マーガリンバターは見た目がとても似ていますが、どのような違いがあるのかわかりますか?

また、「マーガリンとバターはどちらが健康に良いのか?」という記事を見かけることもありますが、

  1. 適量の摂取であればどちらも健康に良い
  2. どちらも健康に悪く危険なので、おすすめできない
  3. 片方が健康に良くて、もう一方が健康に悪い

この3つのうちどれが正しいのでしょうか?

今回はマーガリンとバターの違いを健康面や危険性に注目しながら詳しく紹介します。

これを読んで、これからの食生活の参考にしてくださいね。

マーガリンとバターの違い!原料は何?

まず、マーガリンとバターは原料が違いますが、それぞれ何でできているのかわかりますか?

バターの原料は結構知っている人が多いと思いますが基本は「牛乳と食塩」です。

無塩バターですと牛乳(生乳)だけという商品もあります。

ではマーガリンはどうでしょうか?

マーガリンの裏面の原材料を見ると1番最初や2番目には

食用植物油脂」や「食用精製加工油脂」と表記されています。(含まれている量が多い順から記載するのがルールです)

食用植物油脂とはサラダ油のことです。

サラダ油は液状ですが、それを固めるために食用精製加工油脂を配合することで、適度な硬さにすることができます。

この食用精製加工油脂の原料は食用植物油脂(サラダ油)と同じ大豆油なたね油を使用することが多いです。

マーガリンとファットスプレッドとの違い

マーガリンに似たファットスプレッドという食べ物をご存知ですか?

パンにはやっぱりネオソフト!」というCMでおなじみですが、これはマーガリンではなくファットスプレッドと言います。

マーガリンファットスプレッドの原料は似ていて同じ「マーガリン類」ですが、JAS規格(日本農林規格)によって

  • マーガリン油脂含有率80%以上
  • ファットスプレッド油脂含有率80%未満

に分類されます。

ファットスプレッドマーガリンと比べると油分やカロリーが少なく、さらに風味原料(果実や果実加工品、チョコレートなど)を添加して風味をつけることが認められています。

買い物の時に「これはマーガリン?それともファットスプレッド?」と迷ったときは、商品のパッケージの裏面の「名称」の所を見ると、どちらかが書いてあるので、すぐにわかります。

このようにバターとマーガリンの違いは

バター動物性脂肪分飽和脂肪酸が多い」

マーガリンファットスプレッド植物性脂肪分不飽和脂肪酸が多い」

ということがわかりますね。

以前は「動物性脂肪分が多く含まれているバターが健康に悪い!」という声が多かったですが、最近では「植物性脂肪分が多いマーガリンの方が悪い」という声が強くなっています。

では、なぜマーガリンの方が危険性が高いと言われるのでしょうか?

マーガリンが危険と言われるのはトランス脂肪酸が原因?

以前は植物性で不飽和脂肪酸が多いマーガリンは健康に良いと言われ、バターより人気がありました。

そのマーガリンの人気が落ちてきた原因は「トランス脂肪酸」です。

実はトランス脂肪酸は自然界にも存在していてバターにも天然のトランス脂肪酸が含まれています。

ですが問題は工業的に作られたトランス脂肪酸です。

このトランス脂肪酸を摂りすぎると

  • 動脈硬化や心疾患のリスクを高める
  • ぜんそくやアトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー反応を引き起こす
  • 認知症やガンになる可能性を高める
  • 妊娠中や授乳期に摂り過ぎると赤ちゃんの成長が遅れる

などの報告があり、

アメリカをはじめ、欧米やアジアでもトランス脂肪酸を含む油脂製品が販売禁止やトランス脂肪酸の含有量の上限を定めたり、表示を義務づけている国が多いです。

ではトランス脂肪酸はどのような過程でできるのかというと

  • 植物油(サラダ油)を化学処理(水素添加)して固形(マーガリンやショートニングなど)にするとき
  • 植物油を高温で精製する際や脱臭の際
  • 油を高温で加熱する調理のとき

といったケースです。

このようにマーガリンを製造する過程でトランス脂肪酸が生じるため、

マーガリンは危険だ!

マーガリンは健康に悪い!

という声が高まってきたのですが、

では実際に、

  • トランス脂肪酸はどれくらいから過剰摂取になるのか?
  • マーガリンにはどれくらいトランス脂肪酸が含まれているのか?

といったところが気になりますね。

トランス脂肪酸の一日の摂取量の上限は?

農林水産省のホームページでは

トランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%未満とするよう勧告をしています。

日本人が一日に消費するエネルギーは平均で約1,900 kcalなので、平均的な活動量の場合には一人一日当たり約2グラム未満が目標量に相当します。

ではマーガリンにはどのくらいのトランス脂肪酸が含まれているのでしょうか?

マーガリンのトランス脂肪酸の含有量は?

これは商品によって差があります。

いくつか例を挙げると、

食パンに塗るマーガリンの量は1枚あたり約10gですが、その場合のトランス脂肪酸の量は

  • 小岩井マーガリン【醗酵バター入り】:0.068g
  • 小岩井マーガリン【ヘルシー芳醇仕立て】:0.039g
  • 明治コーンソフト(ファットスプレッド):0.1g

とそれほどでもありません。

各企業とも「マーガリンやファットスプレッドはトランス脂肪酸が多くて健康に悪い!」という声が高まり、トランス脂肪酸の量を減らすように努力しています。

明治コーンソフトは2009年時点では10gあたり、トランス脂肪酸が0.9gもありましたが、2018年には0.1gまで減りました。

明治によると、マーガリンはトランス脂肪酸を含む代表的食品としてあげられ、この問題が取りざたされるたびに消費が低迷、この5年で市場規模は100億円以上小さくなったといいます。

マーガリンよりも心配なトランス脂肪酸が含まれている食品

このように1日パン1枚に塗る程度であれば、マーガリンのトランス脂肪酸の心配はそれほどではないのですが、やり玉にあがっているのが不思議でなりません。

トランス脂肪酸が含まれている食品はたくさんありますし、マーガリンよりも心配したほうが良い食べ物もたくさんあります。

特に植物油脂(サラダ油)を使っている加工食品は微量でもトランス脂肪酸が含まれている可能性がたかく、

  • カップめんやインスタントラーメン
  • 冷凍食品
  • クッキーやチョコなどのお菓子やデザート
  • マヨネーズやドレッシング
  • ラクトアイス
  • コーヒーフレッシュ(ミルクといわれるもの)
  • 菓子パン

など多くの食べ物にふくまれています。

また揚げ物にも注意です。

コンビニやスーパー、ファーストフード、ファミリーレストランなどで使用される油はほぼ100%サラダ油です。

サラダ油にもトランス脂肪酸が含まれていますが、先ほども紹介したように油を高温で加熱する調理のときもトランス脂肪酸が発生します。

となると、

  • フライドポテト
  • 唐揚げやフライドチキン
  • とんかつ
  • コロッケやメンチカツ

など揚げ物には相当のトランス脂肪酸が含まれています。

どのくらいかというと、

フライドポテトMサイズ(135g)には4.55gのトランス脂肪酸が含まれています。

トランス脂肪酸の摂取量は1日2g未満ですから、これだけで2日以上の量になります。

また現在は日本では食品にトランス脂肪酸の含有量の表示義務はありませんが、山崎製パンなど一部でネットでトランス脂肪酸の量を開示している企業があります。

これはトランス脂肪酸を気にしている消費者からすればありがたい話ですね。

山崎製パンの商品で多いのは

大きなチョコチップメロンパン」で1個まるごと食べるとトランス脂肪酸を1.4g摂取してしまいます。

ほかにも人気の「まるごとバナナ」には0.7gトランス脂肪酸が含まれています。

もし1日でメロンパンとまるごとバナナを食べたらこれだけで2g超えてしまいます。

山崎製パンのように表示をしてもらえると選ぶ側もありがたいのですが、日本ではトランス脂肪酸の規制どころか、表示義務もありません。

それは「日本人はトランス脂肪酸の摂取量が少ないから」という訳のわからない理由のためです。

日本の食品安全委員会は1日当あたりのトランス脂肪酸の摂取量は平均1.56gとしていますが、いつの時代の話なのでしょうか?

これは一部の和食中心の人かベジタリアン、またはトランス脂肪酸をなるべく取らないようにしている人だけだと思われます。

トランス脂肪酸はマーガリンだけ気をつければ良いのではありません。

逆にマーガリンは今企業努力によってトランス脂肪酸が減ってきている食べ物です。

そのため、マーガリンに関してはそれほどトランス脂肪酸については心配しなくて良く、逆に揚げ物など多くトランス脂肪酸が含まれている食べ物に気をつける必要があります。

ではトランス脂肪酸がそれほど心配がなくなったマーガリンは健康に良いのでしょうか?

マーガリンは健康に良い?それとも悪い?

他の食べ物に比べればトランス脂肪酸の心配は少なくはなりましたが、だからといって健康に良いのかというと「はい!」とは
言いづらいです。

やはり原料の80%以上というのが油(ファットスプレッドでも半分近く)で、体に良い油であれば良いですが、安いマーガリンに高級な安全な油を使用することはできないですね。

基本は安いサラダ油です。

サラダ油は原料の植物に石油系溶剤をかけて脂肪分を溶出し、加熱処理をして油を精製し、科学的処理(脱臭、精製、漂白など)をして大量生産します。

この加熱処理する時にトランス脂肪酸が発生するのです。

そしてそれだけでなく高温で加熱することで原料の植物の栄養成分も失われたり、脳神経細胞を破壊する有毒物質が発生する場合もあります。

また原料の大豆なども無農薬の安全なものであれば良いのですがスーパーなどで売っている安いサラダ油はほぼ100%遺伝子組み換え食品です。

さらにそのサラダ油はオメガ6系脂肪酸のリノール酸が豊富に含まれています。

リノール酸は必須脂肪酸で食品から取り入れる必要があり、適量でれば健康や美容に良い効果をもたらせます。

ですが、サラダ油は植物油脂という名前を変えて、さまざな加工食品や揚げ物に含まれているだけでなく、大豆(納豆や豆腐、枝豆など)やナッツ、さらに肉や魚、白米などにも自然に含まれています。

つまりリノール酸を意識して摂ろうとしなくても、知らないうちに適量を摂取しているどころか、過剰摂取している場合が多いです。

リノール酸酸を過剰摂取すると様々な病気やアレルギー症状などの原因になると言われています。

このようにマーガリンはトランス脂肪酸よりもリノール酸が多いため、あまりおすすめできないのです。

ではバターは健康に良いのでしょうか?

バターは健康に良い?それとも悪い?

マーガリンとは反対に以前は飽和脂肪酸が多いので健康に悪いと言われていたバターですが、少しずつ評価が上がっています。

マーガリンの人気が落ちが原因のトランス脂肪酸は実はバターにも含まれていますが種類が違います。

マーガリンのトランス脂肪酸は植物性食用油の生成過程(水素添加)や加熱で生ずる人工的なものですが、バターのトランス脂肪酸天然のもので牛肉や牛乳、チーズにも含まれているものです。

天然トランス脂肪酸は安全か危険のどちらかというと以前は安全と言われていましたが、最近は人工的なトランス脂肪酸と同じで危険という報告もありはっきりしていないのが現状です。

ただし、バターの天然トランス脂肪酸の含有量は少なく、雪印の北海道バターで10g当たり0.17g程度です。

このバターの天然トランス脂肪酸が体に悪いとなると肉や牛乳、チーズも悪いとなってしまいますし、アメリカなど多くの国が規制しているトランス脂肪酸は天然のものではなく人工的なトランス脂肪酸を指しています。

ではバターは主に何でできているのでしょうか?

マーガリンは80%以上が植物油脂(サラダ油)でしたが、

バター80%以上乳脂肪です。

脂肪ということはバタ―も油の塊なんだ!」と思うかもしれません。

確かに乳脂肪の一種であり、牛乳に含まれている脂肪分のことです。

ただ脂肪というと太るイメージがありますが、乳脂肪は食用油脂の中でも最も消化吸収が良く効率的にエネルギ―に変えることができます。

またバターには飽和脂肪酸が多いと言われ、これが多くの病気を引き起こすと長年言われてきました。

そのためバターは「健康に悪い食べ物の代表」のような扱いを受けていたこともあり、飽和脂肪酸には摂取制限が必要だと言われてきました。

ですが最近の研究では2014年の英国ケンブリッジ大学のラジヴ・チョードゥリー博士らは、米国内科学会誌に、

「飽和脂肪酸の摂取制限を支持する必要なはない」と報告するなど反対の意見が出てくるようになりました。

もちろんこの見解には賛否両論があり、飽和脂肪酸も摂りすぎには注意が必要ですが、マーガリンやサラダ油と比べるとバターの評価はかなり回復しました。

さらにマーガリンやサラダ油は脂肪酸以外の栄養成分はほとんど含まれていませんが、

バターにはビタミンA(β‐カロテン)ビタミンEなども含まれている点も健康に良いと言われる理由です。

やはりマーガリンのように健康に良くないサラダ油を無理やり固めた食べ物よりも、牛乳が原料でその乳脂肪がメインでビタミンAなどの栄養成分が含まれているバターのほうが健康にはおすすめだと言えるでしょう。

まとめ

トランス脂肪酸の危険性が知られるようになってから、「マーガリンが危険」というイメージがついています。

ただマーガリンに含まれているトランス脂肪酸は企業努力もあり、以前と比べるとかなり少なくなっていて、マーガリンよりもたくさんトランス脂肪酸が含まれている食べ物が多いのに、なぜかマーガリンだけが悪者になっている感じがします。

ですがトランス脂肪酸よりも、マーガリンの原料の多くがサラダ油(植物性油脂)で占めているのが問題です。

サラダ油には不飽和脂肪酸オメガ6系脂肪酸の一種であるリノール酸が豊富に含まれています。

リノール酸はトランス脂肪酸のように危険な脂肪酸ではないものの、知らないうちに過剰摂取してしまう傾向にあり、これが健康被害を招く原因と言われています。

一方バターも80%以上は油で占めていますが、それは乳脂肪分で消化吸収が良いですし、ビタミンAやEなどの栄養成分も含まれています。

1日パンに1枚程度塗る程度でしたら、どちらでも問題ないかもしれません。

ですが、マーガリンは原料として、菓子パンやお菓子などにも含まれてる商品もあるので、意識しないで食べていることもあります。

パンに塗るのはできるだけマーガリンではなく、バターの方がおすすめです。

特に小さなお子さんはできるだけトランス脂肪酸の量を抑えたいので、バターを食べさせてあげてくださいね。