牛肉というと、カロリーが高くダイエットや成人病にとっては大敵!というイメージをお持ちではないですか?

実は、牛肉には多くのすばらしい効能があるのです。

牛肉のことを知れば、あなたのイメージも180度変わるはずです。

牛肉に含まれるうれしい栄養成分は?

牛肉は栄養価が高い食べ物で、ヒトの体に必要な栄養素が豊富に含まれています。

たんぱく質

たんぱく質を英語で言うと「プロテイン」と言い、誰もが聞いたことがあると思います。

その語源は、古代ギリシャの言葉で「プロテイオス」からきています。

プロテイオスは「もっとも重要なもの」という意味があり、それほど私達人間にとってたんぱく質は必要不可欠なものとして考えられているものなのです。

必須アミノ酸

たんぱく質を構成している、人間に必要なアミノ酸の中で体内で十分な量を合成できず、食物から摂取しなければならないアミノ酸のことを「必須アミノ酸」といいます。

牛肉に含まれる動物性タンパク質には、この必須アミノ酸がバランスよく含まれています。

大豆などの植物性たんぱく質が健康によいと言われますが、必須アミノ酸のバランス(アミノ酸スコア)という点でいえば、動物性たんぱく質のほうが断然優れていて、体内への吸収率も高いとされています。(※もちろん植物性たんぱく質にも良い点があります)

必須アミノ酸の働き・効果や効能

必須アミノ酸 働き・効果・効能
イソロイシン ●成長を促進して肝臓や神経の働きを助ける
●筋肉組織の主成分の1つで筋力を強化
ロイシン ●筋肉組織の主成分の1つで筋力を強化
●肝臓の機能を高める
リジン ●疲労回復・集中力を高める●髪の健康(育毛効果)
●肝機能や不妊の改善効果
メチオニン ●かゆみやアレルギーの原因となるヒスタミンの
血中濃度を下げたり、抑うつ効果もある
フェニルアラニン ●興奮作用のあるドーパミンなどの神経伝達物質の
もとになる。鎮痛作用や抗うつ効果も
スレオニン ●成長を促進する作用
●肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ➡脂肪肝予防
トリプトファン ●脳や神経の働きを安定させるセロトニンの元の成分
。鎮痛・催眠効果がある
バリン ●筋肉組織の主成分の1つで筋力を強化
●体の成長を促し、血液中の窒素のバランスを整える
ヒスチジン ●子どもの成長に欠かせない成分
●神経の働きを助けたり、ストレスを軽減する

アミノ酸の主な効能

  • 集中力を高める
  • 精神を安定させる
  • シミやシワを防ぐ
  • 風邪をひきにくくする
  • 体力を増強する
  • 二日酔いを防ぐ
  • 脳のはたらきを向上させる
  • 記憶力を保つ

 

アミノ酸は、神経伝達物質の材料になるばかりでなく、筋肉や臓器、また血液や肌の組織を形成し、免疫細胞を作るのにも必要なものです。

肌に、はりを与えることで知られるコラーゲンもタンパク質の一種です。

また、疲労物質の発生を抑えるとともに、肝機能をサポートします。まさに私達人間を形成するのに、必要不可欠というわけですね。

この他に注目したいのが、現代人にとって誰もがリスクにさらされている、うつ予防効果です。必須アミノ酸のひとつ、フェニルアラニンは、抑うつ症状を解消し、気分を高揚させるはたらきがあるとされています。

骨の成長にカルシウムが大切なことはよく知られていますが、実はたんぱく質も骨の成長に重要な役割を果たしています。

骨を丈夫にする」のがカルシウムだとすれば、「骨を伸ばす」作用があるのがたんぱく質です。

骨は、骨の先端部(骨端部)の軟骨細胞に成長ホルモンが働きかけると、軟骨細胞が増殖して伸びていきます。この軟骨細胞の原料となるのがたんぱく質です。

動物性たんぱく質は、成長期のお子さんには、欠かせない食材といえますね。

血液の成分(ヘモグロビン)を作るために欠かせない鉄分ですが、この栄養素も私たちの体内で作ることは不可能です。

鉄分不足でおこる鉄欠乏性貧血は、女性の病気と思われがちですが、現代では男性にも増えていて、現代病のひとつとして密かに問題となっています。
牛肉などの赤身に含まれる「ヘム鉄」は、野菜や海藻に含まれる「非ヘム鉄」に比べて吸収率が高く、その差は約10倍とも言われています。

赤身のお肉は、「効率的に貧血の予防や改善に効果をあげることができる」のです。

亜鉛

牛肉には、亜鉛も豊富に含まれています。
亜鉛には細胞分裂新陳代謝を促す働きがあるとされ、免疫細胞が活性化して免疫力を高める効果が期待できます。

残念ながら、免疫細胞の活性は加齢とともに低下してしまうため、定期的に亜鉛を摂り入れることで、病気にかかりにくい体を保つことができると考えられています。

オレイン酸

生活習慣病の予防効果が期待されているものに脂肪酸の1つである「オレイン酸」があります。

オレイン酸といえば、過酸化物質を作りにくいという理由からオリーブ油が近年人気ですが、実は牛肉にも豊富に含まれています。

オレイン酸には、「血中のコレステロールを適正に保つ働きがある」とされ、「善玉コレステロールを減らさず、悪玉コレステロールだけを減らす効果がある」といわれています。

また、「酸化されにくい」ということも、オレイン酸の特徴の1つです。

一般に脂肪の酸化が進むと、体内で活性酸素と結びついてDNAに損傷を与え、がんや動脈硬化、心疾患や脳疾患、糖尿病などの原因になります。

カルノシン

牛肉には、ペプチドの一種でカルノシンという物質も含まれています。

近年、このカルノシンには酸化を予防する働き(抗酸化作用)があり、体内で生じやすい過酸化脂質を抑える働きがあることがわかってきました。

人が強度の運動をすると乳酸が生成され、筋肉のPHが低下して疲労をもたらします。

カルノシンは、筋肉や心臓で低下したPHを調整する働き(緩衝作用)のあることも認められていて、疲労抑制効果が期待されています。

ダイエットに欠かせないカルニチン

お肉に含まれるカルニチンには、脂肪燃焼作用があることが認められています。

脂肪は「脂肪の燃焼炉」といわれる細胞内のミトコンドリアで燃やされてエネルギーに変わります。

このとき、脂肪はカルニチンと結合することで初めて、ミトコンドリア内で燃やされてエネルギーに変わるため、カルニチンはダイエットに欠かせない栄養素といえます。

また、カルニチン運動機能の強化や持久力のアップ、抗疲労効果があるといわれています。

更に、カルニチンには血中の中性脂質を下げる効果や、コレステロール低減作用もあるとされています。

カルニチンは加齢とともに体内で合成される量が減るため、一番多く含まれているとされる牛肉を食べて補うことは、ダイエットへの近道ともいえますね。

コエンザイムQ10

お肉に含まれる美容成分のなかでも、アンチエイジング効果が高いのが、今ではよく知られている「コエンザイムQ10」です。

コエンザイムQ10は、がんなどの原因になる活性酸素の発生を抑え、体の酸化を防ぐ効果があります。また、コラーゲンが壊れてしまうのを防ぐ作用もあるので、シワやくすみといったお肌のトラブルを改善する効果もあります。

エンザイムQ10も、加齢とともに減少する傾向にあるので、牛肉を食べて補いましょう。

タウリン

栄養ドリンク剤でおなじみのタウリンには、パワーがみなぎるというイメージがありますね。実は、タウリンの効能はそれだけではありません。

タウリンには、「交感神経の働きを抑え、腎臓の働きを促進して、血圧を正常に保つ働き」があります。

タウリンは、牛タンにも多く含まれていますが、たんぱく質に含まれるアミノ酸の1つであるシステインからも体内で生成することができます。
良質なたんぱく質が豊富な牛肉を食べれば、元気な毎日がおくれますね。

成長期に欠かせないアルギニン

アルギニンには成長ホルモンの分泌を高めるなど、成長を促進する働きがあるため、成長期には欠かせない栄養素です。

また、成長促進免疫力向上作用があるリジンも、子どもの成長に欠かせない大切なアミノ酸です。こうしたアミノ酸をバランスよく含んでいる牛肉は、とても優れた食材といえます。

アラキドン酸

近年、「認知症を改善する可能性を持つ栄養素」として、アラキドン酸が注目されています。

アラキドン酸とは、リノール酸から合成される必須脂肪酸の1つで、脳の機能を担う神経細胞の生成を促す働きがあるといわれています。

高齢者やアルツハイマーの患者さんは、脳の細胞膜に含まれるアラキドン酸の量が少ない傾向にあることが分かっています。

また嬉しいことに、70歳を超えても神経細胞が新たに作られることが分かってきています。そのため、最近では老人ホームなどでは牛肉を使ったメニューが頻繁に登場するところもあります。

ハッピーホルモン

アラキドン酸はハッピーホルモンとも呼ばれ、人を幸せにする効果もあるとされています。

アラキドン酸の一部は脳内で「アナンダマイド(アナンダミド)」という物質に変化しますが、この物質は別名「至福物質」とも呼ばれ、「幸福感や高揚感をもたらす」ことが知られています。

とろけるような霜降り肉を食べると、たまらなく幸せな気分になるという人が多いのも、このメカニズムによるものかもしれませんね。

また、アナンダマイドには、痛みをやわらげたり、リラックス効果や記憶力増進など、心身にさまざまな良好な効果をもたらす可能性があるとされ、今後の研究が進むことに大きな期待が寄せられています。

日本を長寿大国に創り上げたのは、牛肉だった?

近年、日本は世界でもトップレベルの長寿国を誇っています。

実はあまり知られていませんが、平均寿命が1950年(昭和25年)には男性58歳、女性61歳と先進国中最も低かったのです。
平均寿命が70歳に達したのは女性が1960年、男性は1975年のことで、そのあたりから伸び始め、100歳を超える方も珍しくない現代にいたるのです。

このような短い期間に平均寿命が飛躍的に伸びたのは、栄養状態の改善、特に動物性タンパク質の摂取が増えたことと密接な関係があるのではないかといわれています。

物性タンパク質の摂取増加に伴い、感染症に対する免疫力を高める作用が働いたこと、更には血管をしなやかに丈夫になって、これまで死因のトップであった脳卒中などの脳血管疾患が激減したことが日本人の平均寿命を急速に引き上げたと考えられています。
さらに、牛肉などの食肉は調理による栄養分の損失が少なく、実は消化によいという利点があります。

まとめ

いかがでしたか
現代は、ストレス社会といわれていますが、ストレスは体のタンパク質を大量に消耗させてしまうのをご存知ですか?

その場合は、特に必須アミノ酸を多く含む動物性タンパク質を摂取して、すばやく補う必要があります。
日頃から、ストレスが多いなあと感じている方は、良質のたんぱく質がたっぷり含まれている牛肉を食事に取り入れてみてくださいね。

ただし牛肉であれば何でも良いというわけではなく、良質な牛肉の和牛や外国産であればオーストラリア産がおすすめです。

詳しくは

輸入牛肉の危険性!米国産と豪州産牛肉どちらがおすすめ?~を参照にしてください。

下記の記事では肉の消費期限を紹介しています。

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