最近はナッツの健康について注目されています。
ナッツの種類は色々ありますが、その中でも特に注目されているのが「くるみ」です。
実際にくるみには他のナッツにはあまり含まれていない栄養成分が豊富にふくまれているのですが、知れば知るほどくるみには多くの効果や効能をもたらせてくれることがわかりました。
ただし食べ過ぎには注意も必要ですので、くるみについて詳しくなってから食べるようにしましょう。
くるみの特徴と栄養成分に関して
くるみはくるみの木にできた実の中にある種子のことをですが、栄養成分の脂質の中で約70%を占めています。
ナッツは全体的に脂質が多い食べ物ですが、くるみから抽出した「くるみ油(ウォールナッツオイル)」もとても人気がありますね。
ただ「脂質が多いと健康に良くない」というイメージがありますが、実際はそうではありません。
くるみの脂質は摂り過ぎると身体に悪影響を及ぼすと言われる「飽和脂肪酸」がわずかで、健康や美容効果が期待できる「不飽和脂肪酸」が9割近く占めています。
※もちろん飽和脂肪酸も適量であれば身体に良いですし、不飽和脂肪酸の摂り過ぎは身体に悪いので気をつけましょう。
この「不飽和脂肪酸」の中でくるみには他のナッツにはほとんど含まれていないオメガ3脂肪酸の一種で注目の成分「αリノレン酸」が含まれています。
人気の脂肪酸「αリノレン酸」とは?
αリノレン酸は
- えごま油
- アマニ油
- グリーナッツオイル
- チアシード(チアシードオイル)
- ヘンプシード
などに多く含まれている脂肪酸ですが、ナッツだけでなく、食べ物全体でもαリノレン酸を含んでいるものは少ないので、とても貴重な脂肪酸です。
このαリノレン酸は細胞膜の構成成分で、
- 血栓が作られるのを防ぐ
- 体内の炎症を下げる
- アレルギーを抑制する
などの働きを持つと言われています。
さらにαリノレン酸の一部(10~15%)は
- DHA(ドコサヘキサエン酸)
- EPA(エイコサペンタエン酸)
に変換されます。
DHAは「子どもの学力向上」に効果があるとして注目された成分で、
EPAは血栓を防止する成分が多く含まれているのが特徴です。
DHAとEPAはαリノレン酸と同様に血液の流れを良くしてサラサラにするという特徴もあります。
豊富なビタミン類とミネラル
くるみに含まれているビタミンはA、B群、C,E、Kとまんべんなく含まれていますが、その中で豊富に含まれているのはビタミンEです。
ビタミンEは抗酸化作用があり、血流を改善(血液サラサラ)する効果があります。
くるみはミネラルも豊富です。
くるみに含まれるミネラルの種類と働き・効果・効能
種類 | 働き・効果・効能 |
---|---|
リン | カルシウムと結合して骨や歯をつくる |
鉄 | 赤血球のヘモグロビンの材料、貧血予防など |
カルシウム | 骨や歯の材料、精神の安定など |
カリウム | ナトリウムを排出、むくみ改善など |
マグネシウム | カルシウムの量を調節、ストレス抑制など |
銅 | 鉄を使いやすい形に変え、赤血球を合成する |
亜鉛 | 酵素の構成成分、細胞の新生や代謝に関わる |
マンガン | 骨の形成に関わり、関節を丈夫にする |
ミネラルは現代の日本人が不足している成分です。
体内に含まれている栄養成分の中でミネラルはたった4%しか占めていないのですが、人間の生命維持機能においては非常に重要な役割を担っています。
ミネラルが足りないと、たとえタンパク質やビタミンなどを十分に摂っても、効果が得られないと言われているので意識して摂りましょう。
豊富な抗酸化成分
くるみにはビタミンCやE以外にも
- ポリフェノール
- βカロテン
- ルテイン
- ゼアキサンチン
などの抗酸化成分が含まれています。
特にポリフェノールの量が多く、
くるみのひとつまみはポリフェノールが多いと言われている赤ワイン1杯に含まれている量よりも多いことがわかっています。
そした単に抗酸化成分の種類が多いというだけでなく、くるみはナッツの中ではもちろんのこと、多くの食べ物の中でも抗酸化成分の含有量がトップクラスです。
※1,113種類の食品の抗酸化力を調べた研究では、くるみが抗酸化物質の含有量でブラックベリーに次いで2位
このようにくるみは以下のような特徴があります。
- 貴重な脂肪酸のαリノレン酸
- 豊富なビタミン・ミネラル
- ポリフェノールなどの抗酸化成分がトップクラス
ではくるみを食べることでどのような効果や効能が期待できるのでしょうか?
くるみに期待される効果や効能
①心疾患・ガン・生活習慣病の予防
人の体内にある活性酸素はもともとは体に良い影響を与えるものなのですが、ある一定上に増えてしまうと細胞や血管の老化を促進したり、DNAなどの遺伝子を攻撃して病気を引き起こすことがあると言われています。
ただ活性酸素は
- ストレス
- 加齢
- 紫外線
- 喫煙
- 不規則な生活(寝不足・暴飲暴食)
などといったなかなか避けられない条件によって年をとるにつれて過剰に増える場合があります。
そして毛細血管が老化すると血液の流れが悪くなり動脈硬化なりやすく、悪化すると心筋梗塞や脳梗塞など死に至る可能性のある大病にかかりやすくなります。
それだけでなく糖尿病、高血圧などの生活習慣病やガンなどさまざまな病気にもかかりやすくなってしまいます。
ただ、毎日忙しい中で規則正しい生活ができない、ストレスを貯めないというのはとても難しいですね。
そのためにはくるみのような強力な抗酸化成分が含まれている食べ物を摂取することです。
くるみにはポリフェノールやβカロテン、ビタミンEなどの抗酸化成分が豊富に含まれています。
またαリノレン酸やビタミンEは血液改善(血液をサラサラ)の効果がある成分です。
血液がドロドロになると動脈硬化にかかりやすくなり、心疾患などの大病にかかりやすくなります。
心疾患が日本人の死因の第2位ですが、血管内にコレステロールをためないことが心疾患を予防することにつながると言われています。
アメリカでは臨床実験により、くるみのコレステロール低下効果が医学的に示され、FDA(米国食品医薬局)から心疾患のリスクを軽減する可能性があるとして、効果効能表示が承認されています。
詳細「くるみで心疾患のリスクを軽減(カリフォルニアくるみ協会)」
がんに関しては動物実験ではありますが、マウスにくるみを食べさせることにより、
「乳がんの腫瘍の形成と増殖の両方が遅延すること」が分かっています。
詳細「くるみで乳がんリスクを抑制(カリフォルニアくるみ協会)」
その他
- 結腸がん
- 前立腺がん
などのがんにも効果が期待されるという研究結果が発表されています。
このようにくるみには多くの病気の予防効果が期待されていますが、薬ではないので治療の場合は補助食品として、予防の場合も継続して食べることで効果が得られます。
②美肌効果
ポリフェノールなどの抗酸化成分は病気の予防だけではありません。
「抗酸化=老化防止」という意味ですから肌の老化を守り、シミやしわ、そばかすといった肌トラブルを予防してくれます。
ナッツ類ではトップ、そして食べ物全体でもトップクラスの抗酸化力があると言われるくるみがあなたの肌を守ってくれますよ。
③ダイエット効果・中性脂肪の減少
くるみは脂質が多いので、ダイエットには不向きと思う人も多いかもしれませんが、実はそうではありません。
ただ、くるみはかみごたえがあるので、満腹感が増加して食欲を抑制する効果があると以前から言われていましたが、そのメカニズムは詳しくはわかっていませんでした。
ですがくるみに含まれる体に良い脂質や食物繊維、タンパク質などを摂ることで、満腹感を得られるということが分かってきています。
実際、2017年に「Diabetes, obesity & metabolism」誌のオンライン版に掲載されたハーバード大医学部の研究グループによる報告で、くるみの摂取が中枢神経系に働き脳内の活動を変化させ、食欲を抑制することが明らかになっています。
詳細:日本生活習慣病予防協会
また、ローマ・リンダ大学が行った調査では、定期的にくるみを摂取した被験者には体重増加は見られず、コレステロール値も改善したとう報告もあります。
ダイエットで一番やっかいなのが空腹ですが、くるみを食べることで満腹感を得られやすく、しかも身体に良い栄養素が豊富に含まれているのでキレイにダイエットできるのがうれしいですね。
➃認知症予防
くるみに含まれているオメガ脂肪酸の一種であるαリノレン酸が体内に入ると、その一部がDHAやEPAに変換されますが、これらの成分は認知症予防の効果が期待されています。
実際に動物実験ではありますが、「ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・ニュートリション誌」で発表された研究では、
高齢のラットに、くるみを6%含む食事(人の場合約28gに相当)を与えることによって加齢性の運動障害および認知障害が改善できることが判明したと紹介されています。
この他最新の研究では
- 男性の精子の質が改善
- 若い男性の心理状態の改善
- 腸内の善玉菌の増加
- 記憶力向上
などに効果があると発表されています。
またまだくるみには他のナッツにはない効果や効能が期待できそうですね。
もちろんくるみは薬ではないので、即効性はなく治療はできません。
少しでも効果を実感するには適量を毎日継続して摂るようにしましょう。
ではくるみは1日どれくらい食べると効果的なのでしょうか?
ダイエットや健康のためのくるみの1日の摂取量について
健康に良いくるみではありますが、いかに良い脂質が含まれているといっても取り過ぎには注意が必要です。
では健康のためにはどれくらい食べるのが良いのでしょうか?
何度か紹介しているオメガ3脂肪酸のαリノレン酸ですが、豊富に含まれている食べ物が少ないので多くの日本人が不足していると言われています。
実際に厚生労働省が定めるオメガ3系脂肪酸の1日の摂取基準は
- 男性2.1~2.4g
- 女性1.8~2.1g
と推奨していますが、
これはクルミでは28g(片手に軽く1杯分=8個程度)で2.5gのオメガ脂肪酸を摂取することができます。
普段からオメガ3脂肪酸のオイルであるエゴマ油や亜麻仁油、チアシードなどを食べている人はこれよりももっと少なくて構いません。
また今はナッツ類のダイエットが流行っているのをご存知ですか?
ナッツ類は全般的に独特のかみ応えがあり、かむ回数が増えると満腹中枢が刺激されるので食事をお腹いっぱいに食べなくても満足できるようになるのでダイエット食品として人気があります。
ではダイエットする場合にどれくらい食べて良いのかというと、こちらも片手に軽く1杯分=8個程度(25~28g)が理想です。
ダイエットで食べる場合は食前に食べることで、食事の量を減らすことができます。
またアーモンドなど他のナッツと組み合わせると、それぞれの足りない栄養素も補えるのでおすすめです。
「健康に良いのであればもっと食べても良いのでは?」と思うかもしれませんが、
くるみにはオメガ6系脂肪酸のリノール酸が多く含まれています。
リノール酸は必須脂肪酸であり、適量であれば健康や美容に良い成分なのですが、サラダ油で多く含まれていて、多くの加工品にも含まれているので取りすぎの傾向にあります。
特に太り過ぎの方はリノール酸を多く摂っている可能性が高いので、そのような方はダイエット目的・健康目的でも1日25~28g程度にしましょう。
クルミに入っているオメガ6脂肪酸(リノール酸)の含有量はオメガ3脂肪酸の約4倍です。
オメガ6とオメガ3の割合が4:1で摂取するのが一番身体に良いと言われていて、くるみを食べることで理想的な脂肪酸の摂取ができますよ。
くるみの正しい選び方とおすすめ品
くるみを購入するには「くるみ」と書いてあればなんでも良いというわけではありません。
いくつか選ぶポイントがあるので紹介します。
まず殻つきと殻なしに分かれます。
殻つきは酸化しにくいので、新鮮で栄養価も殻なしと比べるとしっかりと残っているのですが、殻をむくのは結構大変です。
面倒な人は殻なしを選びましょう。
そして殻なしを選ぶポイントですが塩分を含むものは摂り過ぎる場合があるのでおすすめできません。
ミネラルが豊富な自然塩ならともかく、ほとんどはミネラルがほとんど含まれていない食塩ですし、日本人の多くは塩分の取りすぎの傾向にあるので、無塩のものを選びましょう。
また油でコーティングしているものもありますが、どのような油を使用しているかわかりませんし余分な油分を摂らないようにするためにも、
「無塩・無油の無添加のくるみ」を選びましょう。
さらに素焼きと生の2種類がありますが、これはどちらでも構いません。
こちらは内容量1kgで無塩、無添加のアメリカ産のクルミです。
時期によっては品切れになるほど人気があります。
黄金生くるみ 1kg アメリカ産 Omega Walnuts社(アマゾン)
ダイエット目的の人はくるみだけでなく、ミックスナッツがおすすめです。
おすすめ品は4種類のミックスナッツです。
くるみ以外には以下の3種類のナッツが含まれています。
- アーモンド(オレイン酸・食物繊維)
- マカダミアナッツ(美肌効果のパルミトレイン酸)
- カシューナッツ(鉄・トリプトファン)
もちろん無塩・無油・無添加のミックスナッツです。
無添加・無塩・無油 最高級ミックスナッツ 4種類のナッツ 1kg入り
まとめ
くるみには
- 貴重な脂質であるαリノレン酸が含まれている
- ポリフェノールなどの抗酸化成分多く含まれている
- 抗酸化力はナッツ類で最高
- 多くの病気の予防・美肌・ダイエット効果などが期待されている
といった特徴があります。
健康や美肌効果があるくるみですが、脂質やカロリーのことを考えると健康やダイエット目的どちらでも
25~28g(片手軽く一杯分)程度にしましょう。
くるみの研究が進んで、多くの効果がわかってきました。
健康的に美しくなるためにぜひ毎日の生活にくるみを取り入れてみませんか?