「アムラ」をご存知でしょうか? インドの伝統医学アーユルヴェーダでは最も重宝されている果物で、別名「若返りの果物」と呼ばれる美容や健康の効果に注目が集まっている最新のスーパフードです。
アムラを調べれば調べるほどスゴイ果物ということがわかりました。注目の栄養成分や、どのような効果や効能をもたらせてくれるのかを中心に詳しく紹介します。
アムラとは?その特徴と注目の栄養成分について
アムラはアーユルヴェーダの三大果実(アムラ・ハリタキー・ビビター) のひとつで果実は梅の実に似ています。
標高1500m以上の山の斜面に生育していてインド以外にも中国南部、東南アジア、台湾などに広がっていて日本でも極一部の地域で栽培されています。
インドの言葉で「看護師」を意味するほど万能な食べ物と評価されているアムラはインドでは国内全土で栽培され、果実だけでなく種や葉、木の幹や根まで薬として利用されています。
アムラに含まれている注目の栄養成分は
- ビタミンC
- β-グルコガリン(ポリフェノールの一種)
- ペクチン(水溶性食物繊維)
この3つが挙げられます。ではどのような効果や効能があるのでしょうか?
アムラの効果効能
アムラに含まれている主要な栄養成分の効果や効能について紹介します。
ビタミンCの効果効能
アムラの果実には100g当たり約800㎎以上含まれていてこれはレモンの約10倍と言われています。そして一般的にビタミンCは熱に弱いとされていますがアムラのビタミンCは熱に強いのが特徴です。
そのビタミンCの特徴や効果は
- タンパク質からコラーゲンを合成する
- シミのもとであるメラニン色素の合成を抑える
- 抗酸化作用が強く肌の老化を抑える
- 白血球を活性化させて免疫力を高める(カゼなどの予防)
- コレステロール値を下げる
などが挙げられますが、やはり美肌効果があるビタミンとして有名ですね。シミ、しわ、たるみで悩んでいる人に是非積極的に摂ってもらいたいビタミンです。
また鉄分の吸収を助ける働きがあるので貧血悩んでいる方が鉄分を摂る際には、ぜひアムラのようなビタミンcが豊富な食べ物と一緒に摂ると効果的です。
ビタミンCの摂取推奨量と効果的な摂り方
成人の1日のビタミンC摂取推奨量は100㎎ですが食品から摂取する分には水溶性のビタミンなので過剰摂取の心配はありません。
ただビタミンCは摂取して数時間で効果が無くってしまうので、一度にというよりは、1日に何回かに分けて摂るのがおすすめです。また同じ抗酸化作用があるビタミンEと一緒に摂ると抗酸化力が高まり若返り効果がアップします。
ポリフェノールの一種β-グルコガリンの効果
ポリフェノールはアムラ果実100gあたり3000mg以上含まれます。これは赤ワインの約30倍相当に値するほどの量です。
ただポリフェノールとはアントシアニンやカテキン、イソフラボン、タンニンなどの植物成分の総称で、ほとんどの植物に含有されており約5000種あると言われていて種類により独自の働きがあります。
そして全てのポリフェノールに共通して老化や病気の原因となる活性酸素の害から細胞を守る抗酸化作用が備わっています。
アムラに含まれているポリフェノールの中で注目されているのが「β-グルコガリン」です。
β-グルコガリンはタンニンの一種でビタミンCよりも強い抗酸化作用があることがわかっています。
アムラは「若返りの果物」と呼ばれるのは以前は「ビタミンCを多く含んでいるため抗酸化作用が強いから」と考えられてきましたが、最近では活性酸素を吸収する能力に長けているβ-グルコガリンの効果のほうが大きいと言われています。
つまりビタミンCとの相乗効果で特に強い抗酸化作用が期待できるわけですね。
ペクチン(食物繊維)の効果
ペクチンは水溶性食物繊維です。食物繊維はもうひとつ不溶性食物繊維がありペクチンは不溶性もありますがアムラのペクチンは水溶性です。
食物繊維と言えば「便秘解消」というイメージがありますが、不溶性食物繊維ばかり食べていると逆に便秘になる場合があります。
水溶性の食物繊維はのりやワカメなど海産物に多く含まれていますが、それ以外の多くの食べ物が不溶性の割合が多く、水溶性の割合が少ないため、アムラのように水溶性食物繊維が多いのはうれしいですね。
そしてアムラに含まれているペクチンの効果は
- コレステロール値をさげる
- 血糖値の上昇を抑える
- 便秘や下痢を解消する
- 疲労回復
などが期待されています。
このようにアムラにはビタミンcやβ-グルコガリンの抗酸化作用による美肌効果やペクチンの整腸作用による便秘や軟便の改善効果以外にも、
- 糖尿病や高血圧の予防
- コレステロール値を下げる
- 感染症の予防
- 貧血の予防
- ストレスへの抵抗力を高める
- 白髪や脱毛の予防
- 脂肪蓄積抑制効果
- 血液循環改善作用
- 血栓予防作用
- 糖化を抑える
- ミトコンドリアを増やす
これらの効果や効能が最新の研究結果や論文で発表されています。
最近話題の「糖化」ですが、まだよく知らない人もいますので、簡単に説明すると「体にできるコゲ」のことで、「タンパク質が過剰に摂りすぎた糖質と結びついて劣化すること」をいいます。
この「糖化」によって体内で大量に作られる悪玉物質のことを「AGE(終末糖化産物)」といいます。
AGEはブドウ糖とタンパク質が結合して、高熱が加わると増えますが、おいしそうな焼き色がついているパンケーキや肉、たこ焼きなどに多く含まれています。
「酸化はサビ」、「糖化、AGE=コゲ」ですから、
- 肌にサビやコゲがたまる⇒シミやしわが増える
- 細胞や血管にサビやコゲが溜まる⇒動脈硬化⇒さまざまな病気にかかりやすくなる
一方、ミトコンドリアは細胞が活動するためのエネルギーを生み出す細胞小器官で、歳をとるごとに減少していきます。
ミトコンドリアが不足したり、元気がなくなると
- 人も元気がなくなる
- 疲労回復が遅れる
- 病気にかかりやすくなる
と言われています。動物(マウス)の実験結果ではアムラはミトコンドリアを活性化させる働きがあるとあると発表がありました。
参照:J‐GLOBAL
酸化や糖化、ミトコンドリアが減らないようにぜひアムラを食べることをおすすめします。
アムラの購入先は?
日本でも一部で栽培しているものの生のアムラを手に入れるのは非常に難しいのでサプリメントやパウダータイプの商品でアムラを摂るのが一般的です。
パウダータイプはカレーなど香辛料のきいた料理やレモンウォーター、ヨーグルト、スムジーなどに溶かして美味しく召し上がれます。
ただ一般のお店ではほとんど置いていないのでAmazonや楽天などのインターネットで購入するのが一番手に入りやすいです。
まとめ
アムラはまだ日本ではそれほど浸透していませんが美容や健康に良く、多くの研究結果も出ているので、今後ますます注目される果物です。インドの伝統医学アーユルヴェーダでは最も重宝されている果物ということは、まだまだこれから多くの発見があるかもしれませんね。
ぜひ「若返りの果実」と言われるアムラを一度試してみてください。