最近はお酢の健康効果が注目されてブームが来ていますが、いくつかある種類の中で年々人気が高まっているのが「バルサミコ酢」です。ただし、世界的には有名なバルサミコ酢ですが日本人にはまだまだ認知度は低く、詳しく知らない人も多いようです。
ですがバルサミコ酢は他のお酢と比べても飲みやすく健康や美容に効果がある栄養成分が含まれていて、とてもおすすめのお酢です。
今回はバルサミコ酢のとワインビネガーとの違いと正しい選び方について紹介します。
バルサミコ酢とは?ワインビネガーとの違い
バルサミコ酢の原料はブドウ果汁ですが、原料がりんごであれば「りんご酢」と言われるのとは違い、ブドウが原料のお酢は必ずしもバルサミコ酢とは言いません。
ワインビネガーもブドウ果汁が原料なのですが、
- バルサミコ酢は濃縮ブドウ果汁のみ
- ワインビネガーはぶどう果汁に酵母を加えてアルコール発酵させる
といった違いがあり、ワインビネガーはアルコール発酵させた後、酢酸菌を添加して再び発酵させたものなので、バルサミコ酢とは違う種類のお酢になります。
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バルサミコ酢の正式名称は「アチュート・バルサミコ」といい、イタリア語で
- アチュート:酢
- バルサミコ:芳香(ほうこう)
という意味があります。
①本物のバルサミコ酢「アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ」
バルサミコ トラディツィオナーレ 12年熟成 (バルサミコ酢)
バルサミコ酢にはいくつか種類があり、ひとつが昔からの伝統的な製法で作られていて最高品質の「アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ」と言い、これが「本物のバルサミコ酢」です。
バルサミコ酢の本場イタリアにはワイン、チーズなどの伝統的食材に対して、原産地管理呼称法(D.O.P)という法律があり、「アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ」はD.O.Pによって、細かい規定が設けられ、品質がきびしく守られています。
本物のバルサミコ酢の厳しい規定
D.O.Pでは、本物バルサミコ酢である「アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ」の決まりがあります。
【生産場所】:イタリア中部のエミリア・ロマーニャ州の「モデナ」と「レッジョエミリア」の2地域のみ
【熟成期間】:12年以上
【ブドウの品種】:下記の5種類のみ
- トッレビアーノ
- オッキオ・ディ・ガット
- スペルゴラ
- ベルッツェミーノ
- ランブルスコ
これら以外の原料は認められていません。
これらの条件以外に、その他にも製法や酸度、糖度など90項目以上の基準をクリアし、最終的に「D.O.P」の協会認定員のOKが出た物だけが「トラディツィオナーレ」という称号をもらえます。
②最高品質の「ストラヴェッキオ」
25年熟成ストラヴェッキオ トラディショナルバルサミコ【100ml】
さらに最高ランクの「トラディツィオナーレ」の中で、25年以上の長期熟成したものは高級バルサミコ酢「ストラヴェッキオ」と呼ばれています。
ストラヴェッキオの中には、50年や100年以上の、長期熟成をしている物もありますが希少なため、手に入れること難しいです。
本物のバルサミコ酢の作り方
本物のバルサミコ酢と呼ばれる「アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ」は昔ながらの製法で、収穫したぶどう果汁を鉄釜で煮詰めます。
次にそれを樽に入れて熟成させますが、水分の蒸発に応じて1年ごとに小さい樽に移し替え、樽の材質も数種類あります。
主な樽の種類は
- 樫:代表的な樹種で熟成に適している
- 栗:タンニンを豊富に含み特殊な濃色を与える
- 桜:風味をまろやかにする
- 桑:より早くお酢を濃縮させる
- タモ:芳香を与える
などです。
実際に収穫した100kgのブドウ果汁が最終的に1~2kgまでになります。このように伝統タイプの製造法は、大変な手間がかかる分、値段も数千円から数万円までとかなり高価になります。
高価で手が出ないということもありますが、希少なため手に入れるのも難しく、本場イタリアでもなかなか見かけることは難しいです。
③本物と品質がほぼ同じのバルサミコ酢
バルサミコ 250ml 15年熟成タイプ アチェート バルサミコ ディ モデナ【250ml
産地や熟成年数の違い、またはそれ以外の項目がクリアできなかったため「トラディツィオナーレ」の称号はもらえないものの、それに準ずる高品質のバルサミコ酢もあります。
高品質にもかかわらず「トラディツィオナーレ」の価格の数分の1の製品もあるのでおすすめです。
④安い一般的に見かけるバルサミコ酢
スーパーなどで見かける一般的なバルサミコ酢です。
その製造方法は基本的にブドウ果汁にワインビネガーを種酢として加えてバルサミコ酢の色合いや香味に近づけるためにカラメルやハーブ、添加物などを加えて作られ、一般的に熟成しないものや熟成しても短いものが多いです。
またイタリア産だけでなく国産のバルサミコ酢も販売されています。ですがこのタイプのバルサミコ酢がダメなわけではありません。
本場イタリアでもサラダなどのドレッシングなどに、このタイプの物を使う人はたくさんいますし、実際にドレッシングには「トラディツィオナーレ」よりも合います。
また一般的なバルサミコ酢の中にも「トラディツィオナーレ」には及びませんが、高品質のブドウを使って数年間熟成している良品もあります。
このようにバルサミコ酢と一口に言ってもピンキリです。
バルサミコ酢の正しい選び方
先程紹介したようにバルサミコ酢には
- 最高品質のストラヴェッキオ
- 伝統的製法のバルサミコ酢(アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ)
- アチェート・バルサミコ・トラディツォナーレに準ずる製品
- 安い一般的なバルサミコ酢
と4つの種類あります。
これらの商品の見分け方はラベルに書いてある原料を見るとある程度まではわかるのですが、ハッキリと見分けるのが難しい場合があります。
バルサミコ酢の種類を見分けるのが難しい理由
ワインはラベルに産地、収穫年(熟成期間)、生産者から、なかには畑の格付け、ぶどう品種、甘辛度合いなど、様々な情報が書かれています。
一方、バルサミコ酢は基本、産地とワインビネガーを加えているか否かの情報くらいしかない場合が多いです。実はバルサミコ酢は味を大きく左右する熟成期間でさえも、ボトルに表示してはいけないという決まりがあります。
※商品によってはTRADIZIONALE(トラディツィオナーレ)とかD.O.Pと載っている商品もあります。
そのため原料がブドウだけではトラディツォナーレなのか、そうでないのか見分けがつかない場合があるので、お店で購入するのであれば、店の人に聞くか、ネット通販の場合は、その商品の説明書きをよく読んでから購入するようにしましょう。
【おすすめ品はこちら】⇒バルサミコ酢のおすすめ品と正しい選び方!
まとめ
バルサミコ酢の原料は濃縮のブドウ果汁です。
ワインビネガーもブドウ果汁を使用しますが、さらに酵母を加えてアルコール発酵させて、その後酢酸菌を添加して再び発酵させて作ったものという違いがあります。
バルサミコ酢に種類があり、
- アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ・ストラヴェッキオ(最高品質)
- アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ
- アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレに準ずる製品
- 一般的なバルサミコ酢
と同じバルサミコ酢でも価格も品質も大きな差があります。だからと言って一般的な安いバルサミコ酢はおすすめしないというわけではありません。
良い品質の商品もありますし、3は本物とそん色ない商品も多いです。
また安いバルサミコ酢は加熱していろいろな食べ物にかけるのもおすすめです。
ぜひいろいろと試してみて好きなバルサミコ酢を見つけてくださいね。
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