スーパーなどの果物コーナーで見かける
- いちご
- メロン
- スイカ
これらの甘くておいしい食べ物は全て果物だと思いますよね。
ですが、実は農林水産省ではこの３つの果物を野菜に分類されているのです。
ではなぜお店では果物のコーナーに置いてあったり、果物の本でもいちごなどが果物として紹介されているのでしょうか？
果物と野菜に定義はあるのかなど、違いについて詳しく紹介します。
いちご・メロン・スイカは果物？それとも野菜？
一般的に
- 果物：甘くておいしいもの
- 野菜：味はないが栄養価が高い
というイメージからすると、いちごやメロン、スイカはミカンやリンゴと同じように果物だと思いますよね。
ただ、先ほど紹介したように、なぜか野菜に分類されています。
ですがお店で果物のコーナーに置いてあるのはなぜでしょうか？
果物と野菜の違いや定義について
実は「果物（果実）と野菜の分類については、はっきりした定義はありません。」と農林水産省のホームページで公表しています。
野菜か果物に分類するかは、国によっても違い、日本でも生産・流通・消費などの分野で分類の仕方が異なるものもあるのです。
農林水産省では、いちご、メロン、すいかなどは野菜に分類されますが、果実的な利用をすることから果実的野菜（果菜）として扱っています
つまり果物（果実）と野菜どちらの意味も含まれているということです。
また、園芸学的には、
- １年生および多年生の草本になる実は「野菜」
- 永年生の樹木になる実は「果物」
と決まっています。
これから判断すると
- スイカとメロンは1年生果菜（野菜）
- いちごは多年生果菜（野菜）
となるので、どちらも分類上は野菜となります。
つまり、
- 樹にできるミカンやリンゴは果物
- 田畑で作られるいちごやスイカ、メロンは野菜
となります。
このように、分類上は野菜に分けられますが、市場の分け方は消費者の側にたって、消費される形態に合わせて分類しています。
青果市場ではいちごやスイカ、メロンは果物として扱われていますし、お店でもデザートとして食べるいちごやスイカ、メロンは果物コーナーに並びますね。
普段から果物として見ているので、野菜と言われても、なんかしっくりこないですね。
いちごやスイカ、メロンは何科の植物？
- いちごはバラ科
- メロンとスイカはウリ科
です。
いちご以外のバラ科の植物は
[su_box title=”バラ科の主な植物” style=”bubbles” box_color=”#fd6950″ title_color=”#161313″] リンゴ、モモ、サクランボ、洋ナシ、ナシ、スモモ、アンズ、ウメ、ビワなど[/su_box]
スイカとメロン以外のウリ科の植物は
[su_box title=”ウリ科の主な植物” style=”bubbles” box_color=”#98fd50″ title_color=”#161313″]かぼちゃ・ゴーヤ・キュウリ・カラスウリ・ヘチマ・ズッキーニ[/su_box]
これを見るとバラ科は全部果物で、ウリ科は全部野菜ですね。
実際にバラ科やウリ科の植物アレルギーという人は同じ科の食べ物が全てダメという場合もありますので気をつけましょう。
いちごの表面のツブツブは種？それとも
いちごに関してはもう一つ勘違いをしている人が多いことがあります。
いちごの表面に多くあるブツブツを種と思っている人が多いのではないでしょうか？
実はあのツブツブは種ではなく果実です。
痩果（そうか）と呼ばれ、果肉のない果実のことを言います。
通常イチゴの”果肉”と思われている赤い部分は花の中心（茎の先）である花托（かたく）が肥大化したものであり、定義から言うと果肉ではありません。
本物の果実ではないということで偽果とも呼ばれます。
では「種はどこにある？」と思うかもしれません。
種はツブツブの果実の中に入っています。
そのためツブツブからイチゴを栽培することはできますが時間がかかるため、一般的にはランナーと呼ばれる株を植えて栽培します。
いちごはビタミンCが豊富で、アントシアニンというポリフェノールやペクチンという食物繊維が豊富な食べ物です。
また糖質が少なく、果物の中でも太りにくい食べ物のひとつです。
ぜひ健康維持や美容、そしてダイエットにもやさしいいちごを旬である冬の時期にたくさん食べましょう。
まとめ
農林水産省では果物と野菜の定義についてハッキリとした定義はありません。
と公表しています。
一応
- 田畑に栽培されること
- 副食物であること⇔主食（米やパン）
- 加工を前提としないこと
- 草本性であること
特性を持つ植物が野菜とされていますが、どの定義も確固たるものではないとされています。
この条件だけを見るといちごやスイカ、メロンは野菜とはなりますが、お店ではデザートとして果物と一緒に置いていますので、「〇〇は野菜だ！いや果物だ！」と議論するまでのものではありません。
私たち消費者からすれば、甘くておいしければどちらでも良いですね。
またいちごの小さいツブツブも種ではなく果実ですが、果肉がなく、その中に種も入っているので、これも食べる側からすればどちらでも構わない問題です。
もし今後いちごやメロンが話題になったら、
「一応野菜の条件を満たしているけど、野菜や果物の定義はハッキリしていないって農林水産省が言っているよ」
と、とうの昔から知ってたように言ってみましょう。
そして「いちごのつぶつぶって種じゃないって知ってる？」と質問してみてください。
もしかするとあたなは賢い人だと思われるかもしれませんよ。
