ターメリックはカレーやインド料理に欠かせないスパイスです。近年のさまざまな研究により

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など多くの効果や効能があることがわかってきているのをご存知でしょうか?またターメリックは英語名で日本語では「ウコン」と言います。つまりターメリックウコンは一緒なのですが、ウコンには種類があり、厳密にいうとターメリックと呼ばれるのは「秋ウコン」です。

今回はターメリック秋ウコン)の

  • 特徴と注目の栄養成分
  • 効果効能
  • 摂取量や注意点
  • 商品の選び方やおすすめ品

などを紹介します。

ターメリックを詳しく知ることで、今後の料理に毎日使いたくなりますよ。

ターメリックの特徴とウコンとの関係

ターメリックはショウガ科ウコン属の多年草植物です。実はウコン数十種類ありますが、日本では

  • 春ウコン
  • 秋ウコン
  • 紫ウコン
  • 黒ウコン

と主に4種類を見かけます。

そのうち通常ターメリックと呼ばれるのは、先ほども紹介したように「秋ウコン」のことを言います。

ターメリックショウガ科だけあって、根茎はショウガのような見た目です。

そのターメリック根茎を水洗いして皮をむき、数時間煮たあと、十分に乾燥させて粉砕したものがスパイスとして利用されています。

もともとターメリックはインド原産であり、紀元前から栽培されていました。インドの伝統的な医療、アーユルヴェーダでは医薬品として扱われ、日常的な料理にも多用されています。

また中国でも黄疸(おうだん)消化器系の薬として利用されてきました。また、沖縄では琉球王朝以来、健康食品として重用され、「ウッチン(ウコン茶)」として現在も親しまれています。

さらにターメリックは「黄色の染料」としても使われてきました。食用色素として、たくあんマスタードの色づけに使われるほか、防虫効果があるとされ、骨董品や着物を包む布を染めるのにも使われています。

ではこのターメリックにはどのような栄養成分が含まれているのでしょうか?

ターメリック(秋ウコン)に含まれる注目の栄養成分

代表的な成分クルクミン

ターメリック秋ウコン)に含まれている注目の栄養成分は黄色い色素成分クルクミンです。ターメリックが黄色に見えるのはクルクミンが含まれているからです。

このクルクミンポリフェノールの一種で強い抗酸化作用があり、多くの効果や効能が期待されている成分です。特に秋ウコンクルクミンは多く含まれていて春ウコン3倍以上もあります。

近年発見された成分ビサクロン

ハウス食品グループが2013年9月に発見した新しい成分が「ビサクロン」で、これもクルクミン同様に秋ウコンターメリック)に多く含まれています。

秋ウコン100gのうち、7.8gが脂質ですが、そのうち3~5%がセスキテルペン類などの精油成分で、その中に微量に含まれるのがビサクロンです。

ビサクロンクルクミンよりも含有量が少ないものの、微量とはいえクルクミンよりも低濃度で活性を示すことがわかっています。

ミネラルやビタミン、食物繊維

実は「日本食品成分表」にはターメリック及びウコンの成分表は記載されていません。そこでUSDA(アメリカ合衆国農務省)の栄養データベースを参考にすると、100gあたり22.7g、約4分の1が食物繊維です。

USDAターメリック栄養データベース

食物繊維は腸内環境を改善させる成分ですが、日本人の多くが不足していると言われています。さらにミネラルが豊富で

種類働きと効果効能
カルシウム(Ca)歯や骨の材料となる
精神を安定させる
マグネシウム(Mg)カルシウムの量を調節する
筋肉の収縮を促す
カリウム(K)余分なナトリウムを排出
むくみを予防する
リン(P)歯や骨の材料となる
細胞膜や核酸の構成成分となる
鉄(Fe)赤血球の材料となる。貧血予防
亜鉛(Zn)酵素の働きをサポート。傷の治り
を早くする。味覚を正常に保つ
銅(Cu)赤血球の合成を助ける
コラーゲンの材料となる
マンガン(Mn)骨の形成をサポート。糖質や脂質
、タンパク質の代謝を助ける

どの種類も豊富に含まれていますが、マンガンがターメリックには特に多く含まれています。鉄分は特に女性が不足ぎみになりやすいミネラルです。貧血などを起こしやすくなりますのでターメリックで鉄分不足の解消が期待されています。

ミネラルは食物繊維同様、日本人が不足している成分です。ミネラルは体内に含まれている成分の4%ほどしか占めていませんが、タンパク質やビタミンなどの栄養成分を隅々まで運ぶ役割があり、いくらビタミンなどを摂ってもミネラル不足だと効果が半減します。

食物繊維とともにミネラルもしっかりと摂るようにしましょう。

ターメリックに含まれるビタミン

  • ビタミンB群(B1,B2,B6、葉酸など)
  • ビタミンC
  • ビタミンE
  • ビタミンK

とあり、ミネラルと比べると豊富と言えませんが、抗酸化成分のビタミンEだけは多く含まれています。

ではこれらの栄養成分がどのような効果や効能をもたらせてくれるのでしょうか?

ターメリックに期待される効果や効能

①生活習慣病予防と肝機能を高める効果

人の体内にある活性酸素はもともとは体に良い影響を与えるものなのですが、ある一定上に増えてしまうと細胞や血管の老化を促進したり、DNAなどの遺伝子を攻撃して病気を引き起こすことがあると言われています。

ただ活性酸素

  • ストレス
  • 加齢
  • 紫外線
  • 喫煙
  • 飲酒(アルコール過剰摂取)
  • 不規則な生活(寝不足・暴飲暴食)

などといったなかなか避けられない条件によって年をとるにつれて過剰に増える場合があります。

そして毛細血管が老化すると血液の流れが悪くなり動脈硬化なりやすく、悪化すると心筋梗塞脳梗塞など死に至る可能性のある大病にかかりやすくなります。

それだけでなく、

  • 糖尿病高血圧などの生活習慣病
  • 心疾患
  • ガン

などさまざまな病気にもかかりやすくなってしまいます。ただ、毎日忙しい中で規則正しい生活ができない、ストレスを貯めないというのはとても難しいですね。

そのためにはターメリックに含まれるクルクミンやビタミンEなどのような強力な抗酸化成分が含まれている食べ物を摂取することです。

実際にターメリックビタミンEも抗酸化作用だけでなく、血流を改善する(血液をサラサラにする)効果があり、動脈硬化や高血圧、糖尿病などの生活習慣病、ガンなど多くの病気の予防が期待されています。

肝機能の向上・二日酔いの防止

ウコンといって真っ先に思い浮かぶのは「ウコンの力」ではないでしょうか。CMでもお酒を飲む前に「ウコンの力を飲んで乗り切ろう!」みたいなイメージで流れていますね。

アルコールを飲み過ぎると肝臓に悪影響を与えます。最初は脂肪肝ですが、それでも飲み続けるとアルコール性肝炎、そして肝硬変まで進んでしまうとなかなか改善するのが難しくなります。

そこでおすすめなのがターメリックに含まれるクルクミンです。

クルクミンには、肝臓の解毒機能を高める作用と胆汁の分泌を促す作用があり、それによって肝臓の機能を高めることができると考えられています。

また近年発見されたビサクロンにもアルコールによる肝障害を抑制することがハウス食品の研究によりわかっています。「ウコンの力」は以前はクルクミンだけしか含まれていませんでしたが、最近はビサクロンも配合されていますね。

肝臓は沈黙の臓器」と呼ばれ、症状に気づいた時点では手遅れの場合もありますので、お酒を飲み過ぎる傾向にある人はターメリック(秋ウコン)を摂るようにしてください。

さらにターメリックには二日酔い防止の効果も期待されています。

大量にアルコールを摂取すると、そのアルコールを分解する過程でアセトアルデヒドが生じ、それが血液中に長時間滞留することで、中毒症状である二日酔いなどが生じます。

クルクミンを摂取することで胆汁の分泌が促進されると、アセトアルデヒドの代謝が促進されるため、二日酔いの予防になるのです。さらにビサクロンにも二日酔いの症状を改善することがわかりました。

肝機能を改善するだけでなく、実際に二日酔いの予防になるのがターメリック(秋ウコン)です。

関節リウマチの予防・改善

関節リウマチは、日本で最も患者数の多い自己免疫疾患であり、患者数が増加傾向にあるため社会問題となっています。特に患者の20~30%は、診断後2~3年以内に仕事ができなくなる可能性があるといわれている病気です。

関節リウマチの治療薬はあるものの、多くの副作用の問題が指摘されています。この関節リウマチクルクミンは効果があるといわれています。

千葉科学大学薬学部の岡本能弘教授は

クルクミンには抗炎症作用があり、経口摂取であっても関節炎の発症抑制効果があることが確認されている」と発表しています。

参照:ウコン継続摂取による免疫疾患予防方法の開発

もちろんターメリック(ウコン)は薬ではないので、即効性は期待できません。栄養補助食品として継続的に摂るようにしましょう。

アルツハイマー・認知症予防(脳の活性化)

クルクミンには脳を健康に保つ効果もあります。ターメリック(秋ウコン)をスパイスとして利用する料理といえば「カレー」ですね。最近の研究成果として、カレーを食べることで脳の一部が活性化され、IQが「7」あがったという結果があります。

さらにアルツハイマーや認知症にも効果があることがわかっています。

認知症は脳にたまるゴミである「アミロイドβ(ベータ)」が大量に増え続けることで神経細胞が死滅してしまい、それにより認知症が発生しやすくなるという研究結果が発表されています。

通常は脳にたまったアミロイドβが血液に取り込まれて最終的に体の外に流れ出るのですが

  • 運動不足
  • 暴飲暴食
  • 喫煙
  • 寝不足(不規則な生活)

など生活習慣の乱れ加齢により血液の流れが悪くなると動脈硬化になり、脳にできたアミロイドβを血液に取り込むことができなくなります。

するとアミロイドβがどんどんと脳の中にたまってしまい認知症になるのでは?と言われています。このアミロイドβを脳から出して減らす働きがあると期待されているのがクルクミンです。

カレーを常食するインドではアルツハイマー病が少ないことから、スパイスを研究していき、たどり着いたのがターメリック(秋ウコン)に含まれるクルクミンだったということです。

 美肌効果

ターメリック(秋ウコン)は健康効果だけではありません。クルクミンビタミンEなどの強力な抗酸化成分は肌の老化を抑える働きもあり、シミやしわなどの改善が期待されています。

さらにターメリックに豊富に含まれている食物繊維は体内の老廃物を外に出す働きがあります。老廃物が体内にたまったままだと肌が荒れたり、吹き出物などが出やすい状態になりますが、それを食物繊維によって改善することもできます。

これまでは主にクルクミンの効果や効能を紹介しましたが、ターメリック(秋ウコン)はその他にも

  • 解毒作用
  • 健胃作用
  • 脂質代謝の改善作用⇒ダイエット効果
  • 食欲増進
  • 腸内環境改善(便通改善)
  • 冷え性改善

なども期待されています。また欧米では抗炎症作用抗がん作用を目指した研究が進められています。このほかに先ほど紹介した豊富なミネラルの効果が期待できるわけですから、単なるカレーのスパイスというだけではありません。

ターメリック(秋ウコン)の注意点!1日の摂取量に上限はある?

多くの効果や効能が期待できるターメリックですが注意点があります。現在はターメリックの1日の上限の摂取量は定められていません。ですが「肝機能障害を持っている人」はウコンの過剰摂取は危険ですので注意が必要です。

えっ?クルクミンやビサクロンは肝機能に良いのでは?」と思うかもしれませんね。実は危険なのはクルクミンビサクロンではなく、「鉄分の摂りすぎ」によるものです。

ターメリックには豊富な鉄分が含まれていますが、鉄分が多いと肝炎を悪化させることが知られています。

日本人は鉄分不足の人が多く、それが原因で貧血や冷え性に悩まされている人もいるので積極的に摂ってほしい成分ですが、肝機能障害の人は注意してください。

ウコンのサプリメントですと、あらかじめ鉄分を抜いて、クルクミンやビサクロンなどを中心に抽出した商品が多いので、そちらを選ぶようにしましょう。(心配な方は必ずお医者さんに相談してください)

上限はないものの、協力な効果が期待できるターメリックのようなスパイスは過剰摂取には気を付ける必要がありますが、一般的に1.0~3gが理想的な1日の目安の摂取量です。

「そんなに少なくて良いの?」と思うかもしれませんが、同じスパイスのシナモンは1日0.6g(小さじ一杯程度)で美容や健康効果が得られると言われています。

少量で大きな効果を得られるのがターメリックなどのスパイスです。

※サプリメントの場合は商品に記載されている量を守ってください。

ターメリック(秋ウコン)の選び方とおすすめ品

このように美容や健康に良いターメリック(秋ウコン)ですが、何でも良いというわけではありません。国産の商品も少しはありますがほとんどが外国産で質の悪いものも出回っています。

国によっては「農薬や化学肥料を大量に使用する」、「栽培環境が劣悪」という場合もあり、不安な方も多いですでね。そこでおすすめなのは有機(オーガニック)認定ターメリックです。

その際に認定機関は日本及び欧米などの先進国が認定しているものを選びましょう。

ターメリックの食べ方や使い方

ターメリックは粉末のタイプが多いですが、カレーのスパイスとして利用するだけでなく、スープや炒め物などちょっとしたアクセントとしていろいろな料理し使用して、できるだけ毎日継続して摂るようにしてください。

ターメリックライス

ターメリックライス

ターメリックライスは炊飯器で簡単に作れます。

【材料】

お米:2合
ターメリック:小さじ2
バター:大さじ1
これを炊飯器に混ぜて水を入れて炊けば出来あがりです。炊けた後、お好みで乾燥パセリを乗せるのもおすすめですよ。

ターメリックラテ

こちらも簡単です。牛乳200ccを温めて、はちみつ小さじ2杯、ターメリック小さじ4分の1杯を混ぜればできあがりです。豆乳や今流行りのアーモンドミルクもおすすめです。

まとめ

ターメリックは日本では秋ウコンのことを言います。

注目の栄養成分は

  • ターメリックの代表的な機能性成分のクルクミン
  • 近年発見された精油成分のビサクロン

さらに食物繊維やミネラルが豊富に含まれています。

クルクミンやビサクロンは主に

  • 肝機能向上
  • 二日酔いの予防

といった効果があり、

さらにクルクミンにはアルツハイマー病や認知症の予防、関節リウマチの予防や抑制、美肌効果も期待されています。

ただしターメリック(秋ウコン)には鉄分が多く含まれていて肝炎を悪化させる恐れがあるので、すでに肝機能障害を持っている方は控えましょう。

医学が発達する前からターメリックはアーユルヴェーダでは医薬品として扱われていたということは実際に食べてみて、多くの人が効果を実感したのでしょう。

お酒を飲み過ぎる人だけでなく、健康でいつまでの元気に美しくいたいとう方にターメリックはおすすめです。

ぜひ一度お試しください。