特選しょう油

スーパーのしょう油売り場に行くと本当にたくさんの種類があって、どれを選べばよいのか迷ってしまいますよね。

普通のしょう油以外にも「特選」や「超特選」、「丸大豆」に、最近では「生しょう油」も出てきました。

さらにしょう油とは呼びたくない「しょう油風味調味料(新式醸造しょう油)」という特売のしょう油もあります。

今回は

  • 普通のしょう油と特選や超特選の違い
  • 丸大豆しょう油との違い
  • 生しょう油との違いと生揚しょう油とは?
  • しょう油の種類ごとに合う料理や食べ物

などしょう油について詳しく紹介します。

今までは価格や量で選んでいた人も、これを読んで中身を理解してから買いましょう!

普通のしょう油と「特選」や「超特選」しょう油の違いについて

しょう油の原料と製造方法

まず特選や超特選の違いを知るにはしょう油の原料や製造方法を理解していたほうがわかりやすいので簡単に説明します。

実はしょう油の原材料は「普通のしょう油」と「特選・超特選には違いがなく、

  • 大豆
  • 小麦
  • 麹菌

この4つです。

そして製造工程は

①大豆・小麦・麹菌を混ぜてしょう油麹を造る

②塩水を混ぜてもろみを造る

③もろみを約1年間熟成させる

④もろみをしぼる

これでほぼしょう油の完成ですが、最後の工程で「塩水を入れる」ことで、しょう油のうま味成分であるアミノ酸の量によって種類が決まります。

アミノ酸の量が少ない順から

  • 標準しょう油
  • 特選しょう油
  • 超特選しょう油

となっています。

つまり同じしょう油1リットルでも

  • 塩水が多くてうま味成分(アミノ酸)の量が少ないのが「普通のしょう油
  • 塩水が少なくてうま味成分の量が多いのが「特選しょう油
  • 塩水がほとんど入っていなくて、特選よりもうま味成分の量が多いのが「超特選しょう油

と分けられます。

しょう油のラベルにはJAS(日本農林規格)マークがついていて、

アミノ酸の量により

  • 標準(アミノ酸の量が全体の1.5%)
  • 上級
  • 特級

と表示されています。
(下に行くほど多くアミノ酸が含まれている)

しょう油特級

 

そして最上級の「特級」の中でも

アミノ酸が標準より1割以上多いのは「特選

2割以上多い物は「超特選」と名乗ることができます。

ただアミノ酸の量が多ければ「超特選」になるといってもアミノ酸を後付けで増やしたりすることも可能なので、

官能検査(味・色・香りを実際に人が検査する)をして承認されてから、しょう油のラベルに「特級」や「特選・超特選」と記載することができます。

また普通のしょう油と特選しょう油の味ですが、塩水の量は普通のしょう油の方が多いものの塩分の量は同じです。

ただ味はうま味成分(アミノ酸)の量が多い特選の方がマイルドに感じるので、普通のしょう油の方がしょっぱく感じます。

普通のしょう油と丸大豆しょうの違いは?

丸大豆しょう油はその名の通り「丸大豆(そのままの大豆)」が原料のしょう油です。

「普通のしょう油も丸大豆ではないの?」と思うかもしれませんが、

普通のしょう油には「脱脂加工大豆」が使用されています。

脱脂加工大豆とは油をしぼった残りの大豆のこと

丸大豆は長い熟成過程で油がグリセリンとなって醤油の中に溶け込んでいき、まろやかな風味と深いコクを生み出します。

ですが大豆に含まれている油の多くは圧搾した際に、しょう油と分離されて破棄されます。

この油の処理が結構大変なのですが、丸大豆しょう油を造っているメーカーはこだわりを持って作っているところが多いです。

脱脂加工大豆であれば油の処理の手間がないので扱いやすいため、販売されているしょう油の8割以上が脱脂加工大豆です。

脱脂加工大豆は悪いイメージがありますが、丸大豆より加工しやすいということで価格が安くなります。

また、油をとるときに組織が壊れているので麹菌の酵素で分解されやすく、丸大豆と比べて

  • 「うまみの強いしょう油になる」
  • 「香りが強くてコクがあるしょう油らしいしょう油」

という特徴が脱脂加工大豆が原料のしょう油にはあります。

そのため脱脂加工大豆は安いからマズイというのは当てはまりません。

丸大豆でも脱脂加工大豆でもおいしいしょう油もあれば、イマイチなしょう油もあります。

生しょう油との違いと生揚醤油とは?

通常のしょう油は製造過程で加熱をしますが、生しょう油はマイクロフィルターを使って酵母菌などをろ過で取り除きます。

生という言葉から発酵しているしょう油というイメージを持つかもしれませんが、酵母菌が入っていないので、発酵はしません。

では酵母菌が入っていて、発酵するしょう油はないのかというと実はあります。

生揚げ(きあげ)」または「生揚しょう油」と言いますが、これはJAS法の中では「しょう油」とは別物として扱われています。

これは賞味期限が一般的なしょう油と比べると短いため別にしています。

ですがこれが本来の「生しょう油」という感じがしますね。

非常に珍しいので価格も高いですが、本当においしいのでぜひ一度試してもらいたいです。

食べ物や料理に合わせてしょう油を使い分けよう!

しょう油を利用する料理や食べ物はたくさんありますが、全部一つのしょう油を使っていますか?

実はしょう油の種類によってかける食べ物や料理が違います。

①普通のしょう油で脱脂加工大豆が原料のしょう油

塩味が強く、香りが強くてコクがあるので、味付けしたい煮物や野菜炒めなどに合います。

②特選の丸大豆しょう油

丸大豆しょうゆは特選のものが多いですが、塩味が弱く、大豆に含まれる油によりマイルドな味わいです。

さらにまろやかで甘みがあり、重厚感もあるのでたっぷりまとわせるように使います。

ステーキや刺身、冷ややっこなど素材を味わう時に使う

③生しょう油

香りが弱いですが、甘くてフレッシュな生しょう油は卵かけごはんや大根おろしに合います。

ぜひ料理や食べ物によって使い分けてみてくださいね。

しょう油の正しい選び方とおすすめ品

今まで紹介したように

普通のしょう油と特選しょう油がありますが、多少高くても、よりおいしいものを選びたいという場合は、うま味成分のアミノ酸の量が多い、「特選」や「超特選」を選びましょう。

生しょう油に関しては加熱をしていませんが、酵母菌は取り除いているので発酵食品ではあるものの、他のしょう油と同じように商品になった時点では発酵はしていません。

ですが、規格はしょう油ではないものの、酵母菌が生きていて発酵しているのが「生揚げ(きあげ)」または「生揚しょう油」と言います。

これが究極のしょう油ではないでしょうか。

普通のしょう油や特選しょう油はスーパーで普通に手に入るので、ここでは「生揚げ(しょう油)」を紹介します。

おすすめ①

「弓削田吟醸生しょう油」

  • 大豆の国内消費量の約0.018%しかない有機JAS認証大豆
  • 小麦の国内消費量の0.009%しかない有機JAS認証小麦を使用
  • 明治時代より使われている杉製の木桶の中で5年以上かけてゆっくりと自然に醗酵・熟成させた

というこだわりのしょう油です。

もちろん生揚げなので、一般的なしょう油とは違い発酵しています。

これぞ究極の生しょう油ですね。l

国産自然塩と国産有機原料で作った無殺菌・成分無調整の生揚げ醤油  吟醸純生しょうゆ360ml【弓削多醤油】

おすすめ②

海の精国産有機生しぼりしょう油

国産有機大豆と小麦100%。日本の伝統的な製法(天然醸造法)にこだわった”生”醤油です。

生専用の濃厚なもろみを圧搾し、火入れ(加熱処理)をせず”生”のままビンに詰めている生しょう油なので、乳酸菌や酵母と酵素が生きています。

海の精 海の精国産有機生しぼり醤油 500ml

まとめ

普通のしょう油と特選しょう油の違いはうま味成分のアミノ産の量できまり、特選そして超特選となるほどアミノ酸の量が多いです。

普通のしょう油の方が塩水の使用量が多く薄めているため価格がやすいです。

特選の方がマイルドな味わいですが、塩分の量は普通のしょう油と変わりありません。

原料の丸大豆と脱脂加工大豆との違いは

丸大豆は大豆そのものを使用したもので、大豆に含まれる油がグリセリンとなって醤油の中に溶け込んでいき、まろやかな風味と深いコクがあります。

脱脂加工大豆は油を抜いたもので加工がしやすいので価格を安く設定できるだけでなく、香りやうまみが強くてコクのあるしょう油です。

また生しょう油は火入れ(加熱)をしていないしょう油ですが、ろ過をするときに酵母菌もなくなるので、発酵はしていません。

一方で実際にはしょう油の規格ではありませんが(正式には生揚げ)酵母菌や酵素が生きている生しょう油があります。

これぞ究極のしょう油です。

おいしい新鮮な刺身を食べるときは、やはりしょう油もこだわってみてはいかがでしょうか。