最近アーモンドミルクの人気が高まっていますね。
グリコの「アーモンド効果」という商品も売れていますし、お店ではアーモンドミルクを使用したお鍋(アーモンドミルク鍋)も人気があるようです。
アーモンドが非常に栄養価が高いスーパーフードとして認知が高まっていますが、実はアーモンドミルクも牛乳や豆乳、ライスミルクなどよりもおすすめポイントがたくさんある飲み物なのです。
今回はアーモンドミルクの作り方やおすすめレシピなども含めて詳しく紹介します。
アーモンドミルクとは?その特徴と牛乳や豆乳よりもおすすめの理由
アーモンドミルクという名前からアーモンドと牛乳(ミルク)を混ぜて作った飲み物と勘違いをしている人も多いようですが、実は全く牛乳は使用しません。
アーモンドミルクは、水に浸したアーモンドをミキサーなどで砕き、水を加えてガーゼなどでかすを漉(こ)したしたものです。
つまりアーモンドミルクの原料は基本アーモンドと水のみで、これだけでもほんのりとした甘さがあり、豆乳よりもとても飲みやすいです。
そして牛乳は飽和脂肪酸が多く中性脂肪やコレステロールを増やす原因と言われています。
一方でアーモンドミルクはほとんどが健康に良い脂肪酸と言われている不飽和脂肪酸でコレステロールも含まれていません。
また牛乳などの乳製品を飲んだり食べたりすると「お腹がゴロゴロする」「下痢になりやすい」という人が多いですね。
これは「乳糖不耐症」と呼ばれていますが、牛乳に含まれている乳糖の影響によるものです。
昔から牛乳を飲む習慣があった欧米人よりも日本人の多くが乳糖不耐症と言われています。
実は日本人の80%が乳糖不耐症だという説もあるほどです。
ですがアーモンドミルクには乳糖が含まれていないので安心して飲むことができます。
さらに牛乳や豆乳(大豆)は3大アレルギーの食べ物で、悩まれている人が多くいる食べ物です。
アーモンドミルクは牛乳は含まれていないのでその心配がありません。
※アーモンドアレルギーの人もいますが、牛乳や大豆と比べるとかなり少ないです。
そしてうれしいポイントがもうひとつあります。
それは「カロリーが低い」ことです。
アーモンドミルクと牛乳や豆乳などのカロリー比較
200ml(コップ1杯)のカロリー
カロリー | |
---|---|
アーモンドミルク | 28kcal |
牛乳 | 134kcal |
豆乳 | 88kcal |
ライスミルク | 120kcal |
ココナッツミルク | 300kcal |
※アーモンドミルクはダイヤモンドの『アーモンド・ブリーズ』’砂糖不使用)で計測した場合
アーモンドミルクは比較するとかなりカロリーが低い飲み物ということがわかると思います。
このようにアーモンドミルクは
- 飲みやすい
- 乳糖不耐症の心配がない
- アレルギーの心配がほとんどない
- カロリーが低い
といった特徴があります。
ですがアーモンドミルクはこれだけではありません。
他の飲み物とくらべてもかなり栄養価が高いです。
ではアーモンドミルクにはどのような栄養成分が含まれているのでしょうか?
アーモンドミルクの注目の栄養成分について
アーモンドミルクはアーモンドと栄養成分は同じですが、ナッツとして食べるよりもアーモンドミルクとして摂取したほうが吸収率がよくなります。
それはアーモンドに限らず植物性の食べ物の周りには細胞膜があり、またその細胞膜を覆っている硬い細胞壁があります。
栄養成分は細胞膜の中にあるので、細胞壁を壊さないと十分に栄養をとることができません。
そのためにはしっかりと噛(か)んで食べる必要があります。
ただしっかり噛んでも栄養成分の全てを吸収することはできませんし、特に歯が弱いお年寄りや子どもなに難しいですね。
ですがアーモンドミルクであれば、細かく砕いたものを液状にした飲み物なので、アーモンドよりも多く吸収することができます。
それではアーモンドミルクに含まれている主な栄養成分を紹介します。
オレイン酸
アーモンドを食べ過ぎるとニキビや吹き出物が出るというイメージがある人がいるかもしれません。
これはアーモンドには脂質が多く含まれているからです。
食品に含まれる脂質のうち大部分を占めているのが中性脂肪です。
これを摂り過ぎると体内に脂肪がたまってしうまので肥満の原因になります。
ただ全ての脂質が肥満の原因になるのでなく、脂質を構成する主成分である脂肪酸は大きくわけると飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分けられます。
飽和脂肪酸も適量であれば健康や美肌効果もありますが、摂り過ぎると血液中の中性脂肪やコレステロールを増やして血液がドロドロになってしまいます。
一方で不飽和脂肪酸は血液中の余分な中性脂肪やコレステロールを減らしたり、血栓を予防するなどの作用があります。(それでも摂り過ぎはダメです)
アーモンド10g(約10粒)の脂肪酸は5.2 g と半分は脂で占められていますが、そのうち飽和脂肪酸は0.41gだけで残りは不飽和脂肪酸です。
その不飽和脂肪酸の中で約6割はオレイン酸と言われる脂肪酸です。
オレイン酸は健康オイルで有名なオリーブオイルなどに多く含まれる脂肪酸で、オリーブオイルなどにも多く含まれていますが多くの健康や美肌効果がある成分です。
たんぱく質
アーモンドの約2割はたんぱく質でできています。
筋肉、臓器、皮膚、毛髪、ホルモンや酵素、免疫物質、血液など人体の大部分はタンパク質で構成されていて、体内で常に合成と分解を繰り返しています。
「タンパク質が不足」すると
- 筋力量が減って体力が落ちる
- 疲れやすくなる
- 免疫力も下がる
という状況になりやすく病気にもかかりやすくなります。
さらにそれだけではなく
- 記憶力の低下
- 肌荒れや髪が傷む
- 太りやすく、やせにくい体質
といったマイナス面もあるので不足しないように意識して摂る必要があります。
肉や魚などの動物性タンパク質をたくさん食べることで補うこともできますが、同時に脂肪分も多く吸収してしまうのでアーモンドなどの植物性タンパク質もしっかり摂るようにしましょう。
ビタミンE
アーモンドにはビタミン類が多く含まれていますが、特に強い抗酸化力があるビタミンEが豊富に含まれています。
ビタミンEの含有量はナッツ類では断トツに多いだけでなく、食べ物の中でもトップクラスです。
その他にビタミン類は
- ビタミンA
- ビタミンB1
- ビタミンB2
- ビタミンB6
- ナイアシン
- 葉酸
- パテントン酸
これらの成分がアーモンドに含まれています。
ミネラル
アーモンドはミネラルが豊富なのも特徴のひとつです。
特に以下のミネラルが多く含まれています。
種類 | 働き |
---|---|
リン | カルシウムと結合して骨や歯をつくる |
鉄 | 赤血球のヘモグロビンの材料、貧血予防など |
カルシウム | 骨や歯の材料、精神の安定など |
カリウム | ナトリウムを排出、むくみ改善など |
マグネシウム | カルシウムの量を調節、ストレス抑制など |
銅 | 鉄を使いやすい形に変え、赤血球を合成する |
亜鉛 | 酵素の構成成分、細胞の新生や代謝に関わる |
マンガン | 骨の形成に関わり、関節を丈夫にする |
食物繊維
アーモンドの約10%は食物繊維で食べ物の中でもトップクラスの含有量です。
食物繊維は大きく分けると水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類に分けられます。
理想的な割合は水溶性1、不溶性2なのですが、アーモンド100g当たり、水溶性食物繊維が0.8g、不溶性食物繊維が9.3gと圧倒的に不溶性の割合が多いです。
食物繊維といえば腸内環境を改善して便通が良くなるなどの効果をもたらしてくれますが、不溶性食物繊維の割合が高いと逆に便秘になる可能性が高くなります。
これを改善するには水溶性食物繊維を多く摂るか、水分を多く摂る必要があります。
アーモンドは便通に良いからとたくさん食べると便秘になってしまう可能性が高いのですが、アーモンドミルクであれば一緒に水分も摂れるので、便秘を避けることができ、食物繊維の効果を十分に得られることができます。
これらの栄養成分以外にアーモンドには抗酸化成分のβ-カロテンやポリフェノールも含まれています。
アーモンドミルクの効果や効能について
動脈硬化・生活習慣病の予防
アーモンドの脂質の多くを占めるオレイン酸には血中コレステロールを適正に保つ働きがあり、善玉コレステロールを減らさず、悪玉コレステロールだけを減らす効果があります。
また、オレイン酸は酸化されないい脂肪酸です。
一般的に脂肪の酸化が進むと、体内で活性酸素と結びついてDNAに損傷を与え、がんや動脈硬化、心疾患や脳疾患、糖尿病などの原因になりますが、オレイン酸はそれらを防ぐため、生活習慣病などの予防効果があると期待されています。
また、体内にある活性酸素がある一定以上に増えると老化進み、さまざまな病気を招くと言われています。
活性酸素が増える条件は
- 加齢
- 過剰なストレス
- 紫外線
- 不規則な生活
- 偏った食事
などですが、加齢やストレスなど避けることができない(または難しい)ので、血管や細胞の老化を招き、さまざまな病気の原因となってしまいます。
アーモンドに豊富に含まれている抗酸化成分のビタミンEやβ-カロテンは増えすぎた活性酸素を抑える働きがあり、生活習慣病など多くの病気の予防となります。
またビタミンEは血液の流れを良くする(血液サラサラ)働きがあるので動脈硬化や動脈硬化が悪化するとかかりやすい脳梗塞や心筋梗塞の予防となります。
美肌効果
人の皮脂の約4割はオレイン酸です。
そのためオレイン酸が不足すると肌がカサカサになってしまいます。
新陳代謝を活発にして美肌を保つにはオレイン酸とたんぱく質は欠かせません。
アーモンドにはオレイン酸とたんぱく質が豊富なので美肌が期待できるのです。
さらに抗酸化成分のビタミンEやβ-カロテンは病気の予防だけでなく、お肌の老化も防いでくれます。
活性酸素の過剰な増加や紫外線などで、シミやしわ、たるみなどが増えてしまった老化した肌を改善したり、予防する働きがあります。
その他にも皮膚や粘膜の健康維持に役立っているビタミンB2はビタミンB6と一緒に摂ることで美肌効果がアップします。(アーモンドにはどちらも含まれています)
ニキビができやすいイメージのあるアーモンドですが、実は美肌効果がある食べ物なのです。
アンチエイジング効果
アーモンドは、老化を促進する物質「AGEs」を減らす作用があります。
これは、アーモンドに豊富に含まれるアルギニンというアミノ酸が、糖と結びつき、糖化を防ぐからです。
近年の老化の要因として、活性酸素による「細胞の酸化」と並んで「細胞の糖化」が注目されています。
糖化とは体内で使われなかった糖とタンパク質が結びつく現象です。
糖化により老眼やシワ・シミ・たるみなどの原因になるだけでなく、糖化によって発生したAGEsが血管に蓄積すると、
- 心筋梗塞や脳梗塞
- 糖尿病、高血圧などのの生活習慣病
- 骨粗しょう症
- 白内障
- ガン
となる可能性が高くなります。
AGEsは糖化によって発生しますが、糖化の具体的例としては
タンパク質を多く含む牛乳や卵に砂糖を混ぜて焼く、ホットケーキやパンケーキのような食べ物です。
こんがりと褐色に変化してとてもおいしそうに見えますが、この反応が糖化反応です。
老化や病気の予防対策としてのAGEsを体内に溜めない、あるいは減らすことが大切なのですが、そのためには
- 規則正しい生活習慣
- 糖化の多い食べ物を食べない
- AGEsを減らすアーモンドやアーモンドミルクなどを摂る
などが必要です。
便秘の改善
先程アーモンドには食物繊維が豊富に含まれていますが、不溶性食物繊維の割合が圧倒的に多く、摂り過ぎは逆に便秘になりやすいと説明しました。
ですがアーモンドミルクのように不溶性食物繊維と水分を一緒に摂ることで便秘を避けることができ、便通の改善につながります。
またオレイン酸も腸内の滑りをよくして、便秘の改善の効果があります。
これらの効果以外にも
- 貧血の予防:鉄や亜鉛
- 骨粗しょう症の予防:豊富なカルシウムやマグネシウム
- むくみ改善:カリウム
などが期待されています。
アーモンドミルクのおいしい食べ方
アーモンドミルクはそのまま飲んでもおいしいのですが、牛乳や豆乳を使うレシピで食べることでさらにおいしさがアップします。
スープやシチューの材料やお菓子にも使用できますね。
その中でも簡単でおいしく作れるのがアーモンドミルクを使った「フレンチトースト」です。
子どもたちも「とてもおいしい!」と喜んで食べてくれます。
そして今流行なのはアーモンドミルク鍋です!
東京・渋谷にある鍋専門店のゆるり屋では美容と健康への効果が期待できる五種類の個性豊かなアーモンドミルク鍋を用意しています。
- 豚玉ジンジャーアーモンドミルク鍋
- 鶏玉カレーアーモンドミルク鍋
- チーズたっぷり海老とアボカドのアーモンドミルク鍋
- 鮭とホタテのアーモンドミルク味噌鍋
- お肌潤うアーモンドミルク豚鍋
最近は健康・美肌良いと言われる豆乳鍋も流行っていますが、豆乳の代わりにぜひアーモンドミルクをご自宅でも試してみてください。
アーモンドミルクの作り方
アーモンドミルクの作り方の動画です。
とても作るのが簡単です。
材料
生のアーモンド1カップ(250g)
※ローストアーモンドでも可
水:2~3カップ(お好みで)
さらしやガーゼ
お好みでバニラエッセンスやシナモンなど入れても良いです。
作り方
①生アーモンドを水に一晩つける
二晩つけるとより濃いアーモンドミルクになります
②、①をざるに入れて水で洗い流します
③アーモンドと水をミキサーに入れて粉砕します。
④、③をさらしやガーゼでこします
※動画では②のあとできあがりが滑らかになるのでアーモンドの皮をむくように説明していますが、皮にも栄養成分がたっぷり含まれているので、皮のままミキサーにいれてお大丈夫です。(そのほうが楽ですし)
冷蔵で2,3日で飲み切りましょう。
(ローストアーモンドを使用した場合は5日ほど持ちます)
底にアーモンドがたまっているので飲む前には振ってから飲むようにしましょう。
アーモンドミルクのおすすめの商品
アーモンドミルクを作るのは簡単なのですが、
「1日水につけておかなければいけない」
「そもそも作るのが面倒」
「アーモンドは結構高い!」
ということで市販のもので良いという人も多いと思います。
そこでアーモンドミルクのおすすめ商品を紹介します。
有名なのはグリコが2014年に「アーモンド効果」を発売しました。
スーパーやコンビニでも見かけますね。
とても人気があるので、これを飲んで良いのですが「アーモンド効果」の原材料を見ると、アーモンドペーストに
香料、砂糖、乳化剤なども入っているので、純粋なアーモンドミルクとは言い難いです。(気軽に飲むには良い飲み物ですよ)
その他にはマルサンアイが2013年秋から「アーモンドブリーズ」を日本で販売しています。
ただ色々飲んでみたりしたのですが一番のおすすめは「筑波乳業のアーモンドミルク」です。
海外産はアーモンドの含有量が少なめのものが多いのですが、「筑波乳業のアーモンドミルク」はアーモンドの含有量が多いのはもちろん、砂糖、香料、着色料が不使用でとても飲みやすくしかも濃厚な味です。
安心・安全でしかも美味しいと三拍子そろっています。
多少金額が高いですが本物のアーモンドミルクを飲みたい方に「筑波乳業のアーモンドミルク」はおすすめです。
私は実際に飲んでそのままでも美味しいと思いました。
手作りに一番近い筑波乳業のアーモンドミルクをお試しください。
筑波乳業 アーモンドミルク(砂糖不使用)1000ml(アマゾン)
筑波乳業 濃いアーモンドミルク(まろやかプレーン・砂糖不使用) 1000ml×3本
まとめ
アーモンドミルクという名前ですが、牛乳は入っておらず、
- アレルギーの心配がほとんどない
- 乳糖不耐症の心配がない
- カロリーが低い
という特徴があります。
栄養成分では美肌・健康効果があるオレイン酸やビタミンE、ミネラルが豊富です。
またアーモンドよりもアーモンドミルクの方が栄養をより吸収できるのもおすすめポイントです。
最近ではアーモンドミルク鍋も人気があるように、お菓子だけでなく、多くの食べ物に合いますので、そのまま飲むだけでなく、色々な食べ物に試してみてください。
健康や美容によくカロリーも低いアーモンドミルクをぜひためしてみませんか?