加工食品に使われる人工甘味料の中で、一番名前が知られているといえばキシリトールではないでしょうか?

特に「キシリトールガム」はすっかりおなじみですね。

ただし、ガムに含まれている添加物の中には安全性が疑われている種類もありますがキシリトールは問題ないのでしょうか?

またキシリトールといえば「虫歯予防」で有名ですが、市販のキシリトールガムを食べることで本当に虫歯に効果があるのでしょうか?

今回は人工甘味料キシリトールについて詳しく紹介します。

キシリトールとは?その安全性について

キシリトールトウモロコシ白樺などに含まれている「キシロ―ス」という糖質から作られていて、いちごほうれん草キノコ類など天然の植物にも含まれています。

つまり天然の甘味料です。

甘味料にも種類があり、大きく分けると「糖質性甘味料」と「非糖質性甘味料」の2つがあります。

非糖質性甘味料う蝕(=虫歯)にはなりません。

一方「糖質性甘味料」は虫歯の原因になるものが多いですが、糖質性甘味料の中でも糖アルコールだけは虫歯の原因となりません。

キシリトール糖アルコールの一種ですので、砂糖と同程度の甘さがありますが、摂取しても虫歯にはなりません。

またカロリーは他の人口甘味料と比べれば高いですが砂糖よりは低いです。

  • キシリトールのカロリーは1g約3kcal
  • 砂糖のカロリーは1g約3.8kcal

ではこのキシリトールは安全な甘味料なのでしょうか?

キシリトールが安全な理由

キシリトール天然由来の甘味料であることからWHO(国際保健機関)も安全であると評価をしています。

その他FDA(米食品医薬局)やFAO(国連食糧農業機関)も認可を出していますし、もちろん日本の厚生労働省も認めています。

また一般的に人工甘味料については使用量が定めされている種類も多いですが、キシリトールは安全性の高さから使用限度もありません。

そしてアメリカのFDAは人体に悪影響がでないように種類によっては人工甘味料の1日の摂取量を制限していますが、キシリトールは「安全性が高い」と判断し摂取制限がありません。

このようにキシリトールは安全だと主張する人が多いですが、一部で危険性を訴える人もいます。

キシリトールが危険だと主張する人の理由

いちごやほうれん草から取れる天然のキシリトールは安全です。

ただし、キシリトールは砂糖の10倍の価格で、他の人工甘味料よりも高いため、ガムなどに使用されるキシリトールはいちごやほうれん草からではなく、大量生産されれるコーン(トウモロコシ)のデンプンから作られることが多いです。

いちごなどと同じようにコーンも天然だから安心」と思うかもしれません。

ですがガムのキシリトールの原料で使用されるコーンはほぼ100%海外産です。

では海外のコーンの何が問題なのかというと、外国産で日本に輸入されているコーンのほとんどは遺伝子組み換え作物です。

また農薬を大量に使用したり、輸出の際の殺虫剤・防かび剤などのポストハーベストの問題もあります。

遺伝子組み換え作物が危険か安全なのかは専門家でも意見が分かれているので危険だとは言い切れないですが、表示を義務付けている以上安全とも言い切れません。

遺伝子組み換え作物は絶対、またはできるだけ避けたいという人にはキシリトールガムはすすめませんし、天然の作物から抽出された物だから安全と思う人には気にせずに食べれば良いと思います。

副作用としては過剰摂取の場合お腹がゆるくなり下痢になる可能性があります。

キシリトールを犬に与えてはいけない理由

また、キシリトールは犬には与えてはいけない成分です。

犬がキシリトールを摂取するとインスリンの分泌を促進して、場合によっては肝障害を起こし、生命に危険を及ぶ場合があるので注意しましょう。

ではキシリトールガムは本当に虫歯予防の効果があるのでしょうか?

キシリトールの虫歯予防効果について

一般的な市販のガムをかむだけでも虫歯予防になります。

ガムをかむことでだ液が大量に分泌されますが、だ液は虫歯予防に大きな効果があります。

また最近の子どもは昔と比べると、やわらかくてあまりかむ必要のない食事が多くなっている傾向にあります。

そのため、あごや歯でかむ力が弱くなってきていますが、ガムをかむことでこれらが解消されますし口臭予防にもなります。

ですが一般的な甘いガムは虫歯予防の効果はほとんどありません

コンビニやスーパーで販売されている市販のガムにはほぼ100%糖類が入っています。

糖類は虫歯の栄養になるので、だ液を増やしても糖類が含まれていればそれほど虫歯予防の効果は期待できません。

ではキシリトールガムであれば虫歯予防に効果があるのでしょうか?

キシリトールが虫歯に有効と言われる理由は

①甘いため唾液の分泌を刺激します。

甘いのは砂糖でも一緒ですが、キシリトール非発酵性で砂糖のように口の中に酸を作らないため、唾液の作用がより効果的です。

②キシリトールは酸に変化せず、虫歯の原因となるミュータンス菌の成長を妨げ、その働きを遅らせます。

③だ液中のリン酸カルシウムを安定させて、歯からカルシウムが抜け出るのを防ぐ=歯を丈夫に保つ。

といった理由が挙げられます。

このような理由から「普通のガムよりもキシリトールガムの方が虫歯効果がある」と一般的に思われていますが、「実はそれほど虫歯予防の効果はない」と言われています。

市販のキシリトールガムに虫歯効果が無い理由

キシリトールには虫歯予防の効果があるのですが、市販のキシリトールガムの原材料から判断するとほとんど効果は期待できません。

キシリトールガムの正しい選び方

市販のキシリトールガムの問題点は

①糖質がたくさん含まれている

いくらキシリトールが含まれていても糖質が含まれていては虫歯予防効果が半減します。

キシリトールは甘味料なので他の糖質は必要ないのですが、原料がコーンでも他と比べると価格が高くなってしまうので、たくさんは使用できません。

その代わり価格が安い人工甘味料である

  • アスパルテーム
  • スクラロース
  • アセスルファムK

を使用しているキシリトールガムがほとんどです。

これらの人工甘味料は「カロリーゼロ」「カロリーオフ」と名前がつく加工食品や飲料に使用されることが多いですが、使用量や摂取量に制限があり、摂取をあまりおすすめしたくない甘味料です。

もちろん国が条件付きではありますが使用を認めている甘味料ですし、メーカーは使用基準を守っているので多少であれば問題ないのかもしれませんが、最近では多くの加工食品に使用されているので、知らないうちにかなりの量を摂取している可能性があります。

②キシリトールの含有量

実はガムのキシリトール含有量は90~100%でないと虫歯予防に効果がないと言われています。

スーパーやコンビニなどで売っているキシリトールガムは含有量が30~70%の商品がほとんどです。

本来、「キシリトールは1日5gを継続的に摂取しないと効果がない」と言われてます。

100%キシリトールガムでも1粒(枚)に含まれているキシリトールは約1.3gと言われています。

となると100%キシリトールガムで4枚以上はかむ必要があり50%の場合は8粒以上になるのでとても非効率ですね。

そしてキシリトールが30~70%位のガムは他の糖質や危険性の高い人工甘味料を使用しているので、やはり市販のキシリトールは虫歯予防効果も低く、健康的にもおすすめはできません。

ではどのようなキシリトールガムがおすすめかというと、キシリトールが90%以上含まれているガムで糖類0(ゼロ)と書いてある商品をおすすめします。

キシリトール100%ガム

このようなキシリトール100%のガムは歯医者さんで販売しているところが多いですが、歯医者にほどんど行かないと言う人はアマゾンや楽天などで購入することができます。

ただし、100%キシリトールガムは市販のものよりも価格が高いのですが、虫歯になって歯医者にかかるお金と比べると安いで多少の出費は仕方がないと思われます。

キシリトール100%ガム(アマゾン)

購入された場合は3か月は試してみてくださいね。

まとめ

キシリトールいちごほうれん草にも含まれている天然の甘味料なので安全な成分です。

ですが、キシリトールガムなど加工食品に使用してるのは遺伝子組み換えのコーンを利用しているので、全く危険性がないとは言い切れません。

ただし、市販のキシリトールガムキシリトールの含有量が少ないのと、砂糖や危険性が高いと疑われている人工甘味料が含まれているので、効果も期待できずおすすめできません。

もし虫歯予防のためにキシリトールガムを購入するのであれば、キシリトール以外の糖質がゼロで、キシリトール90%以上のものを選びましょう。

フランスではキシリトールが多く含まれているいちごで歯を磨くのが流行っていると言われています。

歯の健康のためにも天然のものからキシリトールを摂ってくださいね。