納豆は栄養価が高く、健康や美容に良いということから毎日食べる人も多いですね。

ですが、一方で食べ過ぎは体に害を与えるとも言われています。

ではなぜ納豆の食べ過ぎは危険なのでしょうか?

また食べ過ぎといっても、どれくらいから食べ過ぎなのかもわからない人も多いと思いますので、納豆の1日の摂取量についても紹介します。

納豆の栄養成分の中で過剰摂取に気をつけた方が良いものは?

納豆には健康や美容に効果がある成分がたくさん含まれています。

ですが、過剰摂取となると逆に害になる成分もありますので、順番に紹介します。

①大豆イソフラボン

大豆イソフラボンは大豆の胚芽に含まれている成分でありポリフェノールの一種で、女子ホルモンに似たエストロゲンの働きをする栄養素です。

大豆イソフラボン

  • 女性らしさがアップ(バストアップなど)
  • 更年期障害の予防・改善
  • PMSの症状を軽減
  • 骨粗しょう症の予防
  • 循環器系疾患の予防
  • 美肌(肌の保湿や美白、ニキビなどを防ぐ)
  • 血流改善(=冷え性改善)
  • 悪玉コレステロールを減らす
  • 血圧を下げる

など、特に女性にうれしい効果が期待されています。

ですが大豆イソフラボンを過剰摂取すると体に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。

女性ホルモンにはエストロゲン(細胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という2種類のホルモンがあります。

女性ホルモンを増やそうと大豆イソフラボンを摂り過ぎると、エストロゲンだけが増えていると体が勘違いをしてエストロゲンの分泌を少なく、プロゲステロンの分泌を多くしていまい2つのホルモンバランスが崩れてしまいます。

これにより逆にPMSの症状が重くなったり、月経不順を引き起こす可能性が高くなります。

さらにニキビなどの肌荒れめまいなどの症状が出る場合があります。

特に閉経前の女性は気をつけなくてはなりません。

また、男性も注意が必要です。

男性の体の中にも女性ホルモンは含まれています。

女性ホルモンは男性ホルモンが原因とされている薄毛や夏場の体臭を改善するなどの効果が期待されています。

ですが、大豆イソフラボンを過剰摂取すると、

  • 精巣機能などの性機能が衰える
  • 胸が膨らんでくる
  • 筋肉がつきにくくなる

などの症状が出る場合もあります。

では大豆イソフラボンの摂取量はどれくらいが適正なのでしょうか?

大豆イソフラボンの1日の摂取量

食品安全委員会が発表した

大豆イソフラボンを含む特定保険用食品の安全性評価の基本的な考え方」では

大豆イソフラボンの摂取目安量の上限値は1日に75mg、そのうち、サプリメント等の健康食品からの上限値30mgに設定しています。

この上限値を設定した理由は食品安全委員会

閉経後女性に1日150mgの錠剤を5年間摂取させた結果子宮内膜増殖症の発症が有意に高かったというイタリアの研究報告から150mgを健康影響発現量としてその1/2である75mgを安全な1日摂取目安量の上限値としました。

と発表しています。

また、妊婦、胎児、乳幼児、小児については大豆イソフラボンを日常の食生活に上乗せして30mgを摂取することは十分なデータがないので安全を考慮して推奨していません。

では納豆やその他の大豆製品にはどのくらいの大豆イソフラボンが含まれているのでしょうか?

大豆食品の大豆イソフラボンの含有量
食べ物(量g) 大豆イソフラボン含有量
納豆(1パック45g) 36㎎
煮豆(30g) 11~13㎎(種類による)
木綿豆腐(1/2丁150g) 42㎎
木綿絹ごし(1/2丁150g) 38㎎
厚揚げ(1/2枚100g) 37㎎
豆乳(調整豆乳)(1本200g) 41㎎
きな粉(大さじ2杯12g) 6.7㎎
みそ汁(1杯20g) 6.0㎎

この表を見ると大豆イソフラボンの1日の上限摂取量は75㎎ですから、1パックに36㎎大豆イソフラボンが含まれている納豆は2個までです。

もちろんこれは納豆以外に大豆製品を食べない場合です。

豆腐やきな粉などの大豆製品を食べたり、豆乳を飲むという人は納豆は1個までにしてください。

またホルモンバランスを整えるために大豆イソフラボンのサプリメントが流行っていますが、毎日サプリメントを飲む場合も納豆は1個までにしましょう。

②プリン体

プリン体といえば「痛風の敵」で、体に悪い成分だと思っている人も多いですね。

実際に「プリン体ゼロ」と宣伝しているビールなども販売されています。

ですが、プリン体は旨味成分を構成する主要な成分で、身体の細胞の核を構成する核酸の主成分となっています。

そしてビールや発泡酒だけでなく、穀物の他、肉、魚、野菜などさまざまな食物に含まれているので、適量の摂取であれば全く心配はありません。

ではプリン体を1日にどのくらい摂取してよいのかというと、400㎎です。

では納豆にはプリン体がどれくらい含まれているのかというと、納豆1パック(50g)では56.5mgとなります。

納豆だけであれば1日7パック食べて良いことになりますが、そのほかにもプリン体が含まれている食べ物があります。

プリン体が多い食べ物プリン体の含有量
食べ物(量g) プリン体含有量
納豆(1パック50g) 56.5㎎
レバー類(100g) 210~320㎎
カツオ(100g) 211㎎
イワシ(100g) 210㎎
エビ(100g) 195㎎
サンマ(100g) 150㎎
牛ヒレステーキ(100g) 100㎎
うなぎ(100g) 92㎎
ビール(350㎎) 12~25㎎
干しシイタケ(100g) 380㎎
かつお節(100g) 492㎎
煮干し(100g) 746㎎
クロレラ(100g) 3183㎎

このように見ると魚類や肉類はプリン体が多いです。

またビールは少ないように思うかもしれませんが、ビールを何倍も飲む人は注意が必要です。

また干しシイタケやかつお節、煮干しなどは一度に100gも使用しないので、それほどは心配はいりません。

またクロレラなどのサプリメントも100gと多く摂ることはありませんので、過剰摂取だけ気をつけましょう。

このように大豆イソフラボンの場合は大豆製品が明確なので、どれくらいの量を摂っているのか把握しやすいですが、プリン体は多くの食べ物に含まれているので、知らないうちに過剰摂取している場合もあります。

となると納豆も2パック(プリン体113㎎)までにしておきましょう。

③セレン

セレンはミネラルの一種で強い抗酸化作用があり老化防止に欠かせない成分です。

ですが、過剰に摂取すると吐き気や肝機能不全などの中毒症状が起こる危険性があると言われています。

日本人の食事摂取基準2015年版でセレンの耐容上限量は、

  • 成人男性400~460μg
  • 成人女性330~350μg

と定められています。

ではどらくらい納豆にはセレンが含まれているのかというと、多くのブログなどでは

納豆100gに234μgのセレンが含まれているので1パック(50g)に117μg含まれている」と紹介しています。

この数値が本当だとすると、上限を超えないためには女性では2パック、男性でも3パックです。

この数値がどこからの情報かというと納豆学会のホームページに掲載されている「納豆100gに対してセレン234μg含有」という
部分から引っ張ってきている情報です。

納豆学会という名前から間違いを掲載するはずがないと思う方も多いかもしれません。

ですが文部科学省の「第五訂 日本食品標準成分表」では、

納豆に含まれているセレンの量は8~16μgの間の数値です。

この数値であれば納豆を10パック食べても上限に達しませんので、セレンの過剰摂取は心配しなくて大丈夫です。

ビタミンK

こちらは過剰摂取ではありません。

ワーファリンを服用している人はビタミンKが豊富な納豆を食べてはいけないと言われています。

ワーファリンは「抗凝固剤」といわれる薬で、血をサラサラにして血栓をつくりにくくする効果があり、心筋梗塞などの治療や予防に使われています。

ですが、納豆を食べると腸内でビタミンKが合成され、ワーファリンの効果を弱めてしまいます。

納豆を食べたために、心筋梗塞の再発作をおこしたという例もあります。

ワーファリンを服用している人は、納豆を絶対食べてはいけません。

まとめ

このように納豆は栄養価が高い食べ物ではありますが、大豆イソフラボンやプリン体を考慮すると1日2パックまでにしたほうが良いです。

そして豆乳を毎日飲んだり、豆腐やきな粉など大豆製品を良く食べる人は納豆を1パックまでにしましょう。

セレンに関しては心配の必要がありませんが、ワーファリンを服用している人は過剰摂取ではなく、納豆を食べてはいけません。

また納豆は思った以上にカロリーが高いです。

納豆1パック(約50g)のカロリーは100kcalです。

白米の50gのカロリーが84kcalなので、お米と比べるとカロリーが高いです。

もちろん大豆イソフラボンの数値は安全を考えて、かなり上限値を低く設定しているので、1日3パック納豆を食べてしまったからといって、体にすぐ悪影響を及ぼすわけではありません。

その場合は翌日の大豆製品を控えたりして調整してください。

ただ最近は過剰摂取の心配よりも大豆製品が不足している人が多いと言われています。

大豆イソフラボンの不足は体調を悪化させることが多いため、ほとんど食べないという人はみそ汁でもなんでも良いので大豆製品を食べるようにしましょう。