最近は健康志向の人が増えてきて、栄養価の低い白米よりも黒米の人気が高まっています。
実は世界三大美女の楊貴妃の美容食として食べていたのが黒米です。
そして以前元横綱の貴乃花さんが昔から健康のために黒米を食べているとテレビでも紹介されていました。
実際にどのような秘密が隠されているのでしょうか?
黒米とは?その特徴と黒米や玄米との違いについて
黒米は稲の原種で古代米の一種です。
白米に比べ、多くの栄養成分やミネラルが豊富に含まれています。
また、独特の色から「紫黒米(または紫米)」とも呼ばれ、古くからお祝いの米として珍重されてきました。
「黒米」は、表面は黒いですが、中は白い色をしていて皮が固いです。
そのため黒米は消化に悪いように思うかもしれませんが、実は胃腸が弱っている人にやさしい食べ物です。
そして果皮・種皮の部分には、青紫色の天然色素、ポリフェノールの一種であるアントシアニンを含んでいます。
黒米の栄養成分!玄米や白米と比較
では実際に黒米と健康に良いと言われる玄米、そして多くの人が食べている白米と比べてみましょう。
黒米 | 玄米 | 白米 | |
---|---|---|---|
カロリー(kcal) | 346 | 350 | 356 |
タンパク質(g) | 9.1 | 6.8 | 6.1 |
カルシウム(mg) | 11.4 | 9.0 | 5.0 |
マグネシウム(mg) | 135 | 110 | 23 |
リン(mg) | 336 | 290 | 94 |
鉄(mg) | 0.92 | 2.1 | 0.8 |
カリウム(mg) | 290 | 230 | 88 |
ビタミンB1(mg) | 0.44 | 0.41 | 0.08 |
ビタミンB2(mg) | 0.09 | 0.04 | 0.02 |
ナイアシン(mg) | 10.2 | 6.3 | 1.2 |
食物繊維 | 3.2 | 3.0 | 0.5 |
アントシアニン(mg ) | 0.23 | 0 | 0 |
GI値 | 50 | 56 | 84 |
カロリーはほぼ変わらないものの、白米と比べるとタンパク質やミネラル、ビタミンどれをとっても黒米の方が豊富ですね。
そして玄米と比べても鉄分だけは少ないですが、それ以外は黒米の方が栄養価が高いです。
さらに白米はもちろんのこと、玄米にも含まれていないポリフェノールの一種のアントシアニンが含まれています。
GI値も低い黒米
GI値(グリセミック指数)とは炭水化物が分解され糖に変わるまでのスピードを現した数値です。
一般的にGI値の低い食品は血糖値が急激に上がることの抑制効果が期待できると言われています。
逆にGI値の高い食品は血糖値を急に上げてしまうことになります。
急激に血糖値が上がると肥満の原因になるインスリンが多量に分泌されてしまうので糖尿病にもかかりやすくなります。
つまり「GI値の高い食品は太りやすい食べ物」と言えます。
健康のためにはGI値の目安は70以下が望ましいと言われています。
白米はGI値が84とオーバーしていますが、黒米は玄米よりも数値が低く50という数値は穀物や主食の中でもトップクラスの良い数値です。
黒米に期待される効果や効能
米類では黒米にしか含まれないアントシアニンはブルーベリーに含まれている成分で注目を集めていて、目の疲れや眼病予防のサプリなどにも多く使用されています。
①健康効果
目の疲れ・眼病予防効果
ポリフェノールの一種のアントシアニンは体内の細胞や血管の老化を予防する働きがあり健康効果が期待される成分ですが、特に目に関する健康や眼病予防に効果があると言われています。
また、このアントシアニンには「視機能を改善する働き」があります。
目の網膜にある紫色の色素のロドプシンは光にあたるとビタミンAに分解されて、もう一度ロドプシンに戻ります。(これを再合成と言います)
パソコンやスマホなどを長時間見続けると再合成が間に合わずにロドプシンが減少し眼精疲労などの原因となります。
アントシアニンはロドプシンの再合成を促進して眼精疲労を回復し、視力を改善する働きがあるとされています。
またアントシアニンは抗酸化成分ですので目に悪影響を及ぼす活性酸素を除去する力があり、白内障や緑内障の予防に効果が期待されています。
その他にも網膜の血流をよくする作用があり、それによって酸素や栄養が十分に行きわたり、組織の変性が抑制されて黄斑部の改善につなげることができ、加齢黄斑変性への効果も期待されています。
胃の健康を保つ(健胃)効果
黒米は胃腸を丈夫にする効果があるといわれています。
また、黒米は特徴である消化の良さから食欲不振の時でも食べることができ、胃腸の機能を高める効果もあります。
栄養素が多く、消化が良いので胃弱な人や子ども、お年寄りなどにも良いですね。
糖尿病予防効果
黒米は低GI食品で血糖値が急激に上がりにくい食べ物なので糖尿業予防に最適な穀物です。
一般的にデンプンなどの糖質は、体内に吸収される際にアミラーゼやグルコシダーゼといった糖質分解酵素によって分解されてから吸収されます。
「黒米」は、これらの糖質分解酵素の活性を抑えることで、糖尿病を予防すると考えられています。
②ダイエット効果
アントシアニンは一緒に食べた糖や脂肪をエネルギーとして燃焼させ、脂肪として蓄積させるのを防ぐ働きがあります。
また先ほど紹介したように黒米のGI値の低さは穀物でもトップクラスですので太りにくい食べ物です。
③美肌効果
「黒米」にはチロシナーゼ、ヒアルロニダーゼ、コラゲナーゼ、エラスターゼといった酵素の活性を抑制する働きがあるといわれています。
これらの酵素は、シミやくすみの原因であるメラニンをつくり出す働きや、美肌成分であるヒアルロン酸、コラーゲン、エラスチンを壊す働きを持っています。
「黒米」はこれらの酵素活性を抑制する働きがあるため、ハリや弾力、うるおいのある美しい肌を保つことが期待できます。
またアントシアニンの強い抗酸化力のおかげて老化を防止してくれるのでシミやしわなどの予防や改善も期待できます。
④美髪効果
「黒米」を食べ続けると肌がなめらかになり、髪の毛が黒くなって若返るといわれています。
これは、タンパク質やビタミン類、鉄分、カルシウム、マグネシウム、亜鉛といったミネラルなど髪の毛に必要な栄養成分が多く含まれているためです。
「黒米」を食べることで、髪を健康に保つことができます。
その他にも
- 慢性病、虚弱体質の改善
- 滋養強壮
- 造血作用
といった多くの効果や効能が期待できる黒米ですが、薬ではないので即効性はありません。
毎日の摂取を継続することで少しずつ効果を得ることができます。
黒米の炊き方と食べ方
黒米を炊く際は、白米を混ぜて炊くのがおすすめです。
特別な手間はかからないのですが、もちもちの食感と鮮やかな発色を楽しむための、ちょっとしたコツも併せてご紹介します。
黒米の基本の炊き方
①白米1合に大さじ1杯、約15gの黒米を用意します。
慣れてきたら黒米の割合を徐々に増やしていきましょう。
②黒米は水で軽くすすいで、少量の水に浸します。
③洗った白米に黒米を混ぜ、白米を炊く時と同じように水加減をします。
④塩をひとつまみ加え、いつも通り炊きます。
④炊き上がったら15分ほど蒸らし、全体をほぐすようにかき混ぜます。
炊き方のポイント
すすぎ過ぎは黒米のアントシアニンが流れ出てしまうので、軽く汚れを落とす程度にしましょう。
黒米の吸水時間の目安は6時間以上です。
時間がない場合でも最低でも1時間は水に浸しておく必要があります。
歯ごたえを残したいなど、慣れてきたらお好みで時間を調整してください。
吸水に使った水にはアントシアニンが溶け出しているので、一緒に炊きましょう。
黒米の量を変えて、炊きあがりの色を楽しむのもおすすめです。
黒米の購入先とおすすめ品
黒米はスーパーでは販売されていないことが多いので、ネット販売がおすすめです。
外国産もありますが、国産の方が安心です。
おすすめはこちらの山形県産の黒米です。
こちらは1kg1,180円と国産の黒米の中では比較的買いやすい値段になっています。
さらにもっと品質重視という方は「水口さんの黒米」をおすすめします。
栃木県大田原の水口博さんが、農薬や化学肥料を使わずに自家製の有機肥料を使って育てた黒米です。
量も少ないので試しにという方にもおすすめです。
黒米 栃木産「水口さんの黒米」農薬・化学肥料不使用 不耕起栽培 300g【アマゾン】
まとめ
黒米(古代米)は、白米に比べて収穫率が下がるため、時代とともに作られなくなってしまいました。
しかし、最近ではその栄養価が見直されはじめ、また食すようになってきています。
白米に比べて栄養価が高く、特に目の健康効果が期待されているアントシアニンが含まれています。
もちもちっとした食感が特徴でおいしいですが、最初は白米に15g(大さじ1杯~多くて2杯程度)を混ぜて食べるようにしましょう。
ぜひ健康や美容のためにも黒米を取り入れた食生活を実践してみませんか。