際にローストしても栄養が損なわれていないと紹介されています。

またチアシードをパン生地やクッキーなどに練り込んだりする調理法がありますが、この他にもチアシードを使用したベーキングメニューは海外ではたくさんあります。

日本でもパンケーキにチアシードを入れるメニューもあります。

これはある程度ならば加熱しても大丈夫という前提でメニューになるわけです。

40℃以上のお湯に入れていけない」という主張もありますが、それだと紅茶やスープなどには入れることができなくなってしまいます。

もちろんスープで長時間煮たり、高温で調理する揚げ物には入れないほうが良いですが、それ以外は加熱しても問題ありません。

チアシードを水に浸ける時の分量は?

チアシードを水やココナッツウォーターなどに入れる飲み物を「チアフレスカ」と言います。

この場合はチアシードを適量水に入れるだけで良いですが、サラダなどにトッピングする際にチアシードをそのままかけるのではなく、水に浸けてプルプルの状態にしてから食べるのがおすすめです。

その場合、どの程度の水を使用するのかというとチアシードに対して水が適量です。

15分程度でやわらかくなりジェル状になり、冷蔵で保存して1週間程度持ちます。

水以外でも液体であれば同じ位の時間でジェル状になりますが、ヨーグルトの場合は液体ではないので数時間かかります。

ヨーグルトに入れて食べる場合でも水に浸けてからトッピングのようにかけても良いのですが、ヨーグルトに含まれている水分を吸収したチアシードを食べるのもまた違った食感でとてもおいしいです。

その場合は夜のうちにヨーグルトにチアシードを入れて、朝食で食べるようにしましょう。

関連記事:チアシードオイルの効能や使い方、摂取量、選び方について!加熱はOK?

まとめ

  • チアシードの発芽毒の危険性はない
  • チアシードの特徴からしても水に浸けてから食べる
  • 無毒化が必要ないので12時間も必要ない。15分程度
  • 短時間の加熱であれば問題ない
  • ジェル状にする場合はチアシードと水を1:6の分量で

チアシードの発芽毒の危険性はありませんが、以前問題になった時は質の悪い商品の管理不足が原因でした。

現在チアシードはとても人気があるので便乗して品質の悪い商品も出回る可能性が高いので、質の良いチアシードを選んで食べるようにしましょう。

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