最近はお酢の効果が広まるにつれて、
- 健康維持
- 美容
- ダイエット
などの目的で毎日飲む人が増えて決ました。その中でも年々、人気がどんどん高まっているのが「バルサミコ酢」ではないでしょうか?
ブドウが原料なのでお酢の中でも一番飲みやすいのがバルサミコ酢ですが、他のお酢とどのような違いがあるのか、栄養成分や効果効能、食べ方などを紹介します。
バルサミコ酢に含まれている注目の栄養成分
バルサミコ酢はブドウだけを十数年熟成させた高品質の商品から、ブドウ果汁にワインビネガーを種酢として加えてバルサミコ酢の色合いや香味に近づけるためにカラメルやハーブ、添加物などを加えて作られた安い商品まで、その品質に幅広い差があります。
この記事ではブドウ果汁だけを原料とした良質のバルサミコ酢の効果や効能を紹介します。
バルサミコ酢にはりんご酢や黒酢、米酢などのお酢と共通の栄養成分とバルサミコ酢のみに含まれる成分に分けられます。
お酢共通の栄養成分「酢酸」
お酢共通に含まれている成分の代表的なものは「酢酸」です。お酢の「ツーン」としたニオイは酢酸によるものですが、これが健康やダイエットに多くの効果や効能をもたらせてくれます。
また、酢酸からアデノシンができますが、アデノシンには血管を広げる働きがあり、さらに酢酸が体内に入るとクエン酸に変化します。
強力な抗酸化力のあるポリフェノール
赤ワインはポリフェノールが豊富で有名ですが、バルサミコ酢も赤ワインと同様に皮・種・果実全部使って熟成させているので、ポフェノールが豊富な果実酢です。
高酸化力が高いポリフェノールは何百種類、または何千種類あるとも言われていますが、ブドウに含まれているポリフェノールで、特に果皮に豊富に含まれているポリフェノールは
- アントシアニン
- レスベラトロール
- タンニン
種子に豊富に含まれているポリフェノールは
- プロアントシアニジン
- タンニン
- ケルセチン
- カテキン
と言われています。
このうちプロアントシアニジンはブドウの皮と種だけにある特別な成分で、かなり強力な抗酸化力をもっています。
その他のブドウの皮に含まれている注目の成分は「オクタコサノール」です。この成分は果物の果皮に存在している植物ワックスから発見されたアルコールのひとつで、持久力を高める効果などが期待されています。
※植物ワックスとは葉・種子・果実・花・茎などの表面にあり、虫害や病害から身を守ったり、体内の水分が蒸発しすぎないように調整するための成分のこと
さらに最近発見された成分でオレアノール酸という成分があります。ブドウをよく見ると表面に白い粉が見えることがありますが、あれば農薬やカビではありません。
「ブルーム」と呼ばれ実はブドウ自身が作り出す物質でオリーブ、シソなどにも含まれています。
この白い粉の主成分はオレアノール酸で、抗炎症作用、抗腫瘍活性などを持つことがわかっています。
ブドウのまわりの白い粉をつくる遺伝子を発見(大阪大学、横浜市立大学、理化学研究所 他 2011年12月15日)
レスベラトロールやオクタコサノールは皮から搾(しぼ)ったリンゴ酢にも含まれています。
また果物としてブドウを食べる場合に皮や種まで食べるということはないですし、一般的なぶどうジュースも果実を搾(しぼ)ったものがほとんどです。
バルサミコ酢であればブドウ丸ごと摂ることができるので、高い健効果が期待できます。ただし昔ながらの本来の製法でない商品にはこれらの栄養成分は含まれていない可能性が高いです。
バルサミコ酢に期待される効果や効能
生活習慣病などの病気の予防
人の体内にある活性酸素はある一定以上に増えると細胞や血管の老化を促進したり、DNAなどの遺伝子を攻撃します。
そして毛細血管が老化すると血液の流れが悪くなり動脈硬化なりやすく、悪化すると心筋梗塞や脳梗塞など死に至る可能性のある大病にかかりやすくなります。
活性酸素が過剰に増える原因は
- ストレス
- 加齢
- 紫外線
- 喫煙
- 飲酒(アルコール過剰摂取)
- 不規則な生活(寝不足・暴飲暴食)
- 運動不足
などと言われていますが、加齢やストレスなど避けることができないものが多いですね。そこでおすすめなのがポリフェノールなどの抗酸化成分を摂ることです。
バルサミコ酢にはポリフェノールが豊富に含まれています。
ポリフェノールの
- 活性酸素の増加を抑える
- 細胞や血管の老化を抑える
という働きにより、動脈硬化や生活習慣病、脳梗塞、心筋梗塞などの大きな病気の予防となります。
さらに、これらの抗酸化成分は抗酸化作用だけでなく、それぞれ実験の結果により多くの効果があることがわかっています。
レスベラトロールの健康効果
レスベラトロールには血管を柔らかくする働きがあり、研究により2型糖尿病患者の動脈硬化を軽減する効果があることも明らかになっています。
参照:赤ワインのポリフェノールので血管が柔らかく 糖尿病の動脈硬化も改善(日本生活習慣病予防協会)
最近の研究ではレスベラトロールには細胞のガン化抑制効果があると期待されています。
プロアントシアニジンの健康効果
プロアントシアニジンにはLDL(悪玉)コレステロールの酸化を防いで血圧を下げたり、アテローム性大動脈硬化の発症を抑えることが動物実験によりわかっています。
さらにプロアントシアニジンは炎症を抑え、心臓血管機能をサポートするなど、心臓保護作用を持っています。
ケルセチンの健康効果
ケルセチンには血液をサラサラにして毛細血管などを強くする働きがあり、高脂血症や高血圧、動脈硬化などに効果があると期待される成分です。
アントシアニンの健康効果
アントシアニンは血流を促し肝臓での糖代謝などを促進する作用があると言われています。
そして健康に良いのはポリフェノールだけではありません。
オクタコサノールの健康効果
人体の能力や機能向上が図れると言われているオクタコサノールには
- 生活習慣病
- パーキンソン病
などの予防が期待されています。
そしてお酢にも多くの効果や効能があります。
酢酸の健康効果
全てのお酢に含まれている酢酸には
- 血糖値を下げる
- 血圧を下げる
という健康効果があります。
①血糖値を下げる働き
糖質の多い食べ物を食べると血糖値が急激に上がり、血管にダメージを与えます。(これを血糖値スパイクともいいます)ですがお酢を食事と一緒に摂ることで血糖値の上昇を抑えられます。
②血圧を下げる働き
血圧は血管が細くなったり、暴飲暴食などで血液がドロドロになることで高くなります。この血圧を下げる働きもお酢にはあります。酢酸からアデノシンができますが、アデノシンには血管を広げて血圧を下げる効果も期待されています。
このようにポリフェノールと酢酸のダブルの働きで多くの病気の予防効果が期待できるのがバルサミコ酢の特徴です。
美肌・美白効果
ポリフェノールの抗酸化成分は病気の予防だけではありません。「抗酸化=老化防止」という意味ですから肌の老化を守り、シミやしわ、そばかすといった肌トラブルを予防してくれます。
プロアントシアニジンには紫外線で生じたメラニン細胞の過剰な増殖を抑えることが確認されており、美白効果があるだけでなく、人による実験でもシミの改善が確認されている成分です。
さらにプロアントシアニジンはコラーゲンの線維を支えるエラスチンを維持し、肌のアンチエイジング作用効果や発毛も促進する事が研究によりわかっています。
アントシアニンには肌にダメージを与える紫外線から守る働きがあります。レスベラトロールは抗炎症作用があり、紫外線による肌荒れを抑えたり、シミのもとであるメラニンの発生を抑制する働きもあります。
さらにニキビの発症・悪化にかかわるアクネ菌の増殖を抑えることもわかっています。
そして酢酸にはビタミンCの破壊酵素の働きを弱める働きや、新陳代謝を盛んにして肌の老廃物を残さない為シミ・しわが出にくいといった美肌効果もあります。
このように美肌効果もポリフェノールと酢酸の相乗効果が期待されています。
ダイエット効果
お酢には内臓脂肪を減らす働きがあります。
お酢の大手の製造メーカー「ミツカン」の研究では12週間1日大さじ1杯(15ml)をとることで内臓脂肪が減り皮下脂肪も減る傾向が見られると発表しています。
さらにポリフェノールのアントシアニンには中性脂肪値などを改善して、メタボの予防や改善に役立つという臨床試験の報告もあります。
内臓脂肪が溜まると高血圧、高血糖、動脈硬化といった生活習慣病にかかりやすくなるので、健康診断で内臓脂肪が多いと分かった人は積極的にバルサミコ酢を摂るようにしましょう。
認知症予防と脳の活性化
レスベラトロールは認知症予防にも効果があると期待されている成分です。
認知症は脳にたまるゴミである「アミロイドβ」が大量に増え続けることで神経細胞が死滅してしまい、それにより認知症が発生しやすくなるという研究結果が発表されています。
若い人にも「アミロイドβ」はできますが、それをうまく捨てる(処理する)ことができます。
お年寄りでも捨てることができる人は認知症になりにくいですが、捨てることができない人はアミロイドβがどんどんたまり認知症になりやすくなります。
通常は脳にたまったアミロイドβが血液に取り込まれて最終的に体の外に流れ出るのですが
- 運動不足
- 暴飲暴食
- 喫煙
- 寝不足(不規則な生活)
など生活習慣の乱れや加齢により血液の流れが悪くなると動脈硬化になり、脳にできたアミロイドβを血液に取り込むことができなくなります。
するとアミロイドβがどんどんと脳の中にたまってしまい認知症になるのでは?と言われています。このアミロイドβを脳から出して減らす働きがあると期待されているのがレスベラトロールです。(ただ現在は動物実験の結果だけで人への効果のデータはまだまだ少ないです)
アンチエイジング効果(長生きできる?)
さらにレスベラトロールには長寿遺伝子であるサーチュイン遺伝子を活性化する働きがあると言われています。
このサーチュイン遺伝子は誰の体の中にもあるものですが、レスベラトロールが体の中に入るとサーチュイン遺伝子のスイッチが入り、「老化を促進しようとする遺伝子」の働きを抑制して長生きができると期待されています。
つまりレスベラトロールにはアンチエイジング(若返り)効果もあるわけです。
レスベラトロールは
- 赤ワイン
- ブドウの皮・種
- りんごの皮
- ピーナッツの薄皮
などに含まれていますが、
赤ワインはアルコール飲めない人はもちろんのこと、毎日飲むのは難しいですし、りんごも農薬の問題を考えると皮ごと食べる人も少なく、季節の果物なので年中食べることができません。
そしてブドウも皮や種を食べる人はほとんどいないので、丸ごと利用するバルサミコ酢はレスベラトロールを摂るにはおすすめの食べ物です。
食べやすい薄皮付きのピーナッツと一緒にバルサミコ酢を摂るのも良いです。
その他にも、人体の能力や機能向上が図れるオクタコサノールには
- 持久力を高める
- 筋肉痛を軽減
- ストレス緩和
- 運動機能向上
- 精力アップ(滋養強壮)
などの効果が、
そして抗炎症作用、抗腫瘍活性があるオレアノール酸には、口腔内で虫歯や歯周病の原因となる病原菌の生育を抑制することがわかっています。
このようにバルサミコ酢には
- 多く病気の予防:健康効果(生活習慣病、ガン、眼病予防、認知症予防)
- 美肌・美白:美容効果・アンチエイジング効果
- 中性脂肪を減らす:ダイエット効果
などが期待されていますが普通にブドウを食べるよりも、皮や種まで使用しているので、より高い効果が期待されています。
もちろんバルサミコ酢は薬ではないので即効性はなく継続的に摂取する必要があります。
またバルサミコ酢の原料や産地、製法により、紹介した成分が全て含まれていない場合もありますで、できるだけ上質のバルサミコ酢を選びましょう。
バルサミコ酢のおすすめの食べ方
バルサミコ酢は果実酢なので、お酢の中ではとても飲みやすいです。同じ果実酢のりんご酢よりも甘さがあるので、お酢のすっぱさが苦手という人はバルサミコ酢が一番おすすめです。
ただバルサミコ酢は高品質の「トラディツィオナーレ」とスーパーで手に入る一般の(ビネガー入りなどの安い)バルサミコ酢では全く違います。
よくバルサミコ酢をジェラートやイチゴなどデザートにかけて食べると感動するほどのおいしいと言われていますが、一般のタイプでは同じ感動を味わえません。
ですが一般のバルサミコ酢がダメかというと、そうではありません。先程も紹介しましたが、サラダのドレッシングに使う場合は「ビネガータイプのバルサミコ酢のほうが好き!」という人も多いです。
そしてドレッシングだけでなく、加熱にも向いています。加熱することで酸味がなくなり、コクが出て肉や魚のソテーにぴったりの極上ソースになります!
また、肉や魚を漬け込んで焼くのもおすすめで、さらにデザートにもピッタリです。安いバルサミコ酢は効果や効能はあまり期待できませんんが、料理をおいしくする調味料として1本置いてみてはいかがでしょうか。
ビネガータイプのバルサミコ酢でデザートをおいしく食べる方法
ビネガータイプのバルサミコ酢を鍋に移し、分量が半量になるまで弱火で時々かき混ぜながら煮詰めます。すると、そのままかけた時よりもかなりおいしく食べることができます。
一方、伝統的な製法で作った「トラディツィオナーレ」の場合は火を通すことで香りが一気に飛んでしまうので、加熱する料理には向いていません。
このように高級だからどんな料理でも大丈夫というわけではなく、反対に安いからダメというわけではありません。2種類のバルサミコ酢を使い分けてみてはいかがでしょうか。
まとめ
バルサミコ酢はお酢の効果と種や皮を含めたブドウの相乗効果が期待できます。特にポリフェノールは強力な抗酸化力があり多くの効果や効能が期待されています。
果物が原料のお酢はリンゴ酢もありますが、伝統製法で作られた良質なバルサミコ酢は健康や美容、ダイエットにも期待できますし、安い商品は加熱して色々な料理に試してみるのもおすすめです。
ぜひあなたの食生活に2種類のバルサミコ酢を用意してみてはいかがでしょうか。