最近は雑穀米にも含まれている「赤米」が注目されています。白米にはない成分が含まれていて黒米などと同じ古代米の一種ですが、栄養価は少し違いがあります。
ここでは、知らないままでは損してしまう魅力的な「赤米」の栄養や効能について紹介します。
赤米とは?その特徴について
赤米は玄米の色が赤褐色で、糠層(果皮・種皮)の部分に赤色系色素を含まれているお米です。少しだけ精米すると淡い赤色になり、ぬかを全部取りのぞくと白米になります。
野生稲の大部分が赤米であることから、赤米は米のルーツであり赤飯の起源と考えられています。邪馬台国や大和朝廷への献上米も赤米が主だったとも言われています。
赤米の注目の栄養成分
「赤米」はもとが玄米ですから白米と栄養成分を比較すると栄養価が高いことがわかります。
赤米は白米に比べて
- 食物繊維:約8倍
- カルシウム:約3倍
- マグネシウム:約4倍
- カリウム:約3倍
- ビタミンB1:約5倍
と豊富に含まれています。
また、「赤米」の特質すべき栄養成分は、赤い色素に含まれるタンニンです。タンニンはポリフェノールの一種で強い抗酸化作用があり、お茶やワインなどにも多く含まれる栄養成分です。
このタンニンが、多くの効果や効能をもたらせてくれるのです!
「赤米」の期待される効果や効能について
タンニンの効果や効能
①肌を引き締める作用
開いた毛穴や皮脂腺などを引き締めるのに効果的です。
②下痢の改善
腸の粘膜を刺激することで腸を引き締める作用があります。
➂強い抗酸化作用
体内に含まれる活性酸素は一定の量であれば問題ないどころか健康にも良いと言われています。ですが、加齢やストレス、喫煙、生活習慣の乱れなどにより活性酸素が異常に増えてしまうと、
- シミやしわが増えるといった老化現象
- 悪玉(LDL)コレステロールが酸化して動脈硬化などの生活習慣病の原因
などが起こりやすくなると考えらています。
タンニンは活性酸素を異常に増えないように抑制する力があるため、生活習慣病などの予防やシミやしわを防ぐとった老化防止の効果が期待されています。
④美肌効果
タンニンはメラニンを産生する細胞の増殖を抑制し、皮膚保護作用や美白作用をもつことが報告されていて化粧品にも配合されています。
⑤むくみの予防
ミネラルの一種であるカリウムが血圧を下げ、体内の不要な水分を排出してくれるため、むくみ予防に効果があります。
⑥疲労回復
ビタミンB1は糖質をエネルギーにかえてくれるビタミン疲労回復が期待できます。日々の健康や美容に欠かせない効能ばかりですね。
注意したいのが、タンニンは水溶性物質であるため、体内に貯蔵できません。そのため少量でも、毎日何回かに分けて摂取するのが効果的です。
赤米と黒米との違い
赤米とよく比較されるのが黒米です。黒米も日本古来からあるお米の品種です。
栄養成分はビタミンB群とミネラルが豊富でポリフェノールは赤米のタンニンに対して、黒米はアントシアニンが多く含まれています。
アントシアニンはポリフェノール類の中でもかなり強い抗酸化作用があります。他の成分もビタミンやミネラルに差がないので、栄養価では赤米と黒米に差はありません。
黒米と赤米の粒の形は短粒と長粒があり、黒米は長い粒のもの、赤米は短い粒のものが多い傾向にあります。
食感については黒米は比較的粘りがあり、甘みや旨みが感じられます。一方、赤米の食感は硬くて粘り気がなく、冷えてパサパサになりやすいです。
最近流行りの雑穀米は数種類の穀物が混ざったもので、黒米と赤米も混ざっている商品が多いです。黒米と白米や赤米と白米のように2種類を混ぜて食べても良いですが、3つを混ぜて食べてもおいしく食べることができます。
また赤米はもち米との相性が良いです。
白米(もち米)に赤米や黒米に入れると互いにない成分も摂ることができるのでおすすめです。
黒米の詳細は
黒米の栄養成分と効果効能がスゴイ!炊き方や白米と玄米との違いも紹介します。をご覧ください。
赤米の炊き方と食べ方
赤米は、白米よりアミロース(でんぷんの成分)が多く、パサパサしているのと、タンニンは渋くてえぐさが目立つ成分ですので赤米だけで食べるのは無理があります。
食べるのが初めてという方は白米1合に対して赤米を小さじ2杯ぐらいを混ぜて炊くのがよいでしょう。慣れてきたら1合、2合とご自分の好みで増やしてください。
赤米を1合白米に混ぜるだけでも炊き上がりはとても鮮やかな赤色になり、食欲がそそられますよ。
赤米のアレンジレシピ
どうしてもパサつきが気になる場合は、アレンジしてみるのもおすすめです。
①魚介類などを加えてパエリアに
色合いもきれいでおしゃれに仕上がります。
②チャーハン
プロ並みのパラパラなチャーハンになりますよ。
➂雑炊
粘り気が少ないので、あっさりした雑炊になります。
【赤米の調理ポイント】
調理温度が高いほど赤米に含まれるタンニンの抽出効率が上がります!!このため、鍋炊きをするなら沸騰後しばらくは強火のままという炊き方が効果的です。
圧力鍋を使うのも便利です。
④赤米の甘酒
「赤米」は、古代より岡山県総社市に伝わり、晴れの日のお祝いとして神事に用いられたとの言い伝えがあるそうです。そのため、お祝い事の贈物にする方もいるとか。
また、普通の甘酒にくらべ、赤米の甘酒はほんのりピンク色なので、七五三やひな祭りなどにおすすです。ぜひ試してみてください。
おすすめの赤米
白米もですが、やはり国産の赤米の方が安心です。
といっても赤米だけの商品は少なく、通常は雑穀米に少し含まれている程度ですが、おすすめの赤米があります。
「さぬき赤米」です。
おすすめポイントは農薬と化学肥料を使っていないで育てた香川県産の赤米です。白米で無農薬というのも少ないですが、、安心・安全な貴重な赤米です。
まとめ
赤米は白米と比べると栄養価が高く、特にポリフェノールの一種のタンニンが多く含まれています。美容や健康効果がありますが、白米の代わりに赤米だけで食べるのはおすすめできません。
赤米は渋みがあるので白米に混ぜて食べる方がおすすめです。赤米を混ぜて炊くと鮮やかに見えて見た目が楽しめるのも良いですね。
また赤米や黒米などが含まれている雑穀米を食べても良いでしょう。
白米だけでは栄養価が低く、血糖値が高くなってしまうので、ぜひ食生活に赤米を摂り入れるようにしましょう。
お教え下さい
玄米はフィチン除去のため一晩浸水させますが赤米もそうすべきでしょうか
コメントありがとうございます。
赤米は1時間程度水に浸けてから炊くだけでおいしく食べられます。
玄米のフィチン(酸)に関しては危険と安全両方の説がありますね。
私も以前玄米は一晩浸けないとあまり体に良くないと思った時期がありましたが
いろいろ調べるとそれほど心配する必要なないと思っています。
http://getnews.jp/archives/244587
フィチンに関してはこのような記事なども参考にしてみてください。