ナッツといえば「太る」「肌が油性になる」など悪いイメージがあった時期もありました。ですが最近ではアーモンドクルミなど健康美容ダイエットなどに効果効能があるとテレビなどで紹介されてからは人気が上がってきました。

ただその他のナッツも栄養価が高く種類よって成分も違うため、それぞれの特徴を知って、ぜひ食生活に取り入れてください。

ナッツの種類別の特徴や効果効能について

代表的なナッツのそれぞれの特徴や注目の栄養成分、効果効能などを紹介します。まずは世界三大ナッツの一つアーモンドから紹介します。

アーモンドの注目の栄養成分と効果や効能

アーモンド

健康効果があるオレイン酸

アーモンドの成分のうち脂質が約50%含まれていますが、脂質の約70%がオレイン酸で他のナッツにも多く含まれています。以前は油が多いということでダイエットの敵とされていましたが、オレイン酸

  • 血液をサラサラにする
  • 悪玉(LDL)コレステロールを減少させる
  • 動脈硬化・心筋梗塞を予防する
  • 余分な糖や脂肪の消化吸収を防ぐ
  • 便秘解消

などの効果や効能が期待されている脂肪酸です。

豊富な食物繊維とビタミンE

アーモンドの栄養成分でナッツの中でも特に多く含まれているのが食物繊維ビタミンEです。

食物繊維は腸内環境を改善して便の排出をスムーズにしますが便が出る際には体内の老廃物を出す役割もあるので、健康だけでなく肌の調子も良くなります。

食物繊維は大きく分けると水溶性不溶性の2種類あり、アーモンドには不溶性の割合が圧倒的に多いのですが、実は不溶性食物繊維の摂り過ぎはかえって便秘を招く恐れがあります。

ですが、便を柔らかくするオレイン酸などの脂質もアーモンドには含まれているため、便秘解消に効果があると期待されています。

ビタミンEは強い抗酸化力があり美肌だけでなく、細胞の老化防止血行促進(血液サラサラの作用もあります。

話題のAGEを除去する働き

以前は「酸化」が老化の原因と言われていましたが、今は「糖化」が注目されています。「糖化」を簡単にいうと「体にできるコゲ」のことで、「タンパク質が糖質と結びついて劣化すること」をいいます。

この「糖化」によって体内で大量に作られる悪玉物質のことを「AGE(終末糖化産物)」といいます。

AGEはブドウ糖とタンパク質が結合して、高熱が加わると増えますが、おいしそうな焼き色がついているパンケーキや肉、たこ焼きなどに多く含まれています。

このAGEが増えると老化や病気の原因となると言われているのですが、アーモンドAGEの体内での発生を防いだり、食品由来のAGEにくっついて排出させる作用もあります。

このことにより病気の予防や老化防止(肌のくすみやたるみを防ぐ)といった効果が期待されています。

ダイエット効果

アーモンドダイエット

アーモンドのダイエット実験では軽い肥満の(BMI24~28)の人がアーモンドを6ヶ月間食べ続けて、平均で3.4kg、腹囲が平均1.9cm減少したというデータもあります。

もちろん脂質やカロリーも高いので食べ過ぎはダメですよ。

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おすすめのアーモンドミルク

アーモンドミルク 効果

最近ではアーモンドを原料としたアーモンドミルクも人気があります。牛乳や豆乳だとアレルギーの心配がありますが、アーモンドミルクにはその心配がありません。(アーモンドもアレルギーがありますが、牛乳や大豆よりも数が少ないです)

また、牛乳豆乳よりもカロリーが低いのもおすすめポイントです。

アーモンドだけでは飽きてしまう方はぜひ一度アーモンドミルクを試してみてください。

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クルミの注目の栄養成分と効果や効能

 

クルミは最近一番注目されているナッツで、その栄養価の高さからスーパフードの一つに数えられているほどです。その特徴といえば他のナッツにはほとんど含まれていないαリノレン酸が多く含まれていることです。

αリノレン酸オメガ3脂肪酸の一種で一部(10~15%)が青魚に多く含まれるDHAEPAという脂肪酸に変化します。

αリノレン酸やDHA、EPAの期待される効果効能

  • 記憶学習能力の向上(子供の脳の発育に効果)
  •  血流改善、血栓予防効果
  • アレルギー抑制(花粉症、アトピー性皮膚炎など)
  • 老化予防(アンチエイジング)
  • うつの軽減
  • 中性脂肪・血中コレステロールの軽減
  • 高血圧の予防
  • 糖尿病の予防
  •  動脈硬化・不整脈の予防
  • 脳卒中の予防
  • ガンの予防(特に乳がん、肺がん、大腸がんに有効)
  • 視力アップ
  • 脂肪肝の予防
  • 美容・美肌効果

など多くの効果や効能があります。そしてもう一つ注目されているのは多くのポリフェノールが含まれていることです。ポリフェノールは抗酸化力が強いので美容や病気の予防としての効果が期待されています。

最近のクルミの実験では体重の減少や減少した体重の維持に効果があるという結果が出ています。さらに体重だけでなく中性脂肪も下がったというダイエット効果や、精子の活力、運動性、形態が改善されたという男性の不妊改善効果も報告されています。

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マカダミアナッツの主な栄養成分と効果や効能

マカダミアナッツといえばハワイのお土産で定番のマカダミアナッツチョコレートを思い出す人も多いのではないでしょうか?実はマカダミアの木は7~10年毎にしか実をつけず、しかも数もあまり取れないため、世界でもっとも高価なナッツと言われています。

マカダミアナッツの豊富な栄養成分は

  • ビタミンA
  • ビタミンB1,B2,B6
  • ビタミンE

などがありますが、注目は脂肪酸です。

マカダミアナッツの76%が脂質ですが半分以上がオレイン酸で、約20%がパルミトレイン酸、約10%がパルミチン酸です。

オレイン酸アーモンドで紹介したように血液をサラサラにしたり、余分な脂肪や糖の吸収を防いだり、便通を改善する効果などが挙げられます。

パルミトレイン酸は食用油にはほとんど入っていない貴重な脂肪酸で、

  • 老化肌や乾燥肌に最適で肌の弾力や再生、修復する働き
  • 皮脂や角質層の働きを正常に保つことによりシワやたるみも改善する働き

などが期待されていてアンチエイジングには欠かせない成分です。

そしてパルミチン酸ビタミンAの働きを安定させる役割を持っています。ビタミンAは皮膚や目、口、内臓などの粘膜を健康に保つ作用があるので美容にも大きく影響します。

最近ではマカダミアナッツから抽出して作るマカダミアナッツオイルが注目されています。このようにマカダミアナッツは希少価値が高く、栄養価も高いことから「ナッツの王様」とも言われています。

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ピスタチオの主な栄養成分と効果や効能

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ピスタチオはアイスなどのデザートでも見かけることがありますが、特に女性に人気のあるナッツです。ナッツの中ではミネラルの一種であるカリウムが特に多く含まれています。

カリウムは余分なナトリウム(塩分)を排出する効果があるので高血圧予防におすすめの成分です。その他ビタミンB1B6ビタミンEβカロチンなどが挙げられます。

ピスタチオ特有の成分というものはありませんが、「栄養価が高い」ことから、マカダミアナッツの「ナッツの王様」に対してピスタチオは「ナッツの女王」と呼ばれています。

カシューナッツの主な栄養成分と効果や効能

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カシューナッツはお菓子だけではなく、中華料理などに幅広く料理に使われています。

ビタミン類やミネラルはナッツの中でもトップクラスの含有量です。

特に多く含まれているのは

  • 貧血予防に効果がある
  • 骨を強くするビタミンK
  • 腸内環境を改善する食物繊維
  • 必須アミノ酸のトリプトファン

です。

トリプトファンは体内で「睡眠ホルモン」と言われているメラトニンに変化するので、なかなか寝付けない方におすすめの成分です。また脂質はオレイン酸のほかに希少なα‐リノレン酸もクルミほど多くはありませんが含まれています。

カシューナッツはナッツ類の中でも特に豊富な栄養成分はありませんが、全体的にバランスよく含まれていて栄養価が高いです。

日本ではそれほど認知は高くありませんが、世界的には人気が高く「世界三大ナッツ」の一つです。

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ヘーゼルナッツの主な栄養成分と効果や効能

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ヘーゼルナッツはペースト状にしたプラリネが製菓の材料としても有名です。ナッツの中で主にオレイン酸ビタミンEが多く含まれています。

その他の特徴として造血作用があり、妊婦さんに欠かせない栄養成分の葉酸や骨の代謝にかかわるマンガンも豊富に含まれています。

ヘーゼルナッツも認知度が低いですが世界三大ナッツとの一つです。

ピーカンナッツの主な栄養成分と効果や効能

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ピーカンナッツはクルミに似ていますがクルミよりも苦味が少なく食べやすいです。そしてナッツ類にはほとんど含まれていないαリノレン酸も含まれています。(クルミの次に多い含有量です)

ピーカンナッツは脂質の割合がマカダミアナッツと同じ位高いですが(全体の約72%が脂質)、不飽和脂肪酸が多く含まれているため、健康に良いと言われており、アメリカで特に人気のあるナッツです。

また舌にある味を感じる器官「味蕾(みらい)」の形成や免疫機能を調整するのに役立つ亜鉛もナッツの中では多く含まれています。

ピーナッツの栄養成分と効果効能

そして最後にピーナッツを紹介します。最初は紹介するか迷ったのですが、その理由は「ピーナッツはナッツ類ではない」からです。

「えっ?ピーナッツという名前でナッツ類ではないの?」と思ったかもしれませんが実は「ピーナッツは豆類」なのです。

ナッツは「木の実」という意味ですが、ピーナッツ落花生ともいうように花が地面に落ちて実になるので木の実ではありません。ですがナッツと名前がついていますし、お店ではナッツのコーナーに一緒に置かれているため紹介します。

ピーナッツは他のナッツと同様に脂質が多く、特にオレイン酸が多く含まれています。そして豆類なので他のナッツよりもたんぱく質が多く、最近はピーナッツの「」が注目されています。

このピーナッツの皮にはポリフェノールの一種の「レスベラトロール」が含まれています。

レスベラトロールの効果は

  • 認知症予防
  • アンチエイジング
  • がん予防

といった効果が実験により報告されています。また、他のポリフェノールと同様に美肌効果もあります。

ただこのレスベラトロールが多く含まれているのは薄皮の部分なので、必ず「皮付きピーナッツ」を食べるようにしましょう。

レスベラトロールはワインやブドウ、玉ねぎの薄皮、リンゴの皮などにも含まれますが、アルコールが飲めない人もいますし、皮を食べない人が多いですね。それと比べるとピーナッツの皮は食べやすいので、ぜひ皮付きのものを購入してください。

詳しくは「皮付きピーナッツの栄養成分や効果効能と摂取量について!」を参照してください。

このようにナッツといっても特徴がさまざまですね。では次にナッツを食べてやせるダイエット方法について紹介します。

ナッツダイエットの方法や食べ方

ナッツには
  • 糖質の代謝を促すビタミンB1
  • 脂肪などの代謝を促すビタミンB2
  • タンパク質の代謝を促すビタミンB6

などのビタミンB群を豊富に含んでいるため「ダイエットに最適」と言われています。

実際にアーモンドクルミでのダイエット実験では体重や内臓脂肪の減少などの結果が出ています。また、ナッツは硬くて独特のかみ応えがあり、かむ回数が増えると満腹中枢が刺激されるのでお腹いっぱいに食べなくても満足しやすいです。

ただナッツは脂質が多いので食べ過ぎには注意が必要です。ついつい食べてしまいがちですが、必ず一日の摂取量などを守るようにしましょう。

ナッツダイエットの4つのルール

①1日の摂取の目安は25g

25gは片手に軽く1杯分です。

各ナッツの25gの目安は

  • アーモンド:約25粒
  • クルミ:約8粒
  • マカダミアナッツ:約13粒
  • ピスタチオ:約30粒
  • カシューナッツ:約13粒

と大きさにより数が変わってきます。

②アーモンドとクルミを中心にミックスする

アーモンド25粒で25gになりますが栄養のバランスを考えたり同じナッツばかり食べると飽きやすいので、数種類のナッツを混ぜて食べるようにしましょう。

おすすめは食物繊維が多いアーモンドαリノレン酸が多く含まれるクルミを中心に好きなナッツを組み合わせて食べてください。

➂食前に食べる

食べるタイミングは食前がおすすめです。

ナッツはかみごたえが良いので満腹中枢を刺激して食事の量が減り、血糖値の急上昇を抑えるので太りにくくなります。

④無塩・素焼きのナッツを選ぶ

おつまみとして販売されているナッツには健康にも良いとは言えない余計な油を加えたり、塩も使われているので無塩・素焼きのタイプを食べるようにしてください。

おすすめはこちらの4種類のミックスナッツです。

通常のミックスナッツはアーモンドクルミカシューナッツの3種類なのですがこの商品はそれに加えて貴重なマカダミアナッツも含まれています。

また無塩、無油だけでなく無添加というのもうれしいですね。

無添加・無塩・無油 最高級ミックスナッツ 4種類のナッツ 1kg入り

まとめ

世界三大ナッツ

  • アーモンド
  • カシューナッツ
  • ヘーゼルナッツ

ナッツの王様:マカダミアナッツ

ナッツの女王:ピスタチオ

希少な脂肪酸のα‐リノレン酸を含む:クルミ、ピーカンナッツ

ナッツ類ではなく豆類:ピーナッツ

ナッツダイエットではアーモンドとクルミがおすすめですが、多くの種類を食べることで、不足している栄養成分を補うことも可能です。1種類や2種類だけでなく、3種類以上のナッツを食べるようにしましょう。

またナッツは酸化しやすいので開封後長く保存したい場合は冷蔵庫に入れて保管してください。ピーナッツだけはナッツ類ではありませんが、他のナッツ類には少ないタンパク質を多く含んだり、最近は薄皮が注目されていますので、ぜひ一緒に食べてみてください。

ぜひ毎日の生活にナッツ類を取り入れて健康的に美しくスリムを目指してみてはいかがでしょうか。