縄文時代よりも、もっと昔から食されていたとされる山芋や長芋。

中国では山の薬、日本では山の鰻と言われ、栄養価の高い食材として長い間、重宝されてきました。

そんな私達と身近な食材でもある山芋と長芋の違いを詳しくご存知ですか?

ここでは、山芋と長芋の違いについて紹介します。

山芋と長芋の違いは?

山芋と長芋は、実は同じ『ヤマノイモ科ヤマノイモ属』に分類されます。

日本国内において、食用としているヤマノイモ科ヤマノイモ属は、

  • ヤマノイモ
  • ナガイモ
  • ヤム
と、さらに分類されます。

この3つをまとめて『ヤマノイモ科ヤマノイモ属』と言うのが一般的です。

ちなみに、

ヤマイモは、「自然薯(じねんじょ)」のことを指します。

ナガイモ「長芋」を指し、その名称も芋の形によって変わります。

  • 長芋・・・丸い筒状の細長いもの
  • 銀杏芋(いちょういも)・・・左右対称のバチのような形をした平たいもの
  • 捏芋(つくねいも)・・・ボール状の塊になったもの
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ヤム「大薯(ダイジョ)」を指します。

それぞれの特徴は?

実際のスーパーでは、銀杏芋(いちょういも)や捏芋(つくねいも)といった品種が「山芋(大和芋)」として売られていることが多いようです。

そのため、父がよくスーパーで購入して来たものは山芋じゃないと嘆くのです。

田舎育ちの父は山でよく自然薯を採っては食べていたので、その味が懐かしいようです。

父の中では、山芋と言ったら自然薯ということなのです。

そんなところからも分かるように、それぞれに違う特徴があります。
では、それぞれ見て行きましょう。

長芋(ナガイモ)

筒状の長い山芋で、私達が一番よく目にするタイプですね。

他の山芋よりも水分が多く、すりおろした場合はサラサラとして粘りも少なめです。

味は淡白で、サクサクとした食感が特徴です。

銀杏芋(イチョウイモ)

イチョウイモ

その姿がイチョウの葉っぱに似ているから銀杏芋と呼ばれています。

手を広げたようにも見えることから手芋(テイモ)とも呼ばれることもあります。

また、手の平(掌)という漢字から、仏掌芋(ブッチョウイモ)という別名もあるとか。

このように地域によっていくつもの呼ばれ方をする銀杏芋ですが、関東地方では一般的に大和芋と呼ばれます。

長芋よりも粘りが強く濃厚な味わいです

すりおろすと箸で掴めるくらい強い粘りが特徴です。

捏芋(ツクネイモ)

直径10cm程度の大きさで凹凸があり、見た目は石ころのようなお芋です。
産地によって形や色に変化があるのも特徴のひとつです。

銀杏芋よりも更に粘りが強く、芋の味も濃厚です

自然薯(ジネンジョ)

自然薯

全国各地の山に自生しているものを指します。

そのため希少価値が高く、お値段もお手頃とはいえませんね。

自然の環境で育つため、1m近くある細長い棒状で、真っ直ぐなもの程高価とされています。

味もとても濃厚で、粘りの強さも一番だと言えるかもしれません。

大薯(ダイジョ)

中国のヤマイモの仲間で、大きいものなら10kg以上にもなるといいます。

日本国内では九州地方で栽培されていて、九州地方ではこちらを「ツクネイモ」と呼びます。ちょっと紛らわしいですね。

すりおろした時の粘りは非常に強く、味わいも濃厚だといいます。

 

中が白いものとムラサキ色のものがあるそうで、ピンクに近いムラサキ色のきれいなとろろが作れるとか。
お祝いのお料理にも役立ちそうですね。

ヤマイモの栄養価について

ヤマイモは近年、台湾やアメリカでの健康志向ブームで注目されています。

では、ヤマイモの栄養価をみていきましょう。

※ナガイモも栄養価にほとんど差はありません。

ヤマイモは栄養価が高く、亜鉛・カリウム・鉄などのミネラル成分が豊富で、さらに女性に嬉しいビタミンB群・ビタミンCも含まれています。

さらに食物繊維やアミラーゼやジアスターゼなどの消化酵素、粘膜の保護など、病気の予防にもつながるとされるぬめり成分も含まれており、大きな健康効果が期待できます。

ぬめり成分

ヌルヌルした粘りには、アミラーゼ、ジアスターゼなどの消化酵素がダイコンの3倍も含まれてるといいます。

これらはでんぷんの消化吸収を助け、胃腸の働きを活発にするため、病後などの体力が落ちているときに最適です。

また粘り成分のムチンは、胃の粘膜を保護し、体内でたんぱく質を効率よく活用させる作用があるので、滋養強壮や疲労回復に有効的といわれています。

新陳代謝や細胞の増殖機能を活発にする効果もあるため、老化を防ぎ、肌を若く保つことが出来ます。

それに加え、血糖値を下げる作用もあり、糖尿病や高脂血症予防にも役立ちます。

消化酵素は、熱に弱く、水に溶けやすい特徴があるため、熱を通さず生で食べたほうが効率よく摂取できます

炭水化物

ヤマイモには豊富に炭水化物が含まれています。

炭水化物は3大栄養素の1つと言われ、体や脳の大事なエネルギー源となり、体を作る大切な栄養素です。

ビタミンB群

ヤマイモには、ビタミンB群やアルギニン、サポニンやコリンなどが含まれるため、たんぱく質の分解を助け、高い疲労回復効果が期待できます。

ヤマイモ100gに含まれるビタミンB群の量は0.42mg。

滋養がつく食べ物として知られているのは、この効果のためかもしれませんね。

タンパク質

ヤマイモには「ディオスコリン」というタンパク質成分が含まれており、

これには

  • Aソ連型
  • A香港型
  • B型

これらのインフルエンザウィルスの活性を抑える効果があることがわかっています。

食べ方

すりおろして「とろろ」にする料理が代表的ですが、ヤマイモは生で食べられる世界でも珍しいお芋です。

長芋(ナガイモ)

長芋は水分が多く、粘りが少ないため、とろろにはあまり向いていません。

サラダや和え物に使うと、サクサクとした触感がアクセントになります。

ただ、好みですのでサラサラっとした食感がお好きな方もいますね。

銀杏芋(イチョウイモ)

粘りが強く、なめらかな触感なため「とろろ」に最適で、『とろろいも』とも呼ばれます。

捏芋(ツクネイモ)

粘りが強く、濃厚な食感が特徴です。

とろろとしても良いのですが、高級料理の食材として重宝されていて、薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)などと言った和菓子の原料としても使われます。

自然薯(じねんじょ)

非常に粘りが強いのが特徴ですので、すりおろして食べるのに適しています。

山かけや、だしを加えたとろろ汁にぴったりです。

大薯(ダイジョ)

基本的に他のヤマノイモ類と同じに使えます。

しかし、皮が比較的厚いので、剥いてから切るかおろす方が良いです。

 

ポイント
中には、アクが強く、摩り下ろしたりすると変色しやすいものがあります。

味に問題があるわけではないのでそのまま食べられますが、気になる方は皮をむいたあと、10分程度酢水にさらしておくと、酸化して変色するのを防ぐことができます。

加熱して食べる場合

主成分であるでんぷんに熱が加わると食感が変わって、味わいがさらに豊かになります。

輪切りにしてソテーや炒め煮にするほか、ステーキなどの焼き料理にも最適です。

すりおろしたものを加熱すると、とろみのある食感がふわふわ、モチモチに変わり、風味もアップします。

グラタンや落とし揚げにすれば、やわらかな食感が主役のおかずになります。

お好み焼きのつなぎとして利用すると、カロリーも抑えられヘルシーですね。

保存方法

長芋は購入してから比較的、長持ちする食材です。

傷んだ所を切り落とせば問題なく食べることができます。

それに比べ、自然薯の場合は時間が経つと粘り気が無くなってしまいますのでご注意を。

手がかゆくなる


ヤマイモを調理すると、手がかゆくなってしまうことがありますね。

これは、ヤマイモに含まれるシュウ酸ナトリウムという針状に結晶した成分だと考えられます。

そのトゲトゲとした結晶が肌に付着するため、痛痒くなるのだそうです。

シュウ酸ナトリウムはアルカリ性なので、かゆい部分にお酢やレモン汁などを塗ると中和され、かゆみが緩和されます。

また熱に弱いという特徴もあり、温水に溶けやすいことから、かゆいところをお湯に浸けると、早くかゆみが引くことがあるそうですよ。

かゆみがでた際は、ぜひ試してみてくださいね。

まとめ

  • 山芋と長芋は、実は同じ『ヤマノイモ科ヤマノイモ属』に分類される
  • 食用としているヤマノイモ科ヤマノイモ属は、ヤマノイモ・ナガイモ・ヤムに分類され、この3つをまとめて『ヤマノイモ科ヤマノイモ属』と言うのが一般的
  • ヤマノイモは、「自然薯(じねんじょ)」、ナガイモは「長芋」を、ヤムは「大薯(ダイジョ)」を指す
  • 芋の形によって名称が変わる、銀杏芋(いちょういも)や捏芋(つくねいも)も「ナガイモ」に分類される
  • 長芋(ナガイモ)は水分が多く、味は淡白で、サクサクとした食感が特徴
  • 自然薯(ジネンジョ)は、山に自生しているものを指し、希少価値が高く、とても濃厚な味わいで、粘りの強さも一番だと言えるかもしれません
  • ヤマイモは栄養価が高く、ミネラル成分が豊富で、ビタミンB群・ビタミンCも含まれています
  • ヌルヌルした粘りには、消化酵素がダイコンの3倍も含まれ胃腸の働きを活発にしてくれる
  • 長芋は水分が多く、粘りが少ないため、とろろには向きませんが、サラダや和え物に使うと、サクサクとした触感がアクセントになる
  • 自然薯は、非常に粘りが強いのが特徴ですので、すりおろして食べるのに適している
  • 10分程度酢水にさらしておくと、酸化して変色するのを防ぐことができる
  • 主成分であるでんぷんに熱が加わると食感が変わって、味わいがさらに豊かになる
  • 長芋は比較的、長持ちする食材ですが、自然薯の場合は時間が経つと粘り気が無くなってしまうので注意
  • ヤマイモを調理中に、手がかゆくなってしまったら、かゆい部分にお酢やレモン汁などを塗ると中和され、かゆみが緩和される

いかがでしたか。

山芋と長芋と言っても、それぞれに特徴があり、使用するお料理にも適する、適さないなどがあることにも驚きですよね。

スーパーで購入する際などは、この記事を思い出していただけたら幸いです。