見た目はピーマンと似ているパプリカは赤や黄色など鮮やかな色をしています。その中でも赤パプリカに含まれる栄養成分には、かなり強力な抗酸化力があることがわかりました。
現在抗酸化成分が強力で有名なのは化粧品などにも使用されて人気のあるアスタキサンチンですが、それよりも抗酸化力のある成分が赤パプリカには含まれています。
今回はその赤パプリカの驚きの効果や効能と健康はもちろんのこと、美肌やダイエットに効果が期待されている「酢パプリカ」の作り方やパプリカの調味料について紹介します。
パプリカとはどんな野菜?その特徴について
ピーマンと見た目が似ているパプリカは共にナス科トウガラシ属の野菜で、甘味(甘トウガラシ)の一種です。
甘トウガラシなので辛くはなく、甘味がありピーマンよりも大型で肉厚のベル型ピーマン(赤、オレンジ、黄等)のことを言います。カラーピーマン等もパプリカと呼んだり、パプリカもピーマンと呼ぶ事もあります。
赤パプリカの栄養成分と効果効能
パプリカには赤だけでなく黄色やオレンジ色などの種類がありますが、最近の研究によって赤パプリカに抗酸化成分が特に多く含まれていることがわかっています。
緑黄色野菜に多く含まれているカロテノイドには「カロテン類」と「キサントフィル類」の2つに分類されますが、赤パプリカには「キサントフィル類」が豊富に含まれています。
キサントフィル類は細胞膜へ分布しやすく、抗酸化成分が高いという特徴をもち、老化などの原因となる酸化ダメージを軽減する効果が期待されています。
特に赤パプリカは緑黄色野菜の中で一番多くキサントフィル類が多く含まれています。実はキサントフィルは現在700種類以上の存在が報告されていて、赤パプリカには7種類のキサントフィルが含まれています。
赤パプリカに含まれるキサントフィル
含有量の多い順に
- カプサンチン
- ククルビタキサンチンA
- β‐クリプトキサンチン
- ゼアキサンチン
- カプサンチンエポシキド
- カプソルビン
- クリプトカプシン
と7つの種類のキサントフィルが含まれていますが、このうち赤字で示した
- カプサンチン
- カプサンチンエポキシド
- カプソルビン
- クリプトカプシン
この4種類は黄色やオレンジなどのパプリカには含まれていない栄養成分で、赤パプリカ類からしか摂取できないキサントフィルです。そして赤パプリカは単にキサントフィルの種類や含有量が多いというだけではありません。
抗酸化力も他の抗酸化成分よりもかなり強力なのです。
アスタキサンチンよりも強力な最強の抗酸化成分は?
抗酸化成分は
- ビタミンCやE、
- β-カロテン
- ポリフェノール(数百種類がある)
- コエンザイムQ10
- アスタキサンチン
などたくさんがありますが、このうち抗酸化力が強いと言われているのがアスタキサンチンです。サケやイクラなど、赤い食べ物に多く含まれている成分で化粧品やサプリメントにも利用されいます。
アスタキサンチンの抗酸化力は
- リコピンの1.6倍
- β-カロチンの5倍
- コエンザイムQ10の800倍
- ビタミンEの1,000倍
- ビタミンCの6,000倍
と他の抗酸化成分と比べてもかなり強力です。
ですが、赤パプリカに含まれるキサントフィルのうち
- カプソルビン
- ククルビタキサンチンA
- カプサンチン
(上から抗酸化力が強い順)
この3種類はアスタキサンチンよりも抗酸化力が強いことがわかっています。
その他にもβカロチンやビタミンCといった抗酸化成分も赤パプリカには含まれているのですから、「赤パプリカは抗酸化力がスゴ過ぎる!」と驚かずにはいられません。
「抗酸化力が強い」=「老化を防止する」ということですので、シミやしわに悩んでいたり、紫外線ダメージを受けたお肌には美肌効果が期待できます。
また、活性酸素を除去したり、細胞が老化するのを防ぐことで、生活習慣病など多くの病気の予防にも効果も期待できます。
そしてもう一つ注目なのがキサントフィルの1種であるβ‐クリプトキサンチンです。
こちらは赤パプリカ以外のパプリカにも含まれるキサントフィルですが内臓脂肪を減らす効果があります。
このようにパプリカには抗酸化力が最強で健康や美容だけでなく、ダイエット効果も期待できる食べ物なのですが「毎日パプリカ料理は無理だよ」という声も聞こえてきそうです。
そこでおすすめなのが「酢パプリカ」です。パプリカと酢を一緒に摂ることでさらに健康や美容にさらに相乗効果が生まれます。
酢パプリカの作り方と期待できる効能
酢パプリカの作り方
【材料】
赤パプリカ:4個
酢 :200ml
水 :200ml
塩 :大さじ1
砂糖:お好みで
(黒砂糖でも可)
【作り方】
①パプリカの種を取り除き、食べやすい大きさにカットしたら清潔な保存用に詰めます。
②鍋に酢、水、塩、砂糖を入れて溶かし、砂糖が溶けたら火を止めます。
③ ②が冷めたら保存容器に詰めた①に注ぎます。
※パプリカが完全につかるまで注ぎます。
④ ③を冷蔵庫で冷やします。
味がしみこむまで半日以上置いたらできあがりです。
※1週間ほど保存がきくので、1週間以内で食べきれる量を作りましょう。
【酢パプリカのアレンジ】
パプリカを保存容器に詰めるときに好みで
- ローリエ
- 黒コショウ
- コリアンダーシード
などのスパイスをそれぞれ適量一緒に入れるとひと味違う酢パプリカが楽しめます。完成したら、それをそのまま食べても良いですしサラダの具材としても良いですね。
摂取量はパプリカ1個の半分程度を毎日食べるようにしましょう。お酢も摂り過ぎは良くないので大さじ2杯程度までにしてください。
最強の抗酸化力のあるパプリカと健康や美容、ダイエット効果が期待できるお酢の相性は抜群です!
お酢にも多くの効果や効能があり
- 疲労回復:クエン酸の効果
- 血糖値の上昇を緩やかにする
- 血中脂質や血圧を下げる作用
- 血液サラサラ効果
- カルシウムの吸収促進:骨粗しょう症予防
- 食欲増進:夏バテ予防
- 免疫力アップ:かぜなどをひかなくなる
- ストレス抑制
- 便秘解消(胃や腸を刺激し腸のぜん動運動を促す)
- 内臓脂肪の減少
などが期待されています。
特に血糖値と血圧、脂肪の量を下げるの食べ物はお酢だけだと言われています。
大手食品メーカーのミツカンでは1日大さじ1杯のお酢でも内臓脂肪が減少するというデータもあるように最近はお酢のダエイット効果が注目されています。
赤パプリカのβ‐クリプトキサンチンとお酢で内臓脂肪減少のさらなる効果も期待できそうです。そしてお酢には穀物酢や米酢などいくつか種類がありますが、基本はどれでも構いません。
ですが美容効果を期待するならば黒酢がおすすめです。
黒酢には他のお酢に比べてアミノ酸が豊富にで肌のうるおいを保つ天然の保湿成分の約40%は実はアミノ酸なのです。さらに肌のハリや弾力に重要なコラーゲンもアミノ酸で構成されています。
しかも黒酢に含まれているプロリン、アラニン、グリシンといったアミノ酸にはコラーゲンの主成分でそれぞれ美肌効果があると言われています。
また「りんご酢」もおすすめです。
味が苦手な人が多いお酢ですが、その中でもりんご酢は一番飲みやすいですしりんごには「リンゴポリフェノール」が含まれていますが
この成分には血中中性脂肪低下や脂肪蓄積の抑制といったダイエット効果や強い抗酸化作用による美肌効果が期待できます。
このようにお酢にもこだわりを持つことで相乗効果が期待できます。ぜひ一度「酢パプリカ」を試してみてください。
まとめ
赤パプリカはアスタキサンチンを上回る抗酸化力をもつキサントフィルが含まれている最強の食べ物です。それ以外にもビタミンCやβカロテンなどの肌に良い成分を多く含まれています。
ただ毎日食べるのは難しいので、ダイエット効果や美肌効果(黒酢の場合)が高まる酢パプリカを作り置きするのがおすすめです。その他にもパプリカパウダーであれば、さまざまな料理に合うのでおすすめです。
毎日パプリカを使った料理を作るのは難しいですが、先程紹介した酢パプリカかパプリカパウダーを食べれば毎日摂取することができます。
今まではそれほど興味がなかったあなたもぜひこの機会に継続して食べてみてください。