「スーパーグレイン」(驚異の穀物)と呼ばれるアマランサスが健康や美容など多くの効果や効能が期待できるスーパーフードとして人気が高まっていますね。
今回はアマランサスの
- 注目の栄養成分
- 効果効能
- 同じスーパーフードと呼ばれるキヌアとの違い
- 食べ方
- アマランサスの選び方
- おすすめのアマランサス
など詳しく紹介します。
アマランサスとは?その特徴について
アマランサスは南米・ペルー原産のヒユ科の植物です。
5000年前の古代インカ帝国時代から食べられていて、インカ帝国の時代までインゲン豆、トウモロコシと並ぶ重要な食材でした。
種子がやわからかく脱穀しないでまるごと食べることができます。
日本でも江戸時代末期に観賞用として伝わり、東北地方では「赤粟(あかあわ)」として栽培されていた古くからある食べ物です。
アマランサスは「スーパーグレイン」(驚異の穀物)と呼ばれるものの、ヒエやアワ、キビなどイネ科の雑穀類ではなく、疑似穀物と呼ばれる分類に属します。
正確にはアマランサスは穀物でないためグルテンを含まず、小麦アレルギーの方の代替主食としても利用されています。
最近はグルテンの危険性について色々言われていますし、「グルテンフリーダイエット」というダイエット法もあるように、最近は健康のために小麦アレルギーの人だけでなく、小麦粉の摂取量を減らそうという人も増えています。
グルテンの危険性については小麦粉は脳や体に悪く危険と言われる理由!グルテンフリーの食生活で健康になる?
をご覧ください。
現在アマランサスはNASAが宇宙食として取り入れられ、世界保健機構(WHO)も「未来の食物」として評価するほどの食べ物ですが、どのような栄養成分が含まれているのでしょうか?
アマランサスの注目の栄養成分と効果効能について
アマランサスは主にタンパク質やミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。
アマランサス・玄米・白米の栄養成分の比較
可食部100g当たり
アマランサス | 玄米 | 白米 | |
---|---|---|---|
タンパク質(g) | 12.7 | 6.8 | 6.1 |
食物繊維(g) | 7.4 | 3.0 | 0.5 |
カリウム(mg) | 600 | 230 | 89 |
カルシウム(mg) | 160 | 9 | 5 |
マグネシウム(mg) | 270 | 110 | 23 |
リン(mg) | 540 | 290 | 95 |
鉄(mg) | 9.4 | 2.1 | 0.8 |
亜鉛(mg) | 5.8 | 1.8 | 1.4 |
銅(mg) | 0.92 | 0.27 | 0.22 |
※日本食品成分表2017参照
このように比較するとアマランサスがいかに栄養豊富なのかがわかりますね。
特にミネラルは日本人の多くが不足しているといわれる成分なので、しっかりと摂るようにしましょう。
主なミネラルの働き
種類 | 働き |
---|---|
カリウム | ナトリウムを排出、高血圧の予防 むくみ改善など |
カルシウム | 骨や歯の材料、骨粗しょう症の予防 精神の安定など |
マグネシウム | カルシウムの量を調節、酵素の働きを助ける ストレス抑制、動脈硬化の予防 |
リン | カルシウムと結合して骨や歯をつくる |
鉄 | 赤血球のヘモグロビンの材料、貧血予防など |
亜鉛 | 酵素の構成成分、細胞の新生や代謝に関わる |
銅 | 鉄を使いやすい形に変え、赤血球を合成する |
タンパク質や食物繊維、ミネラル以外にアマランサスに豊富に含まれている注目の栄養成分は
葉酸
葉酸はビタミンB12と協力して赤血球を作る働きがありますが、何といっても妊活や妊婦さんに必須な成分と言われていますね。
妊娠中にしっかり補うことで、お腹の赤ちゃんの発達異常を防ぎます。
リジン
タンパク質の材料となる必須アミノ酸のひとつです。
アマランサスには必須アミノ酸も含まれていますが、特にリジンが多いです。
リジンには
- 疲労回復
- 集中力を高める
- 育毛
- 肝機能を高める
といった効果が期待されていて
実際に育毛剤や育毛シャンプーにも含まれている成分です。
逆にリジンが不足すると疲れやすくなるだけでなく、妊活にも支障をきたす可能性があります。
さらにリジンには女性の生殖機能を活性化する働きがあり、受胎能力を調整して くれます。
アマランサスは葉酸も豊富ですし、ぜひ女性に食べていただきたい食べ物です。
スクワレン
アマランサスに含まれている脂肪分のひとつです。
- 新陳代謝を活発にする
- 美肌
- 肝機能を改善する
- 免疫力を高める
- 血液を浄化する
といった働きや効果がありますが特に注目されているのは美肌効果です。
スクワレンは肌になじみやすい成分なのでサプリメントだけでなく、化粧品にも利用されています。
ただ、スクワレンは20~30代を境にだんだんと減っていきます。
スクワレンが減ると、乾燥肌やシワ・シミ・たるみのリスクが高まるので、意識してとりたい成分です。
トコトリエノール
ビタミンEの一種です。
ビタミンEは大きく分けるとトコトリエノール類とトコフェロール類の2つに分類されます。
日本食品成分表で表示されるビタミンEの含有量はトコフェロールの値で、多くの食べ物に含まれているビタミンEです。
一方でトコトリエノールはアマランサス以外にはパーム油やココナッツ油、米ぬか油などの特定の食べ物にしか含まれていない貴重な成分です。
このトコトリエノールはトコフェロールの約40~60倍抗酸化力を持っており、「スーパービタミンE」とも呼ばれている成分です。
トコトリエノールには多くの効果や効能が期待されていますが、特に美肌・美白効果が注目されています。
活性酸素の増加や紫外線などで肌が老化したり、ダメージを受けるとシミやしわ、たるみなどが増えてしまいますね。
それを強力な抗酸化成分が防いでくれるわけです。
実際にトコトリエノールにはヒアルロン酸を産生する作用があり、しわに対する効果や毛穴の黒ずみや毛穴の開きの改善にも有効と言われています。
またメラニン色素の生成を抑制することによる美白効果も期待できます。
実際にサプリメントや化粧品にも使用される成分です。
トコトリエノールはその他にも
- コレステロール値を下げる
- 動脈硬化の予防
といった効果が期待されています。
アマランサスの主な効果や効能のまとめ
①美肌・美白効果
- スクワレン
- トコトリエノール
②病気(生活習慣病)の予防
- トコトリエノール:コレステロールを下げる
- マグネシウム:動脈硬化の予防
- スクワレン:肝機能改善
- リジン:肝機能改善
③貧血の予防・改善
- 鉄
- 葉酸
- 銅
④便通改善
- 食物繊維
などの効果が期待され、、葉酸やリジンも豊富なので妊活や妊娠中の方にも効果があると言われています。
アマランサスとキヌアの違いと比較!おすすめはどっち?
アマランサスと同じ疑似穀物で人気のあるスーパーフードといえば「キヌア」です。
見た目も似ていますが若干キヌアの方がアマランサスよりも粒が大きいです。
キヌアもNASAが「21世紀の地球上の主要食」と評価して将来の宇宙食として研究を始めた食材です。
さらに2013年には国連により「国際キヌア年」と制定されました。
これはキヌアの並みはずれた栄養価とさまざまな環境でも栽培できる適応能力、そして地球上の食物危機を回避できる可能性を秘めた偉大な穀物であることから制定されました。
ともにNASAなどの国際機関から高い評価をもらっている食べ物ですが、どちらを食べた方が良いのか、それとも、あまり違いはないのでしょうか?
ではその違いを栄養価から見ていきましょう。
【関連記事】
アマランサスとキヌアの栄養価の比較
可食部100g当たり
アマランサス | キヌア | |
---|---|---|
カロリー(kcal) | 358 | 359 |
タンパク質(g) | 12.7 | 13.4 |
食物繊維(g) | 7.4 | 6.2 |
カリウム(mg) | 600 | 580 |
カルシウム(mg) | 160 | 46 |
マグネシウム(mg) | 270 | 180 |
リン(mg) | 540 | 410 |
鉄(mg) | 9.4 | 4.3 |
亜鉛(mg) | 5.8 | 2.8 |
銅(mg) | 0.92 | 0.47 |
葉酸(μg) | 130 | 190 |
ビタミンB1(mg) | 0.04 | 0.45 |
ビタミンB2(mg) | 0.14 | 0.24 |
ビタミンB6(mg) | 0.58 | 0.39 |
※日本食品成分表2017参照
比較をするとカロリーはほぼ同じで、アマランサスは食物繊維とミネラル、キヌアはタンパク質とビタミンB群(葉酸もビタミンBの一種)が豊富ですね。
日本人はミネラルが不足ぎみと言われているので、ミネラルが不足ぎみかもと思う人はアマランサスがおすすめです。
ただしキヌアは白米のようにキヌアのみで食べることができるのですが、アマランサスはそれだけで食べるには小粒なのででお米の代わりにというよりは、白米に混ぜたり、トッピングにして食べます。
となると白米の代わりに食べるのならばキヌアが、白米に混ぜたり、トッピングにするならばアマランサスがおすすめになります。
味に関してはキヌアもアマランサスもほとんどクセがないです。
ただアマランサスは若干苦味を感じるかもしれません。そして購入する際に気になるのが品質や価格です。
価格に関して外国産はどちらもあまり差はありませんが、国産になると差がでます。
キヌアは国産の生産が少なく販売しているもの高いです。
アマランサスは昔から日本で栽培している地域があり、入手しやすくオーガニックもアマランサスの方が安くに手に入ります。
「国産やオーガニックが良い」という方はアマランサスをおすすめします。
アマランサスの食べ方
アマランサスはほとんど味はありませんが若干苦味を感じるかもしれませんので、トッピングとして使用するか、白米を炊くときに一緒に混ぜるのがおすすめです。
最初は白米に10~20%程度混ぜて、慣れてきたら徐々に割合を増やしていきましょう。
アマランサスのゆで方
①アマランサスは粒が小さいので目の細かいざるに入れて軽く洗い流す
②アマランサスの分量の2倍程度の水を弱火で混ぜながら8~10分ほどゆでる
③粘りが出て水分が無くなり底が見たら火を止めてしばらく蒸らす
これでできあがりですが、水で洗うとプチっとした食感がより楽しめます。
保存期間は冷蔵で2,3日、冷凍で2週間程度保存が可能です。
レンジを使っての下ごしらえ
①耐熱の器にアマランサスと完全に隠れる位の水を入れて30分浸ける
②、①の器にラップをかけて5分間レンジで温める
③温めた後はラップを取らずに5分間そのまま蒸らす
④蒸らした後は軽くかき混ぜたら下ごしらえのできあがり
下ごしらえしたアマランサスは何にでも合いますし冷凍保存もできます。
- チャーハン、カレー、リゾット、パスタなどに混ぜる
- サラダのトッピングにする(ポテトサラダに混ぜると美味)
- 納豆に混ぜる
- みそ汁・スープなどに混ぜる
- クッキーやパンケーキなどのお菓子の生地に混ぜる
- ココナッツミルクやアーモンドミルクに混ぜる
など食べ物や飲み物のトッピングとしてご利用ください。
アマランサスはおいしく味わうというよりもプチプチっとした食感を楽しむ食べ物です。
簡単に調理できるのでいろいろ試してみてくださいね。
アマランサスの正しい選び方とおすすめ
外国産を選ぶ際にはオーガニック(無農薬・無化学肥料)のものがおすすめです。
ですがオーガニックアマランサスと書いてあればなんでも良いわけではなく、できれば日本のオーガニック認定であるJASの有機認定のものがおすすめです。
「海外品にも有機JASマークつくの?」と思うかもしれませんね。
実は日本のものだけでなく海外からの輸入品にも有機JASマークがついていることがあります。
これは輸入品であっても、「日本のJAS規格と同じ水準の制度がある」と認められる国で、有機(オーガニック)の認定がされたものは、日本の有機JAS規格が適用されます。
ただし、JAS規格と同じ水準の制度と認められるのは欧米・オセアニア諸国がほとんどです。
海外産のアマランサスは多くが原産国のペルーなので、これには当てはまりません。
ですが欧州・オセアニア以外の国のオーガニック商品を「有機JAS認定品」として販売する場合は、日本から有機JAS認定機関の検査員を派遣して「有機JAS」法にのっとって審査し、認定を取得する必要があります。
つまりペルーにJAS認定機関の検査員を派遣して認定を取得している商品を購入するのがおすすめです。
単にオーガニックと書かれている商品だとペルーの機関のオーガニックとなり、信頼度が低くなります。ペルー産でも有機JAS認定されていれば安心して食べることができます。
おすすめは
「オーガニックアマランサス」です。
こちらは外国産のアマランサスですが国内で選別して農薬検査もクリアしています。さらに有機JAS認定を受けているので安心して食べることができます。
有機JAS認証 オーガニック アマランサス 1kg (1キロ)
「国産(岩手産)アマランサス」
こちらは国産(岩手産)の希少なアマランサスですが無農薬ではありません。
オーガニックが良ければ、先程紹介した外国産のアマランサスを、国産が良いというなら、この商品を選んでください。
価格は国産の方が高いです。
まとめ
アマランサスは「スーパーグレイン」(驚異の穀物)と言われるほどの栄養成分が豊富です。
- 豊富なミネラル
- スーパービタミンEと言われるトコトリエノール
- 美肌効果があるスクワレン
- 妊活中の人や妊婦さんに摂ってほしい葉酸やリジン
など多くの成分が含まれています。
スーパーフードのキヌアとよく比較されますが、栄養価が高いのはアマランサスです。
ただアマランサスはそれだけで食べるのはおすすめできません。
白米に混ぜて炊いて食べるか、ゆでていろいろな食べ物に混ぜてみてください。
ぜひアマランサスを食べて健康的に美しくなりましょう!