昆布といえば「うまみ成分」が豊富で出汁(ダシ)に使っている人も多いですね。

ですが出汁だけに使用しているのはもったいないのが昆布です。

まさか出汁に使った昆布をそのまま捨てるなんてことはしてはいませんか。

実は昆布には健康や美容、ダイエット効果が期待できる栄養成分がたっぷり含まれているので、ぜひいろいろと調理をして食べることをおすすめします。

今回は

  • 昆布に含まれる注目の栄養成分
  • 昆布に期待される効果や効能
  • 効果的な食べ方

など昆布について詳しく紹介します。

昆布に含まれる注目の栄養成分

昆布は出汁のおいしさから「出汁の王様」と言われていますが、うま味成分だけでなく豊富な栄養成分が含まれています。

①ネバネバ成分

  1. アルギン酸
  2. ラミナラン
  3. フコダイン

昆布のネバネバ成分は一種類だけではありません。代表的なのは「アルギン酸」で水溶性食物繊維の一つです。

さらに「フコイダン」と「ラミナリン」もネバネバ成分です。この2つの成分は多糖類(炭水化物)の一種ですが水溶性食物繊維に分類されることもあります。(もともと食物繊維は炭水化物の一種です)

現代の日本人は食物繊維の摂取量が不足していると言われています。

食物繊維の摂取目標量

  • 成人男性:1日20g以上
  • 成人女性:1日18g以上

となっていますが、平成27年国民栄養健康調査によると、実際の摂取量は、20歳以上で一日に平均15.0gしか摂取できていないと言われています。

実は生活習慣病など発症予防の観点から考えると理想的な摂取量は1日24g以上です。

となると実際の摂取量と理想的な摂取量を比べると約10gほどの差があります。

また食物繊維には水溶性食物繊維不溶性食物繊維の2種類がありますが、海藻以外の食べ物は不溶性食物繊維の割合が多く、実際に食べている食物繊維のほとんどが不溶性食物繊維です。

不溶性の割合が高くなりすぎるとお腹がふくらんで苦しくなったり、腸に過剰な刺激が伝わることで腸のぜん動運動が抑制され便がコロコロしたものになる場合があります。

このように腸内環境を整えて、便秘改善などが期待できる食物繊維が逆に便秘になってしまう場合があるのです。

昆布やワカメなど海藻は食物繊維は水溶性がほとんどなので、できるだけ毎日海藻類を食べることをおすすめします。

②色素成分

カロテノイドの一種であるフコキサンチンが含まれています。カロテノイドは、動植物が持つ、自然界に存在する黄色や赤色の色素の総称で、600種類以上存在するといわれています。特徴として強力な抗酸化力を持っています。

➂うま味成分

グルタミン酸といえばうま味成分として知られていてタンパク質の元となるアミノ酸の一種です。1866年にドイツの化学者のリットハウゼンによって発見され、1908年に東京帝国大学の池田菊苗教授によって「グルタミン酸がうま味物質である」ことが証明されました。

それまでは味覚は

  • 甘味
  • 塩味
  • 酸味
  • 苦味

この4つが基本要素と考えられていましたが、これに「うま味」が加えられることになりました。

この研究から生まれたのが「味の素」です。味の素が世界初の化学調味料として発売されたのが1909年です。

④甘み成分

マンニトールは糖アルコールの一種です。白色で甘みのある水溶性の結晶です。下記の写真のように昆布には白い粉っぽいものがついている場合があります。

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これはカビや塩ではなく、甘み成分ですので、無理にこすって落とす必要はありません。商品のパッケージに洗ってからなどが書かれていたら、洗ったほうが良いですが、その場合も白い粉を落とすまでゴシゴシとしなくて大丈夫です。

その他昆布に豊富に含まれる栄養素は

  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンC
  • アスパラギン酸
  • カリウム
  • カルシウム
  • マグネシウム

などがあり、特に「カルシウムは牛乳の約7倍」含まれています。

ではこれらの栄養成分がどのような効果や効能をもたらすのでしょうか?

昆布に期待される効果や効能について

さまざまな病気の予防や健康維持

①血圧・コレステロール値・血糖値を下げる効果

ネバネバ成分の水溶性食物繊維アルギン酸は高血圧の原因(塩分や脂質、老廃物など)を排出する働き(=デトックス効果)があり、血圧やコレステロール値を下げると言われています。

同じくネバネバ成分のラミナリンは血液の流れを良くする働きがあり、血液をサラサラにする事で血圧やコレステロールを低下し安定させてくれます。

そして色素成分のフコキサンチンは「糖の代謝を促進血糖値を減少させる」ことがわかっており、この働きが糖尿病の予防に効果があると言われています。

②ガンの予防

2018年5月には東京大学大学院と信州大学の共同研究で、動物(マウス)実験ではありますが、昆布のネバネバに含まれるラミナランが胃がん予防につながることがわかり「人間の胃がんの発症予防につながるのではないか」と期待されています。

そして同じくネバネバ成分のフコイダンもガンの抑制が期待されていて、サプリメントでも使用されている注目の成分です。

➂免疫力アップ

フコダインは消化されて体内に吸収されることはありませんが、腸の中を通過するときにNK(ナチュラルキラー)細胞」や「マクロファージ」といった免疫細胞腸管細胞活性化する働きがあることがわかっています。

NK細胞は体内にウイルスや病原体が入り込んだり、異常な細胞が発生した際に、まっさきにそれらに攻撃を始めます。つまりNK細胞が活性化することで免疫力を高めることにより、カゼやインフルエンザなどの病気にかかりにくくなり、万が一病気にかかっても軽い症状ですむと言われています。

一方で免疫が過剰に活性化されると食物アレルギーや小腸、大腸などの消化管に炎症を起こして潰瘍性大腸炎クローン病などの原因になります。

ですが、フコダインは炎症を抑えることで過剰な免疫を正常化してアレルギー自己免疫疾患などの病気に対抗してくれます。

自己免疫疾患には

  • 関節リウマチ
  • 膠原(こうげん)
  • バセドウ病
  • 悪性貧血
  • 1型糖尿病

などが挙げられます。

④ピロリ菌の除去(=胃を守る)

胃の中に多く存在するピロリ菌は胃潰瘍十二指腸潰瘍、そして最近では胃がんの大きな要因のひとつではないかと言われています。

フコイダンには先ほどデトックス効果があると紹介しましたが、同様にピロリ菌も吸い付け、そのまま腸へと押し流す働きがあると言われています。それにより胃からピロリ菌が除去されて胃が守られるのです。

⑤抗アレルギー効果

アレルギー反応に関わる「IgE」という抗体は免疫機能が正常ではないと過剰に生成され、過剰な免疫反応が起こることにより、花粉症やアトピーなどのアレルギー症状が現れます。

ですがフコイダンは免疫機能を整え、「IgE」の過剰な生成を抑える働きがあるため、アレルギーに効果があると期待されています。そしてラミナリンは腸内の免疫細胞に接着すると腸内の乳酸菌が増え、そのことにより腸内環境が整えられて腸内の炎症が抑えられます。

このことによりフコイダンと同様にラミナインアレルギー自己免疫疾患などの病気に対抗してくれるわけです。

⑥肝機能の向上

フコイダンは肝臓細胞を再生したり傷ついた肝臓細胞の修復に働きかけることで肝機能向上効果が期待できます。

⑦血栓症の予防

最近注目されているのがフコダイン血栓症を予防する作用です。血栓症とは血管内に血の固まりが詰まってしまい血の流れを止めてしまう病気です。血栓が出来た場所によって脳梗塞心筋梗塞などを引き起こすこともあります。

エコノミークラス症候群として知られる「肺塞栓症(はいそくせんしょう)」は、飛行機などに長時間座っていたことによってできた足の血栓が肺の動脈まで移動して血管を塞いでしまうことで発症する病気です。

⑧腸内環境の改善(便秘改善)

昆布は水溶性食物繊維が豊富なので、善玉菌のエサとなり腸内が活発化して腸内環境が改善すると便通が良くなります。

このように多くの病気の予防に効果が期待できる昆布ですが薬ではありません。薬のような即効性はありませんが、継続して食べることが予防効果が期待できます。

また昆布だけ食べればよいとうわけではありません、バランスよい食事と適度な運動も心掛けてください。

筋肉が衰えない

色素成分のフコキサンチンは筋肉を作るエネルギーをタンパク質に送る働きがあります。「フコキサンチンとタンパク質「を一緒に摂ることで筋肉を作る効率がアップするため、昆布とタンパク質が豊富な食べ物(魚や肉など)を一緒に食べることで筋肉が衰えない体になります。

脂肪を燃焼する(ダイエット効果)

フコキサンチンは内臓脂肪をエネルギーに変えて燃焼させる働きがあります。ロシア自然科学アカデミー免疫病研究所が発表した研究では、フコキサンチン2.4㎎ずつ、16週間摂取したところ、平均で体重が6㎏減少したという報告があります。

実はフコキサンチンは海藻の油ですが、その油が体にたまっている脂をとる働きがあるのです。さらにフコキサンチンは「糖の代謝を促進血糖値を減少させる」ことがわかっており、この働きが糖尿病の予防に効果があると言われています。

脳を老けさせない働き

グルタミン酸はうま味成分として有名ですが、それだけではなく「脳を老けさせない働き」があることもわかってきました。

さらに、

  • 新しい記憶を保存
  • すでにある記憶の検索

といった効果も期待されています。

現在は「アルツハイマー型認知症予防にグルタミン酸が効果あるのでは?」と期待され研究が進んでいます。

お年寄りには認知症予防に、そして子どもには記憶力を良くするために、ぜひ昆布を食べる習慣をつけるようにしましょう。

美肌効果

フコキサンチンが持つ抗酸化力は体内に必要以上に発生した活性酸素の増加を抑えてしみ、シワなどの老化を予防する美容効果があります。

また体内の老廃物が体にたまったままだと、肌荒れにつながることがありますが、アルギン酸のデトックス効果により老廃物を体外に出すことができるため、美肌につながります。

おすすめの昆布

昆布にもいろいろと種類があり、それぞれ特徴があります。昆布の成分で今一番注目されて研究が進んでいるのは「フコイダン」です。

このフコイダンをたくさん含んでいる昆布が函館近海でとれる「がごめ昆布」です。

このがごめ昆布はものすごくネバネバしています。

この昆布のネバネバをアルコールを飲む前に食べることで、ゆっくりとアルコールが吸収されるので、二日酔いの予防にもなります。

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そして昆布には脂肪燃焼効果がありますが、一番脂肪燃焼におすすめの種類がとろろ昆布です。

とろろ昆布には製造過程でが混ざっています。

に含まれる酢酸には疲労回復、内臓脂肪の減少などの効果があり、昆布の脂肪を燃やす効果とダブルの脂肪燃焼パワーが期待できるのです。

この商品は普通のとろろ昆布ではなく、がごめのとろろ昆布です。

  • フコイダンの健康効果
  • とろろ昆布の脂肪燃焼効果

これらがコラボした「がごめ昆布とろろ昆布」をぜひ一度食べてみてください。

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昆布の効果的な食べ方と昆布の出汁を効率よく出す方法

多くの栄養成分が含まれている昆布ですが、食べ方によって栄養成分の吸収率がアップします。出汁(だし)をとった後の昆布を捨てるのはもったいないえす。出汁がとれた後の昆布にもまだまだ栄養成分は残っています。

みそ汁で出汁をとった後の昆布の利用法

①出汁をとった後の昆布を巻いて柔らかく戻して細かく切り、水・しょう油を入れて一晩寝かす。

これだけで昆布がすごくネバネバします!それをご飯にかけて食べると絶品です。

でも出汁をとった後もネバネバが出るというのは驚きですね。このネバネバに多く含まれているのがアルギン酸です。アルギン酸で体内の老廃物を外に出しましょう!

②みそ汁などで出汁をとった昆布を細かく切って、味噌の中に入れて1週間漬ける。

みそ汁の出汁に利用した昆布を取り出し、細かく刻んでご飯お供に。そうすることで昆布のアルギン酸が塩分を排出し、味噌に含まれていた大豆ペプチド血圧上昇の抑制をします。

このようにダブルで血管を老けさせない効果があります。

また昆布を漬けた味噌もみそ汁を作るときに昆布の出汁がすでに含まれているので、出汁入りみそにもなります。

昆布の出汁を効率よく出す方法

みそ汁で使用する出汁は加熱したものですが、常温の水でも出汁はとれます。実は出汁を作るお湯の温度が高くなりすぎると昆布の粘りが出てしまい、うまみが感じられにくくなってしまいます。

昆布水は1リットルの水に10gの出汁昆布を浸けて30分置くだけで出汁がしっかりとれ、栄養成分も含まれています。うま味成分が全部出るわけではないですが、30分以上漬けることで、よりうま味(栄養)がとれます。

夜に作って一晩漬けて朝に使うとより多くの栄養成分が出汁にでます。熱で壊れてしまう栄養成分もとれるという点も水で昆布出汁をとるのはおすすめです。

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昆布水は汁物全般の他に煮物、炊き込みご飯におすすめです。そして一度使った昆布は干すとまた使えます。

これは一度だけでは出しきっていない栄養成分が使えるからです。

栄養をムダにしない昆布の切り方

昆布にはたくさんの栄養が含まれているのですが、細胞壁の中に栄養が含まれているので、そのままですと栄養を全て吸収できずに体の外に出てしまいます。

できるだけ栄養を吸収するには切り方が大切で、「芯(しん)に沿って横に切る」のがおすすめです。これによってうま味がより多く出ます。

これは組織(細胞壁)に対して垂直に切ることでうま味(栄養)がよく出るからです。

昆布の出汁の保存期間は?

昆布の出汁の作り置きについては、熱をかけた出汁であれば冷蔵庫で4,5日保存が可能です。常温の水の場合は1,2日で使い切りましょう。

冷凍の出汁は3週間が保存の目安です。

昆布の摂取量は?

多くの効果や効能が期待されるので、昆布をたくさん食べれば良いと思うかもしれませんが、やはり食べ過ぎはよくありません。

  • 乾燥昆布であれば1日1~2g程度
  • 昆布巻きであれば1日1個か2個

とこのように少量で十分効果を得られます。

少量でも毎日継続的に食べることで昆布の効果が期待できます。

まとめ

昆布は出汁だけに使用するのではなく、出汁をとった昆布にも栄養成分が含まれているのでしっかりと利用しましょう。

海藻の中で昆布が王様と言われるのは栄養成分が豊富だからです。

①ネバネバ成分

  1. アルギン酸
  2. ラミナラン
  3. フコダイン

②色素成分のフコキサンチン

➂うま味成分のグルタミン酸

などの注目の成分に加えてミネラルやビタミンも豊富です。

これらの成分が健康やダイエット、美容にも良い効果をもたらせてくれます。

そして昆布の中でおすすめなのが、フコイダンがたっぷり含まれている「がごめ昆布」と脂肪燃焼効果が一番ある昆布と言われる「とろろ昆布」です。がごめのとろろ昆布もあるので、ぜひ一度お試しください。

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多くの効果や効能が期待される昆布ですが薬ではないので、毎日少しずつ(乾燥昆布で1日1~2g程度)継続的に摂るようにしましょう。

テレビ番組では昆布を毎日食べている人の特徴で

  • 血管年齢が10歳ほど若い
  • 筋肉がおとろえない
  • 脳が老けない

などと紹介されていました。(効果には個人差があります)

ぜひあなたも昆布を毎日食べていつまでも若々しく元気に過ごしましょう!