最近はご飯よりもパン好きな人も多く、1日に何度も食べる人も多いようです。

手作りにこだわったパン屋さんもたくさん見かけるようになりました。

一方で、パンに含まれる添加物であるイーストフードの安全性が疑われています。

今回はイーストフードとは何か。

そしてイーストフードに危険性はあるのかについて詳しく紹介します。

イーストフードとは?イースト菌との違いについて

本来パンは発酵食品で主に小麦粉パン酵母を使って作ります。

このパン酵母のことをイーストと呼びます。

イースト(パン酵母)にも種類があり、

①ドライイースト(生イースト)

自然界に存在する酵母菌の中から発酵力の強い菌を選んで抽出して純粋培養しています。

短時間に安定して発酵をすることができます。

家庭でもドライイーストを作った手作りパンが流行っています。

②天然酵母

最近は天然酵母のパンのお店が人気があります。

果実や穀物等に付着している「天然酵母」は天然酵母パン製造に使われます。

ただし強い発酵力は望めないので長時間発酵させる事になります。

 

このようにおいしいパンを作るにはイーストが欠かません。

です天然酵母はもちろんのこと、ドライイーストだけで作るパンでは大量生産はできないため、スーパーやコンビニでは売ることはかなり難しいです。

そこで登場するのが「イーストフード」です。

イーストフードイースト菌パン酵母)に混ぜることによって簡単にふっくらとしたパンが大量生産できます。

イーストフードとは?

イーストフードは簡単に言うと膨張剤(ふくらまし粉)生地改良剤とも言われます。

イースト菌イーストフードを混ぜることで活発になり、イースト菌だけのときよりもふっくらと仕上がります。

さらにイーストフードを使用すると小麦粉の使用量はイースト菌だけの時と比べて7割ほどですみます。

また本来パンをふっくらと焼くには火加減や時間調整など職人的な技が必要なのですが、イーストフードを使用することで時間も短縮できます。

このように原価が安く(小麦粉の量を減らせる)なったり、時間短縮されることで、安く大量に生産することが可能になります。

イーストフードの種類

このイーストフードはある一種類の添加物を指すものではなく16種類あります。

イーストフード全種類

  1. 塩化アンモニウム
  2. 塩化マグネシウム
  3. グルコン酸カリウム
  4. グルコン酸ナトリウム
  5. 炭酸アンモニウム
  6. 炭酸カリウム(無水)
  7. 炭酸カルシウム
  8. 硫酸アンモニウム
  9. 硫酸カルシウム
  10. 硫酸マグネシウム
  11. リン酸水素ニアンモニウム
  12. リン酸二水素アンモニウム
  13. リン酸―水素力ルシウム
  14. リン酸二水素カルシウム
  15. リン酸三カルシウム
  16. 焼成カルシウム

このようにイーストフードといってもたくさんの種類があります。

パンにはこのうち5種類前後をピックアップして使用します。

パンのパッケージに表示する場合は、塩化アンモニウムグルコン酸カリウム、・・・とひとつずつ細かく表示する義務はありません。

まとめて「イーストフード」として表示することが可能です。

これを「一括表示」と言います。

ただし一種類だけの場合は具体的な名前を表示する必要があり、最低でも2種類以上で「イーストフード」と表示することができます。

イーストフードの危険性について

Yahoo!やGoogleなどで「イーストフード」と検索すると

イーストフード 危険性

イーストフード 危険

と表示されます。

これはイーストフード16種類の中に危険性が高い添加物が含まれているからです。

塩化アンモニウム

この添加物は通常、化学肥料亜鉛のメッキの材料として使用されています。

大量に摂取するとおう吐などの症状を起こす危険性があります。

動物実験では塩化アンモニウムをウサギに2g投与したところ、10分後に死亡しましたという実験結果が。

そして犬の場合は6~8gの摂取で死に至ると言われています。

リン酸塩類

イーストフードにはリン酸塩とつく添加物が5つありますが、これらは骨粗しょう症心筋梗塞の恐れがあると言われています。

本来であれば塩化アンモニウムリン酸塩類が使用されていない他のイーストフードを使用したパンを消費者が選べれば問題ありません。

ですが使用していてもいなくても「イーストフード」としか表示されないために選んで買うことができません。

ではなぜ危険性が高いと言われている添加物を使用しているのでしょうか?

実は塩化アンモニウムは動物実験で悪い結果が出ていますが、動物実験で使用した量がかなり多いため、パンに使用する量であれば、それほど危険性は高くないと言われています。

 

例えば危険性の高い添加物と言われている亜硝酸ナトリウムADI(1日摂取許容量)値が定められています。

ですが塩化アンモニウムADI値は定めれていません。

つまり厚生労働省では「塩化アンモニウムは毒性が低いためADI値を設定するほどではない」とみなしています。

 

一方、リン酸塩ADI値が定められていますが、パンに含まれているリン酸塩類は少量なのでこちらも問題ありません。

リン酸塩についてはハムやプロセスチーズにも含まれています。

ン酸塩ADI値についての詳細は

ナチュラルチーズとプロセスチーズの違い!添加物に危険性はあるのか?見分け方や栄養についてをご覧ください。

このようにイーストフードの危険性はゼロではありませんが、他の添加物と比べると危険性が低いです。

もし、「イーストフードは体に悪い」という理由で食べないとすると、それ以上に危険性が高い添加物をたくさん使用している加工食品がたくさんあるため、それも食べてはいけないとなり、外食やコンビニになどの食事が多い人はほとんどの食べ物が食べられなくなります。

実際にパンを食べ過ぎた場合は塩化アンモニウムリン酸塩の過剰摂取よりも、糖質カロリーの摂りすぎの方が心配です。

またイーストフードと一緒に「臭素酸カリウム」の危険性を紹介しているサイトもあります。

たしかに臭素酸カリウムは危険性が高い成分なのですが、以前使用していた山崎製パンでも現在は使用していませんので心配はありません。

パンの危険性について

イーストフードの危険性についてはそれほど心配はないのですが、それならばパンは安全な食べ物なのでしょうか?

確かにイーストフード塩化アンモニウムリン酸塩類は単体で見れば危険性は低いです。

ですがパンに含まれているイーストフードは5種類前後ですし、乳化剤や菓子パン、サンドイッチには他にも多くの添加物が含まれています。

※乳化剤も一括表示なので数種類の添加物が含まれています

となると食パンであればそれほどではありませんが、パンの種類によっては10種類以上の添加物を同時に摂ることになります。

ですが食品添加物は単品使用の場合においてのテストです。

複数の添加物を同時に摂取したらどうなるかという実験はあまり実施されていません。

それを何十年と食べ続けているとどうなるかというのはわからないのです。

もちろんパンだけでなく、他の加工食品も一緒です。

忙しい場合は菓子パンやサンドイッチ、コンビニなどのお弁当やカップ麺で済ませるのは仕方がないことだと思います。

ですが、1日に何十種類の添加物を摂ることになるので加工食品を食べない日もできれば作ってほしいです。

さらにパンの原料でショートニングマーガリンを使用している商品も多いです。

これらの原料は脂質が多く、現代は脂質の過剰摂取している人が多いので気をつける必要がありますしトランス脂肪酸の心配もあります。

また輸入される小麦粉も問題あると言われています。

近年小麦はアメリカから最も多く輸入していますが昔の小麦と違い、

現在の小麦は収穫量を増やすため、病気や日照り、高温などに耐えるように品種改良により作られた小麦が多く、人工的な硝酸塩肥料有害生物防除なしでは育だちません。

そして日本向けの小麦にはカビが生えないように防腐剤が大量にかけられている場合が多いです。

さらに最近はグルテンフリーの食べ物が流行っていますが、これは小麦粉に含まれているグルテンという人工的に作られたたんぱく質のことです。

グルテンの危険性についてはいろいろと言われていますが、まだハッキリとしていないことも多いです。

ただ食べ過ぎるとグルテンには麻薬のような中毒性があると言われていて、パンやパスタがどうしてもやめられない人もいます。

ただこれは全てのパンに当てはまるわけではありません。

良質の原料を使用し添加物の少ない安全でおいしいパンを選べば、これらの危険性を回避できます。

おすすめの食パン

添加物など余計なものを一切使用していない、健康にも良いおすすめパンを紹介します。

天然さくら酵母食パンセット

こちらは小麦粉も使用していますが、メインは米粉です。

天然の桜の酵母を使用している珍しいパンです。

添加物や防腐剤だけでなく、ショートニング、マーガリンなどトランス脂肪酸が心配の原料も一切使用していません。

さらに卵と牛乳も使用していないので、アレルギーがある人も安心です。

72時間発酵しているこだわりのパンです。

【送料無料】【国産】パンセット パン パン詰合せ 天然家康さくら酵母使用 米粉使用 朝食のごはんの代わりに トランス脂肪酸ゼロオーガニックショートニング使用 粗糖使用 子供に安心パン

まとめ

パンに使用されるイーストフード

  • イースト菌に混ぜると簡単にふっくらとしたパンができる
  • 16種類ある食品添加物の総称
  • 塩化アンモニウムやリン酸塩類が危険と言われることが多い
  • パンには微量なので危険性は低い

といった特徴があり、イーストフードを使用したパンは安全とは言えませんが、他の加工食品と比べられば危険性はそれほど高くはありません。

イーストフードを心配するならば

  • イーストフード以外の大量の食品添加物
  • ショートニングやマーガリンによる油の過剰摂取やトランス脂肪酸
  • 小麦粉の中毒性
  • 糖質の摂りすぎ

といった心配をしたほうが良いでしょう。

価格は高いですが、できれば天然酵母を使ったこだわりのパンを食べてみてください。