脇役のイメージが強い大根おろしですが、今、大根おろしの持つパワーに注目が集まっています。

大根おろしを毎日食べてやせるといったダイエットにも最近人気があります。

普通に大根を食べるよりも大根おろしのほうがおすすめの理由や栄養成分と効果効能、食べ方など詳しく紹介します。

大根おろしの注目のうれしい栄養成分とは?

辛味成分「イソチオシアネート」

昔から大根おろしは、胃もたれによいと言われてきました。
これは大根おろしに含まれる辛味成分「イソチオシアネート」に、胃液の分泌を促す効能があることから胃腸の働きを助ける効果があるためです。

イソチオシアネートの作用とは

  • 解毒作用
  • 殺菌作用
  • 抗炎症作用
  • 食中毒予防
  • 発ガン抑制
  • 血液サラサラ効果で血栓予防
  • 消化促進
  • 抗酸化作用により美肌効果やアンチエイジング効果

イソチオシアネートは、非常に優秀な万能成分として期待されています。

このイソチオシアネートは、大根をすりおろしたりカットすることで細胞が破壊され、イソチオシナネートの前駆体となるグルコシノレートミロシナーゼとよばれる酵素が反応して生成されます。

このため、大根ではなく大根おろしが注目されているのです。

 

注目のうれしい効果効能とは

大根おろしの嬉しい効果効能について詳しくみていきましょう

食中毒予防

大根おろしには、体内の解毒酵素の働きを高め、優れた殺菌作用があり、食中毒を防いでくれます。お肉やお魚料理に大根おろしを添える習慣があるのは、昔の人達の知恵だったのですね。

消化促進

大根をおろしには、消化を助ける成分が豊富に含まれています

でんぷんを分解するジアスターゼ(アミラーゼ)

ジアスターゼ(アミラーゼ)は、市販の胃腸薬にも使われている非常に優れた栄養成分です。胃腸の不調を整える効能があり、胃もたれや胸焼けに効果がある万能栄養成分といわれています。

タンパク質を分解するプロテアーゼ

胃腸に負担が大きいタンパク質を分解することで、タンパク質の消化吸収を助けて胃腸の負担を軽くする効能があります。

脂質を分解するリパーゼ

最近ではダイエットにも効果があると注目されているリパーゼは、ダイエットの大敵である中性脂肪を分解してくれます。

免疫力アップ

発ガン抑制作用

近年、注目されている理由のひとつに、大根おろしに含まれるイソチオシアネート発ガン抑制作用があります。
実際イソチオシアネートには、ガン細胞をアポトーシス誘導(死滅誘導)する効果が認められ、発ガン予防効果が期待されるとの研究報告がされています。

消炎鎮痛作用

イソチオシアネートには消炎鎮痛作用がある」といわれ、口腔内の腫れなどの炎症を鎮めてくれます。風邪などで、のどが腫れて痛い時に食べると、のどを殺菌し痛みを改善してくれます。

大根おろしには、免疫力を高めるビタミンCも豊富なため、相乗効果が期待できます。

昔から大根おろしは医者いらずといわれたのは、この効能によるものだったのでしょう。

ポイント
ビタミンCは、皮と身の間に最も多いといわれているため、皮ごとおろすことをおすすめします。

眼精疲労の緩和

ビタミンAも豊富なため、眼精疲労の回復にも効果があるといわれています。

ビタミンAは「目のビタミン」と呼ばれますが、これは目の網膜にあり、光の明暗を感じたり色を識別する「ロドプシン」の主成分です。

目の機能が正常に保たれるので眼精疲労やドライアイに効果的な成分で、視力回復も期待されます。

β-カロテンは体内で一部がビタミンAに変換されます。

β-カロテンの働きとしては目の粘膜や網膜を健康に保つ働きがあり、疲れ目や、目の乾燥を防ぐのに役立つと期待されています。

  • ビタミンAは眼精疲労やドライアイ対策、視力回復の効果
  • β-カロテンはビタミンAの働きと加齢黄斑変性や緑内障、白内障の予防効果

などが期待されています。

ポイント
大根の葉には、βカロテンが3900μg(100g中)も含まれているため、眼精疲労対策には、「大根の葉もあわせて摂る」とより効果的です。

美肌効果  吹き出物・ニキビ予防

大根の辛み成分であるイソチアネートには、抗酸化作用があり老化の原因となる活性酸素を取り除く効果があります。

また、抗酸化作用により紫外線によって誘導される皮脂の酸化をおさえてくれるのでニキビの改善や予防にも効果的で、糖化によるくすみの改善にも効果的とされています。

さらに大根にはビタミンCも豊富に含まれているため、シミやしわを予防し、お肌の調子を整える効果もあります。コラーゲンの合成にもビタミンCが必要不可欠のため、たるみ対策にもオススメです。

ダイエット効果

大根おろしに含まれるイソチオシアネートには、新陳代謝を促し、血流をよくする効果が期待できます。また、大根に含まれている酵素が脂肪や炭水化物などの余分なエネルギーを分解してくれます。

むくみを解消してくれるカリウムも豊富に含まれ、食物繊維によって便通の改善につながります。

納豆に含まれるビタミンB群が糖質や脂質の代謝を助け、大根おろしの消化酵素がごはんやおかずの消化を助けてくれるため、納豆とあわせて食べるとよりダイエット効果が高まるそうですよ。

知っておくと得するポイント

大根の部位によって異なる栄養素

  • 先端部分はイソチオシアネートが豊富
  • 皮はビタミンCが豊富(先端部分にいくほど皮が厚くなり含有量も増える)

おろし方で変わる栄養素

大根の繊維を断ち切るようにおろすとイソチオシアネートが増えます。
※おろし器に繊維を垂直にあてましょう。

作り置きはNG

イソチオシアネートは、とても蒸発しやすいため時間が経つと成分が減ってしまうので、食べる直前にすりおろすのがベストです。

生の状態で

イソチオシアネートや酵素、ビタミンCは加熱調理をすると、生の状態の半分以上も効果が損なわれてしまうといわれているので、生の状態で食べることをおすすめします。

大根おろしの汁も捨てない

おろし汁も残さず食べるようにすると、栄養素や酵素を余すところなくとることができ、効果が高まります。

ポイント
おろし汁に蜂蜜を加えて飲むと、喉や咳の痛み、声枯れ、さらには酵素の効能によって二日酔いにも良いとされています。

これに生姜を加えることにより、ビタミンCとの相乗効果で風邪の予防にも効果的です。
レモンやリンゴのすりおろしなど様々なアレンジも楽しんでみてください。

辛味が苦手な方

大根の表面のボコボコチェック

大根の表面に、傷のようなボコボコしたものがあります。このボコボコが、大根の身に対してできる限り真っ直ぐな垂直であれば、比較的辛味は弱いといいます。

おろし器の歯が粗いものを使う

細胞が壊れる際に辛味成分イソチオシアネートが生成されます。そのため大根の身を潰しにくく細胞が壊れにくい歯が粗いものを選びましょう。

繊維にそっておろす

繊維にそっておろすと細胞が壊れにくいため、辛味を和らげることができます。

大根おろしの保存方法

大根おろしの保存には、冷凍保存が適しています。ポイントは、汁ごと保存することです。

みずみずしい口溶けをキープしてくれるので、解凍後もシャリっとした食感を楽しめます。

密閉した状態で

小さめの密閉保存容器や、チャック付きの保存袋に入れ、なるべく空気を抜いた状態で冷凍しましょう。
大根は匂いが強いため、密閉した状態で冷凍するのがおすすめです。

保存期間

3週間〜1ヶ月間ほど。

解凍方法

解凍する際は、冷蔵庫に移して自然解凍しましょう。
電子レンジや流水解凍の場合、苦味や辛味が出ることがあるようです。

まとめ

  • 大根おろしに含まれる辛味成分「イソチオシアネート」には、胃腸の働きを助ける効果がある
  • イソチオシアネートは、非常に優秀な万能成分として期待されている
  • イソチオシアネートは、大根をすりおろしたりカットすることで生成されるため、大根ではなく大根おろしが注目されている
  • 大根おろしの嬉しい効能は、食中毒予防、消化促進、免疫力アップ、眼精疲労の緩和、美肌・ダイエット効果にまで多岐に渡る
  • 大根の部位によって栄養素は異なり、先端部分はイソチオシアネートが豊富で皮はビタミンCが豊富
  • イソチオシアネートは、大根の繊維を断ち切るようにおろすと成分は増えますが、とても蒸発しやすく時間が経つと減ってしまうので、食べる直前にすりおろす
  • 大根おろしは、加熱調理は効果が損なわれてしまうといわれているので、生の状態で食べることがおすすめ
  • 栄養素や酵素を余すところなく摂るには、おろし汁も残さず食べるようにすると、効果も高まる

いかがでしたか?
大根をすりおろすことによって、多くの効能が得られるようになっていたとは、驚きですね。

個人的に、納豆にトッピングする具材で一番好きなものが大根おろしだったので、ダイエットに効果があるのは嬉しい発見でした。これからも積極的に取り入れようと思います。

みなさんも、シャリシャリおろして健康な毎日を送りましょう。